あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

[Ⅶ-18]<児童福祉・行政・司法、介護、育児>新聞事件簿。母子を取巻く環境

<神戸新聞>ずっと家族がほしかった ステップファミリー編(3)理想像夫婦は主将とマネジャー 子どもは親を見て育つ

 
 <神戸新聞>ずっと家族がほしかった ステップファミリー編(4)子どもの幸せ「何で離婚したん!」 娘が初めて声を荒らげた <神戸新聞>ずっと家族がほしかった ステップファミリー編 (2)母の代理切り刻まれた顔写真 初めて寂しさに触れた
「これからもよろしく」。重ねた手が家族を実感させる
 日付が変わるころ、洋一さん(44)と和子さん(44)は、いつものように日本茶で一息ついていた。上の四人が眠る奥の子ども部屋からは寝息が聞こえる。夫妻の会話は、中学三年の長女に移った。
  「学校の懇談会で、志望校に合格できそうか聞いたら、私立の併願を勧められたよ」「お父さんは、なんて答えたん?」「私立は考えていません。だめなら定時制ですと」「お父さんがいいなら私は賛成」
  この日、二人が床に就いたのは、午前二時だった。
  二〇〇二年、二人の子を連れて再婚した夫妻は、疲れていてもこうした時間を欠かさない。仕事やその日の出来事、しつけなど話題は尽きない。口論にもなるが、尾を引くことはない。
  「うちの両親を反面教師にしているんです。夫婦仲の悪い家族の中で育ったおれの苦労を子どもにはさせたくない」


  自営業の洋一さんの両親はけんかが絶えず、母親は同居する父方の祖母との折り合いにも苦労した。仕事が忙しかったこともあるが、家族で食事をしたり遊びに出掛けたりした思い出がほとんどない。

  昔かたぎの父から聞かされるのは母へのののしりで、母の口をついて出るのは父や祖母への恨みがましい言葉だった。
  そんな環境で育ったからだろうか。洋一さんは小学生のころ、テレビのホームドラマや同級生の普通の家族を目の当たりにして、混乱したことがあった。
  「うちの家族がおかしいんか」。やっとそんな確信が持てたのは、就職して職場の先輩の家に招かれたとき。先輩が妻の手作り料理を運び、わが子とたわむれる姿に、理想の家族像を重ね合わせた。
  急ぐように二十六歳で結婚したのは、相手への愛情よりも家族へのあこがれが勝っていたからかもしれない。二人の子に恵まれたが、ぬくもりある家庭には遠かった。妻はギャンブルに明け暮れ、子どもをほったらかしにして家を空けた。生活は八年で破たんした。
  家族とは何だろう。
  離婚が成立し、二人の子どもを連れて実家で暮らすうち、洋一さんはあらためて考えるようになった。
  三十五年以上連れ添った夫の悪口を言い、息子に「あんたがいたから離婚しなかったんや」と嘆く母。父も母も同じ屋根の下で暮らしながら、互いをいたわることがなかった。ただ不満を洋一さんに吐き出すだけだった。


  「夫婦が本音で何でも話し合い、信頼関係を築けなければ、家族は形だけだ」
  そんなとき、和子さんと出会った。
  「私にとって二人の子どもが一番」とはっきり告げる一方で、登校を嫌がる洋一さんの子を、和子さんは自転車に乗せて学校に送った。その姿に心を動かされた。仕事で忙しい洋一さんに代わって、子どもたちに手料理を食べさせてくれたこともあった。
  すべてを一人でしょい込んできた洋一さんにとって、肩の荷を下ろすような安堵(あんど)感。この人となら、一緒に家族を作っていける。もう一度信じてみようと思った。
  今、洋一さんは自信を持って家族観を語れる。
  「家族がひとつのチームだとしたら、自分と妻はキャプテンでありマネジャー。子どもは親の姿を見て育つ。『ステップファミリーでよかった』といつか言わせたい」

(坂口紘美)

2008/12/29



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