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[Ⅶ-18]<児童福祉・行政・司法、介護、育児>新聞事件簿。母子を取巻く環境

<神戸新聞>ずっと家族がほしかった(7)手作り新聞近況知らせ深まる仲

 
 <神戸新聞>ずっと家族がほしかった(8)命をつなぐ子どもたちに幸せを <神戸新聞>ずっと家族がほしかった(6)旅立ち届いたメールに笑顔
20年以上にわたって発行する家族新聞=三田市三輪
 「三輪(みわ)のたより」。地名や三世代のきずなから名付けた一枚刷りがある。
 三田市の梶久夫さん(69)、澄子さん(68)夫妻は、それを「家族新聞」と呼ぶ。
 手紙や電子メールで届いた親せきらの近況や梶家の出来事を、澄子さんが毎月B4判に書き込み、久夫さんが色鉛筆で仕上げる。
 「娘が結婚」「赤ちゃんが誕生」―。毎年十二月号は、各家庭の十大ニュースを特集する。
 きっかけは長男である久夫さんのきょうだいの仲たがいだった。ささいなことが亀裂になり、お盆や正月に集まる人数も減ってしまった。
 大人になっても、近所で評判になるほどの仲良しきょうだい。「このまま、ばらばらになってしまうのは嫌や」。悩む久夫さんに、澄子さんは手作り新聞を提案した。一九八六年四月の創刊号は、きょうだい六人の子どもたちの年齢や通う学校を紹介した。
 子どもの話題が、疎遠になっていたきょうだいを引き寄せた。お盆や正月、梶家に再びにぎわいが戻ってきた。


 〈今度来るのは、中学二年生です。よろしくお願いします〉
 施設で育った愛さん(19)=仮名=を家族の一員として迎え入れる際の記事だ。
 梶夫妻は、九二年から夏休みと冬休みに一週間ほど、児童養護施設などで暮らす子どもを預かる季節里親をしている。愛さんは六人目だ。
  二人の娘が独立したころ、里親を求める新聞記事を偶然目にした。家族の結び付きを何より大切にする久夫さんには、初めて知るつらすぎる現実だった。「この家が、この子たちにとって帰れる場所にならないか」。すぐに申し込んだ。
 長期で預かる養育里親や月一、二回、家庭に迎える週末里親ではなく、季節里親を選んだ。細くとも長く続ける。そう決意した。
 新しい里子が来るたびに、家族新聞で紹介する。縁あって出会った里子。正月やお盆に集まる親せきにも、自分の家族と同じように接してほしいからだ。
 〈みなさんから頂いたお年玉は大切に貯金しています。ありがとうございました〉(〇七年一月号)
 障害者支援施設で働く梶夫妻の二女が、五人目の里子の女子高校生を、職場に連れて行ったことがあった。
 〈マミねえの仕事についていきました。障害者の人たちと話をしたら、とっても楽しくなってきたのです〉(〇二年九月)
 里子だった女子高校生は社会人となって東京で暮らす。彼女は今もその障害者と文通を続け、夫妻に電話で近況を伝える。


 家族新聞は四月で二百五十四号を迎えた。この間、六家庭の十五人の子どもが成人。十四人がパートナーを得て、二十一人の孫が誕生した。発行部数も六部から二十部に増えた。
 月末の二百五十五号発行を前に、大阪の短大に進学した愛さんから原稿が届いた。
 「とにかくキャンパスが広い! 東門から正門まで普通に歩いて四、五分はかかる。(中略)いまだに地図がないと歩けません(笑)」
 「新しい生活、楽しんでるみたいやん」。屈託ない文章に夫妻のほおが緩んだ。
 今夏、また新たな子どもを迎えるつもりだ。新聞で伝える家族がまた増える。
 「一緒に喜んだり、悲しんだりできる。思いやりでつながれば家族になれるんです」

(坂口紘美)

2008/05/30



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