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[Ⅶ-10]<トラウマ・心の傷、後発性発達障害など含>新聞事件簿。当事者の苦しみ

<ダイヤモンド・オンライン>薬物よりも再発予防の効果あり 認知行動療法とパニック障害

 
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5月16日(月)5時30分配信

こんな症状が出たら要注意!
 ある日、息苦しさと動悸に襲われ「死んでしまう」と恐慌を来したRさん、47歳。心臓外科での検査は異常なし。しかしその後も発作は続き、不安のあまり外出できなくなった──。
 動悸や息切れ、気が遠くなるなどの身体感覚に対する破局的な恐怖と不安感が「パニック障害」の本態だ。性別にかかわらず、あらゆる年代で発症する可能性があり、中高年期に突発することも少なくはない。身体感覚に襲われるたびに「このまま死ぬのか」という恐怖で緊張が高まり、再発に怯えることでさらに不安感が募る。
 軽~中等症ではパニック発作となんとか折り合いをつけ、一見普通に社会生活を営む人もいる。しかし「発作を避けるための生活」に費やす心労は並大抵ではない。過呼吸のパニック発作に耐えながら朝礼をこなす管理職や、文字どおり決死の覚悟で満員電車に乗り続ける会社員は珍しくない。
 パニック発作の治療では一般に抗うつ薬や抗不安薬が使われるが、再発率が高いことが難点。一方この数年、注目されている認知行動療法(CBT)は薬物療法に匹敵する治療効果を持つ。特筆すべきは、治療中止後の再発率が薬物療法の4~9割に対し、CBTは2割以下と非常に有効である点だ。
 人間の反応は、1身体反応、2考え方(認知)、3感情、4行動の四つの側面からなり、相互に影響し合って成立している。したがって一つの側面を改善できれば、残る側面も良好に変化するはずだ。なかでも、ある程度コントロールできる考え方と行動に働きかけ、不快な感情を減らすアプローチがCBTの基本となる。
 パニック障害のCBTは、疾病について学ぶ心理教育と認知の再構成、そして「暴露」と呼ばれる3プログラムで構成される。認知の再構成では、本来恐ろしくはない状況や身体感覚を「恐ろしい」ととらえる認知のゆがみと、「このままでは死ぬ」という不健全な思考過程を正す試みが行われる。
 暴露は本人が怖がっている場面(電車や広場など)や身体感覚に心身をさらし「じつは大丈夫なのだ」という体験を積み重ねていく行動療法。たとえば、数秒間息をこらえて呼吸困難を再現しても、死なない自分を「発見」することが重要なターニングポイントになる。行動を通して認知のゆがみに気づき、さらに行動を改善することが深く継続的な効果を生むのだ。
 効果は実証ずみのCBTだが、日本では昨年度に保険収載されたばかり。現状では採算が合わず病院でも及び腰。受け手側のヒューマンサービスは無料という“認知”が変わらない限り、普及は難しいかもしれない。



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