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[Ⅶ-15]<カルト、新興宗教・思想への傾倒>新聞事件簿。心の危さにつけ込む

<月刊FACTA>[手嶋龍一式INTELLIGENC]「ブラック・スワン」福島の惨劇(上)

 
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5月12日(木)12時38分配信

 「黍(きび)や夏白菊がそこかしこに咲き誇っている。波布草(はぶそう)の群れは街の中心部からまるい円弧を描くように勢いよく蘇っていた。黒焦げの残骸の間に族生しているだけではない。煉瓦やアスファルト道の割れ目を縫って萌えだしている。これらの草花の種が核爆弾と一緒に播き散らされたかのようだ」
 核爆弾が人類の頭上に初めて炸裂した広島の惨状を現場から伝えたルポルタージュ『HIROSHIMA』の一節である。著者のアメリカ人ジャーナリスト、ジョン・ハーシーは、ウラン濃縮型の核爆弾「リトルボーイ」が投下され、放射能に塗れた街の表情を克明に描いている。その抑えた筆致が原爆の恐ろしさをかえって際立たせているのだろう。
 あの日から数えて66年目、「FUKUSHIMA」の上空にブラック・スワンが舞い降りた――と欧米のメディアは報じた。純白であるべき白鳥が漆黒の羽をまとって日本に出現したというのだ。起きてはならない不吉な出来事の隠喩としてブラック・スワンを福島原発の事故に重ね合わせたのである。

 福島原子力発電所は二酸化炭素を出さないよう環境に配慮し、IAEA(国際原子力機関)の査察を通じて核開発の疑いを払拭した優等生を自任してきた。大きな地震に見舞われても、幾重にも施されてきた安全装置が直ちに作動し、炉心溶融など決して起こらないと周辺住民を安心させてきた。
 だが、宮城沖で発生したマグニチュード9・0の巨大地震は、安全性の神話を完膚なきまでに破砕してしまった。電力会社も、原子力安全・保安院も、総理官邸も「いっさいは未曾有の災厄のゆえであり、事前の想定を遥かに超えるものだった」と釈明し、ブラック・スワンの出現は神の祟りと言わんばかりだった。
 だが「FUKUSHIMA」の惨劇は、事前の想定を超える事態のゆえではない。想定を超える事態に向きあおうとしなかったことで、被害は拡がっていったのである。核の時代を生きた語り部、アルバート・ウォルステッター博士は、まだ見ぬ危機に挑まなければならない者の心構えをこう諭している。

「想像すらできない事態を想定して危機に備えておけ」
 生まれるはずのないブラック・スワンに責めを負わせる日本のリーダーの無策が、福島原発の傷をここまで深くしてしまったのだ――核の時代の語り部ならこう断じただろう。
 先の世界大戦で米国は、原子のエネルギーを核兵器に仕立ててHIROSHIMAに閃光を浴びせかけた。戦後は原子力の平和利用の名のもとに原子力発電所が世界各地に建設されていった。だが今回の事故の内実が明らかになるにつれて、人類は「神の火」ともいうべき原子のエネルギーを果たして御していけるのかという疑念の声が持ち上がっている。
 いかなる大災害も初動の24時間が全てを決する。福島原発の事故もまた初日が運命の岐かれ目だった。原子炉の非常用電源が止まり、冷却装置が作動していないことが判った段階で、最大の危機管理体制が敷かれるべきだった。だが首相官邸も原子力安全・保安院も、クライシス・マネジメントを原発のオペレーターにすぎない東京電力に任せてしまった。致命的な判断の誤りと言っていい。

by 手嶋龍一(外交ジャーナリスト)

※下に続く
(月刊『FACTA』2011年5月号、4月20日発行)


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