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[Ⅶ-15]<カルト、新興宗教・思想への傾倒>新聞事件簿。心の危さにつけ込む

<SYNODOS JOURNAL> リスク認知のゆがみ方(1) 心の「重み付け」によって効率性が左右される

 
 <SYNODOS JOURNAL>リスク認知のゆがみ方(2) 考えすぎることも不幸につながる I. 災害後のこころの反応  神戸大学医学部小児科 中村肇
4月6日(水)14時37分配信

 福島第一原発は、記事執筆の現時点でも予断を許さない状態である。このような段階で人々のリスク認知のバイアスについて記事を書くと事後的には不適切になる可能性もあるが、それでも、救済を必要としている人々の状態が深刻である地震後5日の段階で、報道・一般の人々の会話は、あまりに原発事故に偏っていた(本記事の初出は3月16日)。
 原発が「事後的に」どうなるかとは独立に、リスク認知のバイアスについて考えることはそれなりに重要だ。なぜなら、私たちのリスク認知は、限られた資源の配分のあり方に直結するからである。リスク認知が不適切だと、私たちが作り出し提供する大事なお金や労働が、極めて非効率的に配分されてしまうことがある のだ。

◇心の「重み付け」によってゆがむリスク評価◇
 リスク認知のバイアスは、簡潔に言えばリスクについての「心理的重み付け」によって生じる。
 有名なのは行動経済学の知見で、それは「人間はリスクについて、利得についてはリスク回避的(貰えるものは利得が少なくても確実にもらう)であり、損失についてはリスク追及的(損失額が大きくとも確率が低ければリスクをとる)」といったものである。
 他方で、原発リスクといった事象については、心理学のリスク論の方がよく当てはまると言える。ごくごく簡単にいえば、以下のような場合に人々はリスクを高く見積もる傾向がある。

(1)リスク・ターゲットによるバイアス
 誰が損害をこうむるのかによって、リスク認知は大きく異なってくる。簡単にいえば、特に自分でコントロールしやすいリスク(喫煙など)については、一般人→ 家族→本人の順にリスク評価が高く見積もられる。つまり他人からみて危険な行為や習慣でも、当人は「平気だ」と思ってやってしまう。
 しかしこれは原発や温暖化などの、自分でコントロールしにくいリスクについてはあまりあてはまらない。

(2)リスクの種類によるバイアス
 いろいろあるが、イメージ的に「恐ろしい」リスクや、「反自然的」なリスクは、高く評価されやすい、という実証結果がある。「反自然的」というのは少しわかりにくいが、原発事故の損害はこういった要因によって高く見積もられると考えることもできよう。同様に、BSEや航空機事故のリスクが高く見積もられてしまうのも、こういった「心の重み付け」のクセによるものだ。
 バイアスの少ない、より客観的なリスクの計算は専門家がする必要があるが、ちょっとした材料があれば、一般人にも可能だ。たとえばBSEと、交通事故や(失業に起因する)自殺とで、実際に亡くなった人の数を比較する、などについては、必ずしも専門的知見が必須であるわけではない。もちろん健康被害についての見積もりにはより専門的な治験が必要になるだろうが。
 他方で専門家の方も、たとえば放射線量について「時間あたり◯◯マイクロシーベルト」といった客観的数値を公表する際には、日常的に人々がとっているリスク(レントゲン撮影や喫煙)などに「換算」した情報も同時に伝えることが、より冷静なリスク認知につながるといえる。
 ここで思い出してほしい。私たちは、震災や原発といった重大な事象によってはじめてリスクに直面しているのではなく、日常的に常にリスクをとって生活している。家から100メートル離れたところにあるコンビニに買い物にいくリスクは、もしかしたら重大な事件や災害によって被害を被るリスクとそれほど変わらないのかもしれない。しかし、えてして有限な報道の取材資源は、前者に大きく偏ってしまうものである。おそらく甚大な「二次災害」である経済問題についても、少なくとも現時点では過度に低いリスク評価がされていると言わざるをえない。
 比較的冷静なリスク評価の情報は、ある程度情報リテラシーのある人にとってみれば「どこにでもある情報」にみえてしまうものである。しかしそれは決して多くの人にとって当たり前の情報ではない。より適切なリスク・コミュニケーションによって、より多くの人々が幸せになることができる。特に報道機関の人々に、「バランスのとれた情報伝達資源の配分」と、「分かりやすいリスク評価の材料の伝達」をお願いしたい。【(2)につづく】(筒井淳也・立命館大学准教授)



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