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[Ⅶ-15]<カルト、新興宗教・思想への傾倒>新聞事件簿。心の危さにつけ込む

<プレジデント>先送り症候群6タイプ別病状と処方箋-[1]

 
 <プレジデント>先送り症候群6タイプ別病状と処方箋-[2] <SYNODOS JOURNAL>放射線は「甘く見過ぎず」「怖がりすぎず」(2) 放射線は正しく恐れろ!
先送り症候群6タイプ別病状と処方箋-[1]
プレジデント 4月3日(日)10時30分配信


先送りの心理メカニズム

 わかっちゃいるけど取りかかれない。その心理的メカニズムを理解すれば、突破口は必ず見える。すぐやる人になるための簡単な仕掛けを3回にわたって紹介する。

 グズは、アメリカで盛んに研究されているテーマである。アメリカの大学で心理学を研究した経験を持つ、心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏が言う。
「アメリカでは1970年以前から、グズ、つまり『先送りの心理』の研究が行われています。なぜなら、アメリカは個人主義の国なので、いくら仕事を先送りしても誰も責めないからです」
 誰も責めないかわり、誰も面倒を見てくれない。グズのレッテルを貼られてしまえば、仕事をクビになるだけだ。だから、自分自身でグズを矯正していくしかない。アメリカがグズ研究の先進国であるのは、こうした過酷な個人主義のカルチャーがあるからなのだ。

 ではなぜ、先送りしてしまうのか。その心理的要因は日米同じであり、グズは人類共通の悩みであると指摘するのは、心理カウンセラーの笹氣健治氏だ。
「グズは心理学でいうタイプA、すなわち責任感も向上心もあり、几帳面な人が多いですね。仕事の先送りは多かれ少なかれ誰でもやりますが、このタイプはそんな自分を何とかしたいと思って悩む。グズの問題とは、この悩みからいかに抜けだすかという問題ともいえます」

 以下、タイプ別にグズ脱出の処方箋を探っていこう。自身が勉強嫌いの元グズで、自ら編み出した勉強法で高卒時の偏差値37から東大の修士課程を修了した平本あきお氏のアドバイスも心強い。


1.【完璧主義タイプ】~ なぜ、すぐプレゼンの準備に取りかかれないのか

 週明けの会議でプレゼンテーションをやらなければならない。それはわかっているのに、どうしても取りかかれない。焦るばかりで時間だけが過ぎていく……。
「プレゼンの準備が苦手な人には、完璧主義の人が多いですね。パワーポイントやスライドを完璧に仕上げなくてはと思うあまり、なかなか手をつけられない。中途半端なものをつくるぐらいなら、やらないほうがマシ。完璧主義の人はこうした心理にはまって、身動きが取れなくなってしまいがちです」(佐々木)

 佐々木氏によると、完璧主義タイプは、後に述べる心配性タイプ同様、常に緊張感が高い人だという。緊張感の高い人は、高いモチベーションで行動したがる特徴を持っている。
「モチベーションが高いため、ものすごいものをつくらなければ気が済まないのですが、それには膨大な時間が必要になります。しかし、まとまった時間はなかなか確保できないので、どうしても仕事の先送りをしてしまいがちなのです」

 完璧を期すのは、決して悪いことではない。しかし、締め切りに間に合わなければ意味がない。さて、どうするか。
 笹氣氏は完璧主義タイプに限らず、グズに陥る原因は信条体系が引き起こす「自動思考」にあると説明する(図参照)。
「たとえば、完璧主義の人は100点を取らなければいけないと思い込んでいます。これがその人の信条体系です。こうした信条体系を持った人は、何かに取りかかろうとしたときに、『うまくできるだろうか』という思考が自動的に浮かび上がってきます。この自動思考が不安や自信のなさにつながり、行動をためらってしまうのです。本当に100点である必要があるのでしょうか?
 プロ野球選手でも、10割バッターなんて存在しない。3割打てれば上々です。思い切って『できるに越したことはない』くらいまでハードルを下げれば、楽な気持ちで仕事に取りかかれます」(笹氣)

 佐々木氏の表現を借りると、「100点を取らなければならない」というのは、あくまでも「自分の内側にある基準」だ。
「完璧主義の人は、自分の内側の基準に照らして納得できるかどうかしか考えていない。では、外側の基準に照らしてみたらどうなのか。完璧な仕事など求められていないかもしれません」(佐々木)
 外側の基準とは、さし当たり上司の評価だろう。上司が「これでいい」と言ってくれれば、仕事としてはOKなのだ。
「TO DOリストを樹形図にするのも効果的です。樹形図的に仕事を分解していって隙間時間にひとつずつこなすようにすると、まとまった時間は取れなくても、自分がすごい仕事をやりつつあるという感覚を持つことができます」(佐々木)

「メール1本でも、完璧に書こうと思うと時間がかかりますね。私は、メールを先送りしそうになったら、思い切って電話します。早く書かなきゃと焦り続けるのは、精神衛生上よくないです」(笹氣)
 電話で用件が済んでしまったら、メールの文面に凝っていた自分は一体何だったのかということになる。完璧主義とは、自己満足の別名なのだ。


2.【効率主義タイプ】~ なぜ、ノウハウ本が机に山積みになってしまうのか

 最新の仕事術を身につけて効率的に仕事を片づけようと思っているのに、机の上にノウハウ本がたまるばかりで、肝心の仕事に手がつけられない……。
「ここ5~6年の傾向ですが、若手ビジネスマン向けに、仕事のノウハウを伝授する本がよく売れました。この手の本は、仕事術を教えると同時に、失敗回避意識を強く刺激します。ムダなことをやっていると勝ち残れないぞというメッセージを送ってくるのです。そのせいでしょうか、効率的なやり方にこだわるあまり、仕事の肝心な部分を先送りしてしまう人が増えています」(笹氣)
 完璧主義タイプは職人気質の日本人が陥りがちな先送りパターンといえそうだが、この効率主義タイプは新手のパターンのようだ。それだけ現代が忙しい時代であることの裏返しかもしれない。

 仕事に効率を求めることも、決して悪いことではない。しかし、あらゆる仕事が効率化できるわけではない。笹氣氏によれば、効率主義タイプとは、仕事の「仕分け」ができていない人々でもある。
「効率化できる仕事とは、たとえばトヨタのカイゼンを思い浮かべていただければいいと思いますが、工場のラインなどで行われている単純繰り返し作業だけなのです。何度も同じことを繰り返すうちにムダな作業が明らかになってくるから、そこをカイゼンしようとなる」
 マニュアル化が可能な仕事、と言い換えてもいいだろう。しかし、世の中のすべての仕事がマニュアル化できるわけではない。効率主義タイプの人は、その仕分けができていないと笹氣氏は言うのだ。
「クリエーティブな仕事や、毎回相手が代わる営業のような仕事は、本来、効率化のしようがありません。しかし、ムダは悪、時間がかかるのは悪という思い込みがあると、仕事に取り組むよりも、ほかにいい方法がないだろうかという方向に頭が向いてしまう。でも、そんな都合のいい方法は存在しないのです」(笹氣)

 マニュアル化不能な仕事は、えいやっと始めてしまうしかない。そのために有効なのが「誘導タスク」という仕掛けだ。
「たとえば、パソコンや机の上に資料を広げてしまう。その仕事を片づけなければ物理的に困るように仕向けて、無理やり最初の一歩を踏み出すのです。ゴミ捨てを先送りする人は、ゴミで玄関を塞いでしまえば絶対に捨てます。これが『誘導タスク』。TODOリストの中の、とにかく小さなものから手をつけるのも、動きだすにはいい方法です」(佐々木)
 効率を追求する心理は、失敗したくない、成功せねばという心理の裏返し。根本治療には、人生、何が成功なのかを再考する必要があるだろう。

(先送り症候群6タイプ別病状と処方箋-[2] に続く)


心理学ジャーナリスト
佐々木正悟
1973年、北海道生まれ。獨協大学、アヴィラ大学心理学科卒。『いつも先送りするあなたがすぐやる人になる50の方法』など、著書多数。ブログ「ライフハック心理学」を主宰している。

心理カウンセラー
笹氣健治
1967年、宮城県生まれ。国際基督教大学教養学部卒。人が行き詰まる様々な心理問題の解消をテーマに執筆、講演、セミナーを行う。『なぜあなたはその仕事を先送りしてしまうのか?』など著書多数。

メンタルコーチ
平本あきお
1965年、兵庫県生まれ。東京大学大学院修士課程修了。北京五輪の金メダリスト、石井慧選手などのメンタルコーチ。多数の民間企業、官公庁の研修を行う。著書に『すぐやる!すぐやめる!技術』。

ライター
山田清機=文



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