あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

DV被害支援室poco a poco 庄司薫のコラム

暴力のある家庭で暮らす子どもへの代償。傷つく心、失う心、何をすり込まれ、学ばされるのか⑥

 
 DV加害者の歪んだ心..モンスターはこう考える③ DVから逃れる。被害者に襲いかかるいい知れぬ不安感に苛まれ、やっぱり私は怖いというあなたへ③
-教育虐待-勝ち組に慣れ! 子どもへの過剰な期待

 DV環境に暮らす小学高学年の子どもが、「勉強したくない」「塾に行きたくない」という心の叫びをあげる。
 それは、「父親からのプレッシャーからただ逃れたい」というメッセージである。
 塾で行われるテストの“結果”に対し、父親に「何といわれるか」不安で、不安でしょうがない。強迫観念に駆られての必死な叫びだ。ずっとずっといいたいことも口を閉ざして、心の奥にしまい込んできたのである。頭痛や腹痛、ぐるぐるめまい、過緊張による動悸やふるえ、円形脱毛症といった身体的、精神的症状もでている。わたしがなくて、わたしを生きることができず、父親の望むことを必死に応えなければならない重圧に押しつぶされている。
 子どもの「今いっぱいいっぱい」という心からの叫びを受け止める親としての基準は、子どもたちの切なる思いと余りにもかけ離れている。子どもの今いっぱいいっぱいは、精神が死にかけているメッセージなのである。「私が“わたし”でなくなってしまう」という“精神(心)の死”を意味する最後の悲鳴である。
 「いま、勉強したくない!」は、子どもが命をかけた最初で最後の必死な自己主張だということを、あなたにはわかって欲しい。命をかけて、子どもの心を守ってあげて欲しい。心の中では、「そこまで厳しくしなくても」と思っていても、「お父さんは、あなたの将来を思っていっているんだから、頑張りなさい」と子どもの心の悲鳴と向き合わず、父親の行いをフォローし、正当化し続けてしまう。そうしたことばは、逃げ道を完全に閉ざされることを意味する。つまり、死刑宣告を受けるがごとくダメージを与えるのである。その結果、子どもを失った親がたくさんいるってこと、子どもに親殺しをさせた親が少なくないことを忘れないで欲しい。親や祖父母を殺害し、家に火を放つ行いは、これまでの人生をすべてなかったことにしたい(リセットしたい)表れなのである。あなたには、母親として後悔だけの人生を歩んで欲しくない。
 不安と恐怖。大脳の情緒的な部分が怖れや不安でいっぱいになると、注意や記憶、動機づけ、学習にとって重要な大脳皮質の切り替えが活性化されなくなってしまう。
 だから、情緒的にストレスの高い子どもは、①学校での勉強のために脳の活力を確保することなんてできないし、②内分泌系や自律神経系の未成熟や失調、心身症、神経症的兆候がでやすいのである。
 母親が受ける暴力の目撃や自身の虐待経験といったDV環境で生きる子どもが、日々晒されるストレスがどのようなものか、そのダメージはいかなるものか、あなたは考えたことがあるだろうか? 支配のための暴力・DVのターゲットになってしまった妻であり、母親であるあなたは、日々どう耐え忍ぶかで精一杯だった。だから、“これまで”は子どものことを考える余裕がなかった。しかし、夫からされてきたことが支配のための暴力・DVだと知った“いま”、子どもの心と身体の中で、何が起きているのかをきちんと視てあげなければならない。きちんと子どもの心と向き合い、「わたしを生きること」の大切さを教えてあげて欲しい。


2011.4/2
2012.4/28 改訂
2013.4/24 ブログ再構成・再編集にともない掲載場所を移動
2013.5/14 加筆・修正

※ DVの本質は、本来対等であるはずの男女(夫婦間、交際者間)の関係に、上下の関係、支配と従属の関係を成り立たせるためにパワー(力)を行使することですから、”関係性”で理解する必要があるわけです。つまり、「上にたとう(支配しよう)とする者」と「下におかれる(支配され、従属させられる)者」という”関係性”であることから、①カテゴリー[Ⅲ-2]「Ⅰ-3.DVは、夫婦の関係、親子の関係になにをもたらすか(1)-(6)」、②「Ⅲ-2」「Ⅰ-4-(2)デートDVから結婚に至る経緯」に目を通していただければ、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法、いわゆるDV防止法)」第二条の三にもとづいて作成される「都道府県(市町含む)基本計画」の中で「対象とする暴力として、身体的暴力、性(的)暴力、精神的暴力、経済的暴力がある」との記載が意味するものについて理解を深めていただけると思います。
 そのうえで、本記事のテーマ、相反する拒絶と受容のことばやふるまいを繰り返されることにより思考混乱をおこし、暴力の恐怖により機嫌を損ねないように意に添うようにふるまうなど、暴力に順応することで生活を続けざるをえなくなった、つまり、暴力のある環境で生活を続けること=マインドコントロール下におかれてきたのかを理解していただくには、加害者特性の理解、つまり、DV加害者がどのようにふるまうのかを理解すること、その支配するための暴力により、被害者はどのような“負”の思考パターンに陥っていくことになるのかを理解することが大切です。
 そこで、③カテゴリー[Ⅲ-6]「Ⅳ-24.DV加害者に共通する行動特性」に目を通していただき、その中で説明している「感受性訓練に似通った言動パターン」を頭に入れて、④カテゴリー「Ⅲ-2」「Ⅰ-5.被害者心理。暴力で支配、マインドコントロールされるということ」に目を通していただくことによって、“人との関係性”のいう捉え方でDVを認識することがいかに重要なことなのかを理解していただけると思います。
 また、生活を共にしていた交際相手(元を含む)、あるいは、配偶者からの暴力から逃れるために女性センターや警察を通して施設への一時保護を求めたリ、地方裁判所に保護命令の発令を申立てたりすることについては、⑤カテゴリー「Ⅲ-6」「Ⅳ-21.一時保護の決定、保護命令の発令。「身を守る」という選択」で、さらに、⑥「婚姻破綻の原因はDVにある」として、家庭裁判所に離婚(夫婦関係調整)調停を申立てるときには、「Ⅳ.「婚姻破綻の原因はDVにある」ときの離婚(21-26)」において、DV事件特有の問題、そして、それに準じた考え方の重要性などを理解していただけると思います。
 加えて、暴力のある家庭環境で子どもを育てることは、面前DVとして、「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」では“精神的虐待”とみなされることから、暴力のある家庭環境で育ち、再び、交際相手や配偶者から暴力を受けることになった被害者も併せて、⑦「Ⅲ-2」「Ⅰ-1.虐待の発見。DV家庭における子ども」、「Ⅲ-4」「Ⅱ.暴力のある家庭で暮らす、育つということ(6-12)」において、子どもへの心身への影響についての理解を深めていただければと思います。
 なお、「DV被害支援室poco a poco」では、DV被害者支援として、ア)女性および母子への暴力・DVへの相談、イ)「婚姻破綻の原因はDVにある」とする離婚調停に向けての支援、ウ)暴力(「暴力のある家庭環境で育った」を含む)で傷ついた心のケアをおこなっています。最初に、カテゴリーⅠ「はじめに」に目を通していただければと思います。




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