あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

DV被害支援室poco a poco 庄司薫のコラム

DV加害者の歪んだ心..モンスターはこう考える⑤

 
 DV加害者の歪んだ心..モンスターはこう考える⑥ DV加害者の歪んだ心..モンスターはこう考える④
 「俺は、お前と違って誰とでもうまくやれる!」とうそぶく。「誰とでもうまくやれない」から、あなたを離さない。
 DV加害者は、コンプレックスの塊である。“見栄”という「強い」「凄い」と「尊敬されたい」という虚像の世界を自分にいいきかせて、生きている。DV加害者は、「俺は幸せになりたい」と繰り返しいう。幼子が母親に身の世話すべてを任せるかのように、妻に自分にだけ尽くさせることを求める。ときに、子どもにさえ尽く仕えることを求める。世界は自分中心に廻っているとの考えで、邪魔する奴、裏切る奴は絶対に許さない、罰を与えてやる、時に抹殺してやる、となっていく。
 しかも、自分は悪を退治している、躾をしてやっているのだから、と自分を正当化し、自分が悪いとは決して思わない。
 あなたは、DV加害者という化け物の本質をみていない。
 「でて行け!」「いつでも別れてやる!」と罵声を浴びせていても、DV加害者は別居、離婚の核心には一切触れない。話題をすり替えるか、黙って部屋にこもる。DV加害者のいう、「離婚するぞ!」「離婚してやる!」は脅す意味、取り引きの手段でしかない。散々強がることばを発しても、それは虚像の自分をつくりだすため、示すため、誇示するためでしかない。そもそも、他のことば(他の表現方法)を身につけていない。そうでなければ、DV加害者の育った家庭環境では生きていけなかったのである。
 しかし、子どもたちの未来のために、DV加害者が、自分の頭の中だけでつくりあげている虚像の世界に、もうこれ以上つき合ってはいけない。子どもたちもまた父親のように虚像の世界で生きていくことになってしまう。
 妻に“別れたがっている”雰囲気を感じると家やマンションを買ったり、引越しをしたりする。家族の象徴の“家に”縛りつけてやろうと、もう家をでれないだろうとの意図があるからである。「家を引っ越したい」という“私の願い”をわかってくれていたんだと思わせることができ、シメシメとほくそ笑む。この家で、「母親の責任を果たせ」と縛りつけ、もう一度躾をし直してやろうとの意図からである。
 「出て行け!」「離婚はいつでもしてやる!」と罵倒した数時間後、「俺に文句をいうな! ここに住みたいのなら、俺の指示に従っていればいいんだ!」とあたかも住み続けるのがあたり前のように罵倒する。後者が、DV加害者の本心である。そもそも、「でて行く」「離婚に応じる」ことを前提としていないのである。
 あなたの心の声に耳を傾けるセンサーを、DV加害者は持ち合わせていない。自分の支配欲、快楽を満たすことにしか心が動かされないように、子どものころからでき上がってしまっている。気を遣う、謝るは<+>の効果として気を惹くためで、同じ感情が<->に働くと、徹底的な攻撃を仕掛けて支配を試みる。ベースは自分のものにし続けるためでしかない。
 DV環境下で育った子どもたちが、ときに別人格をつくっていくひとつの理由は、幾度も、何年も繰り返し行われる<+のパパ>と<-のパパ>に、どっちが本当なの?と頭が混乱し、そのうちに両方を分けて処理していこうとすることにも起因している。
 あなた自身がいま、DV加害者によって日々、相反する暴力(恐怖・拒絶)とハネムーン(優しさ・受容)が繰り返されて、自分を見失い、自信を奪いとられていく。


2011.4/2
2012.4/28 改訂
2013.4/24 ブログ再構成・再編集にともない掲載場所を移動
2013.5/9 加筆・修正

※ DVの本質は、本来対等であるはずの男女(夫婦間、交際者間)の関係に、上下の関係、支配と従属の関係を成り立たせるためにパワー(力)を行使することですから、”関係性”で理解する必要があるわけです。つまり、「上にたとう(支配しよう)とする者」と「下におかれる(支配され、従属させられる)者」という”関係性”であることから、①カテゴリー[Ⅲ-2]「Ⅰ-3.DVは、夫婦の関係、親子の関係になにをもたらすか(1)-(6)」、②「Ⅲ-2」「Ⅰ-4-(2)デートDVから結婚に至る経緯」に目を通していただければ、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法、いわゆるDV防止法)」第二条の三にもとづいて作成される「都道府県(市町含む)基本計画」の中で「対象とする暴力として、身体的暴力、性(的)暴力、精神的暴力、経済的暴力がある」との記載が意味するものについて理解を深めていただけると思います。
 そのうえで、本記事のテーマ、相反する拒絶と受容のことばやふるまいを繰り返されることにより思考混乱をおこし、暴力の恐怖により機嫌を損ねないように意に添うようにふるまうなど、暴力に順応することで生活を続けざるをえなくなった、つまり、暴力のある環境で生活を続けること=マインドコントロール下におかれてきたのかを理解していただくには、加害者特性の理解、つまり、DV加害者がどのようにふるまうのかを理解すること、その支配するための暴力により、被害者はどのような“負”の思考パターンに陥っていくことになるのかを理解することが大切です。
 そこで、③カテゴリー[Ⅲ-6]「Ⅳ-24.DV加害者に共通する行動特性」に目を通していただき、その中で説明している「感受性訓練に似通った言動パターン」を頭に入れて、④カテゴリー「Ⅲ-2」「Ⅰ-5.被害者心理。暴力で支配、マインドコントロールされるということ」に目を通していただくことによって、“人との関係性”のいう捉え方でDVを認識することがいかに重要なことなのかを理解していただけると思います。
 また、生活を共にしていた交際相手(元を含む)、あるいは、配偶者からの暴力から逃れるために女性センターや警察を通して施設への一時保護を求めたリ、地方裁判所に保護命令の発令を申立てたりすることについては、⑤カテゴリー「Ⅲ-6」「Ⅳ-21.一時保護の決定、保護命令の発令。「身を守る」という選択」で、さらに、⑥「婚姻破綻の原因はDVにある」として、家庭裁判所に離婚(夫婦関係調整)調停を申立てるときには、「Ⅳ.「婚姻破綻の原因はDVにある」ときの離婚(21-26)」において、DV事件特有の問題、そして、それに準じた考え方の重要性などを理解していただけると思います。
 加えて、暴力のある家庭環境で子どもを育てることは、面前DVとして、「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」では“精神的虐待”とみなされることから、暴力のある家庭環境で育ち、再び、交際相手や配偶者から暴力を受けることになった被害者も併せて、⑦「Ⅲ-2」「Ⅰ-1.虐待の発見。DV家庭における子ども」、「Ⅲ-4」「Ⅱ.暴力のある家庭で暮らす、育つということ(6-12)」において、子どもへの心身への影響についての理解を深めていただければと思います。
 なお、「DV被害支援室poco a poco」では、DV被害者支援として、ア)女性および母子への暴力・DVへの相談、イ)「婚姻破綻の原因はDVにある」とする離婚調停に向けての支援、ウ)暴力(「暴力のある家庭環境で育った」を含む)で傷ついた心のケアをおこなっています。最初に、カテゴリーⅠ「はじめに」に目を通していただければと思います。




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