あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

DV被害支援室poco a poco 庄司薫のコラム

DV加害者の歪んだ心..モンスターはこう考える④

 
 DV加害者の歪んだ心..モンスターはこう考える⑤ DV加害者の歪んだ心..モンスターはこう考える③
 暴力のある家庭で暮らす。両親のDVを見続け、自身が受けた虐待によって、DV加害者の感情のセンサーは壊れ、心は歪んでしまった。それは、①抵抗しない、屈服し、いいなりの母親を卑下し、侮蔑するのと同時に、女性への嫌悪感を抱いていく。女性への嫌悪感は、やがて憎しみに変わり、征服欲に結びついていく。そして、虚像の自分を神聖化し、俺が女性をしつけし直さないといけないと思い込むようになっていく。父親からは、女の屈服のさせ方をすり込み、学び尽くした。
 だから、②子どもが感情を抑えられず、わめき散らしても、被虐待者であるDV加害者には何も特別な光景には映らない。心を壊しかけている子どもであっても、特に気にかける症状には映らない。子どものころから母親と父親の狂人ざまを見続けてきたのだから、見慣れた光景でしかない。なにより、自分の子どものころと同じだから、おかしくはないのである。
 あなたが、子どもの様子がおかしいと指摘しても、「なら、お前が俺に刃向かい、けんかを売ってくるのが悪い」「お前の育て方、しつけ方が悪い」となるだけである。俺は神聖化された人物なんだから、すべての行いは正しい、責任はお前にあるとしか思わない。
 DV加害者の世界では、常識的なことほど、おかしい、狂っていると主張する。いつも、「お前がおかしい」と恫喝し、卑下するのは、あなたが常識的で、正しいことをいうからである。③女は男に屈服するもの、刃向かえるはずがないと母親から学んで、屈服のさせ方を父親から英才教育のように学び、身につけた。しかも、受けた虐待行為によって、その心を失ったDV加害者は、もっとも危険なストーカー、バタラー(暴力をふるう人)になっていくのである。
 あなたは、(夫の)母親と違い、自分の考えを述べ、時に、「あなたはおかしい、子どもには、そういう言動は止めて」と夫に意見、反論、批判する。これまで、女性の存在をワザと匂わせ、嫉妬させておけば気持ちが外に向かうことはなかった。ところが、「私には心がある」「もう支配されない」といいはじめ、離婚を主張し、本気で自分のもとを離れようとしている。DV被害者には、母親ができなかった女性のそういう言動、行動は予期できない、考えられない、認められない、許せないことである。
 「夫が変わってくれたら」という思いは、あなたにはもはやなくなった。子どもは、日々、乱暴になってきて、役所に相談に行きはじめる。
 児童相談所の家庭への直接介入か、あるいは行政に逃げ込むのではないか、と怯えるDV加害者は、「そんなことはさせてなるものか」と自分にいいきかせる。そして、被害者に対し、自由にでかけさせないと、規制、監視を強める。別れ話が、暴力リスクを高める。


2011.4/2
2012.4/28 改訂
2013.4/24 ブログ再構成・再編集にともない掲載場所を移動
2013.5/9 加筆・修正

※ DVの本質は、本来対等であるはずの男女(夫婦間、交際者間)の関係に、上下の関係、支配と従属の関係を成り立たせるためにパワー(力)を行使することですから、”関係性”で理解する必要があるわけです。つまり、「上にたとう(支配しよう)とする者」と「下におかれる(支配され、従属させられる)者」という”関係性”であることから、①カテゴリー[Ⅲ-2]「Ⅰ-3.DVは、夫婦の関係、親子の関係になにをもたらすか(1)-(6)」、②「Ⅲ-2」「Ⅰ-4-(2)デートDVから結婚に至る経緯」に目を通していただければ、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法、いわゆるDV防止法)」第二条の三にもとづいて作成される「都道府県(市町含む)基本計画」の中で「対象とする暴力として、身体的暴力、性(的)暴力、精神的暴力、経済的暴力がある」との記載が意味するものについて理解を深めていただけると思います。
 そのうえで、本記事のテーマ、相反する拒絶と受容のことばやふるまいを繰り返されることにより思考混乱をおこし、暴力の恐怖により機嫌を損ねないように意に添うようにふるまうなど、暴力に順応することで生活を続けざるをえなくなった、つまり、暴力のある環境で生活を続けること=マインドコントロール下におかれてきたのかを理解していただくには、加害者特性の理解、つまり、DV加害者がどのようにふるまうのかを理解すること、その支配するための暴力により、被害者はどのような“負”の思考パターンに陥っていくことになるのかを理解することが大切です。
 そこで、③カテゴリー[Ⅲ-6]「Ⅳ-24.DV加害者に共通する行動特性」に目を通していただき、その中で説明している「感受性訓練に似通った言動パターン」を頭に入れて、④カテゴリー「Ⅲ-2」「Ⅰ-5.被害者心理。暴力で支配、マインドコントロールされるということ」に目を通していただくことによって、“人との関係性”のいう捉え方でDVを認識することがいかに重要なことなのかを理解していただけると思います。
 また、生活を共にしていた交際相手(元を含む)、あるいは、配偶者からの暴力から逃れるために女性センターや警察を通して施設への一時保護を求めたリ、地方裁判所に保護命令の発令を申立てたりすることについては、⑤カテゴリー「Ⅲ-6」「Ⅳ-21.一時保護の決定、保護命令の発令。「身を守る」という選択」で、さらに、⑥「婚姻破綻の原因はDVにある」として、家庭裁判所に離婚(夫婦関係調整)調停を申立てるときには、「Ⅳ.「婚姻破綻の原因はDVにある」ときの離婚(21-26)」において、DV事件特有の問題、そして、それに準じた考え方の重要性などを理解していただけると思います。
 加えて、暴力のある家庭環境で子どもを育てることは、面前DVとして、「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」では“精神的虐待”とみなされることから、暴力のある家庭環境で育ち、再び、交際相手や配偶者から暴力を受けることになった被害者も併せて、⑦「Ⅲ-2」「Ⅰ-1.虐待の発見。DV家庭における子ども」、「Ⅲ-4」「Ⅱ.暴力のある家庭で暮らす、育つということ(6-12)」において、子どもへの心身への影響についての理解を深めていただければと思います。
 なお、「DV被害支援室poco a poco」では、DV被害者支援として、ア)女性および母子への暴力・DVへの相談、イ)「婚姻破綻の原因はDVにある」とする離婚調停に向けての支援、ウ)暴力(「暴力のある家庭環境で育った」を含む)で傷ついた心のケアをおこなっています。最初に、カテゴリーⅠ「はじめに」に目を通していただければと思います。




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