あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

DV被害支援室poco a poco 庄司薫のコラム

DV加害者の歪んだ心..モンスターはこう考える③

 
 DV加害者の歪んだ心..モンスターはこう考える④ 暴力のある家庭で暮らす子どもへの代償。傷つく心、失う心、何をすり込まれ、学ばされるのか⑥
 DV加害者は、子どもに心底怖いを味あわせ、そのあと、はしゃいだ遊びの中で怖さを打ち消す。だから、楽しいという記憶が残り、心の怖さを打ち消してしまうのである。しかし、“心が怖い”と深層心理の中に得体の知れない恐怖だけが残る。
 DV加害者は、暴力で怯えさせて、あなたをつなぎ止めていると自覚がある。
 暴力で怯えさせ、支配しないといけないのは、あなたの心が、最初から“自分にはない”のかも知れないとの怯え、不安感からである。不安感は、人を信じることを身につけていないからである。不安だから、あなたを手に入れるまでとことん気を使い、お姫さまのように扱うのである。生活をともにしはじめる(交際がはじまる)と、メッキが徐々に剥がれ落ち、本性がバレていく。あなたが“おかしい”と思いはじめることは、“見捨てられる”に通じる。いったん、「見捨てられる=裏切られる」と思うととことん傷めつけてくる。過剰な嫉妬も、支配も、裏を返せば自信のなさからくる不安感、人を信じられない猜疑心からくる。不安は、疑い、猜疑心、怯え、怒りにつながっていくのである。
 幼児期に心が病んだDV加害者、思春期以降に妄想の世界に逃込んだDV加害者の思考は、「裏切られる、仕返しをされる=殺される≒逃げられる」とつながっている。心のどこかでずっと怖いと怯えている。怯えた犬は吠えて、噛みつくのと同じである。
 あなたに“罰”を与え続け、恐怖で従わせてきたDV加害者は、逆にどこか底知れない恐怖感をずっと抱えている。その恐怖を拭い去るために、もっともっと自分を強く見せなければならないとなっていく。支配を強めていかなければならないのである。それが、時に怒りとして爆発する。虚像がバレてしまうから、避けなければならない。DV加害者の心の奥に抱える恐怖心は、殺人犯が、殺した人が夢枕にたったり、仕返しの罰に怯え続けるのと同じ心理である。
 だから、自分はどこかで罰を受けると怖れるのである。そして、罰を受けなければならない自分だけがかわいそうとなっていくのである。それが、妄想に世界をつくりあげてしまった人、暴力のある家庭で育ち心を病んだDV加害者の抱える心の闇である。その思いが酷くなると幻聴、幻覚になり、どんどん自分を追い込んでいく。その結果、その怯え、怒りは自分自身に向かう場合(自殺)と相手、他人に向かうよう(傷つける、他殺)になっていくのである。元総裁相手、元妻に復縁を迫り、つきまとい(ストーカー行為)、殺して、追いかけるように自殺する。永遠に自分のものにするのです。
 DV加害者がいう「罰を受ける」という表現は、宗教世界に陶酔したように、別の自分に都合のよい世界観を造りあげて、そこから、「罰を与えろ!」と神の声が降りてきていると思い込む。ただ哀しいのは、創りあげてきた嘘が、虚像がバレて大変だとか、恥ずかしいという心は、もはや持ち合わせていないことである。
 DV加害者のもとで子どもたちを育ててはいけない。子どもに父親は必要などと思ってはいけない。スーザン・フォワードの記した『毒になる親 一生苦しむ子ども』にあるように、親として子どもと暮らしてはいけない親もいるのである。だから、父親と子どもを離すことに、子どもたちの未来を造ることなんだから、罪悪感を抱くことなんかない。


2011.4/2
2012.4/28 改訂
2013.4/24 ブログ再構成・再編集にともない掲載場所を移動
2013.5/9 加筆・修正

※ DVの本質は、本来対等であるはずの男女(夫婦間、交際者間)の関係に、上下の関係、支配と従属の関係を成り立たせるためにパワー(力)を行使することですから、”関係性”で理解する必要があるわけです。つまり、「上にたとう(支配しよう)とする者」と「下におかれる(支配され、従属させられる)者」という”関係性”であることから、①カテゴリー[Ⅲ-2]「Ⅰ-3.DVは、夫婦の関係、親子の関係になにをもたらすか(1)-(6)」、②「Ⅲ-2」「Ⅰ-4-(2)デートDVから結婚に至る経緯」に目を通していただければ、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法、いわゆるDV防止法)」第二条の三にもとづいて作成される「都道府県(市町含む)基本計画」の中で「対象とする暴力として、身体的暴力、性(的)暴力、精神的暴力、経済的暴力がある」との記載が意味するものについて理解を深めていただけると思います。
 そのうえで、本記事のテーマ、相反する拒絶と受容のことばやふるまいを繰り返されることにより思考混乱をおこし、暴力の恐怖により機嫌を損ねないように意に添うようにふるまうなど、暴力に順応することで生活を続けざるをえなくなった、つまり、暴力のある環境で生活を続けること=マインドコントロール下におかれてきたのかを理解していただくには、加害者特性の理解、つまり、DV加害者がどのようにふるまうのかを理解すること、その支配するための暴力により、被害者はどのような“負”の思考パターンに陥っていくことになるのかを理解することが大切です。
 そこで、③カテゴリー[Ⅲ-6]「Ⅳ-24.DV加害者に共通する行動特性」に目を通していただき、その中で説明している「感受性訓練に似通った言動パターン」を頭に入れて、④カテゴリー「Ⅲ-2」「Ⅰ-5.被害者心理。暴力で支配、マインドコントロールされるということ」に目を通していただくことによって、“人との関係性”のいう捉え方でDVを認識することがいかに重要なことなのかを理解していただけると思います。
 また、生活を共にしていた交際相手(元を含む)、あるいは、配偶者からの暴力から逃れるために女性センターや警察を通して施設への一時保護を求めたリ、地方裁判所に保護命令の発令を申立てたりすることについては、⑤カテゴリー「Ⅲ-6」「Ⅳ-21.一時保護の決定、保護命令の発令。「身を守る」という選択」で、さらに、⑥「婚姻破綻の原因はDVにある」として、家庭裁判所に離婚(夫婦関係調整)調停を申立てるときには、「Ⅳ.「婚姻破綻の原因はDVにある」ときの離婚(21-26)」において、DV事件特有の問題、そして、それに準じた考え方の重要性などを理解していただけると思います。
 加えて、暴力のある家庭環境で子どもを育てることは、面前DVとして、「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」では“精神的虐待”とみなされることから、暴力のある家庭環境で育ち、再び、交際相手や配偶者から暴力を受けることになった被害者も併せて、⑦「Ⅲ-2」「Ⅰ-1.虐待の発見。DV家庭における子ども」、「Ⅲ-4」「Ⅱ.暴力のある家庭で暮らす、育つということ(6-12)」において、子どもへの心身への影響についての理解を深めていただければと思います。
 なお、「DV被害支援室poco a poco」では、DV被害者支援として、ア)女性および母子への暴力・DVへの相談、イ)「婚姻破綻の原因はDVにある」とする離婚調停に向けての支援、ウ)暴力(「暴力のある家庭環境で育った」を含む)で傷ついた心のケアをおこなっています。最初に、カテゴリーⅠ「はじめに」に目を通していただければと思います。




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