あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

DV被害支援室poco a poco 庄司薫のコラム

DVから逃れる。被害者に襲いかかるいい知れぬ不安感、やっぱり私は怖いというあなたへ②

 
 <SYNODOS JOURNAL>放射線は「甘く見過ぎず」「怖がりすぎず」(1) 人体に悪影響を与えるのはなぜか? DVから逃れる。被害者に襲いかかるいい知れぬ不安感、やっぱり私は怖いというあなたへ①
 この先のことを考えたら、いい知れない怯えを伴うような不安感に襲われる。それだけじゃなく、子どもを連れて家をでても(実家に逃げ帰っても)、子どもに問題行動がどうでてくるのか、日々不安を抱え続けなければならないプレッシャーは相当なものである。
 「父親とそっくりないい回しや行動」にやるせなくなったり、「父親から虐げられてきた怒り」の矛先を向けられ、苦しめられ続けるかもしれない。その結果、「どうして私だけが、こんな思いをしなきゃならないのよ! 逃れなかった方がよかった」と思う、きっと。
 配偶者からの暴力・DVは、被害母子を後々まで本当に苦しめる。許せない犯罪である。
 どこかで断ち切らないと、暴力の世代間連鎖は“チェーン”とよばれるように途切れずにずっとずっと続いていく。この世代間連鎖は、心を完全に壊して闇の世界で生きる子どもたちを確実に増やしているのである。気づくと“いとこ”や“はとこ”にアレっ?ていうことがよくみられる。
 結果として、酷い心の傷を持ち続け、悩み苦しみ続けるのは、子どもたちの母親、被害女性である。
 家をでて、居所を知らせず、受けてきたDVの状況をまとめる。弁護士に代理人になってもらい、家庭裁判所に離婚調停を申立て、「お願いですから、別れてください」と訴える。しかし、子どもの親権争い、奪い合い。暴力で奪いにくるか、正当に弁護士を立てて経済力を訴えてくるか、子どもに会えない辛さ、苦しさをことば巧みに訴えてくるか、どういう状態になるかわからない。
 DV加害者のもとでの養育は、子どもに多大なリスクを伴うことを立証するしかない。しかし、「子どもの将来への影響が心配」と訴えても、「それはわからない」とされてしまいやすい。時に離婚調停の場では、DVが争点であるはずなのに、“女性の契り感”が相手方(DV加害者)の女性関係、“母親としての絆感”が「子どもは母親である私のもの」と争点や論点をズラしてしまうことが往々にある。
 そうなると、親権の主張だけでなく、面接交渉という名のものと、子どもとのかかわりを断つことができなくなってしまう。子どもを盾に、夫婦関係を継続せざるようにさせられてしまうことも少なくない。
 DV加害者との生活が、子どもとの接点があること自体が問題である。子どもへの暴力・虐待行為、特に性的な虐待のリスクが高く、不道徳な行いが行われやすい環境になってしまう。子の福祉の観点から避けなければならないのである。
 夫から暴力を受けてきたDV被害者であっても、離婚調停の調停委員、審判員は、けっしてあなたの味方ではないのである。このことを理解していないと、あなたは離婚調停で痛い目に合う。これも哀しいことであるが事実である。
 一番心がけて欲しいことは、「妻と夫の関係」で調停に臨んではいけないということである。
 あなた方は、夫婦の関係ではなくDV被害者と加害者の関係である。子と父親との関係でもなく、虐待被害者と加害者の関係である。孫と祖父母の関係ではなく、虐待被害者と加害者の親の関係である。このことを心の留めておかないと、DV加害者たちに隙をつかれ、取り返しのつかない散々な思いをさせられる。打ちひしがれるのは、被害者であるはずのあなたになってしまう。
 心を病んだ傍若無人のDV加害者との生活は、子どもにとって健全な心を育む養育環境にはない。
 まず、真実かどうかを審判する場ではない離婚調停であっても、子の親権や養育費をどうするかを主張する前に、「DVを働いていたこと」をDV加害者である相手方に認めさせることだけに徹しなければならない。相手方(DV加害者であるあなたの夫)の“争点のすり替え”に決して応じてはいけない。相手方の巧妙なやり口に屈しないためには、支配のための暴力・DVをふるってきた相手方がどういう人物なのかを正しく理解しなければならない。たとえ家をでても、相手方の機嫌を損ねないために顔色を伺い続けることが、あなたの考えの根底になってしまっている。離婚調停の場でも、相手方の機嫌を損ねないように、無意識で相手方の要求に応じてしまうのである。逆らったら何をされるかわからない思いに心を支配されてきたのである。DV被害にあうことの影響が、どういうものなのかを理解しなければ、相手方の思考操作に乗せられてしまいかねないのである。


2011.4/1
2012.4/28 改訂
2013.4/24 ブログ再構成・再編集にともない掲載場所を移動
2013.5/5

※ DVの本質は、本来対等であるはずの男女(夫婦間、交際者間)の関係に、上下の関係、支配と従属の関係を成り立たせるためにパワー(力)を行使することですから、”関係性”で理解する必要があるわけです。つまり、「上にたとう(支配しよう)とする者」と「下におかれる(支配され、従属させられる)者」という”関係性”であることから、①カテゴリー[Ⅲ-2]「Ⅰ-3.DVは、夫婦の関係、親子の関係になにをもたらすか(1)-(6)」、②「Ⅲ-2」「Ⅰ-4-(2)デートDVから結婚に至る経緯」に目を通していただければ、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法、いわゆるDV防止法)」第二条の三にもとづいて作成される「都道府県(市町含む)基本計画」の中で「対象とする暴力として、身体的暴力、性(的)暴力、精神的暴力、経済的暴力がある」との記載が意味するものについて理解を深めていただけると思います。
 そのうえで、本記事のテーマ、相反する拒絶と受容のことばやふるまいを繰り返されることにより思考混乱をおこし、暴力の恐怖により機嫌を損ねないように意に添うようにふるまうなど、暴力に順応することで生活を続けざるをえなくなった、つまり、暴力のある環境で生活を続けること=マインドコントロール下におかれてきたのかを理解していただくには、加害者特性の理解、つまり、DV加害者がどのようにふるまうのかを理解すること、その支配するための暴力により、被害者はどのような“負”の思考パターンに陥っていくことになるのかを理解することが大切です。
 そこで、③カテゴリー[Ⅲ-6]「Ⅳ-24.DV加害者に共通する行動特性」に目を通していただき、その中で説明している「感受性訓練に似通った言動パターン」を頭に入れて、④カテゴリー「Ⅲ-2」「Ⅰ-5.被害者心理。暴力で支配、マインドコントロールされるということ」に目を通していただくことによって、“人との関係性”のいう捉え方でDVを認識することがいかに重要なことなのかを理解していただけると思います。
 また、生活を共にしていた交際相手(元を含む)、あるいは、配偶者からの暴力から逃れるために女性センターや警察を通して施設への一時保護を求めたリ、地方裁判所に保護命令の発令を申立てたりすることについては、⑤カテゴリー「Ⅲ-6」「Ⅳ-21.一時保護の決定、保護命令の発令。「身を守る」という選択」で、さらに、⑥「婚姻破綻の原因はDVにある」として、家庭裁判所に離婚(夫婦関係調整)調停を申立てるときには、「Ⅳ.「婚姻破綻の原因はDVにある」ときの離婚(21-26)」において、DV事件特有の問題、そして、それに準じた考え方の重要性などを理解していただけると思います。
 加えて、暴力のある家庭環境で子どもを育てることは、面前DVとして、「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」では“精神的虐待”とみなされることから、暴力のある家庭環境で育ち、再び、交際相手や配偶者から暴力を受けることになった被害者も併せて、⑦「Ⅲ-2」「Ⅰ-1.虐待の発見。DV家庭における子ども」、「Ⅲ-4」「Ⅱ.暴力のある家庭で暮らす、育つということ(6-12)」において、子どもへの心身への影響についての理解を深めていただければと思います。
 なお、「DV被害支援室poco a poco」では、DV被害者支援として、ア)女性および母子への暴力・DVへの相談、イ)「婚姻破綻の原因はDVにある」とする離婚調停に向けての支援、ウ)暴力(「暴力のある家庭環境で育った」を含む)で傷ついた心のケアをおこなっています。最初に、カテゴリーⅠ「はじめに」に目を通していただければと思います。




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