あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

DV被害支援室poco a poco 庄司薫のコラム

DV加害者の歪んだ心..モンスターはこう考える②

 
 暴力のある家庭で暮らす子どもへの代償。傷つく心、失う心、何をすり込まれ、学ばされるのか⑤ DV加害者の歪んだ心..モンスターはこう考える①
 暴力と褒美で心を操る。これまで、DV加害者が繰り返してきたことである。DV加害者は、あなたが問題を指摘したり、行動に移さなければ“なあなあ”にしてしまえる、“なし崩し”にできると思っている。
 DV加害者は家庭のこと、夫婦のこと、あなたの気持ち、意志は関係なくて、すべてなし崩しにできると思っている。たとえ、「あなた(夫)と違って、私には心がある。私はロボットじゃない」と心の叫びを必死に訴えたとしても、「なに訳のわからないことをいってんだか」と、あなたの気持ちを受け止めることも、察することもない。それは、DV加害者は、暴力のある家庭で育ち、親からの虐待を受けてきた。そのため、自分の言動で相手がどう思うかとか、相手の気持ちを思いやることはなく、“俺が”“俺は”と主語は一人称、自己愛の塊、ときに解離、別人格を伴った闇の中で生きている。そして、思考の断裂、記憶の断裂があって、自分の言動でさえ覚えていない。
 ところが、あなたはずっと、DV加害者から語られることばには、あなたの理解しているのと同じ意味があると信じている。だから、思いが通じない切なさ、やるせなさにいつも傷ついて、心を傷めてしまう。なぜ、どうして?とDV加害者のことばかり考え、次第に、私のことを「わかって欲しい」が、DV加害者に「認めて欲しい」と気に入られるためにどうしたらいいのかと必死に考えるようになっていく。そうして、あなたはDV加害者と離れる機会を失う。
 時に、その現実を受け止められないから、その辛さを感じないように心に蓋をする。
 黒柳徹子が『トットちゃん』と書くとき、「一緒に疎開していた弟が“いた”ことさえ思い出せない」と話している。人はツラいこと、忘れ去りたいような体験は記憶から消し去ることが簡単にできる。DV加害者のことばは、自分に関心を持たせるため、相手を操るため(自己愛)のものでしかない。だから、会話の連続性も一貫性も必要がない。
 一緒に生活しているあなたたちは、日々翻弄され、何が何だかわからなくなって、時に、自分の方がおかしい、悪いとなってしまう。あなただけじゃなくて、DV被害者に共通したものである。
 DV加害者の発する心の闇を抱えた人の放つ負のエネルギーは、一緒に生活する家族に伝染していく、それがC-PTSD(心的外傷後ストレス障害)であり、暴力の世代間連鎖である。あなたも子どもたちも心に重いケガをしていく。


2011.4/1
2012.4/28 改訂
2013.4/24 ブログ再構成・再編集にともない掲載場所を移動
2013.5/9 加筆・修正

※ DVの本質は、本来対等であるはずの男女(夫婦間、交際者間)の関係に、上下の関係、支配と従属の関係を成り立たせるためにパワー(力)を行使することですから、”関係性”で理解する必要があるわけです。つまり、「上にたとう(支配しよう)とする者」と「下におかれる(支配され、従属させられる)者」という”関係性”であることから、①カテゴリー[Ⅲ-2]「Ⅰ-3.DVは、夫婦の関係、親子の関係になにをもたらすか(1)-(6)」、②「Ⅲ-2」「Ⅰ-4-(2)デートDVから結婚に至る経緯」に目を通していただければ、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法、いわゆるDV防止法)」第二条の三にもとづいて作成される「都道府県(市町含む)基本計画」の中で「対象とする暴力として、身体的暴力、性(的)暴力、精神的暴力、経済的暴力がある」との記載が意味するものについて理解を深めていただけると思います。
 そのうえで、本記事のテーマ、相反する拒絶と受容のことばやふるまいを繰り返されることにより思考混乱をおこし、暴力の恐怖により機嫌を損ねないように意に添うようにふるまうなど、暴力に順応することで生活を続けざるをえなくなった、つまり、暴力のある環境で生活を続けること=マインドコントロール下におかれてきたのかを理解していただくには、加害者特性の理解、つまり、DV加害者がどのようにふるまうのかを理解すること、その支配するための暴力により、被害者はどのような“負”の思考パターンに陥っていくことになるのかを理解することが大切です。
 そこで、③カテゴリー[Ⅲ-6]「Ⅳ-24.DV加害者に共通する行動特性」に目を通していただき、その中で説明している「感受性訓練に似通った言動パターン」を頭に入れて、④カテゴリー「Ⅲ-2」「Ⅰ-5.被害者心理。暴力で支配、マインドコントロールされるということ」に目を通していただくことによって、“人との関係性”のいう捉え方でDVを認識することがいかに重要なことなのかを理解していただけると思います。
 また、生活を共にしていた交際相手(元を含む)、あるいは、配偶者からの暴力から逃れるために女性センターや警察を通して施設への一時保護を求めたリ、地方裁判所に保護命令の発令を申立てたりすることについては、⑤カテゴリー「Ⅲ-6」「Ⅳ-21.一時保護の決定、保護命令の発令。「身を守る」という選択」で、さらに、⑥「婚姻破綻の原因はDVにある」として、家庭裁判所に離婚(夫婦関係調整)調停を申立てるときには、「Ⅳ.「婚姻破綻の原因はDVにある」ときの離婚(21-26)」において、DV事件特有の問題、そして、それに準じた考え方の重要性などを理解していただけると思います。
 加えて、暴力のある家庭環境で子どもを育てることは、面前DVとして、「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」では“精神的虐待”とみなされることから、暴力のある家庭環境で育ち、再び、交際相手や配偶者から暴力を受けることになった被害者も併せて、⑦「Ⅲ-2」「Ⅰ-1.虐待の発見。DV家庭における子ども」、「Ⅲ-4」「Ⅱ.暴力のある家庭で暮らす、育つということ(6-12)」において、子どもへの心身への影響についての理解を深めていただければと思います。
 なお、「DV被害支援室poco a poco」では、DV被害者支援として、ア)女性および母子への暴力・DVへの相談、イ)「婚姻破綻の原因はDVにある」とする離婚調停に向けての支援、ウ)暴力(「暴力のある家庭環境で育った」を含む)で傷ついた心のケアをおこなっています。最初に、カテゴリーⅠ「はじめに」に目を通していただければと思います。




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