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[Ⅶ-22] 継続情報<震災・地震/火山/氾濫>ストレスとトラウマ、命と心を守る

<ダイヤモンドオンライン>咳ひとつで広がる感染、眼の病気に悩む人たち…今起こっている「心配なこと」 被災地に入ったボランティア医師の奮闘日誌⑤

 
 <毎日新聞>東日本大震災:首都圏でもストレス 余震、悲惨な映像で <ダイヤモンドオンライン>被災者からもらった「希望」  被災地に入ったボランティア医師の奮闘日誌(4)
裴 英洙 [神奈川県災害医療チーム(JMAT)ヘルスケアクリニック厚木 医師]
2011.3.28

 3月11日に発生した東日本大震災。多数の死傷者が出て、壊滅的な打撃を受けた被災地・石巻の赤十字病院へ、日本医師会が派遣する災害医療チーム「JMAT」(ジェイマット)の一員として派遣された30代医師の現場レポートを、可能な限りリアルタイムに更新していく。災害そして医療の現場で、日々何が起こっているのか。

小学校の救護室に設けた簡易診療所
 3月26日、昨晩から降り続いた雪が積もり、朝から肌寒かった。
 だが、市内は津波で流された住宅の残骸と泥が多く、美しい銀世界とは程遠い。
 石巻日赤病院で開かれた朝7時のミーティングに出席した後、前日のチームからの引き継ぎ事項を掲示板で確認し、診療のため避難所に向かった。今回は、日赤病院2チームと合同での診療だ。
 避難所は、沿岸部近くの小学校だ。避難所本部のリーダーに話を聞いた後、どのような医療ニーズがあるかを調査。1チームは低学年教室を避難所としているエリアを巡回、もう1チームは高学年教室を巡回することになった。我々のチームは、校内の救護室で簡易診療所を開き、救護室まで自力で来られる被災者を診療した。

現住所の代わりに 「音楽室」「図工室」と記載された処方箋
 この避難所では、被災者は「音楽室の〇〇さん」「図工室の△△さん」と呼ばれていた。もちろん処方箋にも、そのように記入する。ここでは現住所がなく個人を特定することが難しい。
 とはいえ、患者に間違った薬を処方することは是が非でも避けなければならない。
 通常の病院のように今すぐ薬を処方できる体制なら問題ないだろうが、我々医療支援チームは限られた薬剤しか持参していない。現在のところ石巻赤十字病院の薬剤師が手配した薬を、後から運ぶ方法を取っているが、身分証も流されて避難所に来ている被災者をきちんと特定できないと、非常に危険だ。
 そこで、被災者に誤った薬が届かないよう、名前や生年月日、いつもいる教室の場所などをなるべく細かく処方箋に書くよう気をつけた。

患者の半数以上が嘔吐や吐き気
 本日診察した患者の半数以上は、嘔吐や吐き気の症状があった。
 この状況が、避難所全体を巻き込み感染が拡大しないか非常に心配だ。
 そう心配する理由の1つが寒さだ。
 この避難所では暖房も電気もなかった。私は診察中、カイロを背中に貼り、ズボンを2枚とひざ下までの長靴を履き、ネックウォーマーを巻いていたが、それでも底冷えする寒さだった。気温が低いとそれだけ体力の消耗も激しく風邪などの危険性高くなる。
 心配する理由の2点目が避難所の環境だ。
 ここでは約500人の被災者がいるためどの教室も人が多く、お互いが最大でも1メートル程度離れた状態で生活している。この状況では、誰か1人が咳をするだけで、感染が拡大する可能性が高くなるのだ。実際ある教室では、ほぼ全員が咳が出たりお腹をこわしたりしていた。
 また、お世辞にも避難所内の衛生環境がいいとは言えない。避難所は原則土足で、校内の廊下の大半は泥まみれだった。泥が乾燥し埃が舞い上がると、さらに感染が広がる可能性がある。マスクを着用するよう周知されているようだが、数日間同じ使い捨てマスクを使用しているなど、使い方を誤っている例もある。水道が使えないので、当然こまめに手洗いすることは不可能だ。災害対策本部の目下の重点事項の1つである「公衆衛生の徹底」を痛感した。

目の病気に悩む被災者が多い
 一方、避難所で診療して気づいたのが、眼の病気に悩む被災者が多いことだ。避難所の通路は乾いた泥が舞い上がり、目に異物が入ることも多くなっている。不潔な手で埃の入った眼をこするため、眼の感染症が増えているのだろう。
 また、避難所には高齢者が多く、白内障の薬も必要だ。
 巡回診療中に「眼科の先生はいつ来るのか?」と問われることがあった。
 我々も神奈川県からたくさんの薬を持参したが、目薬は盲点だった。
 被災地では市販の目薬でも重宝されるので、今後は眼科系疾患にも十分に備えたい。

十人力の働き「チーム・ヘルスケアクリニック厚木」
 この避難所の救護室にはすでに看護協会から派遣されている看護師が2名いた。
 そこで、私以外のJMATチーム2人は、避難所内のアセスメント(衛生環境や電気・ガス・水道等のインフラ状況のチェック、要介護の高齢者の有無、産科・小児科ニーズの調査)を担当した。
 我々のチームは、医師である私のほか、放射線技師の遠藤と、事務員の成澤から構成される。遠藤は通常、レントゲンの撮影などの業務を行っているが、被災地では、レントゲンフィルムの読影サポートと患者の運搬等を担当し、医師が見落としかけた救急患者の中手骨骨折を指摘するなどしてくれた。
 一方の成澤は普段、事務部長として勤務しているが、被災地では神奈川県医師会との折衝やワゴン車の運転や宿泊先の手配、現地でのガソリンや食料調達など医療チームの生活支援を担当した。
 神奈川県医師会を通じて派遣された「チーム・ヘルスケアクリニック厚木」では、そもそも自分たちの専門領域を超えて十人力の活動をしてくれたことが、今回の災害医療支援活動の大きな成果につながったと思う。

医師や看護師でなくてもできる支援活動がある
 たとえば積極的に被災者に声掛けをして被災地のニーズ調査をしたり、避難所で妊娠中や病気の人がいないか探したりすることは、医師や看護師でなくてもできることだ。
 医師の指示の元でこういった業務外のことに積極的に取り組んでくれるメンバーを集めることが、JMATなどのチーム編成で、重要なポイントだろう。
 我々の災害医療支援活動は、これでいったん終了し、神奈川県に戻ることになった。
 次回はこれまでを振り返り、これからの災害医療支援活動について何点か提言できればと思う。



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