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[Ⅶ-11]<家族問題。親殺傷・ひきこもり。性同一性障害>新聞事件簿。どう向合う

<ダイヤモンド・オンライン>「ひきこもり」するオトナたち③ 地域から孤立する当事者と家族の“救世主”!? 国が行う新たな「引きこもり支援」の可能性

 
 <ダイヤモンド・オンライン>「ひきこもり」するオトナたち④ 「自立できない=恥」という価値観は本当に正しいか 引きこもりに“負い目”を感じさせる日本社会の病理  <ダイヤモンド・オンライン>「ひきこもり」するオトナたち② 引きこもりの社会復帰を阻んでいるのは誰か 「エントリーシート」と「ハローワーク」の高い壁
2011.2.24

 社会から離脱し、地域で孤立する人たちに、どのようにアプローチしていけばいいのか。本当は社会に出たいと思っているのに、心や体のメカニズムの問題から出られなくなってしまった「引きこもり」などの人たちに向け、国は11年度から、専門チームによるアウトリーチを行ったり、全国各地に相談窓口を整備したりする取り組みに、本腰を入れ始めた。
 先週末、これからの「引きこもり」支援の方向性について、厚労省の施策担当者の話を聞く機会があったので、紹介したい。

厚労省の「引きこもり」推計数調査を阻む 地方自治体の理解不足
 正確にいえば、東京都豊島区で開かれている『KHJ東東京「楽の会」』という全国組織の「引きこもり」家族会・東東京支部の例会で、厚労省の精神・障害保健課の発達障害対策専門官の方の講演を聞かせて頂いた。
 担当者は、発達障害の成人の人たちの相談が増えている中でのニーズに応えるのに加え、「引きこもり」担当も任されているという。日本で「引きこもり」についての調査や研究がなかなか進められず、取り組みや施策が立ち遅れてきたのも、根拠になる「引きこもり」の法律がないからなのであろう。
 それに関連して興味深かったのは、厚労省の研究班が昨年春、新ガイドラインとともに公表した、「引きこもり」のいる家庭は全国「26万世帯以上」という推計数についての話だ。
 ご存知のように、内閣府はその後、「引きこもり」の人の推計が約70万人、親和群(潜在群)を含めると約225万人と発表した。
 それに対して厚労省の推計数は、「こころの健康」という幅広い調査の1つで、02年度から05年度にかけて、無作為抽出で選ばれた20歳~49歳の対象者の家庭を調査員が訪問。家族に「引きこもり」の状態を説明して、その場で有無を尋ねたものだ。
 厚労省は、このデータ自体が古いため、もう一度調査を実施しようとして努力したが、「引きこもり」だけの調査をしようと思うと、協力してくれる自治体がほとんどなかったのだという。
 そういえば以前、ある東海地方の自治体を取材したら、「うちの市では、引きこもりは0人です」と、担当者に真顔で答えられたのを思い出した。


 コスト面や人手の問題など、いろいろ事情はあるのだろう。ただ、引きこもる本人や家族が地域で最も頼りにしなければいけない地方自治体が、「引きこもり」の人たちの実勢調査すら拒否する程度の認識では、彼らが安心して声を上げることなど、到底できない。
 本来、彼らが持つ潜在的な豊かな感性は、大きな戦力につながるはずなのに、何とももったいない。そうした人材が社会を離脱したとき、復帰する足がかりを用意してあげられず、膨大な社会的損失をつくりだしている背景には、こうした地方自治体側の理解不足も一因にある。
 話を戻すと、内閣府の推計数と差があることについて、「ふだんは家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」人たちの約46万人が、内閣府推計の約70万人には含まれている。一方、「ふだんは家にいるが、近所のコンビニなどには出かける」「家からは出ない」などの23.6万人は、厚労省の推計26万世帯に近いのではないかとのイメージが、両省で合意されているという。
 ただ、厚労省は、今後もタイミングを見て、推計調査を行っていく方針だ。

セーフティネット支援に予算約200億円! 「引きこもり」本人と家族を救えるか
 また、厚労省は、本人が望んだわけではないのに、社会に出られずにいる「引きこもり」本人や家族への対策として、第1次相談窓口の役割を担う「ひきこもり地域支援センター」の設置をここ1年余り前から進めてきた。
 ただ、実際に開設されているのは、今年1月現在、目標としている全国都道府県・政令指定都市で2ヵ所ずつの最大約130ヵ所のうち、まだ29ヵ所にしか広がっていない。
 厚労省は11年度予算案で、社会福祉士や精神保健福祉士といった「引きこもり」支援コーディネーターらを配置する、こうした同支援センター整備などの「引きこもり」のセーフティネット支援に、約200億円を計上した。


 同支援センターのネットワークの中には、「引きこもり」の家族会をはじめ、精神保健福祉センター、保健所、医療機関、地域若者サポートステーションなどが参加して、一緒に運営していくことがイメージされている。

医療などの専門家が訪ねて診療 期待高まる「アウトリーチ支援」の効果
 さて、これからの日本の精神医療でも、過剰な入院や投薬などによる医療費の抑制が求められている。そんな中で、患者が病院に来るのを待っているのではなく、未受診者や受診中断者などの医療や福祉サービスなどにつながっていない家庭に、医療などの専門家が訪ねて診療する、新たな「アウトリーチ支援」の必要性がうたわれている。
 何でも入院させればいいというのではなくて、地域の中で自立して生活できるようにしていこうという考え方への転換だ。
 少しわかりにくいのだが、「引きこもり」を含む地域で孤立した人たちへのアウトリーチは、厚労省と内閣府では、別々に行われるらしい。
 内閣府のほうは、医療に関係なく、「子ども・若者育成支援推進法」に基づいて、ニーズのある家庭を訪問していく。
 厚労省のほうは、アウトリーチの対象者の中には長期化する「引きこもり」の背景につながるような医療的なケアを必要としている人たちもいる。そこで、アウトリーチの支援チームには、病院や保健所などで講習を受けた人たちで構成されることが、条件になるという。
 とりあえず11年度のアウトリーチは、モデル事業として全国の数ヵ所で実施。対象者の意向を聞いて、「声を上げてもらうために、どうすればいいのか?」といった効率面やリスクなどの検討が重ねられる。
 ちなみに、いまの福祉サービスの根拠となる「障害者自立支援法」は、2013年8月、新しい法律「障害者の施策総合推進法」(仮称)に変わる。それに伴って、障害とは何なのか。知的、身体、精神の障害以外にも、福祉サービスを必要としている人たちがいるという意見がある。


「引きこもり」も含めて、どのあたりまで障害の範囲を広げるのか。まだ議論が続いていて、結論は出ていないという。
 ここからは余談だが、面白い話を聞いた。
 担当者が、発達障害の「注意欠陥多動性障害」は、じっとしていられなかったり、話し続けてしまったりして、学校や職場で怒られる。指令する脳の中枢がうまく働かない症状だと説明していると、長妻昭・前厚労大臣がふと「僕も昔、そうだったな。僕は大丈夫ですか?」と聞いてきたので、担当者は「自覚することが、カッコいいんです」とだけ答えると、長妻前大臣は不満そうだったという。
 大事なことは、自分にどういう特性があるのかを知って、「何を助けてもらいたいのか?」を一生考えながら、生きていくこと。そういう理解の切り口の1つが、発達障害をはじめ、それぞれの診断名や疾患名だと、担当者は話していた。
 そう、自覚することは、カッコいいことなのだ。






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