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[Ⅶ-11]<家族問題。親殺傷・ひきこもり。性同一性障害>新聞事件簿。どう向合う

<ダイヤモンド・オンライン>「ひきこもり」するオトナたち① 引きこもりは本当に「裕福な家庭の子」の甘えか NHK『クローズアップ現代』出演で知った偏見の根深さ

 
 <ダイヤモンド・オンライン>「ひきこもり」するオトナたち② 引きこもりの社会復帰を阻んでいるのは誰か 「エントリーシート」と「ハローワーク」の高い壁 <サンデー毎日>サンデー時評「言葉の力」が衰えたのはなぜか
いまだに強い「引きこもり」への偏見 決して“甘え”で片付けられる問題ではない
2011.2.10

「引きこもり」というと、いまだに「裕福な家庭だから…」とか「甘えている」「親が甘やかしている」などといった誤解や偏見が根強く残っている。
 しかし、これまで何度も発信してきたように、実際には、生活保護を受けられるような貧困世帯にも、引きこもる人は多い。
 そして、何とかしなければいけないと思っているのに、仕事などに行こうとすると、身体が動かなくなったり、おかしくなったり、痛くなったりするなどのメンタル的な問題を抱えてしまって、社会に出ることができなくなってしまう。それが「引きこもり」状態の人たちの実情だ。
「ニート」という、日本では「働いたら負けかな」的な人たちのことを指すであろう、定義のはっきりしない造語があるとすれば、引きこもりはそれとはまったく違う分類の話である。
 そればかりか、他人や社会に迷惑をかけてはいけないからと、仕事に就くことを諦めたり、生活保護を申請しなかったりする。中には、自分が職に就いたら、それによって職を奪われてしまう人が出るのではないかと心配して自重してしまう人までいるほどだ。
 引きこもりの中核にいる人たちは、一般の人が気づかないようなモノでも全身で感じ取れるくらい、感性が研ぎ澄まされている。だから、他人を気遣うあまり、人一倍疲れやすいし、挫折もする。そして、地域の中で埋もれるうちに、世間の視線が気になりだして、抜け出せなくなるのではないかと思えるのである。
誰にも相談できず埋もれていく

そんな当事者と家族が全国に
 都内に住む30代の男性は、電車に乗ると、腹や頭などが痛くなって、家に引き返してしまう。長時間、電車に乗ることができなくて、目的地に着くことができない。
 さんざん無理を重ねてきてしまったからであろう。「自分はもう社会には出られないのではないか」という。
 病院で診てもらい、薬を処方してもらったが、外に出るのがつらくなり、ほとんど家で寝てばかりの毎日。これも、休ませようという何かの防衛反応なのだろう。当初は、本人なりに頑張って外に出ていたものの、次第に人間関係も薄れていった。


 これからどうすればいいのか。何とかしたいと思っても、自分の身体に起きた出来事をうまく説明して理解してもらう自信がない。そもそも、社会に適応できない自分の状態を他人にさらけ出すこと自体、恥ずべきことで、カッコ悪いと思っていた。
 両親は、時間がかかるのは仕方ないと思いつつも、長い時間、引きこもっていると、2次的に病気を発症するのではないかと心配しているようだ。しかし、家の中の問題を口外してはいけないと思い、どこにも相談ができないままでいる。
 情報が入らなければ、きっかけをつかむことができないから、何も始まらないし、何も変わらない。こうした状況から、何かきっかけをつくりたいと思っていても、声を上げられない家庭は、全国に数多く埋もれていると推測される。

あの「嵐」をも凌ぐ?引きこもりへの関心 NHK『クローズアップ現代』生出演への反響
 さて、2月3日、NHKの『クローズアップ現代』に生出演した。テーマは、「働くのがこわい 新たな“ひきこもり”」。以前、当連載で紹介したNHK福岡の九州・沖縄限定番組『九州沖縄インサイド』が好評だったため、急きょ、VTRを編集し直し、全国版で放送されることになったらしい。
 好奇心旺盛なキャスターの国谷裕子さんからは、放送直前にあれこれ素朴な疑問をインタビューされ、関心の高いポイントを取捨選択して「ここはどう?」と提案してくる。こうして放送は、打ち合わせしただけで、台本が手元にないまま、ぶっつけ本番で臨んだ。
 番組の内容は、NHKオンデマンドから振り返って頂くとして、結局、九州沖縄版とはまったく違うコメントになった。この制作手法が、臨場感溢れる『クローズアップ現代』の魅力なのだろう。
 筆者の発言自体は、いつもとほぼ変わらないトーンだったのだが、番組には意外なくらい大きな反響が寄せられた。
 余談だが、視聴率は約13%で、裏番組の『VS嵐』よりも高かったという。「働くのがこわい 新たな“ひきこもり”」のテーマはいまや、嵐よりも関心が高いらしい。

数多くのつぶやきから見えた 「引きこもり問題」解決への糸口
 話を戻すと、放送後、局には「どこにSOSの声を上げればいいのか?」といった問い合わせが数多く寄せられたという。また、放送前から、この話題がネット上を駆け巡ったそうだ。


 アナログな筆者はネット環境に疎いので、ITに詳しいライターさんに今回の番組内容に関する「ツイッター」を拾い集めてもらったところ、膨大な量の「ツイート」(ツイッターのつぶやき)が送られてきて驚いた。ライター氏いわく、1つの番組では異例の数だという。
 すべてに目を通し切れたわけではないが、興味深いツイートもいくつか目についた。
 多かったのは、≪もし今クビを切られたら、おれもたぶん≫≪自分の将来を見るようで怖い≫といった反応だ。希望の見えない時代の中で、かつて遠い世界の話だと思われていた「引きこもり」が実は、自分の身にも起こるかもしれない、他人事ではない状況であると捉えられるようになった表れなのかもしれない。
 内閣府の「引きこもり」70万人、潜在群155万人というデータを見て≪こんなにいるのか≫≪政令指定都市の人口より多いのか≫と驚く人も多く、まだ問題が十分に浸透しきっていないこともわかってきた。
 ≪20歳を超えてひきこもりになった人が60%を超える。調査でわかったらしいけど、むしろ何で今まで知らなかったんだろう≫
 そんな疑問もあった。うすうす気づいてはいたが、国は長年、社会を離脱していく大人たちから目を背け続けてきたのではないか、と首を傾げたくもなる。
 そして、問題の本質を突くツイートがこれだ。
 ≪「ひきこもり」の人たちが社会復帰を望んでも、ひきこもっていた期間により生まれる履歴書の空白や社会経験の不足が自立への道を阻む≫
 政府は最近、新卒扱いを3年間猶予するよう、大企業に指示した。しかし、菅政権の官邸サイドは、問題の深刻さをまったくわかっていない。就職には新卒も既卒もなく、何歳になっても採用されるチャンスが与えられるよう、システムそのものを抜本から変えなければ、社会復帰を妨げる障壁を取り除くことはできない。
 ≪私も気持ちがわかるので、この人が取材に応じたのはものすごく大きな一歩だと思う。何でも少しずつ、少しずつ、でいいと思うんだー≫
 こう出演に応じた本人を気遣う、ほのぼのとした反応もいくつかあった。彼も何とかきっかけをつかみたいと思っていたからこそ、思いきって取材に乗っかったのだろう。
 番組では、記者の呼びかけで、両親とともに初めて畑に出かけ、農作業を手伝うシーンが出てくる。作業の後、感想を聞かれた彼は「複雑な作業になると、脳が鈍っているのか、頭がゴチャゴチャになってきますね」と答えていたのが印象的だった。


 確かに、一度にいろんなことが押し寄せて、頭の中が対応しきれなかった面もあるのかもしれない。しかし、久々の作業で身体を動かして、脳が喜んでいたのではないかとも感じられた。
 ≪他人に頼るべきではないという風潮が、この結果を招いている≫
 といったツイートも紹介されていた。自己責任論が声高に叫ばれる昨今、他者に迷惑をかけてはいけないという規範性の中で、気の優しい人たちをいつのまにか社会の隅に追いやっている。だから、
 ≪世間こそが鬼です≫
 という言葉には胸が痛くなる。
 ≪家にいるのは結果でしかない。ある程度は他者の手が必要。根性論を捨てれば多くの人を「救済」できる≫
 とツイートにあるような価値観が、いまの社会には求められている。

温かいつぶやきの裏には やはり誤解と偏見も…
 こうした真面目な反応が多かった一方で、残念ながら、いまだに「甘えてる」「親が悪い」といった誤解や偏見に基づく内容も少なくなかった。
 とくに、ある著名人のこんなつぶやきが、後日、ネット上に広がっていた。
 ≪今はまだ親世代が比較的中流だから、ひきこもりが維持できてるのかと思う≫
 冒頭にあるとおり、「中流」云々と「引きこもり」は直接、因果関係がない。しかし、こうした風潮がまだ根強いから、本当は手を差し伸べてほしいと思っている多くの本人や家族が、後ろめたさや罪悪感の中で自主規制してしまい、なかなかSOSの声をあげられずにいるのではないだろうか。






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