あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

[Ⅰ-I]活動方針、DV・性暴力事案の問合せ・相談方法など

DV被害支援室poco a poco -母と子が暴力に怯えない、子が暴力を学ばない安全安心な暮らしをサポートする会-の活動方針について。

 
 夫からの暴力・DVを受け、誰にも話せずにひとりで悩み、苦しんでいるあなたへ..。 <AFP>中国とインドに集中する「失われた女性」たち、その背景にあるもの
 DV被害支援室poco a pocoでは、「面前DVなど暴力のある家庭環境から子どもを助けたい」との考えのもと、離婚調停でのDVの立証と暴力のある環境に順応した考え方の癖の修正など、被害者の暴力で傷ついた心のケアをおこなっています。
 そこで、DV被害支援室poco a pocoにおけるDV被害者支援は、DV被害によるPTSDの回復を意図した認知行動療法(暴露療法)*の手法を取り入れたワークシート(『DV・夫の暴力、子への虐待チェック・ワークシート』)に、“なにをされてきたのか”“どのような状況におかれてきたのか”を書き込んでいただくことに主をおいています(回復のための第1ステップ:トラウマの再体験)。
 暴力のある環境から逃れ、暴力のかかわりを断ち切るために臨む「婚姻破綻の原因はDVにある」とする夫婦関係調整(離婚)調停では、ワークシートに記載していただいた内容をもとに「現在に至る事実経過」としてまとめ、配偶者によるDVの証拠とする報告書としていきます。
 つまり、「ワークシート」に“なにをされてきたのか”“どのような状況におかれてきたのか”を書き込み、文字化していただく作業は、DVを立証するために必要不可欠なものですが、それ以上に、ワークシートへの記載内容を分析し、暴力のある環境に順応する(生き延びる)ために身につけなければならなかった「思考・行動習慣」、「感情・対人認知」(以上、“認知の歪み(暴力のある環境でしか通用しない間違った考え方の癖)”)を正確に把握し、個々の状況にもとづいた認知の歪みの修正に対するアプローチとして特に重要と考えています。
* 行動分析学(Behavior Analysis)とは、行動科学のひとつで、人間または動物などの行動を分析する学問です。ヒトや動物を「行動」という切り口で、「行動の制御変数」を実験的な手法により、主に環境(独立変数)との相互作用の中に見つけていくものです。「制御変数」とは、相関関係で終らず因果関係を見つけることです。「環境との相互作用」とは、行動の“見かけ”ではなくて環境に及ぼす効果、環境が行動に及ぼす効果、つまり、“機能”に注目するものです。環境をどのように変えれば、行動の頻度が変化するのかがわかることから、望ましい行動を増やしたり、望ましくない行動を減らしたりする方法を考えることができます。したがって、行動の「原理」や「法則」を導きだすものということです。これを、実験的行動分析(Experimental Analysis of Behavior)といい、これにより、行動の「予測」と「制御」が可能になります。環境と行動間のこのような分析は機能分析(functional analysis)とよばれ、環境と行動の数量的関係をとり扱う数量的行動分析として、マッチングの法則、行動経済学、行動調整理論などが確立されてきています。そして、この成果は、人間や動物のさまざまな問題行動の解決に応用され、応用行動分析(Applied Behavior Analysis)といいます。
 この応用行動分析は、発達臨床として、発達障害や挑戦的行動、自閉症スペクトラム障害を持つ人に用いられています。例えば、「行動療法(behavior therapy)」ということばがありますが、「臨床法」のことで、不安症や恐怖症、PTSD、うつ病や摂食障害などの心の問題を持った人たち、自閉症やADHDなど、発達障害や学習障害を持った人たちを、主に「学習理論」にもとづいて治療したり、支援したりするいろいろな方法論に包括的につけられている総称で、最近では、認知行動療法と呼ばれることが一般的です。禁煙サポートやソーシャルスキルトレーニングの実施など、生活改善や社会適応の支援も行われます。他にも、「行動」という切り口で捉えることができるならなんでも対象となることから、一般臨床、医療措置、重篤な精神障害、エイズ予防、老年医学、産業安全、職場活性、学校教育、スポーツ、健康などに活用されているものです。スポーツの活用例をあげると、ソビエト連邦(ロシア)のバスケットボールチームで得点力をあげるためにシュミレーショントレーニングを導入するなど、シュートスキルの改善のためのコーチング法に活用されたり、関西学院大学のアメリカンフットボールでコーチング法の走りとして活用されたりしました。これらのコーチング法は、高校時代にチームマネジメントを学ぶきっかけとなり、のちに、企業論や戦略論を学んだ私が、行動科学にもとづくマネジメント、行動科学にもとづく組織活性化を専門とするコンサルタントとして活動する基礎となったものです。
 行動分析学の基本的な「原理」は、レスポンデント条件づけ(古典的条件づけ、パブロフ型条件づけ)とオペラント条件づけ(道具的条件づけ)の2つです。例えば、「オペレント条件づけ」にもとづく実験例は、ブログ「DVの発見は虐待の発見。あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?」のカテゴリー「Ⅳ-1」「Ⅰ-4.被害者心理。暴力で支配、マインドコントロールされるということ」の「(2)学習された無力感」において紹介し、DV被害者がなぜ暴力のある環境から逃れることができなくなるのかを説明しています。


 ブログ『面前DVの早期発見・早期支援。あなたは、夫の暴力を容認していませんか? あなたは暴力のある環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか? http://629143marine.blog118.fc2.com/』は、平成22年9月16日、ブログ『さよならの前に..第4章。暴力で傷ついた心に寄り添う(その後、休止)』から独立させ、親から虐待(面前DVを含む)を受けてきた人、配偶者からDVを受けてきた人に対する心のケア(カウンセリング)から、暴力のある環境そのものから逃れたり、かかわりを断ち切るために夫婦関係調整(離婚)調停に臨んでいる人に対する助言へと、DV被害者の方からの相談対応窓口としての活動範囲を広げてきました。
 DV被害者の方からの相談対応としては、①夫のもとから逃げだしたものの、見つけだされ、連れ戻される恐怖に怯えながら「助けてください」「なにか助言をください」と切羽詰った状態でご連絡いただくケース、②家庭裁判所に「調停離婚」を申し立てたものの、「私は妻と子どもを愛している。別れるつもりはない」と涙ながらに訴える夫、いつもの外面は別人のように愛想のよい夫の言動に調停委員や審判員が心を動かされ、“この人が本当に暴力をふるっているのだろうか?”などと調停や裁判が誤った方向に向かってしまい、その状況を打開したいといったケースがほとんどです。
 多くのDV被害者は、夫からコトあるごとに「俺のやることに文句をいうな!」「俺に従っていればいい!」と怒鳴られ、乳児や幼児がいる中「セックスに応じないなら離婚するぞ!」「文句があるなら、でて行け!」と脅されセックスを強要される(「ことばの暴力」があって、「性暴力」を強要されたり(レイプである)という“暴力の構図”)、自己中心的(常に自分だけが正しい)な“ものいい”で、しかも、家の中では、「お前は何もできない。役に立たない」などと子どもの前で侮蔑され、卑下され、罵倒されてきています(ことばの暴力)。そして、外面はよく、他の人には愛想をふりまき、平気で嘘、つくり話で人を喜ばす、気を惹き注目を集めるような巧みな話術を駆使する夫に調停も翻弄されてしまうわけです。しかも、夫の嘘を、正体を暴きたいと思っても、「こんなことをいったら、後からなにをされるかわからない(どんなに酷い目にあわされるかわからない)」との心に抱える恐怖を、同じ家に暮らしていない“いま”となっても、調停の場にも持ち込んでしまうので、相手方(夫)を怒らすような言動を控えてしまいます。
 ところが、調停委員や審判員の前で、「テメエ、なにたわごといっているだ! 俺にそんなことぬかしやがって、ただですむと思ってんのか!」と怒鳴り声をあげさせれば、外面だけがよく、そのときの気分で豹変する夫の正体をさらすことができるのです。
 にもかかわらず、いいたいこと、あることないことを思うがままに訴える相手方(夫)に対し、DV被害者の多くは、“こんなことをいったら、夫を怒らせてしまう”と怯えを抱えたまま、いいたいことも口にできなかったり、夫にはなにをいってもムダと主張することそのものを諦めてしまっていたりすることが少なくないのです。
 この“構図”で行われる調停や裁判では、最初から勝負が決まっているようなものです。
 “わたし”であることが許されず、徹底的に貶められ続けたDV被害者が、調停の場でも心ないことばを浴びせられる理不尽さにはことばがありません。
 DV被害支援室poco a poco は、こうしたDV被害者の抱える問題を切り崩すために、知恵を絞り、十分な準備を整えるお手伝いをしています。
 民間シェルターの運営や心のケア講座の開催など行っているDV被害者支援機関はたくさんありますが、どのような暴力が行われてきたのか(なにをされてきたのか、どういう状況におかれてきたのか)を「ワークシート」に書きあげていただいたものを、DVを立証することを目的に暴力の事実をまとめた報告書として、「現在に至る事実経過)」を書きあげていきます。そのために要する1,000-1,500時間をかけ、暴力による認知の歪みを整えながら調停や裁判にかかわる支援や情報提供をおこなっているのは DV被害支援室poco a poco だけです。
 そこで、相談者の暴力から抜けだし“わたし”を生き抜こうとするエンジンが止まらないように寄り添いながら、精神的に支え続けることで、「母と子が暴力に怯えない、子が暴力を学ばない安全安心な暮らし」を取り戻して欲しいという願いを込めて活動を進めています。

2012.3/11
 あの大震災から1年..「明日、死ぬことがわかっていても、私は今日、一本の林檎の木を植える(マルティン・ルター)」のことばを、しっかりと心に刻み込み、一歩一歩(poco a poco)進めていきたいと思います。
DV被害支援室poco a poco 庄司 薫


Ⅰ.poco a poco とは
 「 poco a poco 」とは、イタリア語で「少しずつ」「一歩一歩」という意味です。私はpoco a poco に「暴力に怯えてきたあなたが、“わたし”を大切に生きるために、前を向き、地に足をつけ、一歩足を踏みだす(決断する)勇気をもって欲しい」との願いを込めています。


Ⅱ.DV被害者支援としての活動、“いま”と“これから”
 DV被害支援室poco a poco のDV被害者支援の“根底”には、支配のための暴力のある家庭環境、親のもとで暮らすことを強いられている子どもたちが、心身が傷つけられる怖れのない安全で、“いつ豹変するか”といった恐怖に怯えることがない人生を生きて欲しいとの願いがあります。
 いま、家庭に支配のための暴力・DVがあるということは、支配のための暴力が子に青写真のようにゆっくり時間をかけて、確実に引き継がれる「世代間連鎖」という問題を考えなければなりません。「世代間連鎖」という次の暴力を生みださないためには、子どもたちを支配するための暴力がコミュニケーション・ことばのすべてとなっている生活環境から、つまり、親のもとから離さなければならないのです。子どもたちを暴力のある親から離すためには、母親を支配のための暴力から救いださなければなりません。
 私たちの社会は、一度、問題を起こすと白い目で見て後ろ指をさし、社会から徹底的に排除しようとします。しかし、その問題を抑止し、予防するために必要不可欠な子どもを“暴力のある家庭環境から守る”ことに対して、目を背け、見てみぬ振りをしてきました(している)。そうした社会を強要している私たちこそが、戒められなければなりません。
 支配のための暴力にさらされ続けた母親が“救いだされた状態”とは、①いうことをきかせるために暴力で怯えさせてきた夫とのかかわりを一切断ち切り(夫であり、子の父親である思いを一切捨て去る)、“これから”を生きるエンジンを灯すことであり、②否定され、批判・非難され、侮蔑され、卑下される心ないことばを慢性反復的に浴びせられてきたことで、a)自尊感情は損なわれ「私は生きている意味がない」と定期的に死にたくなったり、b)「お前が悪い」といわれ続けたことから自己否定感に苛まれ、考え方のすべてが「私が悪い(いたらない)から」との思いに囚われ続けるといった認知そのものの歪みを、時間をかけてひとつひとつ調えていくプロセスを示します。
 母親の救いだされた状態とその後の状態が、子どもとのかかわり方に直接大きな影響を及ぼすのですから、私は何よりも大切なことだと考えます。
 つまり、DV被害支援室poco a pocoは、配偶者からの支配のための暴力・DVにより奪われた“わたし”を取り戻し、認知の歪みを調えながら、新しいコミュニティとのつながりにむけて歩みだすことを支える活動をしています。


Ⅲ.ミッション(使命)
 支配のための暴力のある家庭環境、すなわち、DV環境で暮らす(面前DV被害下で生活し続ける)ことを余儀なくされることは、直接殴られる、蹴られるといった身体的虐待がなくとも、精神的虐待を受け続けていることを意味し、“子ども”への心身へのダメージは深刻です。
 DV・虐待環境にある子どもたちは、親に守られている安心感をえられないばかりか、安全であるはずの“家”そのものが恐怖に身が竦み、常に緊張を強いられなくてはならない場になっているのです。慢性的に繰り返し支配のための暴力・DVのある家庭で生き延びるために、精神を保つために“痛さ”“苦しさ”“辛さ”“哀しさ”を感じないように心を守っていきます。その心の奥にしまい込んだ苦しさ、やるせなさは、身体の悲鳴としてさまざまな症状をひきおこします。
 つまり、子どもたちは、①不眠、悪夢、眠りへの恐怖感を抱える、②頭痛、腹痛など、③攻撃的、怒りの感情をあらわにする、④異常なほどの多動・神経過敏で常に心配している、⑤それまでできていたことができなくなる、⑥友だちから遠ざかったり、子どもらしい活気がなくなる、⑦何に対しても感情を表さない、⑧愛する人の安全を過度に心配する(過干渉・よりかかり)、⑨集中できない、⑩繰り返し暴力的なことをして遊ぶ、といった心の健康が損なわれているサイン、「誰か、わたしを助けて!」とことばに表さないメッセージをだします。
 一方、残酷で哀しい現実として、子どもが支配のための暴力DVのある家庭環境で暮らし続けることは、人とのかかわり方は暴力という“力(パワー)”を巧みに駆使し、“恐怖”を植えつけることで成り立たせることを身につけていきます。DV加害者である親から浴びせられる侮蔑や卑下する“ことば”、さらに否定・非難の“ことば”を、家庭内で使われる常用語としての“ことば”としてすり込み、身につけてしまうのです。こうした“ことば”は、子どもの価値観の礎になっていきます。
 子どもたちが、親が“いつ豹変するか”といった恐怖に怯えることがない安心な生活を獲得し、「世代間連鎖」という次の暴力を生みださないためには、子どもと母親を支配するための暴力がコミュニケーション・ことばのすべてとなっている生活環境(父親のもと)から“離さなければならない”のです。子どもたちを暴力のある親から離すためには、母親を支配のための暴力から救いださなければならないと考えています。
 そのための活動として、DV被害支援室poco a pocoは、離婚を決意し、離婚調停や裁判に臨もうとしているDV被害者の方が、加害者である夫とのかかわりを“断ち切る(特に精神的に)”お手伝いをさせていただきます。


Ⅳ.活動概要
 夫の暴力による“怖い”に思考をコントロールされた状態では、調停での話合いに臨むのは難しく、相手方(夫)の外面ばかりがよくことば巧みな会話に真実は消しさられ、ことばの暴力、性暴力を立証することができなかったと嘆くDV被害者は少なくはありません。時に「私は妻と子どもを心から愛している。別れたくない」と必死に訴える相手方に翻弄されたり、「あんな優しそうな方が、本当にこんなに酷い暴力をふるうのかしら? あなたの方が少し大袈裟過ぎるんじゃないの!」などと非難めいたことをいわれたり、理不尽にも、夫からの暴力を、DVそのものが”かき消されて”いってしまうことさえおきます。
 逆に、調停の場で感情のコントロールができずにパニック状態に陥るDV被害者の姿は、調停委員への心証を悪くしてしまうだけでなく、「あなたは病気だから」と精神科の治療を促され、その間に考えられないような不利な決定をされてしまうことも少なくないのです。
 こういった事態にDV被害者が陥らないためには、夫からの暴力による“怖れ”に囚われたマインドコントロール(すべてのことを夫のためにと考える)を解き、自己肯定できるように思考の歪みを調えることが、加害者である相手方(夫)と向き合うために、何よりも欠かせないことと考えています。
 DV被害支援室poco a pocoは、母と子が暴力に怯えない、子が暴力を学ばない安全安心な暮らしを取り戻すために、女性および母子への支配のための暴力・DV事案への相談に応じています。
つまり、
(1) DV、暴力のある環境で暮らす影響に関しての情報を通じて、DVに関する理解を深めていただいたうえで、「婚姻破綻の原因はDVにある」とする離婚調停などの支援依頼を受けつけ、
(2) 「DV・夫の暴力、子への虐待チェック・ワークシート」に、“なにをされてきたのか”“どのような状況におかれてきたのか”を自分のことばとして書きだしていただくなど、メールのやり取りを繰り返し*、暴力に順応した考え方の癖(認知の歪み)を少しずつ修正しつつ、
* 暴力のある環境に順応した考え方の癖の修正など、被害者の暴力で傷ついた心のケアを目的としていることから、多くの相談事案では、離婚の確定後においても継続してサポートがおこなわれます。
(3) DV立証のために、「ワークシート」をもとに、「現在に至る事実経過」として暴力の事実をまとめた報告書*を作成していきます。
* DVの立証にあたり、会話を録音した音源データを文字起こししたものやメールの内容を詳細に分析し、言動の特性を明らかにするときについても、「現在に至る事実経過」の記載内容との整合性が重要と考えています。「診断書」「写真」「メール」「音源データ」などの個々の証拠は、暴力の事実の主張との因果関係が明確であり、婚姻後(あるいは、交際後)の二人の関係性を示すやり取り、出来事といった全体としての整合性がとられていることが不可欠であることから、個々バラバラに提出することは望ましくないと考えています。


<ポリシー>
1. 自己決定権の尊重
 DV支援室poco a poco は、DV被害者支援の専門機関として、相談者の方の悩みや母子の心身の安全・安心を守るために、専門的知識と経験に通じた助言・情報を提供します。
 事案解決の主体は当然のことながら、相談者の方ご本人です。といっても、離婚調停や裁判に臨む覚悟を固め、暴力のある状況から逃れての相談である場合、a)暴力による認知の歪み(考え方の癖)により、母子の心身の安全・安心をないがしろにしたりするなどのおこない(呼びだしに応じたり、話し合いに応じたりとあえて身を危険にさらす行為、b)PTSDの症状としての覚醒亢進(過覚醒)が怒りとなり(攻撃防御の機能不全)、相手に危害(誹謗中傷などのおこないを含む)を加える行為、c)苦しさに向き合うことから逃げるために精神治療薬に依存したり、カルトなど新興宗教に帰依したりするおこないを支持するものではありません。

2. 相談とカウンセリング
 “Know your customer(汝の依頼者を知れ)”という理(ことわり)は、DV被害支援室poco a pocoのDV被害者支援の根底をなすものです。孫子の兵法のひとつ「彼を知り、己を知れば、百戦危からず」との考えのもと、相談者の方の悩みや要望を知り的確な助言ができ、また、相談・支援者自らが“暴力の状況がどういうものであったのか”“その暴力がどのような影響を及ぼすのか”を理解できるように『DV・夫の暴力、子への虐待チェック・ワークシート』を書きあげるお手伝いをします。
 暴力に晒され続けたことによる認知の歪みに対してのケアは、“わたし(自分)”の身におこったことを正しく認識することを避けては通れないとの考え(認知行動療法・暴露療法)にもとづくものです。

3. 理解促進とコンサルテーション
 相談者の方が、DV被害者である“わたし”ときちんと向き合い、DV加害者とのかかわりを一切断ち切り、暴力への順応よる認知の歪み(考え方の癖)と向き合い、傷ついた心の回復をはかれるように、Ⅳ.活動概要-(1)(2)(3)通じて、
①夫からの暴力・DVとはいったいどういうものか、
②DV被害によるストレスが、被害者をいかに苦しめるのか、支配のための暴力による怯えが、被害者の心身をいかに蝕んでいくのか、自己を認められず、自己否定感や歪められた思考パターンのダメージがどういうものなのか、
 そして、③親のもと、乳幼児からDV環境で暮らす子どもたちに、親の暴力(「児童虐待防止法」では、直接、身体的な暴力がなくとも親が暴力を受けているのを目撃すること自体(面前DV)が「精神的虐待」にあたるとしている)が、いかなるトラウマを抱えさせるのか、脳の成長にどのようなダメージを与え、愛着形成、人格形成にどれほどの影響を与えるのか、
といった暴力・DVのある環境での生活が、いかに惨いものなのかといった本質を理解していただけるように努めます。
 また、④Ⅳ婚姻破綻の原因が夫からの暴力・DVにあるとした離婚調停では、正しい認識にたって、第三者に正しく伝えることができなければ、DVにどれだけ苦しんできたのかをわかってもらうことはできないことから、相談者の方が、夫から“なにをされてきたのか”“どのような状況におかれてきたのか”について、正しく認識できるように努めます。そして、⑤夫の態度、考えやいい分の変化を、DV加害者の心理・行動特性のバックボーンに照らして、夫の意図や真意を読み取り(推論し)、考え、同時に、調停の流れ(推移)を把握し、切り崩しを仕掛けていかなければ足元をすくわれかねないことも理解していただき、ともに切り崩しの手を考えていきます。
 さらに、離婚裁判の判例からは、裁判官が変われば解釈は変わり、結果として判決も変わるわけですが、“争点をどう捉え”、“どういう解釈の仕方がされる”のかをつかむことで、法のもとではどういう考え方が必要になるのか役立てていただけるのか、相談事案を有利に運ぶためのあらゆる切り口を考え、情報を提供します。

-追記-
 DV被害者支援の意味することは、直接の被害者である母親への支援のほか、DVのある、暴力のある家庭で暮らすことを余儀なくされて育った子どもたちを、底辺から支えるひとつひとつの地道なかかわり、触れ合いなしには、新たなDV被害者を、または、DV・虐待加害者を“生み”ださない、世代間連鎖を“防ぐ”ことはできないと私は思っています。私のDV被害者支援の根幹は、子どもたちを暴力ある環境で育ち続けることを防ぎたいとの考えにもとづいています。支配のための暴力に晒されている子どもたちを救うためには、母親とかかわりを深め、適切なサポートをし、支え続けるしかないのです。そのため、子どもだけでなく、同時に、母親とのかかわりを持てる小学校教師や養護教諭、保健師、医師、看護師の個々の職場での事案に添ったサポートしていだたくことが重要だと思います。DV被害支援室poco a pocoでは、その時々で後方支援をさせていただくのが、現段階としての活動の広がり考えています。
 それは、「担任しているクラスにこういう児童がいて、母親はこういう状況にある」という事案は、「今日はこういったトラブルを起こした」「ここ最近、ふさぎ込んでいる」「忘れ物が多い」「熱がでたり、直ぐに眼の炎症(ものもらい)が起きたりする」など、子どもの状況は日々状況が変化します。そうした子どもの変化や母親の言動、ふるまいについて日々状況をメールや電話で知らせてもらい、タイムリーに状況を共有化し、どういう対応が望ましいかをいっしょに考えたり、助言したりするかかわり方によって成り立つものと考えています。
 私はDV被害者や虐待被害者だからこそできること、あなたにしかできないことがあると思っています。そのために、DV被害者の母と子へのかかわりを“つなぐ”、私がDV被害者とのかかわりの先に望んでいることです。それが、「DV被害支援室poco a poco 母と子が暴力に怯えない、子が暴力を学ばない安全安心な暮らしをサポートする会」として、暴力に傷ついた母と子の心に寄り添う活動の広がりにつながるものと考えています。
 暴力のある家庭環境で育ち、小学校の教師として日々子どもたちと、その親と接しているひとりの被虐待者の女性がいます。
 「被虐待者」と表現しているのは、DV・支配のための暴力のある家庭環境(機能不全家庭)で育っているということ指しています。私がその被虐待者であり、小学校教師の方のカウンセリングをはじめて1年8ヶ月(2011.3/9現在)になります。いまその女性はネット上でさ迷う、親との関係に、友だちとの関係に“苦悩”している子どもたちに声かけをしています。その中に、里子として引取られ、その後、虐待を繰り返していた養父母が離婚となり、双方に養育を拒否され、15歳でひとり、援助交際で生活費(アルバイトで稼いでいる)の不足分を稼いでいた児童がいました。その児童は、援助交際後には感情を抑えられず部屋の中で暴れ、時にリストカット衝動に駆られ、心のメッセージ“助けて欲しい”をネットに流していたのです。その女性は、児童とメールでやり取りをし、その後、児童の了解を経て、勤務後保健センターに相談をしに立ち寄り、その保険センターを通じ、その児童の住む他県の保健センターへ協力を依頼し、児童相談所に間に入ってもらい、身元を確認、保護してもらったのです。その後、児童は生活保護の受給を受け、心療内科の治療を受けることができました。その児童は高校1年で進学校を中退していましたが、もう一度高校を受け直したいと気持ちを新たにしていきました。(その後、受験し合格しましたが、妊娠がわかり交際相手と入籍、2011年11月、16歳で男児を出産しました。その女性は、児童に出産祝いとして、自由になるお金がないと心細いだろうとの思いから3万円を贈りました。夫なった方からの手紙が添えられた赤ちゃんの写真を送ってもらうなど、やり取りを続けています。)
 私は、そうした“闇をさ迷う”子どもたちに対してのやり取りを直接しませんが、その女性と同時進行で連絡を取り合う中で、ともにどうしたらいいのかを考え、伝えることに徹しています。私がネット上で声をかけても、子どもたちから相手にもされません。子どもたちは、同じような辛い体験を乗り越えてき同性の大人からの“ことば”だから、耳を傾けてくれるのです。
 またその女性は、実際の子どもたちとのやり取りをしながら、知識と経験をえるだけではなく、自身のDV環境で暮らさざるをえなかったAC(アダルト・チルドレン)とも向き合い、思考の歪みと闘い、苦しみ、消えたい願望と闘いながら、階段をひとつひとつ昇っています。そして、虐待や性暴力支援機関の専門教育を機会があれば受講し、勉強を日々重ね、勤務先の子どもたちに対し、学校を通じ(校長・教頭の承認のもとで)“ことば”をなげかけ、母親に対しても“ことば”をなげかけています。閉鎖的な教育現場での幾つかの壁にぶつかりながらも、ほんの僅かであっても確かな風穴を開けて続け、少しずつ同調する人たちを増やしています。
 昨年(平成23年8月)、ネグレクト(育児放棄)を行った母親のもとを離れ、児童養護施設で2年間暮らし、母親のもとに帰ることになった児童の担任(「私が受け持つ」と自ら手をあげ)になりました。「“わたし”のことを受け止めてくれる、信じてくれる、見守ってくれる大人がいることを体感することが、大人になったとき心の支えになる」との思い、「私が子どものとき、担任の先生がもうひと声かけてくれたら、もう少し踏み込んで話を聴いてくれたら、私が苦しんでいることを、暴力のある家庭で怯えて暮らしていることを話せた」「もしあのとき、担任の先生が話を聴いてくれたら、私の人生は変わっていたかも知れない。教師として、担任として、私のかかわった子どもたちにはそうした思いをさせたくない」との思いが、子どもたちに寄り添う“エンジン”になっています。(翌年、転勤に伴い児童と離れることになりましたが、児童の問題行動、母親の養育に問題があることから、その児童と弟妹の3人は児童相談所が保護し、再び児童養護施設に入ることになりました。そのとき、母親から「娘が先生に会いたがっているから、施設に入る前に児相に会いに行ってもらえないか?」と連絡があり、会いに行き、夕食までの僅かな時間ずっと児童と兄弟たちを抱っこして過ごしてきました。)
 DV被害支援室poco a pocoでは、こうした暴力のある家庭で暮らし傷ついている子どもたちにきちんと寄り添える(正しい知識を得て、適切な距離感(かかわり方)を保てる)大人、保育師や教師がひとりでも多くいて欲しいと思っています。それは、保育園や幼稚園の保育士、小学校の教師や養護教諭、保健師、そして、小児科医や眼科医、耳鼻科医、歯科医といった子どもや子どもの母親や父親、祖父母とかかわる機会の多い人たちが、それぞれの現場でできる小さなかかわり(声をかけ、話に耳を傾ける)が大切だと考えているからです。


Ⅴ.運営・活動費
 ご支援のお願い。DV被害支援室poco a poco では、DV被害者である母と子を支える仲間になっていただける方を求めています。
 DV被害支援室poco a poco の活動は、現在、すべて自費(手弁当)でまかなわれています。家賃、通信・印刷費、交通費などの事務費(人件費は含まず)として、年間、約150-200万円の経費を必要としています。継続的な運営には、活動を支えていただける方々からの寄付*などが必要になっています。
 皆さまのご支援、ご協力をお願いいたします。
* 寄付は、NPO法人認定されていれば、法人発行の領収書が証拠書類となりますが、現在は寄付控除、損金算入の対象とはなりません。


(企業・法人の方へ)
DV被害が企業に及ぼす損失を考えたことがありますか?
 勤務する社員が家庭でDVを受けていると、心身ともに大きなダメージを受けることになり、それは、同時に、仕事へも影響を及ぼすことになります。DV被害を受ける被害者の多くが被虐待症候群の症状に苦しみ、強い不安感(パニック症状を含む)やうつ、そして、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などを発症し、仕事を続けられなくなり、退職せざるをえなくなったりすることもあります。
 また、DV被害から逃れるために別れたり、別居や離婚したあと、会社に押しかけたり、待ち伏せしたりといったつきまとい行為を繰り返されたり、本人だけでなく、会社宛や上司・同僚宛に誹謗中傷の電話をかけてきたり、メールを送りつけてきたりといった嫌がらせ(ストーカー行為)を繰り返されたりする結果、「これ以上、会社に迷惑をかけられない」と退社に追い込まれることもあります。それだけでなく、鞄2-3に入るだけの荷物を持って緊急一時保護施設(シェルター)に逃げ込んだり、縁もない土地に引っ越したりして身を隠しながらの生活をしなければならない事態に追い込まれることさえ考えられます。
 ここ数年、大学病院などの大病院がモンスターペイシェント対応を強化し、学校がモンスターペアレントや不審者への校内対応のあり方を構築したり(児童虐待への対応、保護命令(接近禁止)下にある保護者への対応のあり方と連携されていないなど懸案事項は多々残っている)してきた中で、企業の「社員をDV事件やストーカー事件からどう守るか」といった取り組みは遅れているのが現状です。社員が横領事件や痴漢などわいせつ事件をひき起こしたときに報道されるように、当然、社員がDV事件やストーカー事件の加害者になりうるわけですから、社内でのパワーハラスメントやセクシャルハラスメントによる被害者の精神的苦痛や心身へのダメージへの補償といったリスクマネジメントの問題に留まらず、かつて総会屋対策を強化してきたように企業のコンプライアンスの問題としての取り組みが、DVやストーカー事件においては必要不可欠になってくるものと考えます。
 日本においても、8~6人に1人の女性、30人に一人の男性が、「身体的暴行」「精神的攻撃(否定され、批判・非難され、侮蔑され、卑下されることばの暴力を浴びせられ続けられるなど)」「性的強要」を「継続的に繰り返し受けていた」との調査結果(内閣府「男女間における暴力に関する調査」)があります。
 米国オレゴン州のビルズボロ警察では、「DV被害を受けている職員のうち74%が、仕事中に加害者からハラスメントを受けている」、「DV被害者の28%が仕事を早退したことがある」、「DV被害者の56%が仕事に遅刻したことがある」、「DV被害者の96%が、その暴力・虐待行為によって仕事に支障をきたした経験がある」と報告しています。これらは、被害者本人はもちろん、仕事の効果性や効率性を損なうなど職場においてもDVの影響が及ぶことを示すものです。企業は、こうした損失を軽視してはいけないと考えます。
 もし、DV被害を受けていなければ、それまで早期退職していた被害者は、それまでどおりに仕事を続けられ、遅刻せずに出勤し、支障をきたすことなく仕事に集中することができていた可能性が高くなります。
 家庭環境が支配のための暴力・DVがなければ、本来持っている力を十分に発揮することができ、企業に貢献することができます。ですから、DVを防止することは、生産性だけでなく、退職によるあらたな採用コストという視点からも、企業には大きなメリットになります。それだけでなく、社会的な問題となっているDV防止を企業として取り組み、また、DV被害者支援機関に支援することは、企業の社会貢献として高く評価されるものです。
 DV被害支援室poco a pocoの活動は、これまで自助努力で行ってきましたが、継続的・安定的な運営のためには、活動に共感いただく方からの寄付金や法人の皆さまの助成金なしでは、基盤強化などが困難な状況です。何卒、ご理解とご協力をお願いします。
 いただいた寄付金は、DV被害を受けた女性や子どもたちが安全で、安心した生活を勝ち取るために、ききんと離婚を成立させるためのサポート、つまり、被害者とともにつくりあげた「DV被害状況書」にもとづいて「陳述書(申立書を含む)」や「訴状」を書きあげるための活動を「無料で提供する」ために使わせていただきます。

<寄付金 振込み口座>
※DV被害支援室poco a pocoの活動は、法人化(NPO化)できていないため、現在、銀行口座、郵便振替口座を取得できていません。
・郵便振替口座:  
   名 義:
・銀行口座:
   名 義:

・恐れ入りますが、振込みに必要な手数料を負担いただきますようお願いいたします。
・お知らせいただいたお名前、ご住所、お電話番号、メールアドレスは、DV被害支援室poco a poco が責任をもって管理し、上記以外の目的では使用いたしません。
・DV被害支援室poco a pocoへの事務用品、緊急一時保護施設(母子棟)への生活雑貨・文房具や食品の寄贈も大歓迎です(中古衣類のご寄付は受付けていません)
 緊急一時保護施設(母子棟)や児童養護施設への寄贈については、母子の生活状況によって必要なものが異なることがありますので、物品寄贈の場合には、まず DV被害支援室poco a poco(事務局)までメールでお問い合わせいただければ、送付先などをお知らせさせていただきます。なお、送料はご負担くださいますようお願いいたします。

 「DV被害支援室poco a poco 母と子が暴力に怯えない、子が暴力を学ばない安全安心な暮らしをサポートする会」の取り組み・活動に、ご賛同いただける方は、poco_a_poco_marine_s@yahoo.co.jp まで、ご一報いただけるとありがたく思います。

2011.3/1
DV被害支援室poco a poco 庄司薫


2011.3/20 東日本大震災から9日、満月、彼岸の夜に加筆
2011.6/29.10/11.13 加筆・修正
2012.2/15.9/11 加筆
2013.2/15.20.11/25.2014.7/16 加筆・修正



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