あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

[Ⅶ-5]<虐待>新聞事件簿。隣の家の子どもは大丈夫?子どもを助けてあげて!

<毎日新聞>殺さないで:親権見直し/3 「隠れた傷」根深く

 
 <毎日新聞>殺さないで:親権見直し/4 放浪する「裸」の未成年 <毎日新聞>殺さないで:親権見直し/2 必要な手術のために
 親指大の傷がひざの上に残る。スカートのすそを持ち上げ、女性(19)が打ち明けた。「昔、お母さんに包丁でやられた」。昨夏、西日本の民家。小学生時代から女性を知る医師は、心に傷を抱えた子供や支援者らの交流会で驚いた。「母親にここまでひどいことをされていたとは。だからあのとき、言えないと言ったのか」
 11年前の診察室。せきが止まらず、訳のわからないことをする。小学校低学年だった女性を連れてきた母親が訴えた。女性も「クラスで『変な子、ばか』って言われてる」。授業は上の空。授業参観で同級生の母親に抱きつき、離れなかった。診察室では床をはい、医師の手をなめ、尻を触った。
 その後、女性は医師に、父親から体を触られていることを明かした。「やめてって言っていいんだよ」「言えない」「お母さんに言うのは」「だめ。あの人は知ってる」。父から、人に言ったら捨ててしまうぞ、と脅されていた。母親からも口止めされていた。「お父さんが入って来ると、私は屋根裏部屋に行く。そこから雲の上のおうちに行くの」。家や家族の絵を描いて医師にあり得ない話をつぶやいた。
 「(現実からの)乖離(かいり)の症状だ」。医師は性虐待の疑いで児童相談所に通告した。
 児相は「被害が不明確」と女性の保護に乗り出さなかった。一方で、母親は医師が紹介した心理療法士に、夫から暴力を振るわれる苦悩と、両親に虐待された生い立ちを語り出した。自分は我慢し、成人して家庭をもったのに、あの子はちゃんとできない--。娘への怒りを打ち明けた。母親が決意し、母子ともに施設に保護されるまでに3年かかった。
 だが、母親は「私がいないとあの人はだめになる」と、2カ月もたたないうちに夫の元に戻った。父親は娘への行為を「スキンシップ」と言い、被害が明確にならないまま、女性は心の治療もする施設へ行かされた。中学卒業後は、父のいる実家しか戻るところがなかった。母親はその前に家を出て別の家庭をもったが、連絡先を女性に伝えないままだ。
 親権制度を見直す民法改正案には、親権一時停止の創設や本人による親権喪失・停止の申し立ても盛り込まれた。隠れた深刻な虐待に早く対応する狙いだが、密室の性虐待の場合、申し立ての前に大きな壁がある。「小さい子ほど『捨てられる』という恐怖で親の支配を逃れにくく、外の人にほとんど話せず、発覚しにくい」(医師)
 さらに今回、現場が求める「裁判所による親指導」は盛り込まれない。虐待をする親へのカウンセリングなどは児相が行うが、応じない親も多い。行政でなく司法機関が親に直接勧告する仕組みが有効だと切望されてきたが、見送られた。
 実家に戻って交流会に通い始めたころの女性は、床をはったり飛び出したりしていたが、落ち着いてきた。通院を続ける。見守る医師は思う。「それでもまだ隠れた傷がある」【野倉恵】=つづく

毎日新聞 2011年3月5日 東京朝刊




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