あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

[Ⅶ-1]<DV・虐待・性暴力被害データ。支援・対応の現状>新聞事件簿。

<朝日新聞>心の傷抱えた子に光 情緒障害児施設開設

 
 <朝日新聞>子への虐待 早期認識を (山梨県立人間福祉学部教授 西澤哲)  <読売新聞>リストカット、職員疲弊…情緒障害児施設の現状
2010年06月20日

 親からの虐待や学校でのいじめなどが原因で、気持ちや行動をうまく制御できない子どもたち「情緒障害児」を治療する施設「情緒障害児短期治療施設(情短施設)」が4月、県内に初めてできた。県内では虐待件数の増加に伴って、同じような苦しみを味わう子どもたちは増える可能性がある。これまで専門的な治療を受けられなかった子どもたちにとっては朗報だが、「傷ついた心のケアや自立を支えるのは、社会全体の責任」という指摘もある。(藤原慎一)

■専門的治療が可能に■
 青空が広がった5月下旬、青森市雲谷にある「青森おおぞら学園」の中庭に子どもたちが集まった。職員お手製のバスケットゴールのお披露目の日だ。
 「もっと上かな。あ、やっぱりもっと下」。男児の1人がリングの高さをしきりに気にしていた。それに応えて職員は何度も位置を変える。待望のバスケットゴールに向かって、シュートを放つ。楽しそうな様子の男児のそばでは、別の少年がしきりにビデオカメラをいじっている。職員たちは集団行動を無理強いせず、思い思いに時を過ごす子どもたちを見守っていた。
 高い天井から日の光が差し込む開放的なこの施設では、現在小5~中3の6人の子どもたちが暮らしている。児童相談所の措置で親元を離れ、勉強や遊びを共にしながら規則正しい生活を送り、心のケアを受けている。同学園にはセラピストや看護師など17人の職員が交代で勤務し、24時間体制で子どもたちを手助けしている。
 子どもたちの一日は午前6時半に始まる。午前の2時間半は青森市立横内小学校と横内中学校のそれぞれの教員が学園を訪ね、「出前授業」をする。学園の子どもは、両校の「自閉症・情緒障害特別支援学級」の一員なので、授業に参加すれば中学校まで卒業することができる。
 午後は子どもたちが治療を受ける時間だ。「心理療法室」でセラピストと個別に面談をして、虐待などで負った心の傷と向き合う。「自分のことは自分で」を基本方針にする同学園では、洗濯も掃除も子どもたち自身がやっている。


■なかった受け皿■
 同学園ができるまで、県内には「情緒障害児」とされた子どもたちの適切な受け皿はなかった。その役割を担ってきた児童養護施設は家庭で養育できない子どもが暮らし、児童自立支援施設は非行少年の自立を促すのが本来の目的。このため精神科医らによる専門的な治療は難しかった。心の不安定な子どもが他の子どもとうまく付き合えず、いじめなどの問題が起きることもあったという。
 県は08年度、情短施設の設置を決定。運営に手を挙げた団体の中から青森市の社会福祉法人「やまぶき福祉会」(内海克憲理事長)を選び、国と合わせて約1億7200万円の建設費補助を行った。
 情短施設の設置について、県こどもみらい課の長内公夫・総括主幹は「行き場のなかった子どもたちに、専門的なケアを行うことができる」と話す。定員30人のおおぞら学園は今後、入所者の受け入れ人数を増やしていく予定だ。


■単独では不十分■
 一方で「情短施設の整備だけでは十分とは言えない」との声もある。全国で最も早い1962年に設立され、これまでに約800人の子どもを受け入れてきた岡山市の情短施設「県立津島児童学院」の松尾冀(のぞむ)院長は「情短施設だけでなく、児童福祉施設全体で子どもを支えることが必要」と話す。
 これまで同学院に入所した子どものうち、平均2年間ほどの治療を終えて親元に戻るのは3割程度で、大多数の子どもは児童自立支援施設などの他の児童福祉施設に移る。再び親が虐待を行う危険性があったり、子ども自身に親と暮らす準備ができていなかったりする場合があるためだ。
 「岡山は情短施設以外の児童福祉施設もしっかりと機能しているので、それぞれの施設が連携して子どもを支えることができるんです」と松尾さんは説明する。
 おおぞら学園から退所した児童はまだいないが、児童が親元に戻れない可能性も考え、他の児童福祉施設との連携が必要になってくる。
 同学園の鳴海明敏施設長は「現在は施設それぞれが単独で子どもの支援をしている。今後は、児童福祉施設と行政が連携し、子どもの状況に応じて適切な施設で対処できるようにしなければならない」と話している。


《情緒障害児短期治療施設》
 情緒障害児短期治療施設心や行動が不安定で周囲とうまく付き合えない子どもたちに対し、児童相談所が入所措置を決定、専門職員による心理療法が施される。施設には1人以上の医師、子ども10人に1人以上の心理職員の配置が義務づけられ、他の児童福祉施設に比べて心のケアに手厚い態勢をとっている。
 厚生労働省によると、全国の情短施設は2009年度末までに33カ所。今年1月に閣議決定された「子ども・子育てビジョン」では、14年度までに全都道府県47カ所の設置を目指している。




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