あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

[Ⅶ-18]<児童福祉・行政・司法、介護、育児>新聞事件簿。母子を取巻く環境

<産経新聞>精神科病棟 増える認知症の人

 
 <ニューズウィーク日本版>日本の教育について考える(「接続」の問題) 婦人保護施設における性暴力被害者支援の実態 堀 千鶴子
1月7日(金)7時56分配信

 ■帰るつもりが帰れず

 精神科の入院病棟に認知症の人が増えている。入院は長期化しがちで、転院を重ねる人も少なくない。精神科病棟に入院する認知症の人は本当に退院できない人ばかりなのか、認知症の人が家や施設に帰るには、どんな環境整備が必要なのか-。(佐藤好美)

 東京都下に住む小倉文子さん(70)=仮名=の夫(74)は1年前、急性肺炎で入院した先で認知症を発症した。夫は嘱託の仕事を辞めて半年。糖尿病や心疾患などの病気持ちだが、それまでは普通の生活をしていた。
 病院に退院を迫られて帰宅し、精神科の診察を待つ2週間、小倉さんが介護した。夫はタンスの中身を引きずり出して引き裂く。「家の中に男がいる」などと言っては怒る。夜中の2、3時に「メシだ、メシだ」と騒いだかと思うと、1月の寒空にコートもなしで出かける。追いかけては怒鳴られ、帰って寝たかと思ったら、また30分後に「メシだ、メシだ」。オムツをはぎ取り、垂れ流す。小倉さんは「私が死ぬと思いました」と振り返る。
 やっと受診するとアルツハイマー型認知症と診断され、入院が決まった。オムツを外さぬよう拘束着で相部屋に入ったが、「乱暴をする」と、すぐに個室に移された。「鉄格子のある独居房みたいな部屋でした」と小倉さん。さらに病院から「うちは施設ではないので、1カ月しかいられません」と“予告”され、転院先を探すよう促された。
 1カ月半後に転院した先は認知症の人専用の精神科病棟。夫はずいぶん落ち着き、回廊式の廊下をうろうろ歩いていた。スタッフは優しく、ほっとした小倉さんだったが、再び「入院は3カ月まで」と言われた。「治らないのに出すんですか」と聞くと、「しようがないんだよ。後がつかえてるからね」と言われ、「ご家族が来ると興奮するから、なるべく来ないでください」とも。小倉さんはリストを頼りに病院を探し、半年後、再び夫を転院させた。
 しかし、3カ所目もやはり長くはいられないらしい。面会に行くと、夫は相変わらず歩いている。傷だらけなので「転ぶから走っちゃだめよ」と言うと、「お前、看護師と同じこと言うなあ。この前、家に帰ったんだ。お前、いなかったろ」と言われた。フロアには鍵がかかっているから帰れるはずもない。
 小倉さんはため息をつく。「治ったら帰るつもりだったのに、病院では『治りませんから、次の病院を探してください』と言われます。帰っているつもりのお父さんもかわいそうで…。おむつを取り換えるくらい、私がします。でも、徘徊(はいかい)が治らないと、私が死にます。どうしていいか分かりません」

 ■「訪問チーム」稼働、患者や家庭支援
 患者を抱える家族会は精神科医療に不信感が強い。「東京つくし会」の野村忠良会長は「精神科は内科や外科と違い、精密な入院計画や治療計画がない。『診療報酬が下がるから』とか『今後は外来で』とか言われるが、出したら出しっぱなし。外来は予約制で、悪くなってもすぐ診てくれる病院は少なく、治すことに熱心と思えない」と不満を漏らす。
 認知症の人は入院が長引きがち。精神科に限らないが、転院を重ねる人も少なくない。厚生労働省の患者調査によると、入院前の居場所で最も多いのは「家庭」(62%)だが、2位は「他の病院・診療所」(24%)。退院後の行き先も「家庭」(38%)に次いで「病院」(20%)が挙がり、「死亡・不明等」(22%)も多い。
 「認知症は治らないから」と言われる。しかし、徘徊、暴言、被害妄想など家族が最も困る行動は「認知症の周辺症状」と呼ばれ、薬とケアで一定程度は治まるとされる。専門医からはむしろ、「精神科病棟は生活の場として適しておらず、認知症の人の身体機能や認知機能を悪化させかねない」との声さえ出る。
 だが、ケアに厚い特別養護老人ホームなどの施設はいっぱい。家から通いや泊まりで利用できる「小規模多機能型事業所」は数が少ない。訪問診療は手薄で、退院すれば家族が一手に重責を担う。そんな中で精神科の病床が受け皿になっている。
 認知症の人が地域で暮らし続けられるよう取り組む病院もある。福井県の「敦賀温泉病院」は昨年夏、看護師や精神保健福祉士による訪問チーム「お出かけ専門隊」を本格稼働させた。
 地域の相談窓口である「地域包括支援センター」の連絡を受け、敦賀温泉病院の看護師や精神保健福祉士が患者宅を訪問。認知症の人の心身の状態や家庭環境を把握し、外来での初診につなげる。
 初診前の訪問には診療報酬がつかない。しかし、玉井顯(あきら)院長は「認知症の治療には、薬だけでなく周囲の人への心理教育が不可欠。院内でのみ診ていると、患者の本当の状態が分からない。医者が間違った薬を出していたり、周囲の人が認知症の異常な心理や行動を理解していなかったりして患者が回復しないことも多い。取り組みを病院外へ広げ、地域包括支援センターを通せば、介護サービスとも連携できる。家族や周囲の人に情報提供して認知症を理解してもらえば周辺症状も減り、不要な入院もさせずに済む。認知症の異常な心理や行動が治る人はまれでなく、たくさんいる」と話している。




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