あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

[Ⅵ-A] 臨床現場からのレポート(1) DV・児童虐待。暴力と精神疾患

岡本海渡さん死亡事件検証報告 ~児童虐待死ゼロをめざして~ 江戸川区・江戸川区教育委員会

 
 婦人保護施設における性暴力被害者支援の実態 堀 千鶴子 <産経新聞>所在不明の小中生326人 教委ずさんな調査、毎年度「ゼロ回答」も
平成22年3月

Ⅰ 検証にあたっての視点及び事件の概要 1・・・ 4
1 検証にあたっての視点(考え方)
2 検証方法
3 事件の概要
Ⅱ 問題点・課題と対応策 5・・・ 9
1 リスクの適切な把握と初期対応
2 適切なアセスメント・支援方針の決定及び進行管理の徹底
3 安全確認の徹底、対象者に応じた支援のあり方
4 児童虐待防止ネットワーク機能の強化
5 組織として対応する体制づくり
Ⅲ 再発防止に向けて 10


Ⅰ 検証にあたっての視点及び事件の概要
1 検証にあたっての視点(考え方)
行政をはじめとする関係機関が関与していたにもかかわらず、尊い子どもの命を守ることができなかったことへの猛省に立ち、以下の視点から検証を行う。
◎ 命を守るために、すべきこと、もっとできたことはなかったのか
(リスクの適切な把握と初期対応)
◎ 児童虐待への初期対応やその後の対応について不十分な点はなかったか
(適切なアセスメント・適時適切な支援方針の決定及び進行管理の徹底)
◎ 虐待防止の視点からの親子への関わりがどうだったか
(安全確認の徹底、対象者に応じた支援のあり方)
◎ 虐待防止の視点からの関係機関の連携はどうだったか
(児童虐待防止ネットワーク機能の強化)
◎ 組織として対応する体制はどうだったか
(組織的判断・対応の徹底、スキルの向上)

2 検証方法
学校、子ども家庭支援センター、関係機関から聞き取りを行い、事件の事実経過を詳細に把握するとともに、その経過一つひとつに対して、問題点や課題を見いだし、対応策を検討した。

3 事件の概要
(1)発生日時
平成22年1月23日(土)
(2)該当児童
岡本 海渡(おかもと かいと)さん(男) 平成14年生まれ 7歳
(3)児童及び家族の状況、特性
① 平成21年4月、本児の小学校入学を機に、都外から転入。本児と父母が同居を始める。
② 家族構成
本児:松本小学校1年生
父 :31歳。電気工。21年2月本児の母と結婚。
母 :22歳。15歳で本児を出産。
③ 死亡に至った経過
本児が食事に時間がかかることに腹を立てた両親が暴行を加える。意識不明になり病院へ搬送されるが、死亡。本児の体にはヤケドや古い傷、痣があり、長期にわたって虐待を受けていた可能性があると報道されている。
④ 学級の様子
学級人数 男子21人 女子17人 38人
学級担任 男性 28歳 教職年数 3 年目
(4)経 過
年 月 日 概 要
平成21年
9月4日(金)・児童が歯科を受診。歯科医があざに気づく。
9月14日(月)・歯科医が子ども家庭支援センター(以下、「センター」という)に通報。センターが小学校長に連絡。
       ・当該児童登校。状況を担任が確認。外傷なし。
9月15日(火)
       ・当該児童欠席。自転車で怪我と連絡。
9月16日(水)・当該児童欠席。担任が家庭訪問。その際、当該児童の様子に異変を感じ、学校に戻り、学校長 に報告。
       ・状況を把握するため、学校長・副校長・担任が再度家庭訪問。
       ・父親が暴力を認める。二度と殴らないと約束をする。
9月17日(木)・学校は家庭訪問時の状況をセンターに報告。
       ・センターが児童相談所に文書で情報提供。
       ・副校長が家庭訪問(病院の受診及び児童の状況確認)。このとき、副校長が「今日は何を食べたの?」と尋ね、児童が「ラーメン」と答えたため「ブタメンかな?」と会話した。
9月30日(水)・センターが学校長に連絡し、児童の状況について、特に問題ないことを確認。今後、変わったことがあれば報告するよう依頼する。
10月13日(火)~15 日(木)・当該児童欠席(頭痛が理由)。
              ・担任から、病院を受診するよう助言(15日頃)。
10月16日(金)・夕方、担任から電話をかけたところ、母親が「今日、墨東病院に血腫で入院した。自転車で転んだことが影響しているのかもしれない」と答えた。
10月16日(金)~23 日(金)まで、都立墨東病院に入院。
10月23日(金) 母親から担任に電話で「今日、退院した。医者も血腫の原因はわからないと言っている。しばらく体育を休ませてほしい」と連絡。
10月26日(月) ・当該児童欠席。
10月27日(火) ・当該児童登校(11 月まで体育は見学)。
10月29日(木) ・当該児童欠席(通院)。
11月16日(月) ・当該児童欠席(頭痛)。
11月19日(木) ・児童遅刻。母親は「児童が副校長に会いたくないと言っている」と連絡。
11月24日(火) ・両親と児童が来校し、副校長の言動について学校へ苦情。
①9/17 に副校長が「ブタメンを食べているのか」と話したことに対して苦情。
②「君のお父さんは本当のお父さんではない」と子どもが言われた(時期不明)と訴え。副校長は話していないと
主張し水かけ論になる。
11月30日(月) ・地域住民から当該児童のプリントが捨ててあったと学校に連絡があり、その日のうちに職員が受け取りに行った。
12月1日(火) ・当該児童欠席。「こんな学校に行かせられない」との理由。
12月3日(木) ・当該児童出席。
        ・担任が家庭訪問。11月30日に受け取ったプリントを自宅へ届けに行く。当該児童及び両親と面会。外傷等見受けられず、父親ともなごやかな雰囲気で訪問終了。
12月7日(月) ・自宅で宿題をしようと思ったら、消しゴムがなく学校に取りに行く。しかし、教室に消しゴムはなく困っていたところ、担任が自宅に一緒に行き、保護者に説明をする。
12月10日(木)・父親から教育委員会指導室に電話。副校長の言動・学校の苦情についての訴え。
       ・教育委員会は学校に父親とよく話し合うよう指示。
12月14日(月)・当該児童欠席(風邪による理由)。
12月21日(月)・当該児童欠席。母親から「子どもが学校に行きたくない、と言っている」と連絡。
       ・父親から12月10日と同様の電話が教育委員会に入る。
12月22日(火)・当該児童欠席(理由は21 日と同じ)。
・担任が家庭訪問。母親と面会。
・当該児童の面会は母親から拒否をされる。
12月24日(木)・当該児童欠席(理由は21日と同じ)。
・担任が家庭訪問。母親の弟と会う。母親と当該児童は不在。
12月25日(金)・当該児童欠席(理由は21 日と同じ)。
・母親と母親の弟が、児童の荷物を学校に取りに来る。
12月28日(月)・母親と当該児童が来校 副校長への苦情(11月24日の苦情の繰り返し)。
平成22年1月8日(金)~20日(水)
・当該児童欠席。
・学校が母親に電話したところ「年末年始を母の実家の千葉で過ごしている」との連絡。
1月21日(木)・当該児童出席。
1月22日(金)・身体測定の際、養護教諭が着衣のまま身長と体重を測定(外傷等なし)。
1月24日(日)・児童死亡。小岩警察署が両親を傷害容疑で逮捕。
・警察がプレス発表。
2月12日(金)・東京地検が両親を傷害罪で起訴。


Ⅱ 問題点・課題と対応策
1 問題点・課題
1 リスクの適切な把握と初期対応
【子ども家庭支援センター】
○受け止めの甘さ・・・歯科医からの確かな情報であり、顔にあざや他にも複数のあざがあること、本人が虐待について訴えていること、母親が虐待を黙認していることから、ハイリスク家庭と認識すべきであった。
○安全確認を学校からの情報提供(児童登校)で済ませてしまった
○状況把握の甘さ・・・若年出産であったことを把握していたが、前住所地の関係機関に情報収集していなかった。また、近隣情報を民生・児童委員等に確認していなかった。
【学校】
○状況把握の甘さ・・・子ども家庭支援センターからの状況確認を担任だけにまかせてしまった。日常生活における、打撲や切り傷と判断してしまった。
就学前状況や家庭環境まで把握できていなかった。
○経過の情報提供の不足・・・入院をしたり長期欠席したり(10月)しているにもかかわらず、学校だけで抱えてしまった。母親からの情報や血腫は以前の怪我によるものではないかと学校だけで判断し、子ども家庭支援センターへの情報提供を怠った。

2 適切なアセスメント・支援方針の決定及び進行管理の徹底
【子ども家庭支援センター】
○アセスメントの見直しが不十分・・・歯科医や学校からの情報により、受理会議で支援方針を決定したが、学校からの家庭訪問の情報を受けたことにより、再度アセスメントを行い、支援方針を見直す必要があった。
○虐待という認識の甘さ・・・同月に2回、首から上の身体的虐待があり、顔がはれあがる状況にもかかわらず、学校に対応を任せた。
○進行管理の甘さ・・・9月30日に、学校から、児童が「通常通り生活している」との確認ができたことにより、これ以降、児童の状況連絡を学校に任せてしまった。
【学 校】
○情報提供の不足・・・家庭訪問(9月16日)において、父親との話し合いの中で、「もう二度としない」「もう殴らない」という言葉を受け、一見解決したように思ってしまった。子ども家庭支援センターから継続の問い合わせがあった際、虐待という認識はなく、「日常生活に変わりはない」「元気で生活している」という情報提供をしてしまった。
○継続の情報提供の甘さ・・・怪我で長期入院や欠席(10月)をしているにもかかわらず、子ども家庭支援センターに情報提供を行わなかった。
今回のケースについては、子どもの安全確保にとって決定的に必要な情報であったと考えられる。

3 安全確認の徹底、対象者に応じた支援のあり方
【子ども家庭支援センター】
○安全確認の未実施・・・歯科医からの通報により、児童本人が虐待を訴えていることから、センター職員が、学校等で児童に直接会い、面接するべきだった。また、児童の顔がはれあがっているとの学校情報を受け、センター職員が、目視により児童の状況を確認するべきだった。
○虐待者に対する評価の甘さ・・・虐待者の発言を信じてしまい、「虐待は繰り返される」との認識に立って対応するに至らなかった。
【学 校】
○児童虐待の認識・感度の甘さ・・・児童の怪我、長期の欠席、体育の授業見学など、母親からの連絡のみで児童の状況を把握してしまった。担任は電話で母親と連絡をとったり家庭訪問を常に行ったりしていたが、学校だけで抱えてしまった。
○児童や保護者の心理状況の把握の甘さ・・・怪我や体育の授業の見学をしたり、遅刻や長期欠席(10月以降)をしたりと状況の把握はできていたが、児童の心理状況の把握をあまりしていなかった。両親で来校して苦情(11月)を言ったり、母親が児童と来校して相談をしたり(12月)した時の保護者の心理状況を把握していなかった。消しゴムをなくしてしまって教室に取りに来て見つからず困った児童を見て、担任が家庭訪問を一緒にしたり、プリントを届けたりと、児童の状況を担任は把握しているが、管理職への報告までで留めてしまった。

4 児童虐待防止ネットワーク機能の強化
【子ども家庭支援センター】
○ネットワークの未活用・・・民生・児童委員と連携をとらないなど、「子どもの保護に関する地域協議会」(平成17年11月設置)を効果的に活用できなかった。
○夜間等連絡方法の不徹底・・・家庭訪問した学校が、夜間、状況報告しようとしたが、業務終了後のため、つながらなかった。
○学校との情報共有が不十分・・・児童相談所に対して、東京ルールに基づく情報提供の際、「再発の可能性あり」とした認識を学校と共有できていなかった。9月16日の学校対応(家庭訪問の仕方や学校全体で即対応)をもって、学校に対する信頼度を高めてしまい、9月30日の確認以降、学校からの情報提供を待つ態勢になってしまった。
【児童相談所との連携】
○情報共有の不徹底・・・センターからの「情報提供」に対し、受理・不受理の回答など、児童相談所との情報共有がなされなかった。
【学校】
○校内体制の不十分・・・「生活指導連絡会」や「朝の打ち合わせ」には、情報提供がされていたが、児童虐待の認識・感度の甘さがある情報提供なので、「みんなで見ていこう」の合意だけで危機感がなかった。
○学校以外の情報提供の不足・・・学校は、保護者と連絡がとれ、母親によると病気欠席(頭痛・入院)、家庭の事情での欠席等の理由が明らかだったので、教育研究所には報告をしなかった。また、民生・児童委員への情報提供がなされていなかった。教育委員会指導室(12月に父親から指導室に苦情)にも情報提供していなかった。
【教育委員会指導室】
○情報提供の不徹底・・・父親から学校・副校長へのクレームが二度入ってきている(12月)が、学校から事前の情報が全くないため、危機感をもって対応することができなかった。
○学校からの情報提供の不足・・・状況の把握がしっかりできず、特に2回目については、この児童の状況などを細かく詳細に聞き取る必要があったが、それを怠った。

5 組織として対応する体制づくり
【子ども家庭支援センター】
○受け止めの甘さ・・・歯科医からの通報に対し、安否確認を含め学校に任せきりにしまった対応は、江戸川区の専担組織として児童虐待に関わっていくという姿勢に欠けた。
○進行管理の不徹底・・・9月30日の学校からの確認以降、児童の状況連絡を待つ姿勢になってしまい、その後のフォロー(進行管理)ができていなかった。


2 対応策
【子ども家庭支援センター】
1 子どもの命を守ることを最優先とした安全確認
安全確認は早期発見・早期対応の起点であったにもかかわらず、学校任せにしてしまった。「虐待死」という最悪の事態も想定して、子どもの安全を最優先とした対応をしていかなければならない。
児童本人が被虐待を訴えている場合は、センター職員が、児童に直接話を聞き、状況把握を行う。ハイリスク家庭と認識した場合には、家庭訪問を行い、児童の状況を目視により安全確認し、いざというときは、躊躇することなく、児童相談所や警察と協力して迅速な対応を行う。

2 主体的な進行管理の徹底
虐待の再発を認識していたにもかかわらず、児童の状況把握を学校任せにしてしまった。関係機関とのはざまでケースが抜け落ちないよう、センターが主体的にかかわっていく姿勢で進行管理を徹底しなければならない。
通報の信頼度や緊急度等のレベルに応じたスクリーニングを導入し、児童や家庭の状況に応じて可能な限り情報を収集する。とりわけ重篤化しやすいリスク要因は、チェックシートの活用などにより迅速かつ遺漏がないよう収
集する。アセスメントに際しては、虐待死が起こる事態を想定するとともに、状況の変化に応じて、見直しを行い、支援方針を決定する。
ケースの安全度に応じて、進行管理のチェックを行うとともに、定期的に報告(安全確認書)を受ける仕組みを導入する。

3 初期対応から具体的なネットワークを構築
学校だけの対応に終始してしまい、多くの目で見守る体制がとれなかった。より多くの関係機関のネットワークによる対応が必要である。児童虐待の事案が発生した時点で、民生・児童委員に依頼するなど、ネットワークを活用し、情報収集や見守りを行う。見守りの段階から、虐待の認識を共有し、個々のケースに応じて、「誰が何をやるのか」「キーパーソンは誰か」などの役割分担を関係者協議の上で明確にしておく。「ケース検討会議」を積極的に活用し、具体的なネットワークを構築する。児童相談所に連絡した「情報提供」の協議結果やケース処遇の留意事項について、センターに情報をフィードバックするよう要請するなど情報共有を図る。

4 職員のスキルアップ
歯科医からの貴重な通報を生かしきれなかったことは、痛恨の極みであり、リスクを受け止める感度と虐待防止への姿勢を猛省しなければならない。職員の意識とスキルの向上を図るために、児童相談所の実地研修をはじめ、所内OJT研修、各種専門研修の受講などの機会を積極的に活用する。経験豊富な児童福祉司OB等からのアドバイスを受ける体制を強化する。

【学校】
1 「子どもの命は自分が守るんだ」という使命感をもち、子どもや保護者の理解を深める
子どもや保護者ときめ細やかに対応し、一人ひとりの理解を深める。「児童虐待」の正しい理解と対応方法についての共通認識を図るため、区主催の研修、管理職が自ら先頭にたった校内研修会を開催し、「児童虐待」の早期発見・早期対応に全力を尽くす。

2 校内体制の再構築を図る
「生活指導連絡会」や「朝の打ち合わせ」など、情報の共有化を行えるよう組織的な校内体制の再構築を図る。
担任一人で抱え込まず、養護教諭・スクールカウンセラー・学校医と連携した有効な相談体制をつくり、専門家の目でも見るようにする。学級の子どもだけではなく、学校全体の子どもの名前を知り、朝の挨拶や廊下ですれ違った時などに「○○さん・・・」と声をかけるようにしていく。

3 多くの目で子どもを見るためのネットワークを深める
学校が中核となり、PTA・学校評議員、民生・児童委員、学校医等の地域ネットワークを活用し、子どもの見守り体制、支援体制を強化する。
学校が日ごろから、子どもに関する情報を、地域のネットワークに発信し、相互の信頼関係を深め、協力・連携体制を強化する。「聞いていない」という関係機関がないよう、学校だけで抱え込まず、情報提供を行う。その際、重要なリスク要因は何か確認し、見逃されることのないよう共通認識をもたなければならない。親が虐待を自覚しているか、繰り返さない決意を確認できているかは重要であるが、再発や重篤化のリスク評価に直接結びつくものではなく、むしろ自己弁護のために口にすることが多いことを肝に銘じて、リスクアセスメントは事実に基づき行われるよう徹底していく。


Ⅲ 再発防止に向けて
本事件の検証において、事実経過をたどればたどるほど、命を救えなかった「子ども家庭支援センター」と「学校」の対応に、深い悔恨の念が湧きあがってくる。
子ども家庭支援センターは、歯科医からの通報を受け、学校に安否確認や事実確認を依頼しているが、区における専門機関としての役割を発揮せず、結果として、学校任せの対応になってしまったこと、及びセンターを中心に学校、民生・児童委員などとの具体的連携体制を構築し、ケースマネジメントをしていくことができなかった。
学校は、児童の命を守り、健全に育成していくという崇高な使命を果たすべき場である。センターからの通報を受け、当日の安否確認及び家庭訪問(暴行の事実をつかみ、その認識が親にあり、二度とやらないとの約束をさせたことを信じきったことなど)を行っているが、虐待であるとの認識は極めて低い。
この意識の低さは、その後のこうしていればという何度かの場面で、命を守るための具体的行動に結びつけることはなかった。
本事件において両親は、犯罪者であり、あらゆる意味において第一の責を負うことは当然である。
しかし、把握した情報に適切な対処ができず、結果として死に至らしめたことは、現場担当者の責任もあるが、このような対応しかでき得なかったそれぞれの組織管理者及び区全体の責任でもある。このことの痛切な反省に立ち、今後の再発防止に向け、以下の取り組みを徹底して行っていく。
① 学校等それぞれの現場職員が、虐待への感度を高め、学校内外の体制を再構築し、その時々の取るべき行動を全員に徹底する意識改革をすすめる。
② 区のコントロールタワーとして、子ども家庭支援センターを位置づけ、職員のスキルアップや体制など機能を強化する。
③ 子どもの安全を最優先に、安全確認の徹底と、いざという時には、躊躇することなく、児童相談所・警察と協力して迅速な対応を行う。
④ 民生・児童委員をはじめ、虐待に関わる機関や関係者との具体的なネットワークをケースに応じて構築する。
⑤ 適切な進行管理により、ケースの状況把握を確実に行う。
⑥ すでに設置されている「子どもの保護に関する地域協議会」を効果的に活用し、地域を挙げて虐待を無くしていくという江戸川区を作り、早期発見・早期対応により児童虐待を防止していく。


○検証メンバー
副 区 長
教 育 長
子 ど も 家 庭 部 長
児 童 女 性 課 長
教 育 委 員 会 教 育 推 進 課 長
教 育 委 員 会 指 導 室 長
教 育 委 員 会 副 参 事
子ども家庭支援センター所長
高 崎 賢 一
實 方 健
稲 毛 律 夫
丸 山 みどり
原 野 哲 也
並 木 正
清 澤 好 美
岡 崎 由紀夫



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