あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

[Ⅵ-K] DSM-Ⅳ診断などチェックシート

心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断基準(DSM-Ⅳ)

 
 「傷ついた心の行方」 吉永陽子(長谷川病院精神科医 青葉学園短期大学非常勤) <読売新聞>6か月次女「揺さぶり死」容疑、母親を逮捕
(PTSD;Post Traumatic Stress Disorder)

A.以下の2条件を備えた外傷的出来事を体験したことがある。
1.( ) 実際に死亡したり重傷を負ったりするような(あるいは危うくそのような目に遭いそうな)出来事を、あるいは自分や他人の身体が損なわれるような危機状況を、体験ないし目撃したか、そうした出来事や状況に直面した。

2.( ) 当人が示す反応としては、強い恐怖心や無力感や戦慄がある。
【備考】 子どもの場合には、むしろ行動の混乱ないし興奮という形で表出することもある。


B.外傷的な出来事は、次のいずれかの(あるいはいくつかの)形で、繰り返し再体験される。
1.( ) その出来事の記憶が、イメージや考えや知覚などの形を取って、追い払おうとしても繰り返し襲ってくること。
【備考】 幼児の場合には、繰り返し行なう遊びの中に、その外傷の主題やその側面が現われることもある。

2.( ) その出来事が登場する悪夢を繰り返し見ること。
【備考】 幼児の場合には、内容のはっきりしない恐ろしい夢のこともある。

3.( ) あたかも外傷的な出来事が繰り返されているかのように行動したり、感じたりすること(その出来事を再体験している感覚、錯覚、幻覚や、覚醒状態や薬物の影響下で起こる解離性フラッシュバックもここに含まれる)。
【備考】 幼児の場合には、外傷特有の再現が見られることもある。

4.( ) 外傷的出来事の一面を象徴するような、あるいはそれに似通った内的・外的な刺激に直面した時に、強い心理的苦痛が起こること。

5.( ) 外傷的出来事の一面を象徴するような、あるいはそれに似通った内的・外的な刺激に対して、生理的な反応を起こすこと。


C.当該の外傷に関係する刺激を執拗に避け、全般的な反応性の麻痺が執拗に続く状態が(その外傷を受ける前にはなかったのに)、以下の3項目以上で見られること。
1.( ) その外傷に関係する思考や感情や会話を避けようとすること。

2.( ) その外傷を思い起こさせる行動や場所や人物を避けようとすること。

3.( ) その外傷の要所が思い出せないこと。

4.( ) 重要な行動に対する関心や、その行動へのかかわりが著しく減少していること。

5.( ) 他者に対する関心がなくなった感じや、他者と疎遠になった感じがすること。

6.( ) 感情の幅が狭まったこと(愛情を抱くことができないなど)

7.( ) 未来の奥行きが狭まった感じがすること(出世や結婚、子ども、通常の寿命を期待しなくなるなど)。


D.高い覚醒状態を示す症状が執拗に続く状態が(その外傷を受ける前にはなかったのに)、以下の2項目以上で見られること。
1.( ) 入眠や睡眠状態の持続が難しいこと。

2.( ) 激しやすさや怒りの爆発があること。

3.( ) 集中困難があること。

4.( ) 警戒心が過度に見られること。

5.( ) 驚愕反応が極端なこと。


E.( ) その障害(基準B+C+Dの症状)が1ヵ月以上続くこと。


F.( ) その障害のため、社会的、職業的に、あるいはその他の重要な方面で、臨床的に著しい苦痛や欠陥が見られること。
   次の点を明確にすること:
    急性――症状の持続期間が3ヵ月未満の場合。
    慢性――症状の持続期間が3ヵ月以上の場合。
   次の点を明確にすること:
    発症遅延型――発症がストレス因から少なくとも6ヵ月経過している場合。


※「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法)」に準じ、緊急一時保護施設に入居し重い症状が疑われるDV被害者に対し、行政から委託された医師(PTSD治療を専門としている大学病院の医師)のもとで、質問票に答える(自記式)形でPTSDの症状を測定するために用いられているものとして『IES-R(Impact of Event Scale-Revised)改訂出来事インパクト尺度日本語版』があります。
 「診察や調査での使用は無料ですが、質問紙のホームページ上の掲載などについては遠慮ください」とされていますので、ここに載せることができません。PTSDの診断は、医師による症状の経過観察が必要になりますが、『IES-R』は、自記式得点形式ですので初期理解としてはわかりやすいものです。関心のある方は、上記自記式質問票名にて検索してみていただきたいと思います。

※ PTSDの症状については、主に、カテゴリー「Ⅳ-2.Ⅱ.面前DVの影響。暴力のある家庭で暮らす、育つということ」の中の、「7.トラウマと脳(1)-(5)」、「8.PTSDとC-PTSD、暴力で傷ついた母親と子どもを理解するために。(1)-(5)」において詳しく説明しています。
 暴力のある家庭で育ったり、暴力のある家庭で暮らさざるをえなかった女性が見せる症状や傾向を「被虐待女性症候群(バタードウーマン・シンドローム)」といいますが、カテゴリー「Ⅳ-2.Ⅱ.面前DVの影響。暴力のある家庭で暮らす、育つということ」において、上記PTSDの症状を含めて全般的に説明しています。
 また、暴力のある環境で暮らさざるをえなかったことによる心の傷に対するケアにあたっては、カテゴリー「Ⅳ.DVのある家庭環境で育った子どもと母親のケア」の中の「17.DV被害者の抱える心の傷、回復にいたる6ステップ」で説明しています。


2010.12/25
2013.4/24 ブログ再構成・再編集にともない掲載場所を移動
2015.9/10 ※記載の再編集





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