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[Ⅶ-12]<いじめ・差別・貧困>新聞事件簿。傷ついた子どもの悲鳴

<中日新聞>【いじめと生きる】第7部 大人たちへ (1)弱気をくじく

 
 <中日新聞>【いじめと生きる】第7部 大人たちへ (2)見た目 <中日新聞>【いじめと生きる】第6部 @ネット (6)窓
2007年6月27日

楽しみは「無料」のネットぐらいという岐阜・中津川の男性


■自立強いる社会 助けもせずに…
 岐阜県中津川市の男性(39)は脳性まひで、生まれつき、手足が不自由だ。足を引きずるようにゆっくりとしか歩けないし、言語障害があってうまくはしゃべれない。小、中学校では、ずっといじめに遭っていた。

 しゃべり方や歩き方をまねしてからかわれる。足をかけて転ばされる。「(障害が)うつっちゃう」「あっち行け」と言われたこともある。

 子どもの世界では、しばしば、体力がなかったり、何かが不得意だったりすることが、いじめのきっかけになる。そんな時、大人は、「弱者」や「困っている人」はみんなで助けなければ、といじめっ子を諭すだろう。

 実際、中津川の男性がいた学校のある教師も「助けてあげるのが当然だ。いじめるなんて最低だ」と、ほかの子どもたちをしかりつけてくれたという。

 「うれしかった」が、それでも、いじめは止まらなかった。

 でも今、男性はこう思うのだ。

 仕方がない。子どもにだけ、そんなこと求めたって-。

 昨年秋、東京・日比谷公園に「出直せ、支援法!」のシュプレヒコールが響いた。「障害者自立支援法」の見直しを求める集会とデモ。障害者運動としては空前のざっと一万五千人が参加。男性も、その中にいた。

 財政難などを理由に昨春施行された同法は、それまでほとんど無料だった福祉サービスについて、利用者に原則一割負担を求める。

 男性の場合は、食費などを含め、入所する療護施設の利用料が月三万円から倍増した。月八万三千円の障害者年金が収入のすべてなのに。月一回、隣県の病院で受ける定期検診の費用も要るし、小遣いなんて残らない。クラシック音楽を聴くのがささやかな楽しみだったが、今はもう、一枚のCDを買う余裕がない。

 「ほかにもっと取れるところがあるでしょう。なぜ、お金のない障害者から、吸い取るんですか」。大人の社会だって、困っている者を助けてくれないじゃないか、と男性は思う。この法律だって「弱い者いじめだ」。

 障害者だけではない。ホームレス自立支援法や、改正介護保険法…。ここ数年、いわゆる弱者に「自立」を促し、負担を求める“改革”が相次いでいる。

 前首相の小泉純一郎が主導した「競争と自己責任」を重視する米国型社会への傾斜の表れだが、横浜市立大教授(現代日本社会論)の中西新太郎(58)は言う。「本来、自立が困難だから救おうというのが福祉。自立しなさい、努力で何とかなるというのは結局、市場万能の考え」

 脳性まひで障害があり、名古屋市の授産施設に通う小島功(44)も、障害者自立支援法について「なくしてほしい」と言うが、一方で「それは難しいだろう」とも思っている。

 例えば、彼の施設の建て替え事業は地元住民の反対に遭っている。精神障害者も仲間に加わる計画で、「何かあったら怖い」という声が上がっているらしい。

 あの日比谷公園でのデモで、中津川の男性は懸命に声を振り絞った。震える手で段ボール製のプラカードも握った。だが、「ふりむいたり、声を聞いてくれた人はほとんどいませんでした」。

 困っている人や弱者はみんなで助けよう-。そもそも、大人の社会で、そんな空気が薄らいでいる。男性は、手応えのないデモを終えて、ただ「疲れた」という。

 (敬称略)

      *

 大人は、子どもの「いじめ」を、しかり、たしなめる。けれども、こうも言わないか。「子どもは、大人のコピーだ」。だとすれば…。連載第七部では、子どもが見ている大人の世界から「いじめ」を考えてみる。

 (取材班・島田佳幸、酒井和人、辻渕智之)

<子どもたちから>
 「むしろ、大人の方が僕らより弱い人を助けないと思う」。JR名古屋駅近くの繁華街で買い物をしていた中学三年の男子生徒(15)に岐阜・中津川の男性の話をすると、きっぱり言った。電車の中でお年寄りや障害者をよく目にするが「席を譲るのは大抵、若い子。大人はほとんど知らんぷり」。と、隣にいた友人の男子生徒(15)も「そうそう」とあいづち。両親に「人助けしろ」と言われるが「うちのお母さん、募金とか、ぜってーしない」。




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