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[Ⅶ-12]<いじめ・差別・貧困>新聞事件簿。傷ついた子どもの悲鳴

<中日新聞>【いじめと生きる】第6部 @ネット (6)窓

 
 <中日新聞>【いじめと生きる】第7部 大人たちへ (1)弱気をくじく <中日新聞>【いじめと生きる】第6部 @ネット (5)居場所
2007年6月8日

ネットは広い世界へつながる“窓”でもある(イメージ)


SOS書き込み 励ましレス続々
 私は長い事いじめにあっていて凄(すご)く苦しいです。

 あるホームページの掲示板にこんな書き出しの一文が載ったのは今年五月十八日のことだ。書き込んだのは兵庫県の女子中学生という、さなえ。

 いじめの内容は悲惨なものだった。「生きる価値がないから死ね」「死んでも誰も心配しないから」。七年間、学校で言葉の暴力にあい続け、ついにはリストカットも。親しい友だちはいない。先生に相談はしたが、ろくに取り合ってくれず、今でも「死にたい」とつづられていた。

 その告白へ一人、また一人とレス(返信)が届き始めたのは書き込みから一時間ほどがすぎてから。

 さなえさんが死んじゃったら、本当に悲しい。

 いじめる子を哀れに思ってください。

 あるレスは「生きるために必要なら」と断ったうえで、安全なリストカットのやり方をアドバイスしていた。

 自身の長女がいじめ被害にあったのを契機に昨年十二月、このホームページ「いじめSOSメール」を開設した久保賢二郎(44)=北九州市=によると、さなえは決して特別な存在ではない。

 死にたいほどの悩みをメールで打ち明けたり、掲示板で相談をする。開設以来、久保はたくさんの“さなえ”を見てきた。

 「親に心配かけたくない」「先生は信用できない」。大抵は現実の世界で頼る大人を見つけられなかったり、裏切られて、行き場を失った子どもたち。久保は言う。「悩みを聞いてもらうだけで『すっきりした』という子は多い。むしろ、知らない誰かの方が都合がいいし、ネットという窓の向こうにはそんな誰かが大勢いる」

 いや、見知った相手への相談でも、それは同じらしい。愛知県瀬戸市の女子高生(18)は悩みがあると「まず、メールする」そうだ。あの子に相談しようと思い付くと、違う友だちと買い物をしているときでもケータイでメールをする。「死ね」というメールを送られた名古屋市の男子高校生(17)は映画を見ている最中、スクリーンを眺めながら友だちに相談のケータイメールを打ったという。

 「多くの子どもたちは既にネット共同体の中で生きている」と言うのは早稲田大こどもメディア研究所客員研究員の戸塚滝登(54)だ。「目の前より、ネットでつながった友だちの方が心の距離は近いんです」

 もちろん、それは「自殺しよう」という共同体かもしれないし、ときとして不必要な憎しみを生むこともある。だが、戸塚は、それでもネットを完全に否定する気にはなれないのだ。

 例えば、二〇〇五年九月、北海道滝川市の小学生の女の子のいじめ自殺。「みんなは私のことがきらいでしたか?」「きもちわるかったですか?」。公表された遺書の一部に戸塚は歯がみをした。死ぬ間際でさえ、苦しさや憎しみを露骨にせず、相手に問いかける形で訴える。「何て繊細で豊かな心を持っていたのか」

 短時間の面談や、アンケートで彼女の気持ちをとらえられただろうか。戸塚の答えは「否」だ。ただ、もしもネットで誰かに打ち明けていたら…。「周囲の目を気にせず、深いやりとりもできる。感情を吐き出す窓口でもあるんです」

 あの掲示板で、さなえと見知らぬ人たちのやりとりは一週間続き、さなえは「私は大丈夫だから安心してください」と書き残して、消えた。

 もし、ネットでの相談もできなかったとしたら…。取材班の問いに、さなえはメールでこう答えた。

 「自殺してるかも」

 まだ、死にたくなることはあるという。が、とりあえず「がんばってみよう」と思っているそうだ。

 (敬称略)=第6部おわり(取材班・島田佳幸、酒井和人、辻渕智之)




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