あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

[Ⅶ-12]<いじめ・差別・貧困>新聞事件簿。傷ついた子どもの悲鳴

<中日新聞>【いじめと生きる】第6部・@ネット (1)闇からの中傷

 
 <中日新聞>【いじめと生きる】第6部・@ネット (2)エンドレス <中日新聞>【いじめと生きる】第5部・「加害者」たちの歳月 (5)謝罪・・13年前
2007年6月2日

見えない相手から攻撃される


匿名メールの刃 誰を信じれば…
 半年ほど前のある日。三重県の中学三年の少女(14)が自宅で夕食をとっていたときだ。携帯電話からメールの着信音が流れた。食事の手を止めて、すぐに読んだ。そして、メッセージに目を疑った。

 死ね。

 殺すナルシスト。(原文のまま)

 二日後。またも夕食の最中にメールが届く。

 体を切断しに行く。

 発信者は不明。インターネット上では、アドレスを隠したり、別のアドレスになりすましてメールを送ることも可能。その発信者のアドレスも、「死」を意味する英単語が使われ、見たこともないものだった。

 彼女は学校でいじめに遭っていた。相手が誰かは無論、分かる。だが、この“いじめメール”は、それさえ分からない。誰を信じれば…。

 「よけいに苦しくなって、どんどんと目の前が暗くなった」。自殺も考えたという。

 ネットの匿名性を悪用したいじめは、子どもたちの間で横行している。

 名古屋・栄で出会った中三の少女二人組の一人は、あっさりと自分の“犯行”を明かした。「(クラスでいじめられている子の)名前と『ほんぺ』のアドレス、『シャメ』を(ネットに)さらした。どうせ、ばれないし」。「ほんぺ」はホームページ、「シャメ」はカメラ付き携帯電話で撮った写真のことだ。

 愛知県の高二男子(16)には、こんな経験がある。何となく自分の名前をインターネットで検索してみたら、何と「殺してみたいやつ」を書き込むサイトに、自分の名やアドレスが。そればかりか、自分と仲の良い女子の名前、アドレスまで…。無論、誰が書き込んだのかは分からない。「口で直接言われるより傷ついた」。その夜は、眠れなかった。

 滋賀県の女性(18)は、高校生のとき、芸能事務所から何回も「オーディションに応募ありがとうございます」と電話を受けた。応募した覚えはなかったが「メールで応募されています」と言われた。女性の名前やメールアドレスを知る誰かが勝手に応募したらしい。「いじめ、だと感じた。苦痛だった」。女性は、そう振り返る。

 子どものネット利用の問題に取り組んでいる群馬大大学院教授(情報メディア論)の下田博次(64)は「相手が見えないから、疑心暗鬼が強まり、人間不信に陥りやすい」と指摘する。例えば、下田が調査したある女子高校生の例では、いじめのメールを送っていたのは実際には四人だったが、彼女は「クラスの半数以上からいじめられている」と感じていたという。

 「学校裏サイト」と呼ばれるネット上の掲示板でも、匿名で個人への中傷が書き込まれるケースは珍しくない。

 学校の公式サイトとは別に、在校生や卒業生らが立ち上げたサイトで、アドレスやパスワードを知っていればアクセスできる。

 下田が関東地方の中学校から相談された裏サイトでは、例えば、実名をあげてこんな書き込みが。

 〇〇が××とエッチしたってまじ!?

 学校についての情報交換が本来の目的だが、性的なものを中心に中傷も目立ち、しかも、そうしたたぐいの書き込みがあるほど、アクセスが増えやすいという。

 下田は言う。「ケータイで恐ろしいほど“高度な”いじめができる。なのに、親や大人は甘く見ている。与えた以上、無責任ではすまされないんですが」

 モバイル社会研究所の昨年十二月の調査では、携帯電話の所有率は中学生で二人に一人、高校生だと十人に九人。無数のケータイがつながったネットを土壌に、大人にはみえにくい、いじめが増殖している。 (敬称略)

     *

 子どもにもケータイやインターネットがごく身近な時代だ。当然、そこにも、いじめは立ち現れる。時にリアルな世界とは少し違う装いで。連載第六部では、ネットといじめの関係を探る。

 (取材班・島田佳幸、酒井和人、辻渕智之)




もくじ   3kaku_s_L.png   [Ⅶ-12]<いじめ・差別・貧困>新聞事件簿。傷ついた子どもの悲鳴
FC2 Blog Ranking
   

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

~ Trackback ~

トラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【<中日新聞>【いじめと生きる】第6部・@ネット (2)エンドレス】へ
  • 【<中日新聞>【いじめと生きる】第5部・「加害者」たちの歳月 (5)謝罪・・13年前】へ