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[Ⅶ-12]<いじめ・差別・貧困>新聞事件簿。傷ついた子どもの悲鳴

<中日新聞>【いじめと生きる】第3部・母親VS先生(3)

 
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2007年2月18日

  先生と子どもの関係は以前とは様変わりしているらしい。母親と先生の座談会で、先生の一人が口を開く。

 〇マモル (子どもが何か問題を起こした時)前だったら問答無用で「何やっとるんだ、お前!」で終わってましたけれど、今は問答無用でできないので…。

 ●トモエ 私たちが育ってきた時は、学校の先生というのはげんこつとか、けつバットとか、当たり前のことだったですけどね。

 ●サクラ 竹刀持って歩いたりとかもね。

 〇マモル 僕も竹刀を持った先生に座らされたことがあります。そういうことを夢見て教員になったのに(笑)。いまはその逆。何かあっても、こっちが子どもに「そんなこと言うなら殴れ」って(笑)。

 □■先生「びくびくしながら、しかっている」
  体罰どころか、大声でしかることさえ難しいらしい。

 〇マモル (教師が)大きい声をあげたら体罰だ、というのがはやっていて…。怒ると「心に刺さる」って言うんですよ。

  体罰は、学校教育法で60年前から禁止されている。だが、親や教師が語るように、昔の学校では当たり前。

  NHKが1985年に行った中学校教師へのアンケートによると、1年間にたたく、ける、長時間正座させるなどの体罰を加えた経験があったのは62%。このうち、体罰が正しい判断だったとの回答は77%に上った。

  だが、このころを境に風向きが変わる。きっかけの一つは、岐阜県立高校の男子生徒が、禁止されているドライヤーを修学旅行先で使い、教師の体罰を受けて死亡した同年の事件。国会でも問題になった。翌86年には、国の臨時教育審議会も体罰をあらためるよう答申。現場でも次第にタブー感は強まっていく。行き着いた先が、「大声」もはばかられる今の現場の空気、ということらしい。

  体罰批判と呼応するかのように、教師の間で注目を集めたのが「説得」である。

  東京学芸大助教授の山田雅彦(42)=教育方法学=によると、86年には、教師向け雑誌に、「いじめ」など多岐にわたる事態に対処し得るすべとして「説得の技術」に関する特集が登場。89年に出た同テーマの著作も「指導不成立の状態」を打ち砕く「最も有効な教育技術こそ、『説得』」とぶち上げている。

 □■母親「何か寂しいな、という気も」
  現在も、重視されているのは、やはり「話す」、そして「聞く」のようだ。

 〇ヤスシ 一対一で話をする機会をつくり、自分がしかるんじゃなくて、「どう思ってる?」って相手の気持ちを聞くように、心に響かせるように話をする。

 〇マモル カウンセリングマインドっていうか、何でも聞くことが基本。

  ところが、山田は説得のジレンマを指摘する。「納得するまで説明するということは、子ども側に『納得しなきゃ言うことを聞かなくていい』と伝わってしまう。説得を重んじること自体が説得の可能性を危うくする」

  先生たちの話からは、ビクビクしながら子どもに接している姿が浮かんでくる。

 〇ヒロユキ そういう認識は常にありますけどね。

 〇マモル 4月には学校長から、問答無用ってことは人権にかかわるってことを繰り返し、繰り返し、聞かされて。(指導の)許容度がすごく狭まったなと思う。子どもって偉いんだな、と(笑)。

 ●トモエ (体罰がいけないのは)その通りだけれど(先生が子どもから)遠くなってしまったというか、何か寂しいなという感じも受けますね。

 (敬称略、つづく)

 【注】●=母親 サクラ(40)、アキ(50)、トモエ(36)、ユウ(41) 〇=先生 ヤスシ(23)、マモル(43)=中学、ヒロユキ(45)=高校。座談会は2月初旬、中日新聞本社で実施。記事化に際し再構成した。参加者の呼称(仮名)は各自が決めた。

 この連載にご意見をお寄せください。〒460 8511(住所不要)中日新聞社会部「いじめと生きる」取材班 ファクス052(201)4331、Eメール shakai@chunichi.co.jp




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