あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

[Ⅶ-12]<いじめ・差別・貧困>新聞事件簿。傷ついた子どもの悲鳴

<中日新聞>【いじめと生きる】第2部・大人は分かってない 「呪文」のように=「サイン逃すな」20年ずーっと

 
 <中日新聞>【いじめと生きる】第2部・大人は分かっていない 思い込み=「死に急ぐ」のはこどもじゃない <中日新聞>【いじめと生きる】第2部・大人は分かってない ゼロの圧力=「ない」目指せば「見えなく」なる
2007年1月12日

 いじめを苦にした子どもの自殺が相次いだ昨年秋。わが子はどうか、と途方に暮れていた日本中の親や、教師に、首相の安倍晋三(52)がアドバイスを送っている。

 「子どもたちのサインを見逃さないよう、できるだけ早く対応することが大切だ」

 だが、どうすればサインを発見できるのか、までは言わなかった。

      *

 子どもは、いじめられていることを、親には知られたがらないというデータがあるのは確かだ。だから、言葉では語ってくれない。

 競馬史に残る名馬「ディープインパクト」を2年間世話してきた厩(きゅう)務員、市川明彦(47)は、物言わぬ相手のサインをみつけるプロだ。

 顔色、体臭、目の動き、あるいは朝、どっちの足から一歩を踏み出すか…。「僕の仕事の9割は観察。馬が悲鳴を上げるころにはもう遅いですから。こちらが『いつもと違う』と感じてやらないと」

 愛知県の児童生徒の心のアドバイザー、西村則子(50)が言うのも基本的には同じことだ。「日常の中で子どもをしっかりと見る。これが遠回りだけど、一番の近道」

 東海地方の中学3年の息子を持つ母親(42)も、もちろんそうしてきたつもりだった。夫を早くに亡くし、仕事をしながらの生活だから余計に。だが、1年ほど前-。

 「もう学校、行かん!」

 居間のソファにひっくり返って息子が突然、宣言した。成績もよく運動も得意な自慢の子。理由を聞いても答えない。教師に聞けば「心当たりがない」。結局、息子の友人の話から事実が見えてきた。からかわれ、暴力を振るわれ…。息子は、半年も前から、いじめに遭っていた。

 多くの都道府県教委などがサイン発見のためのチェックリストを作成している。中には数十項目に及ぶものも。

 だが「ぼんやりとしている」ぐらいで、いじめを疑える親はいない。あの母親も、息子が「昼夜逆転した生活をする」ようになり「友達関係が変わった」のにも気づいていた。だが結局、「学校に行かないと言い出す」まで、いじめは考えもしなかった。そして、そこまで分かりやすいサインは、決して多くない。

      *

 「子どもとの日常の接触の中で、何か変わったことがあるなと気づいてもらわなければ」-。東京で「鹿川君いじめ自殺事件」が起きた1986年、当時文相の海部俊樹(76)の発言。

 「子どもが発する危険信号を、あらゆる機会を通じて鋭敏にとらえるよう努めること」-。愛知県西尾市で「大河内君いじめ自殺事件」が起きた94年、文部省から都道府県教委への通知の一節。

 ここに安倍のアドバイスを並べる。それが大好きだった彼の前任者なら、3つを、たちまちワンフレーズにしてしまうだろう。

 「サインを見落とすな」

 いじめで世論が動揺すると、政治家や役人は決まって、これなのだ。あたかも、それさえ言っておけば「いじめ問題」が消え去る魔法の呪文(じゅもん)ででもあるかのように。

 だが、言うは易(やす)く、実際にサインを発見することは難(かた)い。どれほど困難かは、“20年1日(じつ)”彼らがそれを言い続けていることで証明できよう。(敬称略)




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