あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

[Ⅶ-12]<いじめ・差別・貧困>新聞事件簿。傷ついた子どもの悲鳴

<中日新聞>【いじめと生きる】第2部・大人は分かってない 「定義」の呪縛=判断迷うより子供に聞け 

 
 <中日新聞>【いじめと生きる】第2部・大人は分かってない ゼロの圧力=「ない」目指せば「見えなく」なる <中日新聞>【いじめと生きる】第2部・大人はわかってない 調査の「実態」=増えているの?減ってるの?
2007年1月10日

 2年ほど前。岐阜県内のある高校で、男子生徒から相談を受けた教師は、ちょっと迷った。こんな訴えだった。

 「体育の授業で着替える時に、いつも制汗剤を吹きかけられる」

 顔や頭に、というのではない。シャツを着ようと腕を上げた時、脇に、だ。吹きかける場所としては、問題ない。

 さて、どう報告するか。

      * 

 文部科学省には、実態調査で示している、不変の「いじめ」の定義がある。

 (1)自分より弱い者に対して一方的に(2)身体的・心理的な攻撃を継続的に加え(3)相手が深刻な苦痛を感じている

 さらに、その種類を「その他」を含め9分類。「暴力を振るう」「たかり」「言葉での脅し」「冷やかし・からかい」「仲間はずれ」「持ち物隠し」「集団による無視」、そして「お節介(せっかい)・親切の押しつけ」というのもある。

 くだんの制汗剤のケースは(1)(2)(3)を満たした「いじめ」と判断され、実態調査の報告では、その「お節介・親切の押しつけ」に分類された。

 一方、最近、長野県松本市であったケース。男子中学生がある日、5人の生徒に教室でズボンを脱がされ、胸を何度も殴られた。だが、市教委によると、(2)の「継続的に」に該当しないため、報告には入らないという。

 いじめとは何か-。確かに難題だ。そもそも、その語源すら「『意地』か『弄(いじ)る』からの派生と見られるが、はっきりしない」と、国語学者で「日本国語大辞典」編集委員の1人、松井栄一(80)。

 定義にしても、例えば警察庁のものには、文科省の「弱い者に」や「一方的に」がないし、他にも裁判所の見解や専門家、市民団体の定義、辞書の解説など、少しずつ異なるものがいくらでもある。

 文科省の実態調査は、それほど難しいものを、これがいじめだ、と「定義」し、しかも第三者の教師に聞くのである。「深刻」とは? 「継続的」とは? 教師たちは「定義」に縛られ、迷路に入る。

 いじめ問題研究の第一人者、大阪樟蔭女子大学長の森田洋司(65)は「子どもに答えさせるのが自然」と明解だ。被害経験率調査と呼ばれる。欧米でも用いられている“世界標準”の方法だという。

 福井県は2006年11月、県内の全児童生徒約10万人を対象に、経験率調査を実施している。自宅で調査票に書き込ませ、密封して提出させた。結果は「いじめられたことがある」と答えた子は16%。期間、手法にやや違いがあるが、森田らが7000人を対象に1997年に行った経験率調査の14%と近い数字である。

 そして、森田らの調査では「いじめられたことがある」と回答した子の48%が、そのことを「教師は知らない」と答えている。

      *

 子どもたちのために-。政治家や官僚が、本当にそう考えてきたなら、20年以上も実態をつかめない「実態調査」が続くわけがない。統計の専門家、青山学院大教授の美添(よしぞえ)泰人(60)が言う。調査は「まじめに、本気でやらないと」。そこが、問題だ。 (敬称略)




もくじ   3kaku_s_L.png   [Ⅶ-12]<いじめ・差別・貧困>新聞事件簿。傷ついた子どもの悲鳴
FC2 Blog Ranking
   

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

~ Trackback ~

トラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【<中日新聞>【いじめと生きる】第2部・大人は分かってない ゼロの圧力=「ない」目指せば「見えなく」なる】へ
  • 【<中日新聞>【いじめと生きる】第2部・大人はわかってない 調査の「実態」=増えているの?減ってるの?】へ