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[Ⅶ-12]<いじめ・差別・貧困>新聞事件簿。傷ついた子どもの悲鳴

<中日新聞>【いじめと生きる】第2部・大人はわかってない 調査の「実態」=増えているの?減ってるの?

 
 <中日新聞>【いじめと生きる】第2部・大人は分かってない 「定義」の呪縛=判断迷うより子供に聞け  <中日新聞>【いじめと生きる】第1部・ドラえもんのいない世界で 「のび太」的=よおし!頑張るぞ やれる範囲で・・
2007年1月9日

 「福島-2」

 昨秋、文部科学省が公表した2005年度の「いじめ実態調査」結果。240校に6万7千人が通う福島県の公立中学校で1年に起きたいじめが、わずか「2件」だというのである。最多の愛知県は「1589件」だから、単純に数だけ比べれば、実に、800倍!

 福島県教育庁参事の菅家敏之(55)は、「2」を見た時、思ったそうだ。「これは、相当深刻な件だけをカウントしたな」

 福島県のデータ、と言っても、文科省から来た調査票を市町村教委経由で各校へ流し、逆の流れで報告を上げるだけだから、人ごとのような口ぶり。だが、仮にそうだったとしても「相当深刻な件だけをカウントすること」などとは、無論、調査票のどこにも書いてない。いわば“福島式解釈”である。

 “800倍”の愛知県の中学校教師(59)は「(実態調査の)調査票は自分で書き込んでいる」と言ったが、福島県内の中学校教師(47)は、そもそも「そんな調査、聞いたことがない」。そして首をひねった。「教頭とか、管理職が報告してるんですかねぇ」

      *

 実態調査の始まりは1985年にさかのぼる。

 「『いじめ』深刻/8割が中学生/7人自殺」。この年の4月、新聞各紙にこんな見出しが躍った。84年中のいじめ関連事案をまとめた警察庁のデータだった。世間はどよめき、いじめは一気に「社会問題化」していく。

 本人はもう覚えていないが、その時、文部省中学校教育課長だった元文科相、遠山敦子(68)は「学校側からそうした報告は受けていない」と、素っ気なくメディアに答えている。だが結局、文部省も世論に押されるように85年度(4-10月)分を緊急実態調査する。

 いじめは「学校としてその事実を確認しているもの」の条件で、一年度分をまるごと調べ始めたのは翌86年度分から。だが文部省は94年度、この条件を「児童生徒の立場に立って判断するように」などと変更するのである。

 愛知県西尾市で凄惨(せいさん)ないじめに遭った中学生が自殺、国会などで調査の甘さがやり玉に挙がったからだが、これで統計の“命”とも言うべき連続性は断たれ、数字上は不自然な急増に。以前と以後の比較は不可能になってしまった。

 そして、昨秋以降、北海道、福岡、岐阜県などで、いじめ自殺が発生、発覚するや、94年度と同じパターンで、あっさり「調査見直し」を決めた文科省。また、一から…。

      *

 あの85年。初の実態調査を前に、当時の文部省初等中等教育局長が国会で胸を張っている。「(この調査で、いじめの)全貌(ぜんぼう)が明らかになっていくと思っている」

 だが、各地で解釈や方法はバラバラ、途中で報告条件が変更されたような調査の数字がいくら積み重なっても、全貌が見えてくるはずがない。

 いや、こんな基本的なことさえ今も確かではないのだ。

 いじめは減っているのか、増えているのか-。

 文科省児童生徒課長の木岡保雅(49)は「減っている傾向は、あると、思う」と言うのが精いっぱいだ。

 首相の安倍晋三(52)は、むしろ「いじめの問題は日本社会にとって大変深刻な問題になってきている」と言っている。いみじくも木岡が言った。「(安倍の見方にも)データで反論しようがない。実態がつかめてないんだから」

 しかし、その安倍の“説”にも実は、公式データの根拠などないのだ。安倍がよく引き合いに出すいじめ自殺にしても、86年以降は警察庁統計もなく、逆に、99-2005年度は「ゼロ」という信じ難い文科省統計があるだけである。 (敬称略)

      *

 いじめは、情緒的に語られやすい。その社会問題化から既に22年がたつというのに、「大人」はまだ本当は何も分かっていない。




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