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[Ⅶ-12]<いじめ・差別・貧困>新聞事件簿。傷ついた子どもの悲鳴

<中日新聞>【いじめと生きる】第1部・ドラえもんのいない世界で 親と子=「立派じゃない」だからすがれる

 
 <中日新聞>【いじめと生きる】第1部・ドラえもんのいない世界で 空間の違い=「町内」飛び出すとジャイアン変身 <中日新聞>【いじめと生きる】第1部・ドラえもんのいない世界で 流される=しずかちゃんもただ見てるだけ
2007年1月4日

 「ドラえもん」の世界では、きょうもまた、のび太がいじめにあっている。助けを求めてすがる時、口にするのは「ママぁ~」でも「せんせ~い」でも「しずかちゃ~ん」でもなく、こうだ。

 「ドラえも~ん」

 アニメで26年間、ドラえもんの声を務めた声優、大山のぶ代(70)は、特徴的なあの声のせいで中学校でみんなにからかわれた。無口になった大山を救ったのが「明日からドンドン声を出すように」と励ました母だった。

 自著「ぼく、ドラえもんでした。」(小学館)で、そんな逸話を明かし「(ドラえもんを)見てくれている子どもたちは、みんな私の子どもみたいなもの」と書いた大山は、ドラえもんを「母」的に演じていたのかもしれない。

      *

 だが、現実世界の親は、ドラえもんのようには、子どもにすがってもらえない。

 岐阜県加茂郡の高1女子(15)は中学時代、部活動でいじめにあった。今は違うが、そのころは母親に言う気になれなかったという。「母はもともとしつけが厳しかった。長女だから『しっかり者』として育てられ、父が単身赴任で母が大変だったので、家の中で弱音をはけなくなった」

 彼女は特殊ではない。大学教授らによる国際比較調査によれば、日本の子どもは33%が「いじめられても誰にも言わなかった」と回答。しかも「いじめを知られたくない人」で最も多かったのは「親」(48%)だったのである。

 岐阜県各務原市の高2女子(17)の経験はこうだ。中学時代、いじめられているのに親にも話せなかった時、1人のホームレス女性と話す機会があった。「なぜか、その人には素直に話せた。相手の身の上話も聞けて、不思議と苦しさが軽くなった」

 東工大教授(精神医学)の影山任佐(58)が言う。「親が立派すぎると、子どもは弱みをみせられない」

 中学時代、やはり親には言えなかったという名古屋市中川区の無職男性(23)も思い出す。「当時は、いじめられ、さらに頼るような弱虫だと親に思われたくなかった」

 立派な親、ダメな自分…。子どもの側には、そんな気持ちの壁がある。影山が言う。「弱く、傷つきやすく、それでも何とか前向きに生きているんだという、等身大の自分を、親も、時には子どもの前でさらけだした方がいい」

      *

 自身も「いじめられっ子」だったという「ドラえもん」の作者、故藤子・F・不二雄も実はこう語っている。「親や先生に言ってもしょうがないだろうということを最初に意識していた」(「児童心理」1996年7月号)

 だからこそ、のび太にドラえもんを与えたのか。そう言えば、ドラえもんは、決して「立派」なロボットではない。“故郷”である未来では落ちこぼれ。のび太同様、いじめられっ子だった。

 短編の中に、のび太が、ドラえもんとけんかし、妹のドラミちゃんが「交代候補」として未来から派遣されて、活躍する回がある。聡明(そうめい)で優秀で、のび太のやる気も上手に引き出す「立派」な妹を見て「ドラミにはかなわないよ」と兄は落ち込み、未来に帰ろうとする。だが、その時、のび太は、ドラえもんに泣いてすがりつくのだ。

 「いやだ!! ぜったいに帰さない!!」 (敬称略)




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