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[Ⅶ-12]<いじめ・差別・貧困>新聞事件簿。傷ついた子どもの悲鳴

<中日新聞>【いじめと生きる】第1部・ドラえもんのいない世界で 流される=しずかちゃんもただ見てるだけ

 
 <中日新聞>【いじめと生きる】第1部・ドラえもんのいない世界で 親と子=「立派じゃない」だからすがれる <中日新聞>【いじめと生きる】第1部・ドラえもんのいない世界で 四層構造=みーんな消して、のび太は泣いた
2007年1月3日

 「ジャイアンにいじめられる~」。毎度おなじみの、のび太のセリフ。「ドラえもん」(藤子・F・不二雄作)で、いじめが繰り返されるのはなぜか。その作品世界の中核・コミックス45巻の短編を読んで気がつくのは、仲裁に入る者がいないことだ。

 優しいしずかちゃんも、時には止めるが、ただ眺めていることの方が多いし、スネ夫は、しょっちゅうはやしたてている。

 「その場の“風”に乗ろうとしてるだけなんです、スネ夫は。懸命に」。アニメで26年間、その声を演じた声優、肝付兼太(71)が代弁するが、実は、いじめを成立させているのは、スネ夫やしずかちゃんかもしれないのだ。

 「周囲がいじめっ子に冷たい目を向ければ、いじめはやみ、見て見ぬふりしたり、面白がっていると、定着する」-。サル学をベースに、ヒトの研究に取り組み、中学校でいじめの意識調査を行った京都大霊長類研究所教授、正高信男(52)の説である。

 既にいじめの起きているクラスと、起きていないクラスで、いじめにつながる行為を認知した時にどう対応するか聞いたところ、「加担」を選ぶ生徒の割合は大差なかったのに、「傍観」の割合は、いじめの起きているクラスの方が、起きていないクラスの2-3倍にも達し、「仲裁」は逆に、起きていないクラスが2倍近かったのである。

      *

 さらに、日本の子どもたちは成長しても、いや、成長するほど“風”に流されやすくなるというデータもある。

 大阪樟蔭女子大学長の森田洋司(65)らが参加した「国際いじめ問題研究会」の調査結果。イギリスやオランダでは中学2年か3年になると、いじめの「傍観者」は減少に転じる一方、「仲裁者」は増加に転じるか減少が止まるのに対し、日本は、学年が上がるほど「傍観者」が増え、「仲裁者」は減り続ける…。

      *

 “風”に流されるか、逆らうか。子どもたちは選択を迫られる。名古屋市東区の高2女子(17)は中学でいじめにあった。ずっと励ましてくれていた一番の友人から、ある時、「あなたをいじめておけば私たちが被害にあわないから、もう一緒に行動しないで」と告げられた。彼女は、その日、手首を切った。今も傷跡が残っている。

 「大人の社会だって、仲裁に入ったばっかりに『あいつもおかしい』とたたかれかねないのが現実でしょ」と、愛知県内の女性教諭(56)は語る。「例えば(2004年に)イラクで拘束された人たちへのバッシング。何かおかしいと大きな声を出せた大人がどれだけいましたか」

 自身もいじめられっ子だったという映画監督・作家の森達也(50)も、大人社会の反映のことを思う。「テロや災害の発生で不安にかられ、多数派や強い側に身を委ねて『守ってもらいたい』というのが今の社会。その空気を吸って育つ子どもたちが“異物”と見られるのを恐れて、傍観者的になるのは当然です」

 声優の肝付曰(いわ)く。「スネ夫は“大人”なんでしょうね」

 「ドラえもん」に、催眠術ごっこをするジャイアンが、うまくかからないのび太を殴るシーンがある。スネ夫は、それを横目につぶやく。

 「かかったふりしてれば、いいのに。ばかだな」 (敬称略)




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