あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

DV被害支援室poco a poco 庄司薫のコラム

デートDV。つきあう人、結婚した人は..暴力をふるう父親そっくりの人..

 
 ちょっと説明..エゴグラムとは。 <毎日新聞>小1虐待死 心のSOS届かず 父かばい気丈に振る舞い
 DV環境で育った女性の多くが、なぜか父親のような暴力をふるう男性とつきあったり、結婚したりする。
 ①産まれてからずっと接してきた父親と似ている彼の言動や行動パターンは、次の言動や行動を予測し易いといった安心感がある。気持ちの伝え方を暴力でしか表わせなかった父親のもとで育ち、ことばでの良好なコミュニケーション、人間関係を学べなかった女性は、会話がしやすいと思ってしまう。しかも、彼が“発する気”、“雰囲気”になんら違和感を感じることはなく、溶け込んで込んでいく。一緒に過ごしていても何ら苦痛を感じることもなく、思春期以降はあんなに毛嫌いしていた父親と同じ空気をかもし出す彼に心地よささえ感じるようになっていく。
 この時点では本人は、そのことを意識してはいない。
 しかも、②彼が自分と同じ境遇に育っている場合は、お互いのその生い立ちに共感し合い、同化し易いため、①の感覚がより深まっていく。③幼児期、生育期に「王子様が助けにきてくれる、助けだしてくれる」と“夢見がち”で、“空想を楽しむ”ような習慣づけがされたまま成人へと成長していくと、人一倍人恋しい、寂しい気持ちが強くなっている。と同時に、現実感のない夢物語を流暢に語る男性により惹かれてしまう。しかも、その夢物語の話に同化し、友人や親兄弟にも自身のことのように語ることも少なくない。また、親から愛情を物品で示され育ったり、逆に欲しくても与えられなく育った場合には、物品を買い与えてくれる、もしくは財力や権力をもった男性に惹かれていく。「お前は特別だよ」“意識”を強く刺激され、“虚像”でしかない「大事にされている感」に身も心も同化していってしまう。
 ただし、彼らの多くは、ターゲットの女性を落とし、自分のものにしていく道具、手段として意図的に、時に効果的にそれらを用いる。それが、“悪魔の囁き”であることに、多くの女性たちは気がつかない。
 次第に父親と同じようにコントロールしようとする言動が目立ちはじめ、また、友人との交際に関しての執拗な詮索をしはじめる。電話やメールをチェックし、時には友人と会うときにも常に顔をだすようになる。周りに気を遣いながらも「俺が彼氏だ!」を執拗にアピールしはじめる。その時、“アレッ?”と違和感を感じても、その詮索でさえ大事にされている、愛されていると自分自身にいいきかせるようになっている。
 この時には、既に精神的にコントロールされて、抜け出すのは困難になっている。
 「あの人、おかしいよ、別れたほうがいいよ」との友人や親兄弟から声にも、「彼のいいところは私にしかわからない」と聴く耳をもたない。その口うるさい友人とも徐々に疎遠となり、親と同居している場合は、家をでて、同棲をはじめ、孤立していく。孤独感、孤立感は、さらに、「私にはこの人しかいない」と闇の世界に導かれていく。彼らの筋書き通り、思う壺になっていることに気づくことはできない。
 その後、暴力による“怖い”を一度でも感じてしまうと心は凍りつき、思考は停止し、大脳は身を守る方向のみに働くようになる。
 幼少期から母親が暴力をふるう父親から逃れられない姿を見続けてきた。暴力を振るう男には逆らえない、自分の意見・考えはもってはいけないし、いったらどんなに怖い思いをするかわからないと怯え、口をつむぐ。何より、「逃げられるわけはない」ことをすり込んできてしまっている。そのため、逃げだそうでなく、“無意識”の中で、「この人が好き」、「愛さなければいけない」、「この人には私しかいない」とさえ思い込もうと躍起になり、自身の選択を正当化していこうとする。根底にあるのは、「生き延びなくちゃ(この環境でかいかつしなければならない)」と“生存本能”に大脳が支配されてしまうからに他ならない。幼児期や学童期の虐待後に、学習機能や意欲を著しく低下させたり、短期間で信じられないほどの学力低下を見られることも同じ現象といえる。
 その後、彼らの虚像が暴露されてくると、暴力により自身の支配をより強めようとする。日常的に侮蔑され、虐げられ続けると自分自身に自信が持てなくなり、私は価値のない人間だとさえ思い込み、無気力になっていく。そして、「この人のもとでしか生きられない」と精神的なコントロール状態になっていく。ここまでくると、暴力による共依存と似通った関係がしっかりとつくられていると考えていい。仕事をし、収入をえることを許されない場合は、経済的に縛られていくためよりその傾向は強くなる。刃向かわなければ優しいのだから、「「髪を切りたいから、お金を頂戴」といってお金をもらっていた。それがあたり前だと思っていた。お金をもらうと、まるで、尻尾を振ってお手をするようなワンちゃんみたいに喜んでいた」と話す被害者もいる。
 さらに、セックスの関係が女性自身をより縛りつづけていく。女性は、皮膚の接触から愛情を取り込む。膣内の接触は「気の交流」で“契り感”を強め、“絆”を身体に取り込んでいく。そのため、「この人の子どもを欲しい」と願うようになる。拉致監禁されても起こりうる女性特有の感情が、逃れるタイミングを失する要因のひとつになっている。古来、征服した国の女性たちを征服者たちは手篭めにしてきた。親や夫を殺した憎っくき敵であるはずの女、妻になる。生活をともにし、子どもを身ごもる中、契り感・絆をしっかりと身体と心に取り込んでいき、愛するようになり、後にかけがえのない夫になっていく。何千年も繰り返されてきた女性の哀しい性の歴史である。それは、今でもなんら変わらない。
 一方の男性は、「俺のものになった」といった“支配感・征服感”を強めるだけである。女性が男性にすがりついて別れられなかったり、執着して逃れるのを拒むのは、絆を身体に取り込んでいるからに他ならない。他の女性との性的関係を許せないのは、その「絆を穢された」と思うからである。一方、肌の接触から愛情を取り込むことのない男性は、何がいけないのか理解できない。「許してくれ! もう浮気はしない」という発言は、ただ騒がれ続けるのを回避したい思いからでしかない。だから、浮気行為をやめることはない。暴力で支配関係を保とうとする男性の場合には、心から謝ることはせずに、逆に、“嫉妬を煽り続ける”ために次々と女性関係を続けることで、相手の心を何時までもコントロールできることを知っている。時に逆の場合は、女性を支配下に置けない、自分のものではなくなったといった屈辱感、敗北感に苛まれ、怒りと憎しみ感が強まり、その対象となる女性を永遠に自分が支配し続けるために消し去ろうとする行動に発展することも少なくない。元交際相手や元妻に復縁を迫り、つきまとい、殺害してしまう凄惨なストーカー事件が多発している。やっかいなのは、女性が逃れたい、自分に気がないことを察すると、自分の女が浮気していると妄想し、病的な嫉妬に苛まれ、「自分がこんなに愛しているのに裏切りやがって」と嫉妬に怒り狂い、責め続けるということである。
 女性は心の絆に心地よさを感じ、安心とリラックスを得ることができるが、女性は力強さ=パワーを求めるものだとの幻想が強い男性ほど、支配しなければ傍らにいてくれないとの強迫観念に縛られ、暴力を振るい、次第にその暴力をエスカレートさせていく。


ps.「さようなら」の前に..第4章。暴力から逃れ傷ついた心に寄り添う 2010.6.11  
2010.10/5
2013.4/24 ブログ再構成・再編集にともない掲載場所を移動
2013.5/5 加筆・修正

※ DVの本質は、本来対等であるはずの男女(夫婦間、交際者間)の関係に、上下の関係、支配と従属の関係を成り立たせるためにパワー(力)を行使することですから、”関係性”で理解する必要があるわけです。つまり、「上にたとう(支配しよう)とする者」と「下におかれる(支配され、従属させられる)者」という”関係性”であることから、①カテゴリー[Ⅲ-2]「Ⅰ-3.DVは、夫婦の関係、親子の関係になにをもたらすか(1)-(6)」、②「Ⅲ-2」「Ⅰ-4-(2)デートDVから結婚に至る経緯」に目を通していただければ、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法、いわゆるDV防止法)」第二条の三にもとづいて作成される「都道府県(市町含む)基本計画」の中で「対象とする暴力として、身体的暴力、性(的)暴力、精神的暴力、経済的暴力がある」との記載が意味するものについて理解を深めていただけると思います。
 そのうえで、本記事のテーマ、相反する拒絶と受容のことばやふるまいを繰り返されることにより思考混乱をおこし、暴力の恐怖により機嫌を損ねないように意に添うようにふるまうなど、暴力に順応することで生活を続けざるをえなくなった、つまり、暴力のある環境で生活を続けること=マインドコントロール下におかれてきたのかを理解していただくには、加害者特性の理解、つまり、DV加害者がどのようにふるまうのかを理解すること、その支配するための暴力により、被害者はどのような“負”の思考パターンに陥っていくことになるのかを理解することが大切です。
 そこで、③カテゴリー[Ⅲ-6]「Ⅳ-24.DV加害者に共通する行動特性」に目を通していただき、その中で説明している「感受性訓練に似通った言動パターン」を頭に入れて、④カテゴリー「Ⅲ-2」「Ⅰ-5.被害者心理。暴力で支配、マインドコントロールされるということ」に目を通していただくことによって、“人との関係性”のいう捉え方でDVを認識することがいかに重要なことなのかを理解していただけると思います。
 また、生活を共にしていた交際相手(元を含む)、あるいは、配偶者からの暴力から逃れるために女性センターや警察を通して施設への一時保護を求めたリ、地方裁判所に保護命令の発令を申立てたりすることについては、⑤カテゴリー「Ⅲ-6」「Ⅳ-21.一時保護の決定、保護命令の発令。「身を守る」という選択」で、さらに、⑥「婚姻破綻の原因はDVにある」として、家庭裁判所に離婚(夫婦関係調整)調停を申立てるときには、「Ⅳ.「婚姻破綻の原因はDVにある」ときの離婚(21-26)」において、DV事件特有の問題、そして、それに準じた考え方の重要性などを理解していただけると思います。
 加えて、暴力のある家庭環境で子どもを育てることは、面前DVとして、「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」では“精神的虐待”とみなされることから、暴力のある家庭環境で育ち、再び、交際相手や配偶者から暴力を受けることになった被害者も併せて、⑦「Ⅲ-2」「Ⅰ-1.虐待の発見。DV家庭における子ども」、「Ⅲ-4」「Ⅱ.暴力のある家庭で暮らす、育つということ(6-12)」において、子どもへの心身への影響についての理解を深めていただければと思います。
 なお、「DV被害支援室poco a poco」では、DV被害者支援として、ア)女性および母子への暴力・DVへの相談、イ)「婚姻破綻の原因はDVにある」とする離婚調停に向けての支援、ウ)暴力(「暴力のある家庭環境で育った」を含む)で傷ついた心のケアをおこなっています。最初に、カテゴリーⅠ「はじめに」に目を通していただければと思います。




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