あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

[Ⅶ-11]<家族問題。親殺傷・ひきこもり。性同一性障害>新聞事件簿。どう向合う

<佐賀新聞>自立への苦悩【中】 責任 なすりつけ合い

 
 <佐賀新聞>自立への苦悩【下】 「共依存」やめ 関係再構築 <佐賀新聞>自立への苦悩【上】 30代次男が多重債務
佐賀新聞 09年9月30日)

 ギャンブルによる300万円を超す借金が発覚した数日後、藤野由香(60)=仮名=は、再び次男裕文(33)=仮名=のアパートを訪ねた。
 「仕事が面白うなかった」。裕文はつぶやいた。失敗して上司に怒られたことを、泣きながら話した。荒れた生活を心配し、実家に帰るよう諭したが、裕文は拒絶。由香は約1カ月、裕文のアパートと自宅を行ったり来たりしながら説得を続け、半ば強引に連れ帰った。
 実家に帰ってきたものの、裕文は自室に閉じこもりきりになった。無気力で食事もしない。家の中に裕文の心はなかった。

崩れるきずな
 そんな姿に夫の唯士(61)=仮名=はいら立ちをあらわにした。酒量が増え、「ばか」「死ね」などと辛らつな言葉を裕文に浴びせかけた。
 「お前の育て方が悪いからだ」。非難の矛先は、由香にも向かった。口を開けば、責任のなすりつけ合い。3人の子育てを通じ約35年、築き上げてきた家族のきずなが、崩れていった。「別れたい」。真剣に考えたことがなかった「離婚」の2文字が何度も頭をよぎった。

依存症は病気
 ギャンブル依存症はアルコールや薬物と異なり、身体的症状が出にくい。借金を重ね、本人だけでなく巻き込まれた家族も苦しむが、「好きでやっているのだから本人の自己責任」と考える風潮が強い。だが、家族の支援を続ける団体「ホープヒル」(横浜市)の町田政明代表は「依存症は病気」と指摘。社会全体でとらえ方を変え、支援する重要性を訴える。
 裕文は相変わらず、仕事をせず、親の財布から金を抜き取ってまでパチンコに出かけた。由香は相談に応じてくれる県精神保健福祉センターに通い、依存症を「病気」ととらえ直した。
 ただ、頭で理解したつもりでも、見かけは”健康体”の息子を前にすると「普通に生活して、働いてくれないのはなぜ」との思いにかられた。子育てが一段落し、旅行や孫の世話に生き生き過ごす同世代の友人の姿も目に入り、その境遇と比較しては、落ち込んだ。
 同じような悩みを抱える家族が集う会への参加が、袋小路から出るきっかけとなった。1千万円もの借金を抱えた家族や、ギャンブルが原因で子どもが離婚し、「実家に戻ってきた」と話す家族―。泣いたり笑ったりしながら一緒に時間を過ごすうち、「自分だけが苦しい」という気持ちは薄れていった。「ひとりじゃない」。前向きな気持ちが芽生えてきた。




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