あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

[Ⅲ-2]プロローグ(1-4)

-「日本社会にひとつの構図」を数字で読み解く-

 
 ワークシートへのチェック、書き込みを終えて。DV被害者支援に携わる立場からのコメント 4.差別と女性の貧困、そして、児童虐待とDV
* 現在、この「手引き」は、第3次改訂の編集をおこなっています。編集終了後、差し替えていきます。

プロローグ

1.人の脳の機能は、生まれ育った環境に合うようにつくられる
(1) 必要のない脳の機能を発達させないリスク
 (2) 人類の歩みにとって、危機的な状況とは
 (3) 危機的状況がもたらす脳のトラブル
 (4) 発達期の脳のダメージは、鬱や衝動的攻撃性をもたらす

2.「人が人を殺す」という行為は、本当に異常なのか?
(1) 糖質(炭水化物)は、コカインより中毒性が高い
(2) 中毒性の高い小麦の栽培。人類の定住化が殺し合いの原点
(3) 乳幼児期、心地よさが欠乏。快感中枢が渇望状態に
(4) 「快感中枢」を刺激し、中毒性を伴う“暴力”と“性行為”
(5) 中毒化した脳が暴走したとき、規定や規範は無力
(6) 狩りと武器。競うこと、権力を握ることの意味
(7) 意思決定、「遅いシステム」の未習熟が招く悲劇
(8) 性暴力。自尊心を回復するための承認欲求を満たすための行為
(9) 「人が人を傷つけない」ために、いま、できること

3.東日本大震災後の児童虐待とDVの増加。
-戦争体験によるPTSDの発症から学べるものはなにか-
(1) 東日本大震災後、児童虐待・DVが増加
(2) PTSDの“晩発性”という特性
(3) アメリカ社会、帰還兵が抱える精神的障害
 ・事例1-3
(4) 絶望、戦地に戻りたい衝動と殺人・暴力・レイプ
 ・事例4
(5) 女性兵士の33.5%が、米軍内でレイプされている
 ・事例5
(6) 大戦の被災者と大震災の被災者、傷つき、失ったものは同じ
(7) 東日本大震災後の現状、いま、阪神淡路大震災から学ぶこと

4.差別と女性の貧困、そして、児童虐待とDV
 ・事例6-9
(1) 貧困の世代間連鎖
(2) 差別という暴力、そして、同和問題
 ・事例10
  ・家族システムを崩壊させた“富国強兵策”
  ・「内助の功」という教え。それは、DVを許す考え方
 ・日本のママカーストとマタニティハラスメントは、“同質”で異常
  (事例11-12)
・女性性、男性性が認められないということ
(3) 貧困と教育
(4) ひきこもりと貧困、精神疾患・発達障害との関係
(5) 貧困と犯罪
(6) 家出と「宿カレ」という問題
(7) 外国人母子家庭
  ・事例13
  ・外国籍のDV被害女性特有の問題
(8) 社会的養護下の子どもたち
 ・事例14

-「日本社会にひとつの構図」を数字で読み解く-


(自殺者数)
・平成26年の自殺者総数は25,427人(男性17,386人(68.38%)、女性8,041(31.62%))で、人口10万あたりの自殺者数19.97人です。
これは、172ヶ国中9位です。
15-34歳(若者)の自殺死亡率は18.5%で、先進7ヶ国で1位、しかも、死因トップが自殺なのは日本だけです。
日本では、15-44歳までの男性の死因トップが自殺となっています。
近年減少傾向にある自殺者数は、交通事故の死者数の約6倍、他殺の70倍以上です。
 さらに、過去1年間に自殺未遂をした者が53万5000人と算出され、これは、人口10万人あたりの自殺未遂数は418.98人(1000人に4.19人)となります。
ここに、自殺者数を加えると56万人なります。
・DSM-IV-TRの中で、診断の判断として、唯一「自傷行為」をとり扱っているのが、境界性人格障害(ボーダーライン)です。
イギリスでは、境界性人格障害の患者の60-70%が人生のある時点で自殺を試みると推計され、アメリカの調査では、境界性人格障害全体での自殺完遂率は9-10%と極めて高いものとなっています。
東京都立松沢病院の調査では、入院していた患者の退院後、2年以内に自殺を試みたのは、うつ病や統合失調症の人が35%(自殺企図率)なのに対し、境界性人格障害では67%(自殺企図率)と1.91倍と非常に高い結果がでています。
 日本では、自殺関連行動で入院した患者の53.8%が、境界性人格障害と診断されています(重複診断を含む)。一度でも自傷行為を行ったことがある患者では、実に75%に達しています。
境界性人格障害の人の自殺企図の多くは、過剰服薬(OD)によるもの(78.3%)で、他の精神疾患の患者では、55.4%となっています。
境界性人格障害の人の自殺企図で特徴的なのは、その動機です。
他の精神疾患の患者が「重篤な幻覚や妄想」「社会適応上の悩み」「人生の破綻による自暴自棄」などであるのに対して、境界性人格障害では、「近親者とのトラブルや裏切りによるうつ状態」「居場所がなく、追い詰められた危機感」など、対人面での“見捨てられ感”から自殺行為に及ぶことです。
しかし、リストカットや過剰服薬(OD)などの自傷行為をおこなう者がすべて境界性人格障害ということではなく、自傷行為を伴いやすい他の精神疾患は、うつ病や双極性障害などの気分障害、統合失調症(精神分裂病)、解離性障害、他の人格障害、アルコールや薬物依存などの物質関連障害が考えられます。

(精神疾患の患者数)
・平成20年、精神疾患で医療機関を受診している総数は323.3万人*-48で、人口10万あたり2531.9人(100人に2.53人)です。この数字は、人口1万人あたり255.51人、100人に2.56人です。
その内訳は、うつ病、双極性障害(躁うつ病)などの気分障害95.8万人、統合失調症(精神分裂病)71.3万人、不安障害57.1万人、アルツハイマー型認知症36.6万人、血管性認知症14.6万人、てんかん21.6万人、その他17.6万人、薬物・アルコール依存症7.8万人となっています。
*-48 6年後の平成26年、厚生労働省の患者調査では、認知症を含む精神疾患を抱える患者は全国で約392万人と推計されています。この数字は、人口1万人あたり309.81人(54.3人の増加)、100人に3.10人(0.54人の増加)です。
患者数は、顕著な増加傾向にあり、6年前の平成20年に比べて68.7万人の増加、増加率は1.21と約20%です。
うつ病や双極性障害(躁うつ病)などの気分障害が最も多く112万人(16.2万人の増加、増加率1.26)で、続いて、統合失調症(精神分裂病)で77万人(5.7万人の増加、増加率1.08)となっています。
なお、全体の精神疾患患者の約40%が、「子育て世代」ともいえる25-54歳が占めています。
・疫学調査では、認知症は462万人*-49、うつ病は300万人にのぼり*-50、不安障害は300万人*-51にのぼると推計されています。
適応障害は4.1万人とされていますが、大分類の「神経症性障害、ストレス関連障害」として捉えると60万人にのぼります。
*-49.50.51 先の平成20年の医療機関を受診している精神疾患の患者数では、「アルツハイマー性・血管性の認知症は51.2万人」となっているので、疫学調査による推計値では、410.8万人多くなっています。同「うつ病は、気分障害全体で95.8万人」となっているので、疫学調査による推計値では、204.2万人以上多くなっています。同「不安障害は57.1万人」となっているので、疫学調査による推計値では、242.9万人多くなっています。
合わせると、857.9万人多くなっています。

合せると1122万人にのぼり、人口10万人あたり8867.46人(100人に8.87人)です。
なお、不安障害(パニック障害)や適応障害の症状と「非定型うつ病(新型うつ病・仮面うつ病)」の症状が似通ることから、非定型うつ病の多くが不安障害・適応障害と診断され、同時に、不安障害・適応障害の多くが非定型うつ病と診断されています。
そして、摂食障害者数は230万人にのぼるとされ、人口10万人あたり1801.21人(100人に1.80人)です。
これらを加えると、1352万人となり、人口10万人あたり10685.21人(100人に10.69人)となります。

(薬物・アルコール・ギャンブル依存者の推計数)
・平成15年、社会安全研究財団が公表したデータでは、成人の覚醒剤乱用者は推定230万人にのぼるとされ、平成25年の厚生労働省の調査では、違法薬物の使用者は40人に1人、違法薬物の使用を誘われたことのある人は20人に1人という結果がでています。
厚生労働省のデータでは、覚醒剤の使用者は200人に1人となっていますが、ここ10年で、合成麻薬MDMAなど乱用薬物の種類が増えていることなどを踏まえると、違法薬物に手を染めている人たちの実態は公表データ以上に深刻です。
そして、薬物依存の問題は再犯率が高ということ、年齢が高くなるほどその傾向が高くなるということです。20歳代の再犯率が39%であるのに対し、50歳以上の再犯率は79%にのぼります。
大麻や覚醒剤などの違法薬物の使用者は276万人で、人口10万人あたりで2151.45人(100人に2.15人)、アルコール依存症患*-52は110万にのぼる推計され人口10万人あたりで861.45人(100人に0.86人))です。
しかし、治療につながっている人は2.02%、100人に2人に過ぎない状況です。
*-52 先の平成20年の医療機関を受診している精神疾患の患者数では、「薬物・アルコール依存症7.8万人」とされていますが、アルコール依存症は、医療機関にかかっていない人が多く、厚労省研究班の調査では、約110万人が依存症と考えられると推計しています。
薬物依存とアルコール依存を合せると386万人以上になり、人口10万人あたりで3022.90人(100人に3.03人)となります。
ここに、ギャンブル依存者数536万人(人口10万人あたりで4197.60人(100人に4.20人)を加えると、922万人にのぼり、人口10万人あたり14628.95人(100人に14.63人)となります。
摂食障害を加えた精神疾患者数(推計を含む)1403.4万人と薬物・アルコール・ギャンブル依存者数922万人を加えると、2325.4万人となり、人口10万人あたり18378.25人(100人に18.38人)となります*-53。
また、インターネット依存者数は421万人にのぼると推計されています。
*-53平成20年の医療機関を受診している精神疾患の患者数と疫学調査の推計値と差を調整し、摂食障害の推計値を加算した数字です。

(子どもの発達障害者数)
・文部科学省の調査で、日本では、子どもの6.3%が発達障害としていますので、平成25年10月1日現在の0-14歳人口1,639万人で計算すると103.3万人となります。
LD(学習障害)では男性4:女性1、ADHD(注意欠陥多動性障害)では男性9:女性1、高機能自閉症(アスペルガー症候群)では男性10:女性1、すべての発達障害での男女比は男性2.4:女性1と、男性が女性に比べて多くなっています。
また、平成24年、「全国の公立小中学校の通常学級に在籍する児童生徒のうち、人とコミュニケーションがうまくとることができないなどの発達障害の可能性のある小中学生が6.5%(男子9.3%、女子3.6%)、推計約60万人にのぼり、40人学級で2-3人の割合になる」という文部科学省の調査結果が報告されました*-54。
*-54 先の推計数103.3万人と60万人の差は、0-14歳人口で計算したものと、6-14/15歳の児童者数で計算したものの違いです。
そこでは、「書く」「聞く」「計算する」など特定の分野の学習に困難を示す学習障害(LD)が4.5%、注意力の欠如や衝動性などを特徴とするADHD(注意欠陥多動性障害)が3.1%、知的発達に遅れのない高機能自閉症が11.1%となっています。臨床の現場においても、「子どもの11%がADHDの素因を持っている」、「ADHDの特徴に7-10%があてはまる」と指摘しています。
アメリカでは、子どもの11%がADHD、2.64%がアスペルガー症候群、3.2%が学習障害とされ、「アメリカの高校生では、4人に1人(25%)が発達障害を抱えている」という報告もされています。
アメリカでは、アスペルガー症候群は、1974年に最初の調査がおこなわれ、約40年経過した2015年で、発症比率は30倍以上に増加しています。
アメリカの数字を、平成25年10月1日現在の0-14歳人口1,639万人にあてはめて計算すると、ADHDは180.3万人、アスペルガー症候群は43.3万人、学習障害は52.5万人、合計276.1万人となり、発達障害者は16.85%に及びます。
この6人に1人、「40人学級で6-7人の割合」という結果は、実態に近いと思います。

(ひきこもり、不登校者数)
・ひきこもり数は、23.6万人、広義を含めると69.6万人と推計されています。
・平成25年、年間30日以上欠席した不登校の小中学生11万9617人(小学生は2万4175人、全児童に占める不登校の割合は0.36%。中学生は9万5181人、全体に占める割合は2.69%で、37人に1人が不登校)で、不登校の割合は1.17%です。

(いじめの認知数)
・平成25年、小・中・高校と特別支援学校で認知されたいじめの件数は18万5860件(小学校で11万8805件、中学校5万5248件、高校1万1039件、特別支援学校768)です。

(刑法犯の認知数)
・平成24年、刑法犯の認知件数は1,212,163件(うち、検挙件数370,568件(検挙率30.57%)で、犯罪率(人口10万人あたりの認知件数)は953.8件です。主な刑法犯、殺人数1,054件、強盗3,056件、放火1,910件、強姦1,250件、わいせつ11,694件、暴行32,372件、傷害26,561件、窃盗897,259件、詐欺41,523件などとなっています。
・厚労省の人口動態統計によると、他殺による死亡者数は減少傾向にあり、357人(平成26年)で、おおむね1日に1人が誰かに殺されていることになります。「犯罪被害者白書 平成27年版」では、平成25年の「殺人(嬰児殺、自殺関与などを除く)」の検挙数のうち、被害者が「配偶者」であるケースは146件です。
また、被害者が「実父母(子どもが加害者)」のケースは134件で、被害者が「実子(親が加害者)」82件、「兄弟姉妹」は35件です。殺人検挙数全体の中で、家族・親族(養父母や継子などを含む)が加害者であるケースは53.5%で、半数以上が近親者です。
・知的障害や精神障害があり、犯罪を繰り返しおこしてしまう人のことを「累犯障害者」といい、平成18年の犯罪白書では、「全受刑者の約15%が入所2回目以上の知的障害者であった」としていることから、平成17年の一般刑法犯における検察庁新規受理人員36.4万人に15%を掛けると、5.5万人になります。
ここに初犯を含めて考えると、「すべての受刑者は入所後、作業の適応力を調べるための知能テストを受けるが、その結果によると全受刑者のうち4分の1が知的障害者であった。」という報告があるので、36.4万人に25%を掛けると9.1万人にのぼります。
そして、平成17年に法務省がまとめたサンプル調査では、「累犯障害者の60%が、出所から1年未満で再び犯罪を起こしていた」としています。
 知的障害とみなされた受刑者が刑務所内でおこなう作業は、結んだ紐を解いたり、一つの箱の中の数種の色の蝋のかけらをそれぞれに分けたりするといったものです。
受刑者には、知的障害だけでなく、各種の身体障害および精神障害を持つ者が多数存在しています。
こうした受刑者は、生育歴の中でほとんど福祉と結びつくことがなく、おにぎり一個の万引き(窃盗罪)や無銭飲食・無賃乗車(詐欺罪)のような微罪で、繰り返し刑務所に入ることによって生き延びている一面があることから、刑務所が、最後のセーフティネットとなっています。
・平成25年、刑法犯少年の検挙数は56,469人(14-19歳人口1,000人あたり7.8人)、触法少年(刑法)の数は12,592人となっています。
・平成26年、「少年院」の入所者数(前年繰越者643人を含む)は11,835人で、子どもの行動上の問題、特に非行問題を中心に対応する「児童自立支援施設(58施設)」の入所者数1,548人です。

(DV認知件数。一時保護、保護命令、児童養護施設の入居者数を含む)
・平成26年、都道府県警察において、配偶者からの身体に対する暴力または生命等に対する脅迫を受けた被害者の相談等の受理件数は59,072件、生活の本拠をともにする交際(婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいないものを除く)をする関係にある相手方からの暴力事案は7,402件となっています。
・平成25年、配偶者間の殺人検挙件数153件のうち、夫が妻を殺害したのが106件(69.28%)、妻が夫を殺害したのが49件(32.03%)となっています。
平成26年、同傷害2,697件のうち2,550件(94.55%)、同暴行2,953件のうち2,775件(93.97%)が、夫が加害者、妻が被害者となっています。
・全国247ヶ所(うち74ヶ所は市町村が設置)の「配偶者暴力相談支援センター」における平成26年度の相談件数は102,963件で、女性からの相談が101,339件で全体の98.4%を占めており、男性からの相談は1,624件で全体の1.6%となっています。
加害者との関係では、配偶者(事実婚を含む)が87,304件で全体の84.8%、離婚後が12,694件で12.3%、生活の本拠を共にする交際相手(元交際相手を含む)が2,965件で2.9%となっています。
・平成24年8-10月の間にA県の警察安全相談1,141件(DV660件(53.18%)、デートDV248件(21.74%)、ストーカー233件(20.42%))によると、DV660件の関係性は、配偶者・元配偶者533件(80.76%)、内縁・元内縁98件(14.85%)であり、男性加害者と女性被害者の組合せが616件(93.33%)、女性加害者と男性被害者の組合せは44件(6.67%)となっています。
デートDV248件の関係性は、交際・元交際相手248(100%)であり、男性加害者と女性被害者の組合せが207件(83.47%)、女性加害者と男性被害者の組合せは44件(16.53%)となっています。
ストーカー233件の関係性は、面識なし9件(3.86%)、交際がない知人(27.90%)、交際・元交際相手119件(51.07%)、内縁・元内縁15件(6.44%)、配偶者・元配偶者25件(10.73%))となっています。
男性加害者と女性被害者の組合せが190件(81.55%)、女性加害者と男性被害者の組合せは43件(18.45%)となっています。
・平成25年度、婦人相談所(女性センター)における「配偶者暴力防止法」にもとづく被害者及びその同伴家族の一時保護件数は11,623件で、夫等の暴力を理由とする者が4,366件で全体の37.6%、夫等の暴力を理由とする者以外が1,759件で15.1%、同伴する家族が5,498件で全体の47.3%となっています。
平成26年、地方裁判所に申立てられた保護命令の既済件数は3,125件で、認容(保護命令発令)件数は2,258件で、発令率は72.26%となっています。
・平成23年10月、「母子生活支援施設(261施設)」に入所世帯数は3,850世帯、児童数6,015人です。生活に困窮する母子家庭に住む場所を提供する施設で、「母子寮(母子生活支援施設)」の名称でしたが、平成9年の児童福祉法改正で、施設の目的に「入所者の自立の促進のためにその生活を支援すること」が追加され、「母子生活支援施設」と名称が変更されました。
DV被害者(入所理由が夫等の暴力)が入所者の54%、虐待を受けた児童が入所児童の41%を占めています。
また、精神障害や知的障害のある母や、発達障害など障害のある子どもも増加しています。
・平成26年、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」第8条の規定にもとづき、配偶者暴力相談支援センターが実施したストーカー行為等に関する相談件数は1,587件のうち女性からの相談が1,524件(96.03%)、男性からの相談は63件(3.97%)です。
・内閣府と警察の調査では、男性から身体的な暴行を受けたことのある女性の割合は約4人に1人、継続的で執拗な暴行を受けたことのある女性の割合は約10人に1人、殺されそうな暴行を受けたことのある女性の割合は約20人に1人となっています。
つまり、15歳以上の女性を約5,300万人と考えると、一生涯(これまで)のうちに、男性から身体的な暴行を受けたことのある女性は1,325万人となり、継続的で執拗な暴行を受けたことのある女性は530万人となります。そして、殺されそうな暴行を受けたことのある女性は265万人となり、この数は、政令指定都市の名古屋市の人口228万人よりも多いことになります。
 しかし、DV事件としての検挙件数は年間2,000件に留まっています。
年間検挙数×60年(15歳-75歳)で計算すると120万件となりますが、先の継続的で執拗な暴行を受けたことがあると自覚している女性530万人の22.64%にすぎないことになります。

(児童虐待.児童養護施設入所者数)
・平成26年、全国の児童相談所が対応した児童虐待は88,931件となっています。
・平成23年10月、「児童養護施設(585施設)」の入所者数は29,114人で、虐待を受けた子どもは53.4%、なんらかの障害を持つ子どもが23.4%となっています。
「乳児院(129施設)」の入所者数は2,963人です。
心理的・精神的問題を抱え日常生活の多岐にわたり支障をきたしている子どもたちに、医療的な観点から生活支援を基盤とした心理治療をおこなう「情緒障害児短期治療施設(児童心理治療施設:37施設。平成28年現在、45施設)」の入所者数は1,178人です。

(相対的貧困者数)
・日本の貧困率は16.3%(2081.4万人、平成21年)とされ、平成23年のひとり親世帯数146.1万世帯(母子世帯数123.8万世帯(84.74%)、父子世帯数 22.3万世帯(15.26%))に、平成21年のひとり親家庭の貧困率54.6%を掛けると79.77万人となります。
母子世帯数123.8万世帯のうち、母子のみ世帯数は82.1万世帯で、19歳以下の子どもがいる母子世帯の貧困率57%を掛けると46.80万世帯が貧困となります。
このことは、そのまま子どもが貧困であることを意味します。

(生活保護世帯数)
・平成27年の生活保護世帯数1,623,576に対し、高齢者世帯数802,492(49.43%)、母子世帯数104,917(6.46%)、障害者世帯数190,316(11.72%)、傷病者世帯数253,374(15.61%)、合せて1,351,099(83.22%)世帯となっています。
障害者世帯は、82.9%が単身(世帯主の平均年齢は52.4歳)で、世帯主の障害の種類は、精神障害49.4%、知的障害8.1%、身体障害42.5%で、世帯主の9.1%が入院、4.3%が施設入所です。傷病者世帯は、78.1%が単身(世帯主の平均年齢は54.5歳)で、世帯主の傷病は、精神病33.9%、アルコール依存症2.8%、その他63.4%で、世帯主の6.3%が入院、1.5%が施設入所です。

(その他)
・新生児の21人に1人(4.76%)が体外受精で、 平成27年の出生数105.7万人で計算すると5万人となります。晩婚化に伴い、不妊治療を経験する夫婦は6組に1組(16.67%)とされ、ここに、日本の夫婦数3290.2万組で計算すると548.54万組となります。
なお、共稼ぎ世帯は1429.7万組(43.45%)、専業主婦世帯は1495.2万組(45.44%)です。

・平成26年、65歳以上の介護サービス(要支援1-2.要介護1-5)受給者数は488.4万人です。

・平成27年の交通事故による死者数は4,117人で、重傷者数は3万8,959人、62万7,064人で、死傷者数は67万0,140人です。

以上の自殺者数2.5万人、過去1年以内の自殺未遂数53.5万人、精神疾患受診者数323.3万人、推計差うつ病200万人、認知症425.4万人、不安障害240万人、適応障害56万人、大麻・覚醒剤使用・アルコール依存378万人、ギャンブル依存536万人、摂食障害230万人、そして、半数近くが治療や支援を受けていないとされるひきこもり数(狭義を含めて)34.8万人(69.6万人×1/2)、小中学校の不登校者数12万人、小中高校(特別支援含む)で認知されたいじめ関連者数37.2万件(加害者と被害者が少なくとも1人以上存在することから、認知されたいじめ件数18.6万件×2として、18.6万人を加算)を合算すると2528.7万人となり、総人口比19.80%に達します(人口10万人あたり19803.12人(10人に1.98人))。
ここに、刑法犯認知件数132.7万件(主に、加害者と被害者が少なくとも1人以上存在する殺人数1,054件×2、強姦1,250件×2、わいせつ11,694件×2、暴行32,372件×2、傷害26,561件×2、詐欺41,523件×2として11.5万人を加算)、DV相談受理件数13.2万件(同6.6万人を加算)、児童相談所の虐待対応件数17.6万件(同8.8万人加算)、刑法犯少年検挙数と触法少年数6.9万人、少年院と児童自立支援施設の入所者数1.3万人、児童養護施設、乳児院、情緒障害児短期治療施設の入所者数3.2万人を加え、さらに、19歳以下の子どもがいる母子家庭の貧困者数139.5万人(母と1世帯あたりの子どもの数を2人として母子家庭の貧困世帯数46.8×3、93.6を加算)、生活保護163.2万世帯、216.6万人、65歳以上の介護サービス(要支援1-2.要介護1-5)受給者数488.4万人を加えると、3548.1万人となり、総人口比27.78%(人口10万にあたり27786.39人(10人に2.78人))となります。
ここに、0-14歳の発達障害者103.3万人、不妊治療の経験者1097万人を加えると、4748.4人となり、総人口比37.19%(人口10万にあたり37186.36人(10人に3.72人))となります。
最後に、平成27年の交通事故による死者数は4,117人で、重傷者数は3万8,959人、62万7,064人で、死傷者数は67万0,140人です。
日本人の3人に1人以上が、一生涯のうちに、当事者として上記の“どれか”に該当する可能性があるということです。
さらに、当事者の家族(両親・きょうだい)など深くかかわる人たちを加えると、「いまの日本がどのような状況にあるのか」を把握することができます。
しかし、人格障害や解離性障害など実数が把握できていない疾病は多くあり反映していなかったり、一方で、単年でしか捉えられない数字と一生涯という単位で捉える数字が混在していたり、幾つかの疾病や傾向が重複したりすることから、①数字そのものが正確でないこと、そして、②自殺、精神疾患(薬物依存など含む)、刑法犯、非行・少年犯、DV・児童虐待、いじめ、不登校・ひきこもり、貧困・生活保護世帯、介護サービス受給、さらに、発達障害、不妊治療経験者を同じ土俵でとり扱うことは不適切であることなど、幾つかの懸案事項が解決できていない数字となっています。
ただし、①殺人、暴行、傷害、いじめ、虐待、DV、レイプなどの性犯罪などは、被害者にPTSDなどの後遺症を発症させるだけでなく、加害者と被害者(殺人の場合、被害者遺族)という構図が伴う行為には、親やきょうだい、親族、友人、上司や同僚、担任など、当事者以外の者が多くかかわり、深い傷を残すこと、また、②介護をする親や子どもには心身ともに大きな負担がかかること、上記に加えて、③精神疾患、不登校やひきこもりなどは、当事者だけでなく、家族への偏見や差別、排除といった加害行為を生みだし、新たな加害者と被害者という構図を生みだす要因になること、虐待や面前DV被害が、次の世代で、虐待の加害者、デートDV・DVの加害者や被害者となる可能性が高くなることなど、上記の数字が意味するものは、当事者だけでない問題として重大です。



2016.3/3 ブログ再編成(第3次改訂)に伴い、主記事として掲載
2016.9/9 「暴力の影響を「事例」で学ぶ。虐待とDVの早期発見・支援。母と子どもが暴力から脱するための手引き(目次)」を、「暴力の影響を「事例」で学ぶ。虐待とDVの早期発見・支援。母と子どもが暴力から脱するための手引き」と「目次」に分割し、掲載
2017.3/21 「手引き」の「はじめに」を「改訂3版」としての編集により、「暴力の影響を「事例」で学ぶ。虐待とDVの早期発見・支援。母と子どもが暴力から脱するための手引き」、「目次」、「はじめに」、「プロローグ」として掲載
* 「第1章」以降、つまり、カテゴリー「Ⅲ-3」-「Ⅲ-10」の「改訂2版」については、改訂作業を終えた「章」から差し替えていきます。



もくじ   3kaku_s_L.png   [Ⅲ-2]プロローグ(1-4)
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