あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

[Ⅶ-1]<DV・虐待・性暴力被害データ。支援・対応の現状>新聞事件簿。

DV防止法8年、まだまだ遅れてる日本の政策

 
 <佐賀新聞>別れの決断【上】 苦楽を共にして離婚 夫から支配のための暴力に晒され続けたDV被害者の歪められた思考の認知。「わかってもらえない」苛立ち、夫から逃れた後も悩まされ、苦しい日々が続く..。
民間担当者の8割以上が「不充分」と回答
三井マリ子2009/06/02

 日本では、毎年100人近い女性が夫に殺され、毎年1,000人近い女性が夫から傷害を加えられている。この被害は、DVによる殺人の総検挙数の5割以上、同じくDVによる傷害の総検挙数の9割以上を占める(警察庁調べ)。つまりDVによる被害は圧倒的に女性が多いということだ。
 5月26日、総務省はドメスティック・バイオレンス(DV)防止法に則して、行政がきちんと対策をとっているかの政策評価を初めて出した。2001年、女性への暴力を減らし、女性が人間として尊重される社会にするための一歩として、DV防止法が誕生してから8年、やっと施策の全体像が見えた。
 政策評価の基礎となったアンケート調査は、国、地方公共団体、民間団体の担当者を対象に行われた。DV被害者の声を直接聞くことの多い民間団体の担当者は、国や地方公共団体が行うべき保護施策、就業支援施策、住宅確保施策のすべてに対して、8割近くが「不充分」と答えている。
 この結果に基づき、総務省は、内閣府、総務、法務、文部科学、厚生労働、国土交通に改善を勧告した。しかし改善目標年度は明示されず、各省庁の自主的努力任せだ。
 DV防止行政の要は、「配偶者暴力相談支援センター」である。DV防止法によって道府県が設置を義務づけられている。ここが、相談受付、一時保護、カウンセリング、住宅や就職の支援、関係情報の提供などを行う。その数は、北海道と千葉が最も多く共に16カ所。福岡には14カ所、岩手には12カ所。2桁の支援センターを持っているのは、この4道県だけだった。京都、宮城、茨城、埼玉など21府県は、わずか1カ所しか設置していない。
 相談の受付時間については、27都道府県と4政令指定都市にある計46の支援センターのうち、21カ所(46%)が午後6時までしか受け付けていなかった。夫や恋人が帰宅する午後6時以降こそ問題が発生する時間帯なのに、夕方6時終了では極めて不充分である。24時間態勢をとっていた県は、千葉県のみだった。
 調査した都道府県のうち、市町村の通報相談件数を把握していたのは、北海道、千葉、東京の3都道県のみだった。福井県武生市(現越前市)と大阪府豊中市で、女性への暴力対策に数年間携わった私の経験では、DV被害者がまず駆け込むのは身近な自治体である。通報相談受付件数は全市町村から把握しなければおかしい。

 経済的弱者である女性は、夫からの暴力を日常的に受けやすい。相談や通報をするのも我慢してしまうケースが多い。命の危険に至る前の一助となるのが、医師や医療関係者による外傷発見の通報だ。しかし、30%以上にあたる15都県は、被害通報促進のための医療関係者への研修をしていなかった。9府県は一般向けの広報啓発活動すら実施していなかった。
 DV被害者は、まず暴力夫から別居することが大事だ。しかし、公営住宅への優先入居のある自治体でも、申し込んだ被害者が入居できたのはわずか14%だった。86%の女性は民間シェルターを頼ったのだろう。
 地方自治体の女性政策に提言を続ける鈴木誠子さん(「共生社会プロジェクトWe」事務局長、東大阪市)は、こう話している。
 「きめ細かい対策は民間任せですが、働く人はボランティア。男女共同参画センターで相談を担当する職員の多くは非常勤職で待遇が悪く、いつ雇い止めに遭うか不安な中で働いています。経験と蓄積が必要なのに・・・。広報も不充分で、DVは犯罪だという周知徹底もまだまだなのです」
 大津市で「さくらんぼ女性サポートルーム」代表としてDV被害者の相談を担う岡田けい子さんは、こう語った。
 「ノルウェーの地方自治体の民間シェルターを視察しました。充実した自立支援サービスがあり、移民や外国人へも手厚い支援を差し伸べていました。国と県から資金が出、働く人たちの給与に充てられていました。Personal is political(個人的なことは政治的)なのです。でも、日本はまだPersonal is personal(個人的なことは個人的)。もっと公的予算を!」



※ ブログ『面前DVの早期発見、早期支援。あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?』は、「DV被害支援室poco a poco(代表 庄司薫)」の活動、つまり、「ひとりでも多くの子どもたちが、家庭内で、DVを目撃する(面前DV)などの暴力で傷つかないようにしたい」との考えのもと、つまり、「暴力のある環境に順応した考え方の癖の修正を踏まえながら、離婚調停などでDVを立証するために、現在に至る事実経過をまとめる」など、DV被害者支援に携わってきた活動をブログで公開しています。
 この「第七部 新聞事件簿(カテゴリーⅦ1-Ⅶ22)」は、ブログの“礎”となる『DV被害者支援、1年間の記録。ドキュメントDV。恐怖で家に縛られ、卑下・侮蔑された11年(カテゴリー「Ⅱ」)』、『暴力の影響を「事例」で学ぶ。DVの早期発見・支援。母と子どもが暴力から脱するための手引き(カテゴリー「Ⅲ1-Ⅲ9」)』を“補完”するもので、新聞事件簿の「22分野」については、カテゴリー「Ⅰ」の中の「ブログの構成と意図② 第七部-新聞事件簿」に、それぞれの意図などを整理しています。

DVの本質は、本来対等であるはずの男女(夫婦間、交際者間)の関係に、上下の関係、支配と従属の関係を成り立たせるためにパワー(力)を行使することですから、“関係性”で理解する必要があるわけです。つまり、「上にたとう(支配しよう)とする者」と「下におかれる(支配され、従属させられる)者」という“関係性”であることから、①カテゴリー[Ⅲ-2]「Ⅰ-3.DVは、夫婦の関係、親子の関係になにをもたらすか(1)-(6)」、②「Ⅲ-2」「Ⅰ-4-(2)デートDVから結婚に至る経緯」に目を通していただければ、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法、いわゆるDV防止法)」第二条の三にもとづいて作成される「都道府県(市町含む)基本計画」の中で「対象とする暴力として、身体的暴力、性(的)暴力、精神的暴力、経済的暴力がある」との記載が意味するものについて理解を深めていただけると思います。
 そのうえで、本記事のテーマ、相反する拒絶と受容のことばやふるまいを繰り返されることにより思考混乱をおこし、暴力の恐怖により機嫌を損ねないように意に添うようにふるまうなど、暴力に順応することで生活を続けざるをえなくなった、つまり、暴力のある環境で生活を続けること=マインドコントロール下におかれてきたのかを理解していただくには、加害者特性の理解、つまり、DV加害者がどのようにふるまうのかを理解すること、その支配するための暴力により、被害者はどのような“負”の思考パターンに陥っていくことになるのかを理解することが大切です。
 そこで、③カテゴリー[Ⅲ-6]「Ⅳ-24.DV加害者に共通する行動特性」に目を通していただき、その中で説明している「感受性訓練に似通った言動パターン」を頭に入れて、④カテゴリー「Ⅲ-2」「Ⅰ-5.被害者心理。暴力で支配、マインドコントロールされるということ」に目を通していただくことによって、“人との関係性”のいう捉え方でDVを認識することがいかに重要なことなのかを理解していただけると思います。
 また、生活を共にしていた交際相手(元を含む)、あるいは、配偶者からの暴力から逃れるために女性センターや警察を通して施設への一時保護を求めたリ、地方裁判所に保護命令の発令を申立てたりすることについては、⑤カテゴリー「Ⅲ-6」「Ⅳ-21.一時保護の決定、保護命令の発令。「身を守る」という選択」で、さらに、⑥「婚姻破綻の原因はDVにある」として、家庭裁判所に離婚(夫婦関係調整)調停を申立てるときには、「Ⅳ.「婚姻破綻の原因はDVにある」ときの離婚(21-26)」において、DV事件特有の問題、そして、それに準じた考え方の重要性などを理解していただけると思います。
 加えて、暴力のある家庭環境で子どもを育てることは、面前DVとして、「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」では“精神的虐待”とみなされることから、暴力のある家庭環境で育ち、再び、交際相手や配偶者から暴力を受けることになった被害者も併せて、⑦「Ⅲ-2」「Ⅰ-1.虐待の発見。DV家庭における子ども」、「Ⅲ-4」「Ⅱ.暴力のある家庭で暮らす、育つということ(6-12)」において、子どもへの心身への影響についての理解を深めていただければと思います。
 なお、「DV被害支援室poco a poco」では、DV被害者支援として、ア)女性および母子への暴力・DVへの相談、イ)「婚姻破綻の原因はDVにある」とする離婚調停に向けての支援、ウ)暴力(「暴力のある家庭環境で育った」を含む)で傷ついた心のケアをおこなっています。最初に、カテゴリーⅠ「はじめに」に目を通していただければと思います。




もくじ   3kaku_s_L.png   [Ⅶ-1]<DV・虐待・性暴力被害データ。支援・対応の現状>新聞事件簿。
FC2 Blog Ranking
   

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

~ Trackback ~

トラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【<佐賀新聞>別れの決断【上】 苦楽を共にして離婚】へ
  • 【夫から支配のための暴力に晒され続けたDV被害者の歪められた思考の認知。「わかってもらえない」苛立ち、夫から逃れた後も悩まされ、苦しい日々が続く..。】へ