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[Ⅶ-5]<虐待>新聞事件簿。隣の家の子どもは大丈夫?子どもを助けてあげて!

<産経新聞>虐待はどんな傷を残すのか(5) トラウマ、脳に影響 性的虐待8割に解離性障害

 
 <産経新聞>なぜ虐待死を防げないのか(1) そのとき学校は 海渡君事件で起きた「ボタンのかけ違い」 児童虐待 <産経新聞>虐待はどんな傷を残すのか(4) 「ママが来る! 怒られる!」夜鳴きする子供たち 矛盾噴出の児童擁護施設
2010/05/26 18:21

 「この男の子は虐待と解離性障害。こちらの男の子はADHD(注意欠陥多動性障害)と虐待。この女の子は性的虐待…」。愛知県大府(おおぶ)市にある県立子供病院「あいち小児保健医療総合センター」。心療科部長の杉山登志郎医師(59)=児童青年精神医学=は心療科病棟に並んだ名札を見ながら、ショッキングな言葉を淡々と並べていった。
センターには、わが国にほとんどない児童虐待専門の「子育て支援外来」がある。平成13年の開院以来、1千人を超える子供が受診した。心療科に入院する子供の7割は虐待を受けた経験を持つ。
 以前入院した小学3年の男児は、実父から激しい身体的虐待を受けた。両親の離婚後、男児は母親に「うるせー、ババァー」と大声を上げ、叱(しか)られると包丁を持ち出した。学校でも注意されると教室を飛び出し、前に座っていた子供の背中を鉛筆で刺した。児童相談所の紹介でセンターへ入院、ADHDや解離性障害など複数の発達、精神障害と診断された。
 杉山さんは「この子のように、深刻な虐待を受けた子供は複数の診断名がつくことが多い。それは虐待による慢性的なトラウマ(心的外傷)が脳とその発達に影響を与えるからです」。
 欧米での研究をまとめた新潟大学の田村立(りゅう)(33)、遠藤太郎(34)両医師らによると、子供のころ虐待を受けた成人の脳は、記憶の中枢である「海馬(かいば)」が健常者に比べ5~18%小さかった。また、記憶と情動に関連する認知をつかさどるという「扁桃(へんとう)体」が8~23%小さかったという。

 ■医療的ケア必要
 虐待には日常生活の常識をわずかに逸脱した軽度なものから、子供の生命に危険を及ぼす重大なものまで幅がある。すべての虐待が慢性的なトラウマに至るとは限らない。
 それでも、杉山さんは「現実には虐待を受けた子供の8割に何らかの医療的ケアが必要だ。現在、虐待の対応は児童相談所や福祉機関が中心で、医療体制は遅れている。専門的に治療する態勢を早急に整える必要がある」と指摘する。
 その意味で、杉山さんが懸念するのは性的虐待だという。国の統計では年間4万件の虐待のうち3%に過ぎないが、センターでは17%に上っている。さらに、性的虐待で受診した3~18歳の男女158人の84%が解離性障害と診断された。杉山さんは「遠からず性的虐待の問題が噴出するだろう。今、手を打たねば収拾がつかなくなる」と話す。

 ■子供が未来
 九州地方の都市で暮らしていた30代後半の女性は中学生のころ、母親の愛人から性的虐待を受け続けた。
 「私の人生は終わりで、未来はないと本気で思っていた。何が未来なのかも分からなかった」
 街で似た男性とすれ違ったり、似た名前を目にすると気分が悪くなる。新聞によく似た顔写真が出ていて緊張したこともあった。
 「過去がばれてしまうのではないかと、いつもびくびくしていた。自分が罪を犯したような意識でいた」
 結婚して最初の子供が女の子だったとき、性的虐待に関する本を執拗(しつよう)に取り寄せた。次に男の子が生まれ、絶対に性犯罪者にしてはいけないと誓った。一方で、子供を授かって「やっと自分の味方ができた」とも思ったという。
 「私の場合、死にたくて死にたくてここまで生きてきて、今は子供が生きる目的になっている。子供がいなかったら毎日を生きる意味が分からなかったでしょう。虐待のニュースを見るたびにつらくなります。悲しく、眠れなくなります。何とか子供たちを救えないでしょうか」(終わり)



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