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あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?

「DV被害支援室poco a poco」の運営サイトです。「家庭内で、子どもたちが、DVを目撃したり(面前DV被害)、虐待されたりするなどの暴力で傷つかない。暴力を次の世代にひき継がせない」との考えのもと、DV被害女性の援助者として、暴力で傷ついた心のケア、カウンセリングの実施と離婚調停などでDV被害を明確にする支援をしています。加えて、blogでは、家庭内に留まらず、学校や職場、国際社会におけるさまざまな暴力被害(貧困・紛争含む)にかかわる情報の提供をしています。最初に、<カテゴリー(Novel List)>下の『I-N.お知らせ』内の『はじめに』に目を通して下さい。

<朝日新聞デジタル>性暴力、子どもに被害を打ち明けられたら 相談先一覧

[Ⅶ-1]<DV・虐待・性暴力被害データ。支援・対応の現状>新聞事件簿。

2021年4月20日 17時00分

 性暴力によって、子どもたちには癒えない心の傷、いわゆるトラウマ(心的外傷)がもたらされる。その影響はさまざまな形で現れる。
 年齢によっても異なるが、頭痛、腹痛、吐き気などの体調不良▽頻尿、おねしょ▽拒食や過食▽よく眠れない▽ペットをいじめる▽友だちと頻繁にトラブルを起こす▽落ち着きがない▽大人に反抗する▽リストカットなどの自傷行為を繰り返す▽自殺願望・自殺企図▽非行行為を繰り返す▽感情のコントロールができない▽ぼーっとしていることが多い▽極端な自己否定観をもつ▽性的な言動が目立つ――などさまざまだ。
 専門家によると、こうした行動や様子が見られたら「困った子ども」という目で見るのではなく、「トラウマを抱えているのかもしれない」という視点が必要という。
 性暴力を受けた子どもは、自分の性器を触ったり、ほかの人の性器を触ろうとしたりするなどのほか、年齢に不相応な性的な関心や行動をする「性化行動」をとることもある。性化行動は再被害を招きやすい。かつての加害者と同じ性別や年代の人に声をかけられたとたんに、意識や記憶を一時的に失う「解離」状態に陥り、無防備になって被害を受けたり、自分から近寄るような形で被害を受けたりすることもある。SNSで相手を探して関係を持つことも珍しくない。
 被害を受けた子どもは、自分の身に起きたことが「被害」と認識することが難しい上、「人に知られてはいけない」などと思い、自分からは打ち明けられないことが多い。
 子どもの行動や症状に気づいたら、児童相談所やワンストップセンター、精神科などに相談し、適切な対応をしていく必要がある。
 また、被害を告白されたら、子どもの言葉を信じることが大切だ。ただし、その際に根掘り葉掘り聞かない。「よく話してくれたね」「話してくれてありがとう」と全面的に受け止め、専門機関につなげる。
 打ち明けられた大人側がショックを受けることもあるが、否定したり、過小評価したり、なかったことにしたりすることは避けなくてはならない。子どもに安心感を与え、安心して安全に過ごせる環境を整えることが欠かせない。(編集委員・大久保真紀)

性暴力を受けたときに相談できる場所に、ワンストップ支援センターがあります。

◆全国の主なワンストップ支援センターの連絡先
全国共通短縮ダイヤル #8891
北海道  性暴力被害者支援センター北海道「SACRACH(さくらこ)」 050-3786-0799
青森県  あおもり性暴力被害者支援センター 017-777-8349
岩手県  はまなすサポート 019-601-3026
宮城県  性暴力被害相談支援センター宮城 0120-556-460(県内専用)
秋田県  あきた性暴力被害者サポートセンター「ほっとハートあきた」 0800-8006-410
山形県  やまがた性暴力被害者サポートセンター「べにサポ やまがた」 023-665-0500
福島県  性暴力等被害救援協力機関SACRAふくしま 024-533-3940
茨城県  性暴力被害者サポートネットワーク茨城 029-350-2001
栃木県  とちぎ性暴力被害者サポートセンター「とちエール」 028-678-8200
群馬県  県性暴力被害者サポートセンター「Saveぐんま」 027-329-6125
埼玉県  県性暴力等犯罪被害専用相談電話アイリスホットライン 048-839-8341
千葉県  千葉性暴力被害支援センターちさと 043-251-8500
     千葉犯罪被害者支援センター 043-222-9977
東京都  都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「性暴力救援ダイヤルNaNa」 03-5607-0799
神奈川県 かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」 045-322-7379
新潟県  性暴力被害者支援センターにいがた 025-281-1020
富山県  性暴力被害ワンストップ支援センターとやま 076-471-7879
石川県  いしかわ性暴力被害者支援センター「パープルサポートいしかわ」 076-223-8955
福井県  性暴力救済センター・ふくい「ひなぎく」 0776-28-8505
山梨県  やまなし性暴力被害者サポートセンター「かいさぽ ももこ」 055-222-5562
長野県  県性暴力被害者支援センター「りんどうハートながの」 026-235-7123
岐阜県  ぎふ性暴力被害者支援センター 058-215-8349
静岡県  県性暴力被害者支援センター SORA 054-255-8710
愛知県  ハートフルステーション・あいち 0570-064-810(県内専用)
     性暴力救援センター 日赤なごや なごみ 052-835-0753
三重県  みえ性暴力被害者支援センター よりこ 059-253-4115
滋賀県  性暴力被害者総合ケアワンストップびわ湖SATOCO 090-2599-3105
京都府  京都性暴力被害者ワンストップ相談支援センター 京都SARA 075-222-7711
大阪府  性暴力救援センター・大阪SACHICO 072-330-0799
兵庫県  ひょうご性被害ケアセンター「よりそい」 078-367-7874
奈良県  県性暴力被害者サポートセンター NARAハート 0742-81-3118
和歌山県 性暴力救援センター和歌山「わかやまmine」 073-444-0099
鳥取県  性暴力被害者支援センターとっとり(クローバーとっとり) 0120-946-328(県内専用)、0857-32-8211(県外可能)
島根県  性暴力被害者支援センターたんぽぽ 0852-25-3010
     しまね性暴力被害者支援センターさひめ 0852-28-0889
岡山県  性暴力被害者支援センター「おかやま心」 086-206-7511
広島県  性被害ワンストップセンターひろしま 082-298-7878
山口県  県男女共同参画相談センター「やまぐち性暴力相談ダイヤル あさがお」 083-902-0889
徳島県  性暴力被害者支援センター よりそいの樹 とくしま 0570-003889
香川県  性暴力被害者支援センター「オリーブかがわ」 087-802-5566
愛媛県  えひめ性暴力被害者支援センター 089-909-8851
高知県  性暴力被害者サポートセンターこうち 080-9833-3500
福岡県  性暴力被害者支援センター・ふくおか 092-409-8100
佐賀県  性暴力救援センター・さが「さがmirai」 0952-26-1750
長崎県  性暴力被害者支援「サポートながさき」 095-895-8856
熊本県  性暴力被害者のためのサポートセンターゆあさいどくまもと 096-386-5555
大分県  おおいた性暴力救援センター「すみれ」 097-532-0330
宮崎県  性暴力被害者支援センター「さぽーとねっと宮崎」 0985-38-8300
鹿児島県 性暴力被害者サポートネットワークかごしま「FLOWER」 099-239-8787
沖縄県  「with you おきなわ」(県性暴力被害者ワンストップ支援センター) #8891(つながらない場合は098-975-0166)

新型コロナウイルス流行に伴う休校・外出自粛で懸念されるDV被害の増加に対する緊急サポートの案内(3年間の活動休止を解除)

[Ⅰ-N] お知らせ(はじめに、ブログ構成と意図、他)

 阪神淡路大震災、東日本大震災などの震災後、DV・児童虐待、レイプ(性暴力)などの被害が増加したように、世界的な新型コロナウイルスの流行を受け、学校の休校や外出自粛の動きがでる中、DV被害(デートDV被害)、児童虐待被害、性暴力被害の増加が懸念されています。
 DV被害支援室poco a pocoは、「DV被害者支援の専門機関」のひとつです。

(緊急サポート)
・相談・支援依頼メールアドレス poco_a_poco_marine_s@yahoo.co.jp

*3年間(2016年(平成28年)4月1日-)、民事(離婚調停など)・刑事(暴行・傷害罪での立件)事件、配偶者暴力防止法にもとづく一時保護の決定、保護命令の発令を求めるための支援活動(主に、DVを立証することを目的とした、レポート「現在に至る事実経過」のとりまとめ、同レポートにもとづく「答弁書」「準備書面」、「訴状」の作成など)については、“休止”していました(平成29年。活動10年、「節目の年」に。http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-6199.html)が、上記の状況を鑑みて、緊急サポートにとり組みたいと思います。

** メールをお送りいただく前に、必ず、確認してほしい記事
①<DV・性暴力被害相談。メール・電話、面談>..問合せ・相談、サポートの依頼。最初に確認ください。http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-501.html
②はじめに。http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-961.html


2020.3/31
DV被害支援室poco a poco 庄司薫

(お知らせ)主記事、カテゴリー〔Ⅲ1-9〕の「新版4訂」の掲載に先立ち、「新版4訂」の“章立て”に則り、順次、「新版2訂」の記事を「節」単位以下に細分化して掲載していきます。

[Ⅰ-N] お知らせ(はじめに、ブログ構成と意図、他)

 ブログ・カテゴリー〔Ⅲ-1-9〕に掲載の『DV被害の影響を「事例」で学ぶ。-女性、母と子どもが暴力から脱するための手引き(3部7章45節)-(以下、「手引き」)』は、現在、「新版4訂」に向けた加筆訂正・再編集をおこなっています。
 「新版2訂」までは、主に「章」単位で掲載してきました。
 しかし、ひとつの掲載記事が長く、検索で記事に辿りついても、必要な当該箇所を見つけ難いなど、多くの課題がありました。
 そこで、「新版4訂」の掲載に先立ち、現在掲載している「新版2訂」の記事を使い、「新版4訂」の“章立て”に則り、「節」単位以下に細分化した記事を掲載していきます。
 「新版2訂」の「節」単位以下に細分化した記事を掲載するにあたり、『はじめに』『Ⅰ.密接な関係。児童虐待とドメスティック・バイオレンス』については、別途『DV被害の影響を「事例」で学ぶ。-女性、母と子どもが暴力から脱するための手引き(http://12310403dvsien.blog.fc2.com/)』において、掲載しています。
 「新版2訂」の記事を「新版4訂」の“章立て”で掲載し直したあと、「新版4訂」に向けた加筆訂正・再編集作業にとりかかり、加筆訂正・再編集が終了次第、「新版2訂」の記事と差し替えていきます。
 なお、「事例番号」については、「新版4訂」のすべての作業を終えたのち、“通し番号”を書き直します。そのため、それまでは、“通し番号”になっていない状態での掲載になります。ご承知おきください。

(「改訂4訂」の構成(3部7章45節))
はじめに。
第1部
 ・第1章 Ⅰ.密接な関係。児童虐待とドメスティック・バイオレンス(1-10節)
 ・第2章 Ⅱ.児童虐待と面前DVの影響。-暴力のある家庭環境で暮らす、育つということ-(11-19節)
第2部
 ・第3章 Ⅲ.婚姻破綻の原因はDVにある」ときの離婚(20-24節)
第3部
 ・第4章 Ⅳ.DV環境下にある子どもの早期発見と支援、欠かせない母親へのケア(25-29節)
 ・第5章 Ⅴ.被害者支援の一環としての加害者更生プログラム(30-31節)
 ・第6章 Ⅵ.学校・福祉の現場で、児童虐待・DVとどうかかわるか(32-42節)
補章(43-45節)


2017.12.17
2019.2.15
2019.5.30 移転作業
2020.4.10
DV被害支援室poco a poco 庄司薫

You Tube 「性的同意」をわかりやすく伝える2つのアニメーション

[Ⅶ-1]<DV・虐待・性暴力被害データ。支援・対応の現状>新聞事件簿。

以下の2つのアニメーション動画は、小学生でもわかりやすく説明されています。

○「性行為の同意を紅茶に置き換えて下さい!」https://www.youtube.com/watch?v=KXgaD-0Ara8
2015年、イギリスの警察が公開。

○「YesはYes NoはNo」https://www.youtube.com/watch?v=j7gaXYgUKSY
・ナレーション;伊藤詩織
・イラストレーション;小林エリカ
・音楽;寺尾紗穂
・アニメーション;ふるやまなつみ


** 「性行為には、お互いの同意が必要」という考えは、レイプ被害だけでなく、デートDV・DV被害、セクシュアルハラスメント被害を防ぐ意味において、とても重要です。
そして、 こうした動画を通じた啓蒙活動は、日本における刑法改正の必要性を理解する意味においても重要です。
そこで、このアニメーション(You Tube)は、しばらくの期間、トップに掲載したいと思います。
2020.3.14
DV被害支援室poco a poco 庄司薫

<朝日新聞デジタル>セックスの同意、確認してますか 学生らが冊子作成

[Ⅶ-1]<DV・虐待・性暴力被害データ。支援・対応の現状>新聞事件簿。

(2018)10/18(木) 11:00配信

 「付き合っていれば、性行為をするのは当たり前」「家に泊まるのは、性行為をしてもいいというサイン」。こう考えるあなたは要注意! 性行為について、互いの意思を確認することを「性的同意」と呼びます。パートナーとよりよい関係を築くために大切な考え方ですが、日本ではあまり知られていません。この言葉を広めるため、関西の大学生がチェックリストを載せた冊子をつくりました。
 つくったのは、京都市男女共同参画推進協会と5人の大学生です。京都大に在籍していた高島菜芭(なは)さん(22)は昨年末、大学教員を通じて協会との縁を得ました。性教育やジェンダーに関心がある高島さんと、若者と一緒に事業に取り組みたい協会の考えが合い、冊子をつくることになりました。
 大阪大の学生4人も加わり、議論をして決めたテーマが「性的同意(セクシュアル・コンセント)」。イギリスに留学経験がある高島さんを始め、5人のうち3人が留学経験者でした。「海外では知っている学生が多い。日本では広まっていないし、教えてもらった記憶もない」。関連する国内外の本を読んだり、性について大学生にアンケートしたりして、冊子の内容をまとめました。
 注目してほしい力作は、「相手がイヤと言ってなかったら、性行為もOKのサイン」「付き合っていれば、性行為をするのは当たり前」といった質問が並ぶ10項目のチェックリスト。当てはまれば、性的同意を大切にする傾向が薄い可能性があります。
 では、性的同意を取るとは具体的にどういうことなのでしょうか。
 「一つの答えの形」として、性教育に詳しい京都教育大学の関口久志教授(64)のインタビューを掲載しています。「対等、平等に、合意、納得したか、が大事」と関口さんは訴えます。さらに「合意、納得」には、(1)相手(2)時(3)場所(4)方法(避妊や性感染症予防など)の四つについて、互いが積極的に同意していることが必要なのだそうです。関口教授の話を参考に、5人が考えた性的同意の取り方や断り方の具体例も紹介しています。
 冊子をつくり終えた後、5人は「Genesis(ジェネシス)」というグループを立ち上げました。「だれもが安全で幸せな性生活を送れる社会づくり」を目指して、活動を続けていくそうです。
 協会の今井まゆり・事業企画課長は「若い感性が反映された、上から目線ではない冊子。性被害の予防はもちろん、周りの人が被害者、加害者になりそうなときに、正しく介入するときの参考にもしてほしい」と話します。
 冊子「ジェンダーハンドブック」はA5判16ページ。京都市中京区のウィングス京都で無料で配っているほか、郵送も可能(送料は自己負担)。協会のホームページからダウンロードすることもできます。問い合わせは協会(075・212・8013)。


* 交際相手や配偶者が「避妊に応じない行為」は、「性行為には、お互いの同意が必要」という考えが存在していないことの表われであり、避妊に応じないふるまいや言動は、性暴力に該当するものです。
そして、この性暴力は、デートDVやDV行為です。
つまり、「性行為には、お互いの同意が必要」という考えは、デートDV・DV被害を防ぐ意味において、とても重要です。
そして、この啓蒙活動は大きな意味のあるものであることから、この告知記事は、しばらくの期間、トップに掲載したいと思います。
DV被害支援室poco a poco 庄司薫

* レイプや避妊に応じてもらえない性行為などの性暴力被害による望まない妊娠リスクがあるとき、性行為から72時間以内に緊急避妊薬を飲む必要があります。
 2019年9月、日本家族計画協会が、緊急避妊薬を処方する約1500の医療機関を検索できるウェブサイトhttps://www.jfpa-clinic.org/s/https://www.jfpa-clinic.org/s/を開設しています。
DV被害支援室poco a poco 庄司薫

<カナロコ by 神奈川新聞>性犯罪成立へ、刑法改正求め署名 被害立証、ハードル高く

[Ⅶ-1]<DV・虐待・性暴力被害データ。支援・対応の現状>新聞事件簿。

(2019)5/10(金) 19:00配信

 性犯罪事件の無罪判決が相次ぐ状況を受け、一般社団法人「Spring」など3団体が、「不同意」のみでも性犯罪が成立するよう刑法改正を法務相に求める署名活動を、インターネットで展開している。
 呼び掛けているのは同団体とNPO法人「ヒューマンライツ・ナウ」、「Voice Up Japan」。監護者性交等罪の適用範囲拡大や、地位や関係性を利用した性行為に対する処罰類型の設定、性交同意年齢の引き上げも求めている。
 3月に19歳の女性が実父から性交を強いられた事例など無罪判決が続く。3団体は「レイプ(強制性交等)罪の成立には不同意の性行為だけでなく暴行・脅迫、心神喪失、抵抗不能などの厳しい要件が求められている」ため、被害者の女性の多くが「泣き寝入りをしている」と指摘。
 その上で、被害者側の検察に高い立証ハードルを課す日本の制度は「国際的な潮流からも時代遅れ」とし、法改正を求めている。
 刑法は性犯罪規定が2017年度に改正され、3年をめどに見直しを検討することにしている。署名は「Change.org」から。


* その関係性の特殊性がゆえに、性暴力を拒むことや助けを求められず、しかも、被害を口にでき難い①親やきょうだい(以上、義理を含む)、近親者による虐待行為としての性暴力、②交際相手や配偶者による性暴力(避妊に応じないなど、同意のない性行為)、教師や指導者(学校の他に、サークル活動、塾や習いごとなど)、上司や仕事関係者によるハラスメントとしての性暴力に加え、③知人・友人、同僚、そして、見ず知らずの者によるレイプとしての性暴力は、いずれも、強い意志を持って挑んだ訴訟の場(警察署で被害届を提出するを含む)で、被害の訴えが正当であるはずなのに、法解釈、特に、法で定める条件を立証できないなどの理由で不起訴になったり、無罪になったりしています。
 こうした状況下で、「法改正を求める著名活動」は大きな意味のあるものです。
 したがって、この告知記事は、しばらくの期間、トップに掲載したいと思います。
 そして、下記サイトで、「著名」に一考いただき、同意できるときには、ぜひ協力いただければと思います。
・サイト「Change.org」内の『性的虐待での裁判。話してされてた事をわかってもらえてるのに写真がないと認められない。本人の証言の他に専門医の意見書や症状があれば認めてほしい!!(https://www.change.org/p/%E6%B3%95%E5%8B%99%E5%A4%A7%E8%87%A3-%E6%80%A7%E7%9A%84%E8%99%90%E5%BE%85%E3%81%A7%E3%81%AE%E8%A3%81%E5%88%A4-%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%8C%E8%A8%BC%E8%A8%80%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%82%E5%86%99%E7%9C%9F%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E8%AA%8D%E3%82%81%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84-%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%83%E5%A3%B0%E3%82%92%E5%87%BA%E3%81%9B%E3%81%A6%E3%82%82%E6%84%8F%E5%91%B3%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%84?source_location=topic_page)』

DV被害支援室poco a poco 庄司薫

<西日本新聞>性的な関係や裸の写真を要求…SNS犯罪に遭う少女急増 つらい思いをしているあなたへ

[Ⅶ-1]<DV・虐待・性暴力被害データ。支援・対応の現状>新聞事件簿。

5/17(水) 11:26配信

 ツイッターや「ぎゃるる」、LINE(ライン)など、インターネットの会員制交流サイト(SNS)を通じて犯罪被害に遭う子どもが増えています。警察庁は先月、こうした交流サイトの2016年の被害者が過去最多の1736人だったと発表しました。ほとんどが13~17歳の少女で、性的な関係や裸の写真を要求されるなどの被害でした。こうした状況に心を痛め、どうすればいいか一緒に考えようとする大人もいます。電話で相談に乗っている「チャイルドライン・もしもしキモチ」(福岡市)の山田真理子さん、「性暴力被害者支援センター・ふくおか」(同)の浦尚子さんが、つらい思いをしているあなたに手紙を書きました。

一緒に社会を変えたい 「居場所」はありますか
▼チャイルドライン・もしもしキモチ 山田真理子さん
 SNSには、クラスの友だちよりずっとあなたのことを分かって味方になってくれる人が、たくさんいると感じるよね。あなたが毎日生活している学校にはあなたに合った居場所がなくて、学校用の自分を演じ続けることに疲れたとき、SNSでは自分の本音を吐き出せるし、ちょっと盛ることだってできるから楽だよね。
 あなたが本音の自分で生きにくくなってしまったのはいつからだろうね。そんな毎日に疲れてしまうのは、当たり前で、あなたが悪いわけではないと思う。でも、あなたは大事な人。一つしかない命を生きている大事な存在。私たちはそう思います。
 SNSにはそんなあなたを商品としか見ない大人、そしてあなたの身体をおもちゃとしか見ず、お金や食事、甘い言葉さえ投げかければどうにでもなると思っている大人たちも、わなを張っています。
 周りを見てください。あなたの周りには、あなたたちが生きにくい世の中であることを分かっていて、一緒に変えていきたいと思っている大人もいっぱいいます。でも、「子どもたち一人一人が自分らしく生きられる社会」をつくっていくには、あなたたち自身の力が必要なのです。
 あなたの力を貸してください。もっと学校がどうあってほしいのか、もっと家族にどう分かってほしいのかを教えてください。同じ時代をあなたと一緒に生きていきたいと願っている大人たちに。

勇気出して相談しよう 自分責める必要ないよ
▼性暴力被害者支援センター・ふくおか 浦 尚子さん
 ツイッターやLINEなどに気軽にアクセスするって、他の子もみんなやっているよね。大人が言うほど「キケン!」なんて思わなかったんだよね。
 最初は普通の人だと思ったのに、今は怖くなって、どうしていいのか分からず、1人で悩んでいるのではないですか。思っていたのと違うことが起きて、何となく心がもやもやして。
 でも「自分のせいだから」って思ってはいませんか。そういうことが起こったのは、あなたのせいではありません。悪いのは相手です。自分を責める必要はないですよ。
 けがなどしていませんか? 不安で眠れなかったり、食欲がなかったり、学校に行けなくなったり、何だか今の自分は以前の自分と違うような気がしていませんか? 相手からまだスマホに連絡が入っていたりはしないですか? それとも、相手とはもう連絡が取れない状態でしょうか?
 そんな時にまずは自分で解決しようと思うのは当たり前です。でも、どうしていいか分からなくなったとき、大人の力を借りてみるというのはどうでしょう。
 誰かに相談するのはとても勇気がいることだと思います。実際に相談したけど、かえって傷ついたこともあるかもしれませんね。でも、どんな小さなことでもいいので私たちに話してみてください。どうしたらいいか一緒に考えましょう。
 秘密は守ります。勝手に親や先生に言いません。女性の相談員が、24時間毎日お電話を待っています。

チャイルドライン・もしもしキモチ
0120-997777
mosi2kimochi@beach.ocn.ne.jp

性暴力支援センター・福岡
092-762-0799


*「性的な被害を受けている子どもたち」になげかける重要な告知記事なので、望まない性行為を強要(避妊に応じない、嫌な行為を強要する、レイプなど)されている子どもたちの相談先(性暴力被害ワンストップセンター)を加筆し、しばらくの期間、トップに掲載します。
DV被害支援室poco a poco 庄司薫

・SACHICO(サチコ)(性暴力救援センター・大阪) 072-330-0799
・SARC(サーク)とうきょう(性暴力救援センター・東京)03-5607-0799
 *「女性専用」の性暴力被害ワンストップセンターで、24時間、研修をつんだ相談員が電話対応している。また、被害直後に必要な医療や法律のサポートを受けられるかどうかは確認してください。
・レイプクライシスセンターTSUBOMI(ツボミ) 03-5577-4042(月曜-金曜 午後2時-午後5時)
 *10代専門の性に関する相談窓口
・サチッコ 06-6632-0699 (水曜~日曜 午後2時~午後8時)
・性暴力被害者支援センター北海道 SACRACH(さくらこ)  http://sacrach.jp// 
・SACRAふくしま http://www.vsc-fukushima.net/sacra/  
・レイプクライシスセンターTSUBOMI(東京) crisis-center-tsubomi.com/support.html
・ハートフルステーション・あいち http://www.pref.aichi.jp/police/soudan/heartful//  
・性暴力被害者総合ケア ワンストップびわ湖(SATOCO)(滋賀) http://satoco3105biwako.jimdo.com//  
・性暴力被害者支援センター・ひょうご http://1kobe.jimdo.com//  
・しまね性暴力被害者支援センター(さひめ) http://sahime.onnanokonotameno-er.com// 
・性暴力被害者支援センター・ふくおか http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/seibouryokuhigaisha-shien.html/  
・性暴力救援センター・さが さがmirai http://www.avance.or.jp/mirai.html/  
・強姦救援センター沖縄(REIKO)  098-890-6110(水:19:00-22:00 土:15:00-18:00
 
<性犯罪被害者への支援における協力病院>
・福島 http://www.vsc-fukushima.net/sacra/  

<性的搾取被害者の救済>
・特定非営利活動法人 人身取引被害者サポートセンター「ライトハウス」 0120-879-871(月-金 10:00-19:00) soudan@lhj.jp

<予期せぬ妊娠などで困ったときの相談先>
・「全国妊娠SOSネットワーク」で検索→各地の窓口にリンク
サイト http://zenninnet-sos.org// 
・BOND(ボンド)プロジェクト
サイト http://bondproject.jp// 

はじめに

[Ⅰ-N] お知らせ(はじめに、ブログ構成と意図、他)

CA3D1631.jpg
* パープル色にライトアップされた東京タワー。これは、パープルリボン、つまり、女性に対する暴力の撤廃を訴えるキャンペーンで、国際連合の「女性及び女児に対するあらゆる形態の暴力の撤廃と防止」に対する積極的なとり組みのひとつです。

<はじめに..>

 訪問、ありがとうございます。
 ブログ『あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?*-1』は、<小説用のテンプレート(パソコン用のブログ画面)>を使用していますが、掲載記事は「小説」ではなく、このブログを運営する「DV被害支援室poco a poco-母と子が暴力に怯えない、子が暴力を学ばない安全安心な暮らしをサポートする会-http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-574.html(以下、DV被害支援室poco a poco)」の実際の被害者活動の状況を「主要記事(レポート)」として公開しています。
 DV・虐待、性暴力、ハラスメント、いじめ、紛争が絡む貧困と人身(性)売買など、非暴力にかかわる問題は多岐に及びます。
 そこで、「いま必要な情報を、ひとりでも多く、情報を必要としている人に届けたい」との考えにもとづいて、非暴力にかかわるさまざまな情報(論文、新聞や雑誌の記事などを含む)を公開しています*-2。
*-1平成23年(2011年)9月16日、『「さようなら」の前に..第4章。暴力から逃れ、傷ついた心に寄り添う(現在、非公開)』から独立させ、新たに開設したものです。
*-2 22に分類し、掲載しています(ブログの構成と意図② 第七部-新聞事件簿(カテゴリー「Ⅶ1-Ⅶ22」)http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-9975.html)。


 DV行為とされる「暴力」は、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法、いわゆるDV防止法)」第二条の三にもとづいて作成される「都道府県(市町含む)基本計画」の中で、「配偶暴力防止法で対象とする暴力として、身体的暴力、性(的)暴力、精神的暴力、経済的暴力がある」と規定されています。
 DVというふるまいを正しく理解していただくために、「身体的暴力」の他、「性(的)暴力」、「精神的暴力(ことばの暴力)」、「経済的暴力」、「社会的隔離」といった暴力がどのようなものかを示しておきます。
(1) 身体的暴力(暴行)
(こぶしや棒などで)殴る  (素手や棒などで)叩く  (足の甲や膝などで)蹴る  つねる  噛みつく  頭突きをする  髪の毛をつかんで引きずり回す  胸ぐらをつかんで揺さぶる  体を壁や床に押しつける  腕をしめあげる  首を絞める  火傷を負わせる  タバコの火を押しつける  髪を切る…etc
** 刑法では、これらの行為は「暴行罪」に該当し、これらの行為により、加療を要する傷害を負ったときには、「傷害罪」が適用されます。
 「身体的暴力(暴行)」には、物を投げつけたり、叩きつけたりする行為に加え、刃物をチラつかせ、脅したりする行為も含まれます。
 また、児童虐待・高齢者虐待行為の「養護の放棄(医療ネグレクト)」に該当するケガを負ったり、病気にかかったりしているにもかかわらず、病院に連れていかない行為も身体的虐待に該当すると考えます。
(2) 性(的)暴力
(乳幼児であっても)子どもの前でセックスする  複数や他人との望まないセックスや玩具を使ったセックス、望まない行為を強要される(風俗で働くことや売春行為を強要されることも含む)  避妊に協力しない  中絶を強要する  妊娠しないことを責め、気持ちを無視したセックスを強いる  見たくもないポルノビデオや雑誌を見せられる  裸やセックス時の様子を写真や動画を撮影するetc
 交際相手や配偶者との間におけるセックスの絡む問題は、いろいろな心のあり方が組み紐のように複雑に絡みますし、他人に話し難いデリケートな問題です。
 とはいっても、交際相手や配偶者との間であっても、望まない性行為を強要されるとき、その行為は、性暴力です。
 性行為を強要するとは、「一方的に」、「自分本位(自分勝手)に」ということばで示される、相手の同意を得ずに、性行為に及ぶということです。
 したがって、性(的)暴力、性的虐待、セクシャルハラスメントの被害にあうとは、自分の気持ち(意志)を汲まれず、一方的に、性的な行為に及ばれることです。
 「俺がそうしたいのだから、従うのがあたり前」と、一方的に、自分本位(自分勝手)に性行為に及ぶ者は、相互の関係性に、「本来、対等であるはず」という“概念”が欠落している(存在してない)人物であることを意味しています。
 望まない性行為は、上下の関係下、支配と従属の関係下性でおこなわれるものに他ならないわけです。
 つまり、DV行為に及ぶ者の本質を示しています。
 中でも、避妊に協力しない、中絶を強要するという性暴力は、恋愛関係にある者、つまり、交際相手との関係において発生しやすいだけでなく、裸やセックス時の様子を写真や動画を撮影され、別れ話をきっかけに、リベンジポルノ被害に発展する可能性のあることから、「デートDV」と深く絡む問題です。
 なお、デートDVとは、デートの最中の暴力ということではなく、年齢に関係なく、恋愛関係にある者(交際相手)から受ける暴力のことです。
(3) 精神的暴力(ことばの暴力)
無視したり、無反応であったりする  からかい・ひやかす・はやしたてる(“人前で”を含む)  罵声を浴びせる(否定する、批判・非難する、侮蔑する(バカにする)、卑下する(見下す)といったことばを浴びせる)  大声で怒鳴りつける  大声でなく、激しい(強い)いい方でなくとも、「普通は(一般的には)こうだろ(しないだろ)」とのことばで否定、非難、侮蔑(バカにする)、卑下(見下す)し、考え方やふるまいを押しつけようとする(正そうとする)  「お前が悪いからだ」、「お前が~をしないからだ」、「お前がケンカをうってきたからだ」、「俺は悪くない。お前が怒らせるようなことをするからだ!」と責任逃れのことばで、責任を押しつけ(責任転嫁)、自分のおこないを正当化しようとし、罪悪感を植えつける  悪口をいう  けなす  舌打ちする  不機嫌な態度をとる  威圧的な態度をとる  腕をあげ殴るふりをする(状況によっては身体的暴力に該当する)…etc
 「精神的暴力」は、「モラルハラスメント(心理的虐待、いじめ・嫌がらせ)」に該当する部分で、ことばや態度による攻撃が主流です。
 また、直接ことばにださなくても、雰囲気で相手に察知させ、自ら行動を控えるように、意に添うような(意に反しない)ふるまいを率先しておこなうように仕向けていくという特徴があります。
 その結果、「お前が勝手にそうしてきただけじゃないか」、「俺から頼んだわけじゃない」などといわれると、心の中では「そうじゃない」と思いながらも、反論したら2-3倍になって返ってくるツラい体験を散々思い知らされているため、口にすることができなくなっていきます。
 「普通は(一般的には)こうだろ(しないだろ)」とのことばで否定、非難、侮蔑(バカにする)、卑下(見下す)し、考え方やふるまいを押しつけようとする(正そうとする)行為は、交際後、同居後の初期に認められる典型的なデートDV行為のひとつです。
 大声でなく、激しい(強い)いい方でないことが多く、「私を認めてくれていないと感じて嫌だ」「下に見られているようで嫌だ」などと、違和感を覚えている(こういうところは嫌だから直してくれるといいな程度に感じている)ものの、直接、恐怖心につながるものでないことから、この行為(ことばの暴力)が、直接、“別れる理由”にはならないことが少なくありません。
 しかし、この相手の考えやふるまいを尊重せず、自分の考えやふるまいを押しつけようとする行為は、相手を“支配”しようとする行為、つまり、DVの本質を示す行為です。
例えば、「俺と家族のどっちが大切なんだ!(私と家族のどちらが大切なの?!)」と、どちらか一方の選択を迫るふるまい(二者選択・二元論思考)は、行動を縛る(制限する)もので、詮索・干渉、束縛する行為、つまり、支配そのものです。
 「家族」の部分には、親やきょうだい、固有の友人、学校、部活、習いごと、仕事、飲み会、食事会、コンサートなどを見に行く、髪を切りに行くなどの予定が入ります。
 そして、自分はすべて正しい(自分だけが正しい)と信じて疑わない(思い込み)考え方は、認知の歪み(間違った考え方の癖)であることから、時間の経過とともに治ることはありません。
 自分だけのものにしたいとの強い思い、相手への執着心が強ければ強いほど、支配の関係性を強めようとします。
 つまり、初期に覚えた違和感をのみ込んで(受け入れて、容認して)、その関係を続けていると、その後、本格的な支配のための暴力(DV)行為、つまり、本来対等である交際相手との間、夫婦との間に、上下の関係性、支配と従属の関係性を成り立たせるためのパワー(力)の行使が強まっていくことになります。
 相手の考えやふるまいを認めず(否定)、見下す(卑下、侮蔑)行為は、交際相手や配偶者の考えやふるまいを正そうとする行為、つまり、しつけ直しのための暴力として使われます。
 延々(何時間も)と怒鳴りつけられたり、罵倒され続けたりされて、なにをいっても無駄、なにも変わらないと、自分は無力であることを思い知られていることが要因になっています。
ただし、モラルハラスメントはセクシャルハラスメントとは違い法律用語ではないので、ことばの暴力、精神的暴力と表現します。
平成13年、最初に配偶者暴力防止法が制定されたときに、精神的暴力が含まれていなかったので、法制定以前にモラルハラスメントを離婚事由としていましたが、改正された配偶者暴力防止法において、精神的暴力が含まれることになったことから、DV行為としての精神的暴力を表記し全体的にDV事件であることを印象づけることが有効です。
加えて、からかったり、冷やかしたりする行為、否定したり、侮蔑したり、卑下したりことばを浴びせて人格を貶めたりする行為(精神的暴力(ことばの暴力))は、刑法の「侮辱罪」「名誉毀損罪」にあたる(刑事告訴が必要となる親告罪です)ことから、(民事事件としての夫婦関係調整(離婚)調停の場であっても、この事実を明記し、主張することは重要です。
 なぜなら、調停委員の中には、法律に精通していない人も少なくないからです。
 殴られるなど身体的暴力による心身に与えるダメージは相当なものです。
しかし、顔面が腫れあがったり、肋骨が折れたりといった見た目に痛々しい自分の姿を突きつけられることによって、暴力を受けているとの事実認識がしやすくなり、「もうこんな思いはしたくない。別れる」と決断できたりします。
また、子どもの虐待事件と同様に、家庭内の騒ぎであっても、外部からの通報により警察が介入したり、治療のために訪れた病院の通報により、警察や行政(児童相談所、福祉事務所など)が介入したりすることによって、「逃げても、連れ戻されるかもしれない」、「連れ戻されたら、もっとひどい暴力を受ける」と逃げられない理由づけから開放される可能性もあります。
つまり、身体的暴力(暴行)は命の危険に及ぶリスクがある一方で、早く、暴力のある関係を断ち切る可能性もあるわけです。
ところが、精神的暴力は、否定され、批判・非難され、侮蔑され(バカにされ)、卑下され(見下され)る、ことばの暴力を浴び続け、自己肯定感を奪われ、自尊心が損なわれるなど、精神的(脳に与える)ダメージの大きさ、後遺症の深刻さとは対照的に、被害者自身が、暴力(DV)被害と認識できていないことが少なくないのです。
「いま、このとき」、自身がいかにひどい状況にあるのかを自覚できずにいるために、慢性的反復的に、ことばの暴力を浴び続けてしまうことから、精神的(脳に与える)ダメージが深刻化してしまいます。
(4) 子どもを利用した精神的暴力
子どもに母親が暴力をふるわれている場面を見せる  子どもの前で母親に暴力をふるったあと、子どもに「お母さんが悪いことをしたから」という  子どもに母親の悪口をいわせる(いうことをきかず、母親が叱りつけたあと、「なっ、怒られただろ」と同意を求めたり、皆でにんまり、クスクスと笑ったりなどを含む)   子どもを自分の味方につけ(懐いているようにみせかけ)、妻を孤立させる(ひとりぼっち感、疎外感を味わせる)   お前のせいで、子どもは暴力を受けることになることを思い知らせる(逆に、「子どもがいうことをきかないのはお前のせいだ」と子どもの前で母親を怒鳴りつけたり、殴ったりすることで、子どもに罪悪感を抱かせる)   「もう、暴力には耐えられない」と離婚話を持ちだすと、「お前には、母親として子どもを育てる責任がある(育児放棄をするつもりか)」と自分が暴力をふるうということではなく、子どものことに話をすり替え、問題(責任)の置き換えをはかる(俺のもとで、お前は子どもを育てあげる義務があるとの考えのもと、「子どものことを考えろ」と決断を鈍らせる話を持ちだしてくる)   「でて行くなら、子どもは置いていけ」、「子どもは俺が育てる」、「お前が子どもを連れていって、貧乏にしたら許さないからな」と子どもを(精神的な)人質にとり、でて行くことを諦めさせる…etc
 子どもに母親が暴力をふるわれている場面を見せる行為、つまり、子どもが、親の暴力を見たり、聞いたり、察したりする状況にあることを「面前DV」といいます。
 この「面前DV」は、親の立ち位置ではなく、子どもの立ち位置で解釈することから、児童虐待防止法にもとづくと「子どもが、心理的虐待を受けている状況」を指します。
 つまり、理不尽なことですが、暴力のある家庭環境で暮らし、育つ子どもにフォーカスすると、DV被害を受けている親(被害者)であっても、心理的虐待を加えている親(加害者)になります。
 この視点は、子どもが両親間のDVを目撃し続ける、つまり、心理的虐待を受け続けることは、子どもの脳の発達に大きなダメージを与え、子どもの将来にわたり心身の健康を損なわせ、暴力のある環境下での生活は、子どもを暴力に順応する間違った考え方の癖(認知の歪み)を身につけさせ、その癖にもとづく行動パターンは、将来、DVや虐待、ハラスメントなどの加害行為に及んだり、逆に、加害行為の被害者になったりするリスクを高めるという考えにもとづいています。
(5) 社会的隔離(精神的暴力に含まれます)
テレビやインターネット、携帯電話などの使用を禁止する(制限する)  交友関係に口を挟んだり、友人や家族の間に不和の種を蒔き、対立させる  妻が里帰りするのを許さなかったり、制限する  「どこに、誰と行くんだ」と人に会うことや、「どこで、誰と、なにをしていたんだ」と外出していたことに詮索し、干渉する。また、「~さんは、お前にいい影響を与えないと思う。あまり会わない方がいいんじゃないか」と交友関係に詮索し、干渉する  退勤時間に迎えにきていたり、出張の送り迎えをしたり家と会社との通勤時間さえ干渉する(行動を監視したりする)…etc
 社会的隔離は、「お前(あなた)には俺(私)しかしない」「お前(あなた)が頼れるのは俺(私)だけ」という状況(関係性)を意図的につくりだし、自身の相手への支配力(影響力)を増すことを目的とする行為(精神的暴力)です。
 交際後、同居後の初期に認められる典型的なデートDV行為(結婚後のDV行為)のひとつです。
 ことあるごとに「どこに、誰と行くんだ」とか、「どこで、誰と、なにをしていたんだ」と詮索され、干渉されていると、不機嫌さをあらわにされる煩わしい時間を避けようとし、結果として、外出をしなくなる状況が意図的につくられていきます。
 交際後、同居後、初期に違和感を覚えたできごとに対し、親やきょうだい、友人、などに相談し、「・・はこういっていたよ。」などと述べると、「俺(私)はそうは思わない。お前(あなた)は、俺(私)とそいつのいうこととどっちが正しいと思っているんだ!」などと批判を強め、反対意見を吹き込んだ親やきょうだい、友人との接触を禁止していきます。
 外との接触を断ち、孤立させることによって、「お前には俺しかいない」、「お前が頼れるのは俺だけだ」という状況をつくりあげていこうとします。
 なぜなら、上下の関係性、支配と従属の関係性を成り立たせることの脅威となる(邪魔になる)存在は、徹底的に排除しなければならないからです。
 詮索・干渉し、束縛する行為の背景には、強い嫉妬心が潜んでいます。
 自分の知らない世界を持つことは許さず、すべてを把握していなければならないとの考えに固執します。
 そのため、外出(通学や出勤、旅行などを含む)している間に家捜しをし、手紙や手帳を見たり、携帯電話の着信履歴やメールのやり取り・内容を確認したりします。
 暴力に支配されはじめている関係性では、「信用の証として、隠しごとはしない(隠しごとをするのは、俺(私)のことを信用できないからだ!との考え方による)」との“約束”にもとづき、パスワードを設定せず、オープンにしていなければならない状況がつくられていることがあります。
 また、手紙や手帳は、連絡を断つために勝手に処分したり(とりあげ、隠し持っていたり)することがある一方で、親やきょうだい、友人、同僚などの連絡先(アドレス帳そのもの)は、逃げたときの保険として、しっかりと書き留めています。
 手紙や手帳、携帯電話やパソコンに書かれていた文言を問いただし、嫉妬心を募らせた激しい暴力に発展することがあります。
 病的ともいえる嫉妬心があり、交際に至る出会いが、“偶然”を装われている(ほとんどの当事者は無自覚)ときには、別れ(離婚)話がきっかけに暴力が激しくなるだけでなく、復縁を求めるストーカー行為に及ぶリスクが高くなります。
(6) 経済的暴力
給料明細を見せない  収入や財産がどれくらいあるかを知らせない  生活費をわたさない  働きにでることを許さない  妻の買い物はなんでも許可を必要とするが、自分のモノには大枚をはたく  自分の借金の肩代わりをさせる  女性やギャンブル、酒などに生活費を使い込む  働くことを強要する…etc
 「誰のおかげで飯が食えていると思うんだ!」といったことばを浴びせることで、うかがいを立てなければ、自由に買い物もできない状態に追い込んでいく行為は、経済的暴力・精神的暴力です。
 生活費をわたさない行為には、主に、3つの意味があります。
 第1は、夫婦が助け合い、生活を営むという概念そのものが存在していない者による行為で、ここには、自分の稼いだ金はすべて自分の金という考え方と、自分は働かず、働かせた金で面白おかしく遊んで暮らすという考え方が含まれます。
 第2は、配偶者が、自分から離れられない(逃げられない)ようにするには、生活費をわたさない、つまり、自由に使える金を持たせないことが有効だからです。
 ここには、婚姻前にある程度の金額を貯蓄しているときには、生活費をわたさず、貯蓄で生活費を賄わせることで、自由に使えるお金を奪っていく明確な意図が働いていることがあります。
 結婚と同時に、専業主婦になるよう仕向けたり、妊娠させ育児に専念させたりすることで、妻を家に縛りつけようとします。
 女性を“家”に縛りつけておくうえで最も有効な手段が、子どもを妊娠させ、育児に専念させることです。
 第3は、自分に逆らったり、いうことをきかなかったりしたときの“罰”・“懲らしめ”として、生活費をわたさず、経済的に締めつける(傷めつける)行為です。
 俺には、それだけの力があることを示すとともに、同時に、「お前には俺しかいない」、「お前が頼れるのは俺だけだ」という状況をつくりあげていきます。
 激しい暴力が続き、ツラそうな姿を見せる妻に、「離婚させてはなるものか」との思いが強ければ強いほど、妻の自立基盤を奪おうとします。
 妻の自立基盤を奪うために、DV加害者は、「早く親に孫(跡取り)の顔をみせてやろう」となげかけ、また、暴力に耐えられないと気持ちが離れかけていると察すると、「一人ではかわいそうだ。弟か妹か欲しがっている」とか、「お前が欲しがっていた家(マンション)を買おう」、「もう少し広いところに引っ越そう」となげかけます。
 一方で、なかなか妊娠しないと、「なぜ、妊娠しないんだ!」と厳しく糾弾され、体調が優れなくとも、疲れてヘトヘトであっても、妊娠するまで毎日セックスを強いられることになります(性暴力)。
 ところが、あれほど子どもを欲しがっていたはずの夫は、妻が妊娠すると、自身への尽くし方に変化がみられる、妻が第1にお腹(自分)を労わり、夫である自分はその次に置かれる状況になると、途端に苛立ちを見せるようになります。
 出産後は、より顕著になります。
 この場合は、アタッチメント(愛着)形成に問題を抱えている可能性が高くなります。
 アタッチメント形成に問題を抱えている人が、出産・育児に必要な費用をだすことを渋ったり、だすことを拒んだりしているとき、お金のことを持ちだすと激しく憤り、激しい暴力につながることがでてきます。
 これは、自分の財産が脅かされる、もしくは、奪われると認識するからです。
 また、結婚(同居を含む)・妊娠・出産して、特に、家計をもとにした“関係性”に変化がみられたときに、苛立ちが顕著になっているときは、「Ⅰ-4-(5)-①自己正当化型ADHD」「同-②アスペルガー症候群」に記しているように、アスペルガー症候群の持つ“障害の特性”にもとづく行為の可能性が高くなります。
 出産のためのお金であっても、自分が自由にできたお金に変化が生じる、つまり、これまでと変わらない収入額から新たに出産・育児を賄わなければならなくなるという変化に対応しなければならない状況を受け入れられないのです。
 そのため、出産・育児に必要な費用をだすことを渋ったり、だすことを拒んだりします。
 子どもが生まれたり、増えたりしても、生活費として家に入れるお金は変えず、自分の自由にできるお金を変えないことを最優先に考えることから、生活は苦しくなり、切り詰めるだけ切り詰める生活を強いられることになります。
 いずれにしても、生まれてくる子どもの服など出産にかかわるお金を親に頼らざるをえなくなったり、友人や親戚の子どものおさがりを送ってもらったりしながら、なんとかやり繰りをしていく生活を強いられます。
 (1)-(6)の規定は、「どのような行為が暴力、つまり、DV行為に該当するのか」を理解するうえで欠かせないものですが、DVの“本質”を理解するためには、“関係性”の理解と、“構造的”な理解をすることが特に重要です。
 “構造的”な理解は、“関係性”の理解との補完関係にあります。
 “関係性”で考えると、DVの本質とは、「本来対等であるはずの男女(夫婦間、交際者間)の関係に、上下の関係、支配と従属の関係を成り立たせるためにパワー(力)を行使すること」です。
 つまり、「上にたとう(支配しよう)とする者」と「下におかれる(支配され、従属させられる)者」という“関係性”でおこなわれる暴力ということです。
 そして、重要なことは、いかなる理由があろうと暴力行為を加えた者(加害者)に非があり、暴力被害を受けた者には非はないという理解です。
 つまり、暴力に及んだふるまいには、いかなる理由があっても正当性は認められないということです。
 “構造的”な理解には、主に2つの視点が必要です。
 ひとつの視点は、身体的な暴力(暴行)や性暴力は、大声で怒鳴りつけたり、否定や批判したり、侮蔑したり(バカにしたり)、卑下したり(見下したり)、脅したりすることばの暴力を浴びせられる中で行使するように、暴力には複合的な要素が絡んでいる、つまり、構造的であるということです。
暴力の複合的、構造的な理解に役立つのが、ミネソタ州ドゥルース市では地域社会の裁判所や警察、福祉機関など9つの機関が集まり「DV介入プロジェクト(DAIP)」を組織し、1984年、被害女性たちの声をもと、暴力を理解する理論的枠組みとしてつくられた「パワーとコントロールが車輪」です。
 被害女性の体験から明らかになったのは、第一に、暴力は突発的な出来事でもなければ、積りつもった怒りや欲求不満、傷ついた感情の爆発でもなく、あるパターン化した行動の一部分だということ、第二に、暴力には明確な意図があり、車輪の中心にある“パワー(力)”と“コントロール(支配)”が車輪を動かす原動力となるということでした。
 そして、暴行や性暴力の前後に浴びせられている“ことば”が、どのような趣旨(意味)を持つものなのかによって、同じ殴る行為であっても、その意図は違ってきます。
 暴行や性暴力に及んだ人物のことばに、被害者を否定したり、批判し責任を押しつけたり(責任転嫁をはかろうとしたり)、侮蔑したり、卑下したりすることばが含まれていれば、その人物は、本来対等である男女の関係性に上下や支配と従属の関係性を成り立たせるために、パワー(力)を行使しようとする人物であることになります。
 このとき、重要になるのが、その暴行や性暴力の前に、どのようなことばのやり取りがおこなわれていたのかということです。
 “前のやり取り”には、直前のやり取りだけでなく、出会い、交際以降のやり取りすべてが含まれます。
 なぜなら、出会い以降、積み重ねられてきたやり取りにこそ、“関係性”が明確に表れるからです。
 もうひとつの視点は、慢性反復的(日常的)な暴力という行為がどのような結果を導くことになるのか、つまり、加害者はなにを手に入れ、被害者はなにを失うのか(どのような状況に追い込まれるのか)ということです。
 この理解なしには、「なぜ、被害者は暴力(加害者)から逃げられなくなるのか」を理解することはできません。
 被害者が、暴力によりなにを失うのか(どのような状況に追い込まれるのか)ということを理解するには、「暴力により、恐怖心を植えつけ、心と行動を支配する」という関係性、連鎖性を理解することに他なりません。
 心理学者のレノア・E・ウォーカーは、慢性反復的(日常的)な暴力を受け続けた女性に共通する特性を「被虐待女性症候群(バタードウーマン・シンドローム)」と唱えていますが、被害女性がその状態に至るプロセス、つまり、暴力から逃れられなくなっていく状況を「暴力のサイクル理論」としてまとめています。
 DV被害支援室poco a pocoでは、被害者支援という視点に立つとき、DV行為に及ぶ加害者像について、一括りに考えるのは好ましくないと考えています。
 DV加害者の言動・行動特性を分析し、検証を重ねていくと、加害行為に及ぶ者には、扁桃体が怒りの感情を押さえられず暴行に及ぶケース、サイコパス(精神病質、反社会性人格障害)やボーダーライン(境界性人格障害)、MNPD(悪性の自己愛性人格障害)、パラノイア(偏執病、被愛妄想)などの人格障害、2次障害が起因となる遅発型の発達障害(自己正当化型ADHD)などの“人格(認知)の歪み”が暴力行為を生むケース、そして、アスペルガー症候群の“障害の特性”が暴力行為となるケースなど、幾つかのタイプに分かれること気づきます。
 重要な視点は、“扁桃体の問題”や“人格(認知)の歪み”は、暴力のある家庭環境で暮らし、育ったことが影響しているということです。
 つまり、暴力の後遺症としての人格や認知の歪みが、「加害トラウマ」が、新たな暴力を生みだしている(暴力を次世代がひき継いでしまう)ことです。
 こうした加害者属性を考えることは、被害者支援として、“別れ(離婚)”を切りだしたり、家をでたりしたあと、復縁を求める執拗なつきまとい行為(ストーカー行為)、そのつきまとい行為が苛烈な暴行(レイプを含む)に及ぶリスクをどう捉えるか、そして、「加害者更生プログラム」受講の有効性をどう考えるかなど、個々の案件にどのような対応が必要なのかを判断するうえで重要です。
 一方で、慢性反復的(日常的)にDV被害を受けた者は、PTSDやうつ病の症状、被虐待女性症候群(バタード・ウーマン・シンドローム)などの傾向が認められるなど、長く後遺症に苦しめられます。
 このとき、加害行為が、暴力の後遺症としての“扁桃体の問題”や“人格(認知)の歪み”にもとづいている(「加害トラウマ」が、新たな暴力を生みだしている(暴力を次世代がひき継いでいる))のか、「アスペルガー症候群」の“障害の特性”にもとづいているのかを見極めることは、被害者のケアを考えるうえで重要です。
 なぜなら、「アスペルガー症候群」の“障害の特性”による暴力のある家庭環境で生活をともにする配偶者には、「カサンドラ症候群」と呼ばれる特徴的な傾向が認められます。
 DV被害支援室poco a pocoでは、「婚姻破綻の原因はDVである」として夫婦関係調整(離婚)調停を申立て、調停でDV行為を立証するための支援を依頼される被害者の方に、PTSD症状を測定するための自記式質問用紙の「IES-R(改訂出来事インパクト尺度)」を実施していますが、この「カサンドラ症候群」の傾向を示す被害者と、そうでない被害者には、顕著な違いがあります。
 それは、「カサンドラ症候群」の傾向を示す被害者は、“恐怖”体験を想起するできごとや場所などを回避する行為の得点が「低い」ということです。
 つまり、加害行為に及んだ者に対する“恐怖心”に顕著な違いがあるのです。
 それほど加害者に対する恐怖心がないので、ときに、加害行為に及んだ者に対して、“こらしめ(仕返ししてやりたい)”との思い(感情)が高くなることがあります。
 そして、DV被害者支援に携わるアボドケーター(援助者)として、この“こらしめ(仕返ししてやりたい)”との思い(感情)と、PTSDの症状である再体験(侵入)・過覚醒(覚醒亢進)・回避・狭窄・身体化に加え、自己や他者への暴力行動と関連性の高い“攻撃防御の機能不全”とを見極めることが重要です。
 被害者の後遺症に対するケアのあり方が違い、正確な見極めによる適切なケアを実施できるかが、その後の予後に大きな違いをもたらすからです。


(DV被害支援室poco a pocoとは)
 DV被害支援室poco a pocoは、2008年(平成20年)3月、「ひとりでも多くの子どもたちが、家庭内で、ドメスティック・バイオレンス(以下、DV)を目撃する(面前DV)などの暴力被害で傷つかないようにしたい」、「少しでも世代間の暴力(DV・虐待)の連鎖を食い止める一役を担いたい」との考えのもと、DV被害者支援機関、つまり、アボドケーター(援助者)のひとつとして活動をはじめました。
 交際相手や配偶者から理不尽な暴力(DV)を受け苦しんでいる人たち、そして、家庭内で行使される暴力に支配される関係性を断ち切り、生活の再構築を望んでいるDV被害者の女性(母親を含む)と子どもに対するサポートして、「暴力のある環境に順応した考え方の癖の修正(暴力で傷ついた心のケアを含む)を踏まえながら、離婚調停などでDVを立証するために、現在に至る事実経過をまとめる」など、DV被害者支援に携わっています。
 なお、DV被害支援室poco a pocoの事務局は、東京都23区内ですが、詳細な所在地(住所)については、緊急一時保護施設(行政や民間のシェルター)などと同様に、DV加害者との接触を避け、相談をしている被害者とその援助をしている者(アボドケーター)に対する加害行為を防ぐ必要があることから“非公表”です。

<「DV被害支援室poco a poco」に問合せ・相談、サポートの依頼について>
 対応事案は、以下のとおりです。
(1)離婚調停において、DVを立証する「現在に至る事実経過」の作成
 「婚姻破綻の原因は配偶者によるDVである」とする離婚調停(夫婦関係調整調停)では、2名の調停委員(夫婦間に15歳以下の子どもがいるケースでは2名の調査官が加わることがあります)、審判官(調停の場には直接顔をだすことはありません)に対し、「自分(被害者である妻)が夫になにをされてきたのか(どのようなDV被害を受けてきたのか)」、「夫の暴力により自分(被害者である妻)はどのような状況におかれてきたのか」を正確に理解してもらうことが重要です。
 しかし、加害者である夫が、妻への暴力行為を認めず、「離婚する理由はない」と主張したり、「暴力を受けていたのは私の方だ!」と被害者を装ったり、「子どもの親権を自分が持つ」と頑なに譲らない状況になっていたりすることがあります。
 こうした状況下で、被害者である妻は、DV被害(どのような暴力行為がDVに該当するのか)を正確に理解していなかったり、DV被害の後遺症としてのPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状や被虐待女性症候群(バタード・ウーマン・シンドローム)の傾向が表れていたりして、調停委員や審判官だけでなく、自身が依頼している弁護士に対し、自分の身におきていたことを正確に伝えることができないことがあります。
 そこで、DV被害支援室poco a pocoでは、離婚調停(あるいは離婚裁判)において、夫からの妻へのDVがいかに深刻なものであったかを伝える(立証する)、つまり、DV被害の状況を「現在に至る事実経過」としてまとめるお手伝いをしています。
(2)“一時保護”や“保護命令の発令”を求めたり、暴行(身体的暴力)により「加療を要する傷害を負った」として警察署に被害届を提出したりするとき*-3、DVの事実を伝える「現在に至る事実経過」の作成
 被害女性(配偶者(元を含む)や同居をしていた交際相手(元を含む))が、DV行為に耐え切れなくなり、別れを切りだして(“黙って”を含む)家をでたものの、加害者である配偶者や交際相手が、復縁を求めるために、職場や学校園で待ち伏せをしたり、電話やメール(LINEなどのSNSを含む)を繰り返したりするなど執拗に接触を試みることがあります。
 このとき、(1)と同様に、被害者である妻(元を含む)や同居していた交際相手(元を含む)は、DV被害(どのような暴力行為がDVに該当するのか)を正確に理解していなかったり、DV被害の後遺症としてのPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状や被虐待女性症候群(バタード・ウーマン・シンドローム)の傾向が表れていたりして、警察署の警察官や女性センターの職員、地方裁判所の裁判官、そして、自身が依頼している弁護士に対し、自分の身におきていたことを正確に伝えることができないことがあります。
 そこで、DV被害支援室poco a pocoでは、所轄の警察所や女性センターなどの行政機関に相談したり、あるいは、「配偶者からの暴力の防止及びに被害者の保護等に関する法律」にもとづく“一時保護”“保護命令の発令”を求めたり、暴行(身体的暴力)により「加療を要する傷害を負った」として警察署に被害届を提出したりするとき、「被害の状況やつきまとい行為の深刻さを的確に伝える」ために、同居時のDV被害に加え、家をでたあとのストーカー行為の状況を「現在に至る事実経過」としてまとめるお手伝いをしています*-3。
* -3 DV、ストーカー行為、性暴力などの被害を警察に告訴する(「被害届」の提出は捜査の強制力はなく、「受理=捜査」とするためには「告訴状」を提出する必要があります)ために、所轄の警察署、あるいは地方検察庁、弁護士に対し、「性暴力がどのようなもので、どのような状況でおこなわれたのか(性暴力の立証)」、「その性暴力がいかに深刻なもので、どのような後遺症(PTSDなど)を発症しているか(精神的苦痛)」を正確に伝えるために、性暴力被害の状況を「現在に至る事実経過」としてまとめるお手伝いをしています。
 サポートの手順は、「婚姻破綻の原因は配偶者のDVにある」とする離婚調停において、DV被害(性暴力を含む)を立証するプロセスとほぼ同じです。

(3)暴力のある環境に順応した考え方の癖(認知能力)の修正、気づきと学びのプログラムの提供
 暴力のある環境に置かれていた(DV被害だけでなく、子どものときに、両親間にDVがあり、その行為を見聞きしたり(面前DV=心理的虐待被害)、直接、虐待被害(体罰や教育的虐待を含む))を受けたりしたを含む)こと、つまり、これまで(過去)のトラウマ体験をことばにして吐きだすことは、暴力で傷ついた心のケア(PTSDの症状の回復)の第一歩です。
 「自身がいま抱えている悩みや苦しみ、哀しみや怒り感情をことばにする」ことは、悩みや苦しみ、哀しみや怒りの感情は、なぜ生じることになったのか、その背景になにがあるのかを明らかにすることにつながります。
 つまり、自分が受けてきた暴力被害を正しく理解することにつながります。
 その結果、「自身の課題はここにある」と認識することができるようになり、「これからの自分にとってなにをしていくことが必要か」という方向性を明確にしていくことができるようになります。
 DV被害室poco a pocoは、この一連の作業のサポートをしています。
 「自身がいま抱えている悩みや苦しみ、哀しみや怒りの感情をことばにして、自身の課題はここにあると認識する」ためには、①慢性反復的トラウマ体験となる虐待やDV被害、つまり、加害者に“なにをされてきたのか(どのような暴力を受けてきたのか、暴力がどのような状況で、どのようにして暴力がおこったのか)”、その暴力により“どのような状況におかれてきたのか”をことばにする(話をしたり、文字にしたりする)ことで再現し、文字にして再確認していく作業(トラウマの再体験)に加え、②暴力による後遺症に対する知識を持つこと、特に、慢性反復的トラウマ体験となる虐待やDV被害を起因とするうつ症状やパニック症状を伴うPTSD(心的外傷後ストレス障害)について正しく理解する必要があります。
 このサポートは、“ACカウンセリング”と位置づけていますが、優先することは、医療機関での治療に支障がでないことです。
 受診している医療機関では、「心療内科(精神科)を受診しているが、心内をうまく話せない」「診療時間が短く、話したいことも話すことができず、疑問点などが解消できない」部分に対し、幾つかのワークシートへの書き込みを通じて補完していく役割となります。
 つまり、DV被害支援室poco a pocoのACカウンセリングは、「ワークシート(Word文書フォーマット)」とメール(状況・希望に応じて電話、面談)と通じて、「自身の心の問題と向き合い、心の問題と向き合うための知識を自身で得る」といった『気づきと学びのプログラム』ということになります。
 以上(1)(2)(3)については、カテゴリー「Ⅰ-I. 活動方針、問合せ・相談方法など」の①『<DV・性暴力被害相談。メール・電話、面談>..問合せ・相談、サポートの依頼。最初に確認ください。http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-501.html
』、②『<DV・性暴力被害相談。メール・電話相談、面談>Ⅰ.夫からの暴力にもう耐えられないので、「話を聴いて欲しい」「どうしたらいいのか相談にのって欲しい」、または、「確認のための質問をしたい」という方へhttp://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-5.html』、③『<DV・性暴力被害相談。メール・電話相談、面談>Ⅱ.離婚調停で、DVのことを理解してもらえず、どうしたらいいのかわからないので、離婚調停に向けてのサポートを希望される方へhttp://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-1378.html』、④『<DV・性暴力被害相談。メール・電話相談、面談>Ⅲ.「暴力のある家庭環境で育ち、ずっと生き難さを感じていた」「心療内科(精神科)を受診しているが、心内をうまく話せない」「診療時間が短く、話したいことも話すことができず、疑問点などが解消できない」という悩みを抱えている方へ(http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-12.html』にて確認いただければと思います。
 また、「私は、こういった傾向や症状を苦しみ悩んできましたが、それは、育った家庭環境が影響しているのでしょうか?」、「ずっと、厳しく育てられてきたと思ってきましたが、親のこうしたふるまいは、暴力(虐待)にあたるのでしょうか?」といった疑問に対してもお応えしています。
 なお、DV被害支援室poco a pocoは、DV問題をどう捉えているか、そして、DV被害者支援としてどのような立ち位置をとっているのかについては、カテゴリー「Ⅲ-1」『暴力の影響を「事例」で学ぶ。DVの早期発見・支援。母と子どもが暴力から脱するための手引き』の導入部分の「はじめにhttp://12310403dvsien.blog.fc2.com/blog-entry-2.html#end」で詳しく説明しています。


(離婚調停などで、DV立証のためのサポートの基本姿勢)
 DV被害者が、「夫からの支配のための暴力・DVに、もう耐えることができない」と離婚を決意し、家をでるとき、配偶者から“なにをされてきたのか”、その結果“どういう状況におかれてきたのか”について、被害者自身が、どれだけ正しく認識できているかがとても大切です。
 なぜなら、DV被害者自身が、DV被害を正しく伝えることができなければ、第三者に、配偶者からのDV被害にどれだけ苦しんできたのかなどを理解してもらうことができないからです。
 ここでいう「正しく伝えること」とは、「ずっとツラい思いをさせられてきた」という“気持ち(感情)”ではなく、どのような状況で、どのような暴力がおこなわれてきたのかという“事実”のことです。
 しかし、被害者が、この「事実」を伝えることは簡単なことではないのです。
 なぜなら、第一に、そもそも人は、意見(気持ち)と事実を分けて考えたり、伝えたりすることが苦手だからです。
 特に、否定と禁止のメッセージを含むことばを浴びせられ自尊心が傷つき、自己肯定感が奪われ、「わたしそのものを認めて欲しい」と承認欲求が強くなっているときには、「私のツラく苦しい気持ちをわかって欲しい」という感情(気持ち)を優先します。
 人は、“感情の訴え”に対して「共感」が示されないと、少なからず拒絶(否定)された失望を覚えますが、被害者は、特にこの傾向が強く認められます。
 第二に、認識している事実が、暴力に順応する考え方の癖(認知の歪み)にもとづいているからです。
 この暴力に順応する“考え方の癖(認知の歪み)”は、生まれ育った家庭の文化、つまり、親の価値観(道徳観や倫理観といった規範)、家庭のルールなどの規制といった“ものさし(判断基準)”を下地に、その後、配偶者や交際相手からの暴力の影響が加わり、その規定となる概念は強化されることになります。
 それは、①配偶者から暴力を受けている“わたし”は、恥ずかしい存在と思っていたり、②「私が悪いから、いたらないから暴力を受けた」と、暴力の原因は自分自身にあると思っていたり、③ひとりで生活する寂しさを回避したい思い、経済的な不安感がやり直したい思いとなり、「きっと、結婚したら、彼は暴力をふるわなくなるのではないか」、「きっと、子どもができたら、夫は暴力をふるわなくなるのではないか」、「きっと、治療を受けたら、夫は暴力をふるわなくなるのではないか」と“根拠のない期待感”で、別れたくない思いを自ら正当化する理由をつくっていたり、④「子どもには父親が必要なのではないか」とDVのある(子どもには、精神的虐待を加えることになる)環境に留まる判断を正当化していたりする考えや行動に表れます。
 つまり、人は、最初に、生まれ育った家庭環境で、暴力そのものをどう認識するかが規定され、その後、暴力のある環境に順応する、あるいは、暴力のない環境に順応した思考習慣を身につけていきます。
 「暴力のある環境に順応する」ということは、少しでも暴力を避けよう(回避)としてきた思考習慣(考え方の癖=認知の歪み)、つまり、夫の意に反しないように過ごしたり、夫の機嫌を損ねないように、夫の意に添うように先回りして考えたり、行動したりする思考・行動習慣のことです。
 この夫の意に反しないように過ごしたり、夫の意に添うように先回りして考えたり、行動したりする思考・行動習慣の多くは、乳幼児期に、父親と母親のかかわりを見て、聞いて、察して、自身の規定としてきたものです。
 この暴力に順応した考え方の癖(認知の歪み)が、暴力の事実認識を誤らせることになります。
 また、無意識下で、ツラい体験や忌まわしい体験を記憶の外に追いやる(記憶を消し去る)ことで、暴力のある生活を続けてきている被害者が少なくありません。
 問題は、DV被害者本人が、いま自分が上記のような状況にあるということを自覚できていないことです。
 その結果、DV被害者でありながらDV被害の事実を伝えられず、DV被害者支援機関、警察、弁護士、離婚調停における調停委員から理解を得られず、理不尽な思いをさせられてしまうことが少なくないのです。
 DV被害者がDV被害を正しく認識するには、どのような暴力を受けてきたのか、暴力がどのような状況で、どのようにして暴力がおこったのかをことばにする(話をしたり、文字にしたりする)ことで再現し、言語化し、再確認していく作業が不可欠です。
 この暴力の状況を再現し、言語化する作業は、PTSDの回復を意図した認知行動療法(暴露療法)としての第1ステップ(トラウマの再体験)となるものです。
 しかし、DV被害者にとって、この「トラウマの再体験(PTSDの主症状)」というプロセスは、再び、加害者から暴力を受けている恐怖が呼びおこされ、忌まわしいできごとが想起されることになります。
 そのため、トラウマの再体験とつながる行為、つまり、この暴力の状況を再現し、言語化する作業を心が強く拒絶することがあります(PTSD主症状の「回避」)。
 本来、PTSDを発症した人のペースにあわせて、第1ステップにとりかかるタイミングを見極めていくわけですが、DV離婚事件では、家庭裁判所が定める調停の「期日」に提出物の用意を間に合わせたりする必要があることから、この「期日までに、この作業をやり抜かなければならない」ことが、被害者にとって大きな障壁になります。
 DV被害支援室poco a pocoでは、「期日」という条件が伴うDV離婚事件において、「アボドケーター(支援者)」として、この「どのような暴力を受けてきたのか、暴力がどのような状況で、どのようにして暴力がおこったのかをことばにする(話をしたり、文字にしたりする)ことで再現し、言語化し、再確認していく作業」をサポートし、暴力を立証するためのレポート「現在に至る事実経過」としてまとめます*-4。
 つまり、「ワークシート(Word文書フォーマット)」に“なにをされてきたのか”“どのような状況におかれてきたのか”への書き込んでいただき、それらの情報をもとに、「現在に至る事実経過」として書きあげます。
*-4 被害者の指名で、そのまま家庭裁判所に提出していただけるものです。
 被害者が、どのような惨いふるまいをされてきたのか、なにがおきていたのかを明らかにするプロセスを通じて、①暴力のある環境に順応してきた“考え方の癖”に気づき、その学び直しの必要性を理解し、同時に、②支配のための暴力による忌まわしい生活を断ち切り、そして、③暴力の事実をまとめたレポート「現在に至る事実経過」を通じて、女性センターなどのDV被害者支援機関や警察、委任契約を結ぶ(相談する)弁護士、離婚調停における調停委員に、「どのようなDVがあったのか」を認識してもらうためのサポートをしています。
 DV被害支援室poco a pocoでは、この一連の流れを、“ひとつのプロジェクト”として認識し、「アボドケーター(援助者)」としての役割を果たしています。


(ブログの基幹となる2つの主要記事)
 このDV被害者支援活動は、ブログの基幹となる2つの主要記事として公開しています。
 ひとつは、平成21年4月からの1年間、DV被害者支援4例目となった被害者とのサポートのやり取りをレポートしてまとめた『DV被害者支援、1年間の記録。ドキュメントDV。恐怖で家に縛られ、卑下・侮蔑された11年(カテゴリー「Ⅱ」http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-67.html』です*-4。
 もうひとつは、行動科学*-5にもとづく組織・人材コンサルティングに携わってきた経営コンサルタントとしての20年間の経験(組織内のパワーハラスメント・セクシャルハラスメント対策を含む)と、DV被害者支援に携わってきた8年間(平成26年6月現在)の経験をナレッジとしてまとめた『暴力の影響を「事例」で学ぶ。DVの早期発見・支援。母と子どもが暴力から脱するための手引き*-6(以下、『手引き』)http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-98.html』です。』です。
 この『手引き』は、以下の5章で構成されています。
Ⅰ.密接な関係。児童虐待とドメスティック・バイオレンス(Ⅲ-2http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-102.html)
Ⅱ.児童虐待と面前DVの影響。暴力のある家庭で暮らす、育つということ(Ⅲ-4http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-71.html)
Ⅲ.学校現場で、児童虐待・DV事案とどうかかわるか(Ⅲ-5http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-100.html)
Ⅳ.「婚姻破綻の原因はDVにある」ときの離婚(Ⅲ-6http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-99.html)
Ⅴ.DVのある家庭環境で育った子どもと母親のケア(Ⅲ-8http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-97.html
*-5 行動科学では、「行動の原理や法則を導きだすことで、行動の予測と制御が可能になる」と考えます。
 行動の“見かけ”ではなくて、環境に及ぼす効果、環境が行動に及ぼす効果、つまり、“機能”に注目することによって、環境をどのように変えれば行動の頻度が変化するのかがわかり、望ましい行動を増やしたり、望ましくない行動を減らしたりする方法を考えることができるとするものです。
*-6 現在、この『手引き』は、「新版3訂」に伴う加筆訂正・再編集をおこなっています。
 新版2訂までは、主に「章」単位で掲載してきましたが、ひとつの掲載記事が長く、検索で記事に辿りついても、必要な当該箇所を見つけ難いなど、多くの課題がありました。
 そこで、「手引き」の新版3訂を掲載するにあたり、新たなサイト『DV被害の影響を「事例」で学ぶ。-女性、母と子どもが暴力から脱するための手引き(http://12310403dvsien.blog.fc2.com/)』を開設し、主に「節」単位で掲載することにしました。
 随時、加筆訂正・再編集が終了した「節」から掲載していきます。


<暴力描写や性的表現による「トラウマ反応」表出のリスク>
 この「手引き」でとりあげている延べ293の事例の中では、女性や子どもに対する暴力の状況、凄惨な殺害状況について、トラウマになりうるような残虐な行為の表記は、必要最低限に留めるようにしています。
 しかし一方で、交際相手や配偶者からのDV被害(性的暴力を含む)、親や近親者からの性暴力被害の深刻な事態を正確に伝える必要があります。
 そこで、「Ⅰ-3-(2)性(的)暴力」、「Ⅰ-5-(4)MNPD(悪性の自己愛性人格障害)」、「同-(5)パラノイア(偏執病、被愛妄想)」、「同-(6)性的サディズムを示す刻印という“儀式”」、「同-(7)パラフィリア(性的倒錯・性嗜好障害)の夫による性暴力」、「同-(8)性的サディズム、露出性愛者の夫による性暴力」、「Ⅰ-7.デートDVから結婚に至る経緯」などでとりあげる事例を含めて、被害の実態を歪めることのないように生々しい暴力の描写、性的な表現をしています。
 そのため、この「手引き」に目を通される方の中には、不快に思われたり、気分を害されたりする可能性も危惧されます。
 加えて、サバイバー(被虐待者、DVや性暴力の被害者)の方の中には、PTSDの主症状のひとつの侵入(再体験;フラッシュバックなど)により、トラウマを体験したその瞬間にひき戻されたり、意識が切り離されてしまったり(離人症状や解離症状)、パニックアタック(パニック発作)による過呼吸がひきおこされたり、動悸、ふるえ、吐き気に襲われたり、不安感や恐怖心が強く表れたりする可能性が十分に考えられます。
 そこで、サバイバーの方には、この「手引き」の事例などの記述に目を通されるときには、十分な注意をしていただきたいと思います。
 なお、フラッシュバックによるパニック症(過呼吸)を予防する方法として、「吐いてから、吸う呼吸法」を身につけることをお勧めしています*-7。
 この呼吸法を習慣化することで、自ら脳内物質セロトニンの分泌を促し、心を調えることができます。
*-7 パニック発作のひとつに過呼吸という症状がありますが、過呼吸をおこしている人に対して、「ゆっくり吸って」と呼吸を促すなげかけをすることが少なくありませんが、このなげかけ方は間違いです。
 なぜなら、呼吸の仕組みは、息を吐くと横隔膜の反射運動により息を吸うようにできているからです。
 つまり、「吸ってから吐く」のではなく、「吐いてから吸う」ようにできていることから、パニック発作をおこす可能性のある方は、「息を吸おう」とするのではなく、軽く「吐く」ことを意識することが大切です。
 「吐いてから吸う呼吸法」については、「Ⅳ-31.DV被害者の抱える心の傷、回復にいたる6ステップ」の冒頭で、「丹田呼吸法。セロトニンを安定させる反復運動」の仕組みを詳しく説明しています。



<ブログをお読みいただくときの..操作、読み方のガイダンス>
1.《通常のブログ画面》をクリックしていただければ、ブログ・スタイルでお読みいただくことができますが、《カテゴリー(50構成)》から記事をお読みいただくと、目的・意図に添った情報(記事)を読むことができます。また、カテゴリーから入っていただくと、投稿記事単位ですが、文字が“大きく”なり、読みやすくなります。

2.ブログ掲載の主要記事(カテゴリー「Ⅰ-N」の「ブログの構造と意図-主要記事一覧-」を参照ください)は、最初からお読みいただけるように<古い記事から、新しい記事へ>と投稿しています。
 分類された《カテゴリー(50構成)》の方からお読みいただく場合、<新しい記事から、古い記事へ>と表示されていますので、下の記事からお読みいただければと思います(「Back」「Next」機能をお使いください)。

3.臨床現場にたたれている専門家の方々のレポート*や新聞記事*など、さまざまな人権にかかわる情報を分野ごとに《カテゴリー》分類し、整理し、順次載せています*。
* 当該するテーマの論文やマニュアルなど数多くのデータを保存していますが、DV被害者支援に携わっている時間の関係上、ほとんどブログに載せることができていません。

4.《リンク》には、行政、民間を問わずDV被害者支援活動や人権問題に取り組んでいる諸機関、医療機関を載せています。クリックしていただけると、そのまま各機関のホームページに入ることができますので、用途に応じて、活用いただければと思います*-7。
*-7 DV被害、ストーカー被害、児童虐待被害、性暴力(レイプ)被害、性的搾取(売春強要など)被害に合っている方の相談先(行政・警察)、ならびに、近隣に住む第三者によるDVや虐待の通報先(行政・警察)については、『ブログの構成と意図② 第七部-新聞事件簿(カテゴリー「Ⅶ1-Ⅶ22」)http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-9975.html)』の該当項目に記載しています。
  暴行(女性へのDV、子どもや高齢者への虐待)による死亡事件として報道されるとき、「なんども、大声で怒鳴りつける声や「助けて」といった女性の悲鳴、どんどんとなにかを叩くような音、「ごめんなさい」と大声で泣きながら謝る子どもの声が聞こえていましたよ」と応えている近隣者の声が映しだされます。悲劇後のそうした声を耳にするたびに、尊い命が失われる前に「匿名」で通報して欲しいとの思いを強くします。


<コメント記載に関するお願い>
 ブログを訪問し、投稿記事を読まれる方の中には、「コメント(意見など)」を通じて、さまざまな人の考えに触れたり、活動の輪を広げたりできることから、コメント内でのやり取り(意見交換)を楽しみにしている方も多くいらっしゃると思います。
 しかし、ブログに掲載している記事(情報)が、暴力から逃れるために家をでて、身を隠して生活している被害女性の居所を必死に探している加害者による“検索ワード”にヒットする可能性があります。
 そこには、カテゴリー「Ⅲ-6」の中の「Ⅳ-24.DV加害者に共通する行動特性」で示しているように、「コメントに残されている記述が自分の妻ではないか」と探りを入れてくる(カマをかけてくる)危険性がはらんでいます。
 そこで、DV被害者支援に携わる者として防がなければならないことは、「公開されたコメントに、投稿者のメールアドレスを添付」されていて、加害者を含む第三者に身元が割れてしまったり、加害者などからコメント(意見など)を残された方に対しての中傷・非難するメールが送られたり、逆に、甘く優しいことばで接触をしてきたりすることです。
 以上の理由から、投稿記事へのコメントは、『管理者のみ閲覧』で書き込んでいただくか、『投稿者のメールアドレスを添付せず』に書き込んでいただくように細心の注意をお願いします**。
** 『管理者のみ閲覧』で書き込んでいただき、「投稿者のメールアドレスが添付されている」ときには、コメントに対して、メールで返答させていただきます。
 また、「主要記事」の内容に対して、お聞きになりたいこと、確認したいことなどの質問としてコメントを残していただくときにも、『投稿者のメールアドレスを添付せず』に書き込んでいただくか、相談・問合せ用の「メールアドレス syouji_poco_a_poco@yahoo.co.jp」にお送りいただきたいと思います。
 以上、「DV被害者支援のためのブログ」という事情を察しいただきければと思います。

 私は、あなたの苦しい気持ちを受け止められる近親者以外の第三者の中の“ひとり”です。
 当ブログに記載していく情報が、いままさにDV被害に苦しんでいるあなたにとって、なにかしらのお役にたてるなら幸いです。


DV被害からの回復とDV立証支援
母と子が暴力に怯えない、子が暴力を学ばない安全安心な暮らしを願って。
DV被害支援室poco a poco 庄司 薫


2011.6/29 再編集掲載
2011.7/10.10/6.11.12/1.5.30 加筆修正(お知らせ、お願い記載含む)
2012.1/21.2/17.3/11.3/15.4/19.5/12 加筆・修正
2012.5/15 「はじめに(お知らせ、報告を含む)。」を「はじめに(お知らせ、報告を含む)。」と「お知らせ(報告を含む)-2」の二つに分け、再編成
2012.11/19「ブログの構成と意図」を分け、再編成
2013.3/1 加筆
2013.4/26 ブログ再構成・再編集に伴う加筆・修正
2013.11/20.11/29.12/13.2014.1/9.3/10.5/11.6/28.2015.1/15 加筆・編集
2015.7/27.11/15 ブログ再構成・再編集に伴う加筆・修正
2016.5/20 ブログ再構成・再編集に伴う加筆・修正
2017.3/11 編集
2019.12/20 編集

※無断転載・引用禁止

平成29年。活動10年、「節目の年」に

[Ⅰ-N] お知らせ(はじめに、ブログ構成と意図、他)

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* DV加害者との接触を避け、相談をしている被害者とその援助をしている者(アボドケーター)に対する加害行為を防ぐ(加害者との接触そのものを避ける)を防ぐ必要があるため、DV被害支援室poco a pocoの事務局は、詳細な所在地(住所)・氏名については、緊急一時保護施設(行政や民間のシェルター)などと同様に“非公表です”。
とはいっても、サイト情報を介しての問合せ・支援依頼であるため、アボドケーターの顔をそのまま載せることはできませんが、実働している支援機関であり、アボドケーターが実在していることを示す意味で間接的な写真を載せました。


 人事・組織コンサルタントとして、企業のパワーハラスメントやセクシャルハラスメント対策にとり組む一方で、被害女性に対するカウンセリング、暴力のある家庭環境で育った被害女性(ACで、生き難さを抱える人たち)に対するカウンセリングをおこなう中、平成16年(2004年)の改正「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」により、「子どもが、両親間のDVを目撃すること(面前DV)が、心理的虐待になる」と明記された2年後の平成18年(2006年)6月以降、DV事案にとり組むようになり、昨年(平成28年(2016年))6月に、DV被害者支援活動期間が10年となりました。
アプローチの中心は、「ワークシート(DV・夫の暴力、子への虐待チェック・ワークシート)」に、配偶者から“なにをされてきたのか”、その結果、“どのような状況におかれてきたのか”を、自分のことばで書き込んでいただくことです。
このアプローチは、被害者自身が被害の状況をことばにする、つまり、「言語化」といった認知行動療法(暴露療法)の手法をとり入れたもので、 DVの事実関係を明らかにするだけでなく、“これから”生活の再設計を進めていくうえで、必要不可欠となる暴力のある環境に順応する考え方の癖(認知の歪み)に気づき、修正するうえで重要な役割を果たします。
平成25年4月、DV被害者支援のあり方を一歩進めて、この書き込んでいただいたワークシートをもとに、本来対等である夫婦の関係に、上下の関係性、支配と従属の関係性を成り立たせるために、パワー(力)を行使している事実を「現在に至る事実経過」としてとりまとめ、民事事件(離婚調停・監護権審判など)・配偶者暴力防止法の適用(一時保護の決定、保護命令の発令)、刑事事件(傷害罪として立件)の“場”で、DVを立証するお手伝いをさせていただくことになりました。
しかし、この間、何度か療養に専念せざるを得なくなるなど、延べ15ヶ月間にわたり活動を休止していた時期があることから、実質的な活動期間は、本年(平成29年(2017年))9月に10年を迎えることになります。
その節目を迎える9月末より半年早い本年(平成28年(2016年))3月31日を持って、民事(離婚調停など)・刑事(暴行・傷害罪での立件)事件、配偶者暴力防止法にもとづく一時保護の決定、保護命令の発令を求めるための支援活動(主に、DVを立証することを目的とした、レポート「現在に至る事実経過」のとりまとめ、同レポートにもとづく「答弁書」「準備書面」、「訴状」の作成など)については、一時、“休止*”させていただくことになりました。
なお、①メールと電話による一時相談、②暴力のある環境に順応した考え方の癖(認知の歪み)に気づき、修正するためのカウンセリング、③当ブログなどによる情報の提供については、“これまで通り”に継続していきます。
*「中止」ではなく、「一時、休止」としているのは、これまでのように、“積極的”な支援活動はでき難くなっていることにもとづいています。
「積極的な支援活動ができ難くなった理由」については、新たなブログ『低視力(ロービジョン・弱視)でやっかいな水平方向の複視。当事者がふりかえる学習と受験、そして、自分にできる仕事と自分に無理を強いる仕事の境界線(http://20150403poco.blog.fc2.com/)』にまとめています。

本来は、この10年の節目を踏まえて、DV被害者支援活動の本質的な意義を踏まえて、いっそう活動内容を充実させていかなければならない中で、アボドケーター(援助者)として優先しなければならないのは、現状として、「支援中に、体調不良で迷惑をかけてはならない」という考えにもとづく苦渋の決断です。申し訳ありません。
(追記)
DV被害支援室poco a pocoでは、本格的にDV被害者支援を再開した平成21年(2009年)4月以降、延べ75件、夫婦関係調整(離婚)調停などで離婚成立(家庭裁判所)、暴行・傷害罪で立件(所轄警察署・地方検察庁)、保護命令の申立てなどに対する相談や立証依頼、加えて、AC(アダルトチルドレン)の抱える生き難さに対するカウンセリングの依頼を受けてきました。
そして、DV被害者支援のあり方を一歩進めた平成25年(2013年)4月-平成28年(2016年)6月で33件、離婚調停・裁判での離婚の成立、一時保護の決定、保護命令の発令、傷害事件の立件にあたり、“DV行為の事実を立証する”ためのレポート(現在に至る事実経過)をまとめてきた経験があります。
そこで、メール・電話で、「これからどうしたらいいのか?」、「いま、するべきことはなにか?」など、「これまでDV被害者支援に携わってきた経験にもとづいた助言をして欲しい」という相談については、できる限りお応えしていきたいと考えています。
 また、平成25年11日12日、“行動科学”にもとづく組織・人材戦略の構築に携わる経営コンサルタントとしての20年間の経験(組織内のパワーハラスメント・セクシャルハラスメント指導を含む)と、「DV被害支援室poco a poco」として、DV被害者支援に携わってきた10年間(平成28年9月現在)の経験をナレッジとして、『暴力の影響を「事例」で学ぶ。-女性・母と子どもが、DV被害から脱するための手引き-(以下、手引き)』をまとめ、サイトに公開しました。
 その後、平成28年2月28日(改訂新版)、同年10月10日(新版2訂)の2回、版を重ねてきました。
 この「手引き」の改訂2版は、「3部7章45節」で構成され、293の事例、50の判例、11の対応例を紹介しています。
 主業務の合間の時間を使い、加筆訂正をしてきましたが、つけ焼き刃的になってきたと思ってきました。
 そこで、今回の“無期限の休止”の時間を利用し、構成を見直し、事例を加筆するなど、ていねいに加筆訂正作業をおこない、「新版3訂」を書きあげたいと思います。
 なお、「手引き」の“改訂2版”は、これまで通り当ブログ内で掲載・公開し、“新版3訂”については、新たなサイト「DV被害の影響を「事例」で学ぶ。-女性、母と子どもが暴力から脱するための手引き(http://12310403dvsien.blog.fc2.com/)」を開設し、主に「節」単位で掲載することにしました。
 随時、加筆訂正・再編集が終了した「節」から掲載していきます。


(10年。関連法の改正、とり巻く状況の変化)
  暴力のある家庭環境で育ち、人とのかかわり方がわからず悩み苦しんでいる方たちの声に耳を傾ける一方で、家庭裁判所で開かれる夫婦関係調整(離婚)調停や所轄の警察署・地方検察庁における事情聴取において、立証のし難いことばの暴力(精神的暴力)や性暴力を立証するために、「現在に至る事実経過をレポートとしてまとめる(被害女性の「陳述書」などとして提出)」などのDV被害者支援に携わる活動をしてきました。
  DV被害支援室poco a pocoにとって、この10年間の最も大きな変化は、第一に、平成24年4月、「子どもの親が離婚したとしても、双方の親は、共同して子どもの養育することになる」とした「民法766条」の改正でした。
  なぜなら、DV被害支援室poco a pocoでは、離婚後の面会交流は、暴力の後遺症としてのPTSDの症状を抱える被害女性に大きな精神的な負担となるなど、被害女性の生活の再設計において、「被害女性が、暴力に支配される関係性を断ち切る」、つまり、「かかわりのいっさい断つ」ことが重要と考えているからです。
  DV被害支援室poco a pocoでは、「婚姻破綻の原因は配偶者からのDVにある」として、夫婦関係にある者が離婚に至ったとき、親権を得なかった加害者である父親と、親権を得た被害者である母親と暮らすことになる子どもの面会交流をおこなうことは好ましくないという立ち位置の基盤となり、調停・裁判で、加害者である父親と子どもとの面会交流が及ぼすリスクと悪影響を主張し、その実現に寄与するための支援(サポート)をしてきました。
  しかし、この民法766条の改正は、「配偶者からの暴力防止及び被害者の保護に関する法律(同16年改正。以下、配偶者暴力防止法)」が施行された平成13年以降の司法判断を一転させることになりました。
「婚姻破綻の原因はDVにある」として家庭裁判所に申立てた夫婦関係調整(離婚)調停における「離婚後の面会交流のあり方」は、「父親を怖れている子どもとの面会は、子の利益(福祉)の観点から好ましくないので、実施はしない」という考え方は認められ難くなり、「夫婦間にどのような経緯・懸案事項があろうとも、父親と子どもとの面会は子の利益(福祉)の観点から必要不可欠であり、エフピックなどの第三者機関を介することで、面会は可能である」との考え方に大きく舵を切ることになりました。
  その結果、DV被害者のアボドケーター(援助者)としての支援のあり方も、こうした国の判断(法改正)に影響を受け、調停や裁判において、「面会交流を認めさせない」ことから、「面会交流の実施にあたる条件を認めさせる」ことに重点を置くなど、プライオリティ(優先順位)など調整が求められることになりました。
  第二に、平成12年に施行された「ストーカー行為等の規制に関する法律(以下、ストーカー規制法)」は、平成23年に逗子市でおきた離婚後の凄惨なストーカー殺害事件をきっかけに、同25年7月23日に「ストーカー規制法の一部法改正がおこなわれ、「電子メールを送信する行為の規制」が加わり、同28年12月6日の衆議院本会議で、改正案が全会一致で可決され、成立しました。
この改正案では、対象がTwitterやLINEといったSNS、ブログのコメント欄への執拗な書き込みなど、インターネット上でのつきまといを規制対象にし(同29年1月3日施行)、加えて、緊急の必要がある場合に警察が警告なく禁止命令を発令することができるようになる(同年6月14日施行)など、執拗で病的なストーカーに対する規制を強化しています。
  加えて、平成13年に施行された「配偶者からの暴力の防止ならびに被害者の保護に関する法律(配偶者暴力防止法。いわゆるDV防止法)」は、平成16年の改正で、被害者の子どもの保護、精神的暴力(ことばの暴力など)が加わり、さらに、同26年には、改正新法として「保護」が「保護等」になり、「同じ所載地で居住するも者(同棲生活をしている者)で、元を含む」と一定の条件はあるものの交際相手(元を含む)が、一時保護の決定、保護命令の発令の対象者となり、「ストーカー規制法」で対応できない一時保護の決定が可能になりました。
  つまり、DV(デートDVを含む)のある関係性下で別れ話や別居がきっかけとなり、復縁話を求める行為がエスカレートし、執拗なつきまといとなるストーカー行為は、一連のDVと認識して対応する必要があるものです。
 しかし、メディアだけでなく、対応の遅れなどが問題視されることが少なくない警察を含めて、ストーカー事件では、上記のストーカー行為と、アイドルや歌手、俳優、スポーツ選手に対する一方的な恋愛感情、そして、報われない怒りを起因とするストーカー行為を一色単に捉えた情報を発信していることは問題です。なぜなら、対応のあり方は、「似通って異なるもの」だからです。
 しかも、夫婦間に子どもが生まれ、その後、離婚したときの元配偶者によるストーカー行為では、相談した警察では「元配偶者と合わない(接触しない)ように」と助言されますが、対応する警察官は、離婚という民事事件、特に、面会交流の実施に伴う取り決め(取り決めされた面会交流の実施を拒むなどの行為に対し、家庭裁判所への申立てにより、応じなければ罰金を科すとする「間接強制」の発令など)に関する知識が乏しく、被害者である相談者が抱える八方塞がり的な苦悩に思いを察することができず、凄惨な事態を招いてしまうこともあります。
 加えて、元交際相手や元配偶者に対して復縁を求めるストーカー行為の一部が殺害に至ってしまうリスク、そして、デジタルタトーと呼ばれるリベンジポルノとしてネットに晒され一生つきまとうリスクについては、ストーカー規制法の強化、そして、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(リベンジポルノ被害防止法)」だけでは払拭できるものではないのが現実です。


(“いま”と“これから”)
  DV被害支援室poco a pocoでは、「DVの最大の被害者は子どもである。なぜなら、子どもの脳の発達に大きなダメージを与え、将来にわたり心身の健康を損なうことになり、同時に、自己規定・自己規範となる価値観に認知の歪みを生じさせるリスクが高い」との認識にもとづき、「子どもが、DVを目撃する(面前DV)などの暴力のある家庭環境で傷つき、生活している」ことが、DVの重大な問題と捉えています。
  以上のことから、いま目の前にあるDV被害に対してどうしていくかという問題だけでなく、これからDV(デートDV)被害にあったり、加害行為に及んでしまったりする可能性のある世代に対するアプローチ、つまり、小学校中高学年・中学生、高等学校生-大学生(専門学校・短期大学を含む)に対する教育・啓蒙です。
特に、TwitterやLINEといったSNSに、性的な写真や動画が投稿されデジタルタトゥー化(性暴力(性的搾取を含む))してしまう被害にあう前の世代の小学校中高学年に対する教育・啓蒙は重要です。
 そのためには、小学校の教職員、そして、児童の保護者として親に対する教育・啓蒙が欠かせないことはいうまでもありません。
しかし、子どもに対する無自覚な虐待(面前DV、過干渉や教育的虐待)の加害者になっている保護者、児童に対する体罰やパワーハラスメント、セクシャルハラスメントに及んでいたり、家庭内での教育的なしつけとしての体罰を容認していたりする教職員による強い拒絶や反発もでてきます。
  したがって、社会・コミュニティのルールや法(規定)、倫理観や道徳観といった規範として、家庭で、学校で、職場で、コニュニティで容認してはいけない暴力、つまり、児童虐待やDV、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、体罰、暴行傷害、紛争・戦争などの捉え方について正しく知り、共通認識していくことが重要です。
 これらの女性や子どもの人権にかかわる規定や規範を快く思っていない人たちの声は依然と強く、児童虐待、DV、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、モラルハラスメント、体罰などのことばはよく聞かれるものの、その理解は不正確で、知識に乏しく、そして、「おかしい」、「間違っている」と思っていても、コニュニティの多くが「どこでもあること」と容認していて、声をあげることができずにいる人たちが多いのが現状ですが、後退させることなく、一歩一歩(poco a poco)、前に進めていってほしいと考えています。


平成29年1月15日/3月1日
同年9月16日一部追記
DV被害支援室poco a poco 代表 庄司薫

ブログの構成と意図② 第七部-新聞事件簿(カテゴリー「Ⅶ1-Ⅶ22」) *2017.3/7更新

[Ⅰ-N] お知らせ(はじめに、ブログ構成と意図、他)

第七部 新聞事件簿(カテゴリー「Ⅶ1-Ⅶ22」)

 ブログ「あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか*」における「第七部 新聞事件簿(カテゴリーⅦ1-22)」の位置づけは、ブログの“礎”となる『DV被害者支援、1年間の記録。ドキュメントDV。恐怖で家に縛られ、卑下・侮蔑された11年(カテゴリー「Ⅱ」http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-67.html)』、『暴力の影響を「事例」で学ぶ。DVの早期発見・支援。母と子どもが暴力から脱するための手引き(カテゴリー「Ⅲ1-Ⅲ9」) http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-98.html』です。』を“補完”するものです*-1。
 ブログでは、新聞や雑誌等のプレス記事の他、講演録や論文を分野別に載せています。
*-1 論文や講演録では、「画像」や「表組み図表」などブログ掲載にあたって割愛させていただいていますので、別途、「原典」を検索していただければと思います。
 また、この「第七部 新聞事件簿(カテゴリーⅦ1-22)」では、「こういう考え方にもとづかなければならないといった意図的にリードするのは避けたい」、「ものごとの捉え方や見方はひとつではない」との理由から、「DV被害支援室poco a poco」のDV被害者支援の立ち位置にもとづく論文や新聞記事だけでなく、この立ち位置に反した(真逆の考え方)論文や新聞記事であっても掲載しています。
 ものごとは、どのようにものごとを捉えてもいいし、どのような考え方をしてもいいわけです。
 暴力に支配されている環境では、「支配者や指導者(父親や母親、近親者など)の考え方や価値観以外は認められない」ことから、DV被害者の中には、複数の代替案が提示されると困ってしまい、自分では決められないから、「これだけ」とか、「こうしなさい」と決めて欲しいと訴えることが少なくありません。
 一方で、考え方や価値観を押しつけられていることに心が強く反応し、強い拒否反応(反発)を示すこともあります。
 このとき、自らへの指摘には強い拒否反応を示す一方で、加害者に対しては主観にもとづいた決めつけをする両極端な考え方をする癖(私はOK、あなたはNO)がでていることがあります。
 ものごとは、善か悪か、好きか嫌いかといった二元論(二者択一)的に解釈したり、判断したりしないことが重要です。
 このとき、多くのひきだしの蓄えが必要です。
 人は、自分が知りたいことだけを知ろうとし、自分が望む方向にそった情報だけを得ようとします。
 ひきだしに蓄える情報は、自分が知りたい、自分が望まない以外の情報を幅広くとり込むことが大切です。
 「第七部 新聞事件簿」は、判断基準となる知識・経験のひきだしを蓄えるその“歩み”の役割になって欲しいという意図があります。
 そして、「新聞事件簿」として扱う多くの新聞記事は、主として、犯罪行為を多くとり扱っています。
 犯罪そのものを捉えるのではなく、犯罪に及ぶ加害者の言動や考え方に思いを馳せることによって、犯罪行為に至る人物性(特性)がどう育まれていったのか(生育環境がどのようなものだったのか)を読みとることができたり、暴力のある環境(広義として戦争や紛争地、大震災などの被災地で生活するなどを含む)が、人の(心身の)成長にいかに大きな影響を及ぼす、結果として、社会インフラとして“負”の影響を生みだしてしまうかということまで“考察する素材”とすることができたりしすます。
 考察する素材として新聞記事を読み解いていくと、大きな流れや大まかな傾向といった“ある一定の法則性”を観つけることができます。
 その一定の法則性に、裏づけのある根拠(知識)を結びつけることができれば、それは、DVや児童虐待、性暴力を個々の特定のできごとではなく、人とはなにか、根本の原因はなにかを考える基礎となるナレッジ(知識、付加価値のある情報)とすることができます。
 このブログでとりあげる新聞記事や雑誌記事を考察する素材として活用していただければと思っています。

 「第七部 新聞事件簿」では、新聞や雑誌に掲載された記事を22のカテゴリーに分けて載せていますが、それらは、冒頭で記述した「ブログの“礎”となる2つのレポートを“補完”するものであることから、「DV被害支援室poco a poco」のDV被害者支援の立ち位置、DV問題をどう捉えているかなどの“概念”と深くかかわっていますhttp://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-961.html)。

[Ⅶ-1]<DV・虐待・性暴力被害データ。支援・対応の現状>新聞事件簿。http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-57.html
 DV・児童虐待、レイプなどの性暴力は、被害者にPTSDなどの後遺症を発症させるだけでなく、加害者と被害者(殺人の場合、被害者遺族)という構図が伴います。
 こうした行為には、親やきょうだい、親族、友人、上司や同僚、担任など、当事者以外の者が多くかかわり深い傷を残します。
 また、児童虐待や面前DV被害が、次の世代で、虐待の加害者、デートDV・DVの加害者や被害者となる可能性が高くなることなど、公表される統計データから読みとれる事実は重要です。
 なお、公表される数字には、対象となる年齢層の人口の増減が配慮されていないなど、被害の状況の深刻さや改善されている効果を示すための意図的な論点表記がされていることがすくなくないことから、数字の読みとりについては、公表される数字だけでなく、「対比(%)」や「人口10万人あたりの人数」を別途算出するなどして正確に把握していくことが必要です。
 そして、それぞれのデータの“行間を埋める”のが正確な知識です。


[Ⅶ-2]<DV(離婚後のストーカー行為含)>新聞事件簿。身近な女性を救おう!http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-46.html
 ドイツ出身の精神分析学・心理学者エーリッヒ・フロムは、『愛するということ(1956年)』の中で、人を愛するのに必要な能動的性質として、「配慮」「尊重」「責任」「理解(知)」の4つをあげています。
 最初の「配慮」とは、相手の気持ちや立場を考えること、つまり、他人に対する気遣いのことで、人間関係を成り立たせるためには欠かせないものです。
 有効な対人関係を築くには、相手がなにをすれば喜んでくれるのかとか、なにをすれば嫌がられるのかを配慮することが不可欠です。
 しかし、アタッチメント獲得に問題を抱え、自己と他の境界線があいまいなまま成長したことから、自己中心的であり、一方で、渇望感を埋めるための承認欲求が強いDVや虐待、性暴力、ハラスメントなど、本来対等な関係性に対し、上下の関係、支配と従属の関係を成り立たせるためにパワー(力)を行使する加害者は、人の気持ちに思いを馳せることができません。
 したがって、一見、優しく感じたり、気遣っていたりするように見えるDV加害者のふるまいは、優しくされ、気遣われていい気分になっている相手の姿や言動に対し、自らの影響力に酔いしれているだけなのです。
 つまり、自分が満足をえる(承認欲求を満たす)ためのふるまいでしかないということです。
 次に、「尊重」とは、“お互い”に相手の気持ちや意志を大切にし、相手も1人の人間であり、自分と平等に価値のある大切な存在であると認めることです。
 お互いに配慮し合い、お互いを敬い、お互いを慈しむ気持ちがあれば、気持ちのいき違いや多少の対立があったとしても、それを乗り越えることができます。
 しかし、「お互いを尊重する」という考えは、詮索・干渉し、束縛し、意に反するふるまいを決して許さないDV加害者が求める夫婦の関係性では、決して成り立たつものではないのです。
 三番目の「責任」は、お互いに支え合うために、前もって心構えをしておき、相手の求めに応じておこなう姿勢そのものを指します。
 お互いに困ったときには助け合う、つまり、親子や夫婦の間での「扶助義務」という考えは、この責任という行為にもとづくものです。
 アタッチメントの獲得に問題を抱え、自己と他の境界線があいまいなまま成長したDV加害者は、ものごとを自己中心的、つまり、一人称でしかものごとを認識することができないことから、自分のおこないはすべて正しいと解釈します。
 この考え方の癖(認知の歪み)が、全能感を生みだします。
 そのため、自己のミスや過ちを認めることができず、他人に責任を押しつけることで自己のふるまいを正当化し、非を逃れる必要がでてきます。
 自己のふるまいを強引に正当化するためには、やはりパワー(力)を行使する必要があります。
 DV加害者の「謝る」という行為は、自己利益にもとづくための行為であることになります。
 自己に不利益な(鬱陶しい)状態を収める(回避する)ため、つまり、自分にとって平穏な元の状態に戻すための“術”でしかないことから、元の自分にとって平穏な元の状態をとり戻すことができたときには、「もう二度と暴力はふるわない」といった約束は、なんの意味も持たないのです。
 DV加害者は、自己利益にもとづかないできごとに対して、責任を果たさなければならないとか、約束を守らなければならないという“概念そのもの”を持ち合わせていないのです。
 最後の「理解(知)」は、相手を理解するということだけではなく、相手を知ることによって自分自身を知るという意味を含んでいます。
 「他人は自分を映す鏡」ということばがありますが、向かい合った人の瞳には、必ず自分の姿が映っています。
 人は、自分のことをわかっているように思っていても、実は、まるでわかっていないということが少なくないのです。
 私たちは他人とのかかわりの中で、はじめて自分自身のことが見えてきたり、気づかされたりすることがあります。
 人は、他人の仕草や表情、ふるまいを通して、その根拠を探ろうとします。
 そして、それを自分自身に投影することで、自分の欠点や長所を知る手がかりにします。
 しかし、主語が“俺が”“俺は”と一人称しか獲得できていないDV加害者は、自分の描いている理想の世界観、夫婦観と異なる概念、そして、意に反するふるまいを受け入れることができません。
 つまり、自分のふるまいはどこも悪くない、悪いのは相手(あるいは、社会)であるとしか認識することができないことから、他人のふるまいを見て、我がふるまいを考えたり、直そうしたりする必要性という概念が存在していません。
 なぜなら、そうした思考回路を獲得することができずに育ってきているからです。
 このように、DV加害者は、フロムが述べている人を愛するのに必要な能動的性質、つまり、「配慮」「尊重」「責任」「理解(知)」の4つすべてを持ち合わせていないのです。
(補足)
 「もしかして、DV被害にあっているのでは?」と意識することができているときには、「主人が」、「旦那が」といった“夫の呼び方(口にすることば)”を見直していただきたいと思います。
 「主人」に対応することばは、「僕(しもべ)・下僕」「従じる者」ということになります。
 夫のことを主人と呼ぶ夫婦関係は、ことばの意味そのまま適用すると、「主たる者(支配する者)」と「従じる者(支配される者)」という関係を示すことになります。
 つまり、夫婦の関係に主従、上下と立場を受け入れている、認めてしまっている言動ということになるのです。
 あなたの存在は、夫の「僕(しもべ)・下僕」、あるいは、夫に「従じる者」なのですか?
 あなたは、「私は夫の下僕です。」、「私は夫の僕(しもべ)です。」、「私は夫に絶対服従している者です。」と自己紹介しますか?
 それとも、「私は夫の下僕ではない」、「夫の奴隷ではない」、「夫に従じる者(支配されている者)ではない」と、あなたが正しく認識できているのなら、いま直ぐに、夫のことを「主人」と呼ぶのをやめる必要があります。
 次に、「旦那」という呼称ですが、「旦那」とはサンスクリット語の仏教語ダーナに由来し、“与える”“贈る”といった「ほどこし」「布施」を意味し、もともと僧侶に用いられてきたことばです。
 その後、一般にも広がり、「パトロン」のように“生活の面倒をみる人”“お金をだしてくれる人”という意味として用いられるようになりました。
 つまり、「お妾や生活の面倒を見てくれる人のこと」を旦那様と呼び、「奉公人が生活の面倒を見てくれる人、住み込みで仕事を与えてくれる人のこと」を旦那様、ご主人様と呼ぶようになっていったのです。
 その妾や奉公人が使っていた呼称を、夫婦間の呼称として使っていることは、嫁という概念や妻という立場が、家庭の中、夫婦の間でそれ同等の解釈(扱い)のもとで成り立っていることを意味します。
 あなたが、「たとえ専業主婦であり、夫が働いてきた給料で生活をしているからといって、夫婦の関係そのものには主従の関係はおかしい、立場は平等であるはずだ。」と正しく認識できているなら、夫のことを「主人」とか「旦那」と呼ぶのをやめなければならないのです。
 なぜなら、精神的な問題として、DV環境から逃れる、暴力に支配される関係性を断ち切るにあたって、夫のことを「主人」とか、「旦那」と呼んだり、表現したりすることは望ましくないからです。
 「夫」と呼ぶところからはじめましょう。「俺が妻子の生活の面倒をみているのだから、文句をいうな! 黙って、俺に従っていればいいんだ!」といった“支配するもの”と“支配されるもの(従属するもの)”といった上下関係を示唆(意味)する「ことば」を使わない、発しない(口にしない)ことが大切だからです。
 人の脳は無意識であっても、ことばを発することによって、そのことば通りに、「自分は、夫の支配下にある位置づけである」と認識してしまうのです。
 つまり、夫ではなく、主人とか、旦那と呼ぶことは、「自分自身でその関係性を受け入れます」と“自己宣言”していることになるのです。
* DVの本質は、本来対等であるはずの男女(夫婦間、交際者間)の関係に、上下の関係、支配と従属の関係を成り立たせるためにパワー(力)を行使することですから、“関係性”で理解する必要があります。
 つまり、「上にたとう(支配しよう)とする者」と「下におかれる(支配され、従属させられる)者」という”関係性”であることから、①カテゴリー「Ⅲ-2」の「Ⅰ-3.DVは、夫婦の関係、親子の関係になにをもたらすか(1)-(6)」、②同「Ⅰ-4-(2)デートDVから結婚に至る経緯」に目を通していただければ、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法、いわゆるDV防止法)」第二条の三にもとづいて作成される「都道府県(市町含む)基本計画」の中で「対象とする暴力として、身体的暴力、性(的)暴力、精神的暴力、経済的暴力がある」との記載が意味するものについて理解を深めていただけると思います。
 そのうえで、「相反する拒絶と受容のことばやふるまいを繰り返される」ことにより思考混乱をおこし、暴力の恐怖により機嫌を損ねないように意に添うようにふるまうなど、暴力に順応することで生活を続けざるをえなくなった、つまり、「暴力のある環境で生活を続けること=マインドコントロール下におかれてきたこと」についての理解には、加害者特性の理解、つまり、DV加害者がどのようにふるまうのか、その支配するための暴力により、被害者はどのような“負”の思考パターンに陥っていくことになるのかに目を向ける必要があります。
 そこで、③カテゴリー「Ⅲ-6」の「Ⅳ-24.DV加害者に共通する行動特性」に目を通していただきたいと思います。
 加えて、その中で説明している「感受性訓練に似通った言動パターン」にもとづき、④カテゴリー「Ⅲ-2」の「Ⅰ-5.被害者心理。暴力で支配、マインドコントロールされるということ」に目を通していただくことによって、“人との関係性”のいう捉え方でDVを認識することがいかに重要なことなのかを理解していただけると思います。
 また、生活を共にしていた交際相手(元を含む)、あるいは、配偶者からの暴力から逃れるために女性センターや警察を通して施設への一時保護を求めたリ、地方裁判所に保護命令の発令を申立てたりすることについては、⑤カテゴリー「Ⅲ-6」の「Ⅳ-21.一時保護の決定、保護命令の発令。「身を守る」という選択」で、さらに、⑥「婚姻破綻の原因はDVにある」として、家庭裁判所に離婚(夫婦関係調整)調停を申立てるときには、カテゴリー「Ⅲ-6」の「Ⅳ.「婚姻破綻の原因はDVにある」ときの離婚(21-26)」において、DV事件特有の問題、そして、それに準じた考え方の重要性などを理解していただけると思います。
 加えて、暴力のある家庭環境で子どもを育てることは、面前DVとして、「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」では“心理的虐待”とみなされることから、暴力のある家庭環境で育ち、再び、交際相手や配偶者から暴力を受けることになった被害者も併せて、⑦「Ⅲ-2」「Ⅰ-1.虐待の発見。DV家庭における子ども」、「Ⅲ-4」「Ⅱ.暴力のある家庭で暮らす、育つということ(6-12)」において、子どもへの心身への影響についての理解を深めていただければと思います。


・DV相談ナビ(内閣府男女共同参画局)
0570-0-5521(全国共通)
発信地等の情報から最寄りの相談機関の窓口に電話が自動転送されます。

・警察相談専用電話
♯9110
緊急性のないDVやストーキング、悪質商法や近隣や職場などでのトラブルなどの普段の生活の安全の問題について相談に対応します。
* 所轄の警察署の生活安全課で、配偶者や交際相手(ともに元を含む)によるDV、つきまといなどのストーカー行為に対して相談し、携帯電話や固定電話の電話番号と住所を登録すると、110通報(発信)により、直ちに登録されている住所に駆けつけてもらうことができます。
 ただし、緊急性を伴う110通報が、登録した住所以外のときには、「家ではなく、いま・・にいます」と駆けつけてもらう場所を伝える必要があります。

・急な病気やけがの際に救急車を呼ぶべきかを相談する窓口
♯7119
電話で、東京都など全国7地域で専門家に相談できます。

** DV被害支援室poco a pocoでは、「婚姻破綻の原因は配偶者によるDVである」とする離婚調停(夫婦関係調整調停)において、妻への暴力を認めなかったり、「離婚する理由はない」と頑なになっていたり、逆に、「暴力を受けていたのは私の方だ!」と被害者を装ったりするケースで、DV加害者である夫ではなく、2名の調停委員(夫婦間に15歳以下の子どもがいるケースでは2名の調査官が加わることがあります)、審判官(調停の場には直接顔をだすことはありません)に対し、「妻が夫になにをされてきたのか」、「夫の暴力により妻はどのような状況におかれてきたのか」を正確に理解してもらう、つまり、「夫からの妻へのDVがいかに深刻なものであったかを伝える(立証する)」ために、DV被害の状況を「現在に至る事実経過」としてまとめるお手伝いをしています。
 詳しくは、カテゴリー「Ⅰ-I. 活動方針、問合せ・相談方法など」の①『<DV・性暴力被害相談。メール・電話、面談>..問合せ・相談、サポートの依頼。最初に確認ください。http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-501.html
』、②『<DV・性暴力被害相談。メール・電話相談、面談>Ⅰ.夫からの暴力にもう耐えられないので、「話を聴いて欲しい」「どうしたらいいのか相談にのって欲しい」、または、「確認のための質問をしたい」という方へhttp://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-5.html』、③『<DV・性暴力被害相談。メール・電話相談、面談>Ⅱ.離婚調停で、DVのことを理解してもらえず、どうしたらいいのかわからないので、離婚調停に向けてのサポートを希望される方へhttp://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-1378.html』、④『<DV・性暴力被害相談。メール・電話相談、面談>Ⅲ.「暴力のある家庭環境で育ち、ずっと生き難さを感じていた」「心療内科(精神科)を受診しているが、心内をうまく話せない」「診療時間が短く、話したいことも話すことができず、疑問点などが解消できない」という悩みを抱えている方へ(http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-12.html』にて確認いただければと思います。
 また、「私は、こういった傾向や症状を苦しみ悩んできましたが、それは、育った家庭環境が影響しているのでしょうか?」、「ずっと、厳しく育てられてきたと思ってきましたが、親のこうしたふるまいは、暴力(虐待)にあたるのでしょうか?」といった疑問に対してもお応えしています。



[Ⅶ-3]<デートDV。ストーキング・リベンジポルノ>新聞事件簿。嫉妬・執着http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-83.html
 ここ1-2年(2011-2012年)、デートDV・DV被害から逃れた元交際相手や元妻に対し、執拗に復縁を迫り、拒まれると殺害し、その後、自死して“自分のもの”にしてしまう凄惨なストーカー事件が続いています。
 それは、血肉を自身にとり込む意味以上に、魂の結合を目的とする病理性の高いふるまいです。
 また、別れ話がでていた大学生に「お願いだから死んでくれ。」、「手首切るより飛び降りれば死ねるじゃん。」とLINEでメッセージを送られ、2日後にビルから飛び降り亡くなるといった哀しい事件も起きています。
 DV被害者の多くは、交際時、相手から執拗な詮索や干渉、強い束縛を受けていたり、否定され、非難・批判され、侮蔑され、卑下されたりするといった心ないことばの数々を浴びせられていることから、ふとしたときに「この人を怒らせたら(機嫌を損ねたら)、なにをされるかわからない」と感じています。
 また、その恐怖感を心の奥にしまい込み、「結婚したら、きっと変わってくれる」、「子どもができたのだから、きっと変わってくれる」と根拠のない期待感を自分にいいきかせていることもあります。
 そのため、DVから逃れたいと思い第三者の専門機関に相談したとき、はじめて「デートDV」にあっていたことを指摘されて驚くことが少なくありません。
 また、家をでて、離婚が成立できたとしても、「やっぱり子どもたちのことを考えると両親が揃っていた方がいい。もう一度、やり直さないか!」と執拗に復縁を迫られたり、養育費の支払いが滞ったとして連絡すると、「話し合おう」とよびだされ、暴力をふるわれたり、レイプ被害にあったりすることさえあります。
 さらに、復縁を求められ、執拗なつきまとい(ストーカー行為)のあとに殺害されてしまうこともあります。
 「そこまで考えなければ(制約されなければ)ならないの?!」と思われるかも知れませんが、SNSに投稿した写真にはGPS情報(位置情報)が残っているため、そこから居所を特定されるリスクがあることから、別れを切りだし、家をでたあと居所を特定され復縁を強く求められるなどのつきまとい被害を防ぐためには、SNSへの写真投稿には細心の注意が必要になります。
 DV事件では、家をでて身を隠して生活をはじめても携帯電話の電源を入れることでGPS機能が働き、居場所を特定される怖れもでてきます。
 配偶者や交際相手からのDV被害から逃れるときには、理不尽な思いをさせられますが、身(命)を守ることを第一に考えなければならないことがあります。
 そして、デートDVを考えるうえで忘れてならないのは、リベンジポルノという問題です。
 自撮りしたヌード写真や動画を交際相手にわしたり、交際相手や配偶者に撮られていたりしたものを、別れた腹いせとして、元配偶者や元交際相手が画像や動画をインターネットにアップするのが“リベンジポルノ”で、その被害が深刻化しています。
 映画『リベンジポルノ(2014年)』では、交際相手の要求に応え、自身の裸(下着姿を含)の画像や動画を渡した“こころのあり方(真理)”と、別離後、リベンジポルノの被害に合うという“歪んだ愛のあり方”を描いています。
 そして、「20-30代の女性の16%が、交際相手にヌードを撮影された経験がある」との調査結果があります。
 しかし、この数字には、ペン型や100円ライター型、腕時計・置時計型といった器具を用いた盗撮画像や動画については、本人が知らないところで撮影されているため、当然、含まれていません(盗撮サイトには、リベンジポルノという趣旨だけではありませんが、本人が知らないところで投稿され、拡散されていることがあります)。
 アメリカでは近年の被害増加にともない、2013年カリフォルニア州で罰則を科す改正法が成立し、日本においても自民党がリベンジポルノ被害防止法案を取りまとめ、今国会に提出する準備を進めています。
 この法案が成立すれば、加害者には、最高で「懲役3年以下もしくは50万円以下の刑が科せられる」ことになります。
 しかし、リベンジポルノは、「デジタルタトゥー」と表現されるように、一度インターネットに流されてしまうと、次々にコピーされ保管されたり、拡散されたり、永遠に画像や動画を消し去ることができなくなります。
 5年、10年経過したあと、その画像が動画を見た身も知らない第三者から脅され、更なる被害に発展してしまうリスクさえ残すことになります。
 性暴力(妊娠リスク(レイプ被害(72時間ピル)、性病リスク、リベンジポルノ)、薬物リスクなど、人生を破滅させる怖れのあるものとして、更なる「デートDV」に対する教育啓蒙が必要不可欠です。
 婚姻後のDV被害を防ぐには、まず「デートDV」を防がなければならないのですが、そのためには、人を見極める力(目利き力)を養っていくことが必要なのです。
 それは、知識だけで補えるものではなく、子どもに正しい愛情を与えているかが問われていくことになります。
 つまり、親としての子どもとのかかわり方、コミュニティ社会としての子どもたちとのかかわり方で、後に加害者の親になったり、被害者の親になったりするということを忘れてはならないのです。
 最後に、「デートDV」における支配のための暴力の対象は交際相手ですが、それは、男性から女性、女性から男性だけでなく、ゲイ・レズビアン・バイセクシャル・トランスジェンダー(LGBT)といった同性愛者同士を含むものです。
 LGBTについては、社会的認知が少しずつ進んでいるものの、以前として偏見、差別の対象になりやすい状況には変わりはありません。
 そして、社会的に弱い立場であるがゆえに、誰にも相談できずに事態が深刻になりやすいことを記しておきます。
 したがって、元交際相手や元配偶者によるつきまとい行為であったとしても、家族、加害男性と同性である男性の上司や同僚、そして、友人などが間に入った話合いで解決できるとは考えず、DV被害者支援機関や警察による介入が必要です。
* 交際相手や配偶者(ともに元を含む)に対し、「復縁を求めた話し合い」ために、「待ち伏せをする」「居所を探しだす」「力づくで連れ戻そうする」といった“つきまとい”行為に対しては、「配偶者暴力防止法」の他に、「ストーカー行為等の規制に関する法律(以下、ストーカー規制法)」で対応することができます。
 詳細は、カテゴリー「Ⅲ-6」の「Ⅳ-21.一時保護の決定、保護命令の発令。「身を守る」という選択」で説明しています。
 さらに、ストーカー行為そのものについては、カテゴリー「Ⅲ-2」の「Ⅰ-4-(4)ストーカーの特性」「同-(5)「SRP」のストーカー類型、ストーカーの背景や特徴・介入」で、DV加害者のストーカーリスクについては、カテゴリー「Ⅲ-6」の「Ⅳ-24-(3)妻が家をでたあと、DV加害者が送るメールやLINEに認められる特徴」、「Ⅳ-24-(7)被害者宛のメールの文面からストーカーリスクを把握する」で詳しく説明しています。
 また、被害者自身が無自覚であっても、交際のきっかけとなった出会いそのものがつきまとい行為によるケースも少なくないことから、「Ⅰ-4-(2)デートDVから結婚に至る経緯」でとり扱っている事例で詳しく説明しています。
 それだけでなく、つきまとい・ストーカー行為については、リベンジポルノという問題も含みますが、「Ⅰ-4-(1)デートDV。人生に大きな影響を及ぼすリベンジポルノとレイプ」で詳細に説明しています。
 加えて、別れを切りだしたことがきっかけとなり、凄惨な事件に発展したケースについては、カテゴリー「Ⅲ-2」の「Ⅰ-4-(3)デートDVとストーカー殺人事件」で詳しく説明しています。
 これらの記事は、カテゴリー「Ⅴ」の「「デートDV」誌上講座(「ストーカー被害の防止」を含む)」として再編・新規構成し、別途投稿しています。


・ストーカー被害の相談窓口
 警視庁(電)03・3581・4321など全国の警察
 法務局「女性の人権ホットライン」(電)0570・070・810

** DV被害支援室poco a pocoでは、DVに耐え切れず、別れを切りだして家をでたものの、復縁を求めるために、DV加害者である配偶者(元を含む。同居していた交際相手(元を含む))が、職場や学校園で待ち伏せをしたり、電話やメール(LINEなどのSNSを含む)を繰り返したりするなど執拗に接触を試みているケースで、警察や女性センターなどの機関に相談したり、あるいは、「配偶者からの暴力の防止及びに被害者の保護等にかんする法律」にもとづく“一時保護”を求めたりするとき、「被害の状況やつきまとい行為の深刻さを的確に伝える」ために、DV被害の状況を「現在に至る事実経過」としてまとめるお手伝いをしています。
 詳しくは、カテゴリー「Ⅰ-I. 活動方針、問合せ・相談方法など」の①『<DV・性暴力被害相談。メール・電話、面談>..問合せ・相談、サポートの依頼。最初に確認ください。http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-501.html
』、②『<DV・性暴力被害相談。メール・電話相談、面談>Ⅰ.夫からの暴力にもう耐えられないので、「話を聴いて欲しい」「どうしたらいいのか相談にのって欲しい」、または、「確認のための質問をしたい」という方へhttp://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-5.html』、③『<DV・性暴力被害相談。メール・電話相談、面談>Ⅱ.離婚調停で、DVのことを理解してもらえず、どうしたらいいのかわからないので、離婚調停に向けてのサポートを希望される方へhttp://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-1378.html』、④『<DV・性暴力被害相談。メール・電話相談、面談>Ⅲ.「暴力のある家庭環境で育ち、ずっと生き難さを感じていた」「心療内科(精神科)を受診しているが、心内をうまく話せない」「診療時間が短く、話したいことも話すことができず、疑問点などが解消できない」という悩みを抱えている方へ(http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-entry-12.html』にて確認いただければと思います。



Ⅶ-4.<逆DV>新聞事件簿。女性から男性への暴力、女性の心に潜む病理
** 被害を告発する“♯Me Too(私も)”運動と、被害の撲滅を訴える“Time’s Up(タイムズ・アップ)”運動が存在する欧米とは異なり、日本では両者は混同され“♯Me Too(私も)”のみが使われているものの、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で、セクシャルハラスメントや性的暴行の被害体験を告白・共有されるようになり、メディアにおいて、「逆DV」「逆セクハラ」「逆パワハラ」という用語が使われることはほぼなくなりました。
 そこで、この項目に該当する記事は、現在、『[Ⅶ-2]<DV(離婚後のストーカー行為含)>新聞事件簿。身近な女性を救おう!』、『[Ⅶ-3]<デートDV。ストーキング・リベンジポルノ>新聞事件簿。嫉妬・執着』で掲載しています。

 新聞や雑誌で「逆DV」という用語が用いられているので、分類上「逆DV」としていますが、本来、こうした用語は存在しません。
 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法。いわゆるDV防止法)」において、女性を擁護的に扱っているものの、“配偶者(法改正により、同じ家で生活を営んでいる交際相手まで対象を広げています)”と記載されている通り、「夫」「妻」の双方が対象となっているものです。
 ところが、多くのメディアでは、女性から男性への暴力を「逆DV」とか、「逆パワハラ」「逆セクハラ」といったいい方(表現方法)がされています。
 こうした表現方法こそが、本来、性差別や偏見を如実に表すものに他なりません。
 配偶間の暴力において、「夫が加害者で、妻が被害者」となる比率は、“相談レベル”では98.4%対1.6%(平成26年度)と圧倒的に女性が被害者になっています。
 しかし、平成19年の横浜市がおこなった調査では、交際経験がある人の中で「デートDVの被害にあった」と回答したのは、女性371人中144人(38.81%)で、男性は204人中56人(27.45%)、同年神戸市がおこなった調査では、「デートDVを受けたことがある」と回答した女子が38%、男子が29%で、横浜市と神戸市でおこなわれた調査ではほぼ同じ結果がでている一方で、平成26年、交際相手からの暴力被害の相談件数3,300件のうち、女性からの相談が3,233件(97.97%)、男性からの相談は67件(2.03%)と、婚姻関係における相談比率と変わらない結果になっています。
 以上のことから、配偶者間の暴力のうち25-35%は、「妻が加害者で、夫が被害者」というのが実情だと思われます。
 「本来対等な関係に、上下の関係性、支配と従属の関係性を成り立たせるために、パワー(力)を行使すること」という暴力の構造(DVの本質)としては、男女の違いはないものの、女性から男性への暴力の背景には「大切にされない」「報われない」思い、「見捨てられ不安」を起因とする“試し”の要素が、男性よりも強く表れる傾向があります。
 それに対し、男女の違いが顕著に表れるのが、子どもへの虐待について「親だから、子どもへの暴力は許される」と暴力を正当化しようとする間違った認知(価値観)が働くように、DVにおいても、「男だから女性への暴力は許される」「女性は男性の暴力に耐えなければならない」といった間違った認知(価値観)が強く働き、それを、親の世代、そして、社会がそれを容認している(後押ししている)事実です。
 この問題は、加害男性だけの問題だけでなく、社会的な背景が色濃くかかわり、世代間で受け継がれやすい価値観(認知)にもとづいているということです。
 つまり、DVという問題は、「男のくせにめそめそするな!」、「女のくせに生意気だ!」といった数世代にまたがる“ジェンダー観”抜きには考えられないのです。
 したがって、このブログでは、「被害者」を主に“女性”としているのは、「男だから女性への暴力は許される」、「女性は男性の暴力に耐えなければならない」といった間違った価値観(認知)にフォーカスすることなしに、DV問題を考えられないこと、そして、暴力を防ぐ施策を講じることができないからであって、「被害者」としての“男性”を軽視しているわけではありません。


[Ⅶ-5]<虐待>新聞事件簿。隣の家の子どもは大丈夫?子どもを助けてあげて!http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-22.html
 新聞に「子どもの頬に平手を張った父親が暴行罪で逮捕される」といった記事が載ることがあります。
 こうした記事を通じて、日常的に繰り返されている家庭内の暴力であっても、警察に被害届を提出することで、暴行罪や傷害罪として刑事事件として扱われるわけです。
 あなた(とお子さん)の身を守る、つまり、配偶者からの暴力・DVから逃れるには、状況によっては、配偶者の逮捕を辞さない、子の父親の逮捕を辞さない覚悟が必要です。
 「虐」という字は「虎」が「爪で傷つける」という意味があります。
 虐待の定義は大人が子どもに不当な権力行使をし、その結果、子どもの心身に重大な影響が生じることをいいます。
 「しつけ」との違いは、「子どもの側から見て、親との間に不適切な関わりがあり、結果、子どもの心身になんらかの障害が認められるかどうか」ということになります。
 つまり、子どもの人権を無視した大人の誤った力の行使はすべて虐待とみなされることになります。
 子どもに対して殴ったり、蹴ったりする身体的暴力がなくとも、両親の間で暴力がおこわれているなら、たとえ、子どもが暴力を見たり聞いたりすることがなくとも、暴力があった気配を感じる状況にさえあれば、子どもに対して「心理的虐待」を加えていることになるのです(児童虐待防止法)。
 この状態のことを「面前DV」といい、子どもの脳の発達に大きなダメージを与え、将来にわたり心身の健康を損なう要因となっています。
 虐待が子どもに及ぼす影響は、a)子どもの身体生命への危険に加え、b)子どもの心に深い傷を残したり、c)将来の犯罪に繋がりやすくなったり、c)次世代にも虐待をひきおこしたりする(虐待の連鎖)ことです。
 「子どもの愛し方がわからない」、「どう接したらいいのかわからない」、なぜなら、「私は親から殴られ、罵倒されて育った」と、親からされてきたことでしか接することができないなど、虐待の背景のひとつには、親から暴力を受けて育っていたことがあります。
 「親に与えられたやり方でしか、子どもに与えられない」ように、暴力で支配する親子関係は、暴力で支配する親子関係を青写真のようにゆっくりと時間をかけ、確実につくりあげてしまうのです。
 加えて、DVを受けている母親が「子どもには父親が必要だから」、「子どもが学校をでるまで」と耐え続ける生活は、子どもにDVを目撃させ続ける(心理的な虐待を与え続ける)、つまり、子どもを虐待環境で暮らすことを強いることになるのです。
 「あんな親のようになりたくない」と固く誓った被虐待児童が、成長し、親となったとき、親と同じやり方でしか子どもに接することができない悲劇が、DV・虐待問題の背景に少なからず存在しています。
* 平成29年3月7日、政府は、児童虐待対応への家庭裁判所の関与強化を柱とした児童福祉法などの改正案を閣議決定し、平成30年度の施行を予定しています。
 これにより、子どもを親から引き離して施設入所などをする前に、親子関係が改善するよう促すなど、児童相談所が保護者を指導するように家庭裁判所が勧告できるようになります。
現法では、保護者の同意なく子どもを施設などに入れる場合は、児童相談所の申立てを受けて、家庭裁判所が審判していますが、新制度では、家庭裁判所における審判の前に、児童相談所による指導を勧告できるようになります。
 勧告は、都道府県を通じておこなわれ、指導内容は、生活環境の改善や児童相談所のプログラム受講などで、期間はケースごとに定められ、勧告は保護者に通知されます。
 これらは、現法においても、指導はできるものの、児童相談所に対して保護者が反発するケースがあることから、家庭裁判所が関与することで指導の実効性を高めることを目的としています。
そして、指導を受けても改善が認められないときは、家庭裁判所が施設入所などを承認します。一方で、改善が認められ、施設入所などを却下する判断が下されたとしても、家庭裁判所がひき続き指導が必要だと判断したときには、再度勧告することができます。
また、児童相談所の判断で、虐待を受けた子どもを保護者からひき離す「一時保護」が2ヶ月を超えるときには、家庭裁判所の承認が条件とされます。
 これは、現在、都道府県の児童福祉審議会に意見を聴くことになっているものの、実態は、児童相談所の判断を追認することが多いことから、一時保護の長期化を抑制することを狙いとなっています。
さらに、保護者に子どもとの接触を禁止する都道府県知事による接近禁止命令の対象も見直されます。
 これにより、現在は「保護者の意に反した施設入所など」に限られていますが、同意にもとづく入所や一時保護中などにも拡大されることになります。


(虐待の影響、後遺症)
 虐待は、死に至らなくても深刻な影響を及ぼします。
 後遺症を子どもに残し、そして、過酷な人生を子どもに背負わせることになります。
 被虐待者の怒り、恥辱、絶望が内に向かう場合には、抑うつ、不安、自殺企図、PTSDを生じ、虐待の影響が外に向かう場合、攻撃性や衝動性が高まり、非行につながるリスクが高まります。
 虐待を受けた子どもたちは、思春期には、被害念慮(自分だけが愛されていないという考え)が強くなります。
 そして、非行(とくに性的逸脱行動)、家庭内暴力、学校不適応(学習困難)、物質使用(とくにアルコールや喫煙)という問題行動が現われます。脳神経系の「依存の神経回路」が乱れることから些細なきっかけで、激しい怒りが込みあげてきたり、パニックが生じて大暴れしたりします。
 これは、トラウマ記憶のフラッシュバックと表裏一体のもので、思春期以降にPTSDと解離症状が明確になり、青年期には、解離性障害や行為障害(成人後、反社会性人格障害)へ展開していくことになります。
 青年期以降に発症する精神疾患としては、うつ病や統合失調症(精神分裂病)、アルコールや薬物依存、PTSD、そして、解離性同一性障害(多重人格)、境界性人格障害(ボーダーライン)、自己愛性や妄想性、反社会性などの人格障害(パーソナリティ障害)などがあげられます。
 つまり、虐待は、子どもの脳の発達過程において、人格の変化をもたらすということです。
 虐待によって生じる行動面や精神面の特徴は、「発達性トラウマ症候群」として、下記のようにまとめることができます。
 行動面の特徴は、異常な警戒心、過食、排便・排尿障害、異常に素直、頑張り過ぎ、多動、過度の乱暴、虚言、詐欺的行動、性的逸脱行動などで、精神面の特徴は、さまざまな発達の遅れ、抑うつ・無表情・かん黙、学業不振(集中力の欠如)や宿題忘れや学習用具の忘れ、パニック、チック(瞬き、顔をしかめるなど)、見捨てられ体験による被害念慮などがあげられます。
 思春期を迎えるころには、不登校、家出、夜尿、拒食や過食などの摂食障害、自分で自分の体を傷つける自傷行為、万引きなどの問題行動がみられるようになります。
* 「児童虐待」については、カテゴリー「Ⅲ-2」の「Ⅰ.密接な関係。児童虐待とドメスティック・バイオレンス」の中でとりあげている事例2(厚木男児監禁遺棄致死事件).事例3(江戸川区岡本海渡くん事件).事例4(狭山市羽月ちゃん事件)、カテゴリー「Ⅲ-4」の「Ⅱ-9-(14)子どもに手をあげる背景。幼児期に抑圧された怒り」の中でとりあげている事例79-84、同「Ⅱ-9-(15)回避的な意味を持つ子どもの「非行」」の中でとりあげている事例86(大阪2児餓死事件)において、児童虐待の“本質的な問題はなにか”を把握することができます。
 また、カテゴリー「Ⅲ-2」の「Ⅰ-1.虐待の発見。DV家庭における子ども」の中でとりあげている事例5-27、カテゴリー「Ⅲ-4」の「Ⅱ-10-(5)性暴力被害と解離性障害」の中でとりあげている事例102-130において、虐待を受けた子どもたち(被虐待者)が、“どのような後遺症に苦しみ続けているか”を理解することができます。


(虐待可能性に対しての「匿名」での通報)
 虐待という問題は、他人事ではなく自分事として、「虐待が疑われる(夫婦間にDVがあるときを含む)なら通報する」ことが、子どもの命(心の命を含む)を守ることになります。
 そして、暴力・虐待が行われている事実を知った(察した)ら、警察や児童相談所に“通告する義務”があるのです(児童虐待防止法)。警察や児童相談所に通報すると、「あなたのお名前と連絡先を教えてください」と訊かれますが、「「あなたが通報したんじゃないの?」と詮索されたりしたくないので、匿名でお願いします。」と応えることで、通報に対する障壁を下げて欲しいと思います。
 次の文章は、チルドレン・ソサエティ著『虐待とドメスティックバイオレンスの中にいる子どもたちへ。ひとりじゃないよ(明石書店)』の「扉のことば」です。
この本はあなたのためにあります
もし、おとながあなたをたたくようなら、
もしおにいさんやおねえさんがあなたをたたくようなら、
もし、自分がはなすことばや、自分がすることに、いつも気をつかわなければならない、そんなおうちに、あなたが住んでいるとしたら、
おうちの人が、だれかをたたいたり、けったり、なぐったりする、そんなおうちに、あなたが住んでいるとしたら、
もし、おとうさんか、おかあさんの恋人が、おかあさんをたたいて、おかあさんが、しょっちゅうけがをしたり、青あざがあったり、骨折したりするようなら、
もし、おとうさんが、おかあさんに暴力をふるって、あなたたちが、おうちに安心して住めないようなら、
この本はあなたのためにあります!
もし、友だちにこのようなことで困っている子がいたら、
この本はその友だちのためにあります!
 私たちのコミュニティにおいて、「いま、暴力のある家庭環境で暮らす子どもたち」に対して、“このようなことば”でなげかける機会が早く訪れて欲しいと思います。
 子どもの心身の健全な成長を守るには、暴力のある家庭環境から子どもを離すことしかないのです。
 そして、重要なことは、暴力のある関係から離れた(関係を断ち切った)母親と子どもに対して、福祉・医療など連携したサポートです。
* 子どもたちを日々接している学校園の教職員が、児童虐待・面前DVが子どもに与える影響や、子どもが発している『SOS』のサイン等について基本的な知識があれば、早い段階で発見することができ、関係機関への介入、そして、支援につなげられる可能性が高くなります。
 詳細は、カテゴリー「Ⅲ-5」「Ⅲ.学校の現場で、児童虐待・面前DVとどうかかわるか」で説明しています。


※ 匿名での通報⇒<リンク>児童虐待防止対策(厚生労働省)→悩んだらここに相談(児童相談書一覧と全国共通ダイヤル(0570-064-000))→全国の児童相談書一覧

※ 平成27年6月30日、虐待通報は『189(いちはやく)』と3桁なりました。


[Ⅶ-6]<性暴力(監禁含)>新聞事件簿。魂の殺人、自尊感情を奪う卑劣な行為http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-54.html
[Ⅶ-7]<性的逸脱>新聞事件簿。パラフィリア。抑圧、稚拙で抑制不能な性衝動http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-84.html
[Ⅶ-8]<性的搾取・ネットに潜む闇>子どもたちがはまり、大人がつけ込むhttp://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-62.html
[Ⅶ-9]<ハラスメント・体罰(暴行・傷害)>新聞事件簿。優越感充足、構造的暴力http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-107.html
 最初に、「痴漢」という性犯罪は“迷惑防止条例違反”と罰せられる軽犯罪に該当していますが、容易に大声をあげたり、逃げたりし難い多くの人が利用している(多くの人が側にいる)場所、つまり、逃げ場のない環境下(監禁状態)で、本人の合意のない性行為を強いられるレイプに他ならない卑劣な行為です。
 痴漢に限らず、性暴力、性的虐待、セクシャルハラスメントがおこなわれる状況は、「相互の関係性に、本来対等であるという“概念”が欠落している」ということを理解することが重要です。
 つまり、上下の関係性、支配と従属の関係性のもとでおこなわれる卑劣な行為です。
 そして、夫婦間におけるセックスの問題は、いろいろな心のあり方が組み紐のように複雑に絡み、他人に話し難いデリケートな問題です。
 しかし、思春期(10-15歳)以降のデートDV被害、そして、婚姻後のDV被害として、「断ったら嫌われる。別れたくない」との“見捨てられ不安”を起因とする思考パターンを持ち込み、「嫌でも応じるのがあたり前」と思い込んでいるときには、性暴力が絡んでいる可能性が高くなります。
 例えば、「コンドームをつけると、気持ちくないから」と自分勝手な考えで避妊に応じないとき、このふるまいは、「望まないセックスを強いる行為」としての性暴力に該当するわけです。
 「避妊に応じない行為」は、望まない妊娠が複数回になる可能性が高まり、その都度、人工妊娠中絶をすることになれば、身体にかかる負担は大きくなります。
 また、交際相手や配偶者が、風俗で遊んだり、不特定多数の人と性的接触をしたりしているときには、性感染症に罹患するリスクも高まります。
 そこで、重要なことは、「コンドームを装着することを嫌がる」ことは、「俺がそうしたいのだから、従うのがあたり前」といった“自己中心的(自分勝手)”な考え方をする人物であることを認識することです。

(リベンジポルノとストーカー被害の関係)
 裸の写真を撮ったり、セックスの様子を動画に撮ったりすることを嫌がると、不機嫌になったり、怒ったりするので、仕方なく(嫌でも)応じなければならない状況にあるときには、その状況そのものがDV環境にあると認識する必要があります。
 それだけでなく、裸の写真やセックス動画は、知らない間に愛好者向けのネットに投稿されていたり、別れ話がでたときに脅されたりすることになるなど、リベンジポルノ被害のリスクを抱えることになります。
 リベンジポルノは、デジタルタトーともいわれ、一度、ネットに投稿されると削除する(消し去る)ことは不可能とされています。

(レイプ被害の実態)*
 女性は8人に1人、男性も15人に1人が性暴力の被害にあっているとされていますが、レイプなど性暴力の85%以上は、顔見知り(よく知っている人)の犯行です。
 父母・祖父母・叔父叔母・従兄弟(11.9%)、配偶者・元配偶者(9.9%)、そして、友人や知人(先輩・同級生・仲間・クラブやサークル指導者・教職員・同僚・上司・取引先に関係者:67.1%)によるもので、合せると88.9%になります。
 しかしこの数字は、本人が性暴力を受けたと自覚している人たちの数値でしかありません。
 暴力のある家庭環境で暮らし、AC(アダルト・チルデレン)を抱える被虐待者やDV被害者となった方々へのカウンセリングでは、近親者による性暴力被害、配偶者による性暴力被害は、自覚されていないことが少なくないのです。
 話を伺いはじめた当初、「私は、性暴力(性的虐待)を受けていない。」と応えていた方の多くが、カウンセリングを進めるうちに蓋を閉じていた記憶の扉が開き、「そういえば、お父さんとお風呂に入ると小股がヒリヒリするから嫌だった。」、「お父さんの大きくなったおちんちんを握らされ、誰にも話してはいけないと口止めされていた。」などと話しはじめることが少なくないのです。
 また、夫婦間においても、望まないセックスを強いられることが性暴力と認識できていることが少なくわけです。
 その結果、「~しなければ、~するぞ!」とか、「~に応じなければ、~してやる!」といった“脅しのことば”を伴うセックスの強要(レイプ)であっても、「嫌でも、夫婦だから応じなければならない」と思い込んでいる女性は相当数にのぼります。
 夫婦関係はそういうものと耐え続けている人たちに、疑問さえ感じない無自覚な人たちを含めると、実態はもっと多いことになります。
 性暴力の真実は、「身近な家庭の中にある」のです。
 そして、性暴力被害の多くは、家庭内で逃れることもできずに繰り返されているのです。
* 平成29年3月7日、政府は、「性犯罪の厳罰化をはかる刑法改正案を閣議決定しました。
 これにより、「強姦罪」「強制わいせつ罪」の法定刑が、以下のように強化されました。
 被害者の告訴がないと起訴できない「親告罪」の規定がとり除かれ、改正案は付則で、改正法施行前の時効が成立していない事件についても、告訴なしに原則立件可能と定めています。
 そして、強姦罪は「強制性交等罪」と改められ、被害者を女性に限らず、強制わいせつ罪に含めていた一部の性交類似行為と一本化されました。
強姦は被害、加害両者の性別に関係なく処罰可能となり、法定刑の下限を懲役3年から5年、致死傷罪の場合も5年から6年にそれぞれひきあげられ、強盗や殺人と同等となります。
 懲役6月以上10年以下の強制わいせつ罪の一部もこれに含められ、刑罰は強化されます。
 準強姦罪も準強制性交等罪に改められ、懲役4年以上とされている集団強姦罪の規定は削除されます。
また、強盗を伴う場合の刑罰が統一されます。
 現行法では、強盗が先だと「強盗強姦罪」として「無期または7年以上」が科される一方、強姦が先なら強姦と強盗の併合罪で「5年以上30年以下」でしたが、改正案では、新たに「強盗・強制性交等罪」を設け、犯行の前後にかかわらず「無期または7年以上」となります。
さらに、家庭内の性的虐待も厳罰化され、親が監護者としての影響力により18歳未満の子と性行為をした場合について、新たに「監護者性交等罪」「監護者わいせつ罪」が設けられ、暴行や脅迫、被害者の告訴がなくても処罰対象とされることになりました。


(「夫婦間レイプ」について)
 望まない肛門への性器挿入、口腔への性器や性具等の挿入等の行為は、被害女性にとっては暴力であり、加害者がいうところの単なる性癖ではありません。
 顔や口腔に射精された被害女性が、食事や水分が摂取できなくなったり、自分の顔やからだへの幻臭に苦しんだりすることがあるなど、被害女性にとって、性交類似行為は深刻なトラウマになりうるのです。
 そして、この性交類似行為は、強姦罪で処罰される男性器の女性器への挿入以外の性的行為として、「強制わいせつ罪」で処罰されることになります。
 夫婦間における強姦(セックスを強いる行為)や望まない性交類似行為は、被害者の心身に与えるダメージは深く、長く苦しむことになるにもかかわらず、警察に「夫からの強姦被害」を訴え、仮に、夫が逮捕されたとしても、「暴行罪」で起訴されるに留まったりします。
 配偶者からの暴力事案の検挙状況(平成25年度)のうち、強姦による検挙はわずか2件に過ぎず、強姦への警察対応はできていないのが現状です。
 この警察の対応は、「望まない性行為を強いる」ことが、「配偶者暴力防止法」の定める「性暴力にあたる」と啓蒙していることに反しています。
 強姦(レイプ)の手段として、暴行または脅迫の存在が必要であるとされています。
 判例によれば、強姦罪の暴行・脅迫については「相手の反抗を著しく困難にする程度のものであれば足りる」として、「強盗罪の場合のような、相手の反抗を不能にする程度までの暴行・脅迫でなくともよい。」としています(最判昭24年5月10日刑集3巻6号711頁)。
 現在の判例・解釈の主流は、この判決を基本にしています。
 つまり、夫婦であっても、嫌がる妻に「大声をだすな! 子どもが起きてもいいのか?!(~したら、~だぞ(してやる))」と“ことば”で脅し(威嚇し)、セックスを強要するのは、レイプ(強姦)になりうるということです。
 加えて、昭和62年6月18日、広島高等裁判所松江支部は「夫婦間での強姦罪の成立を認める」判決を下しています。
 この裁判は、婚姻関係が破綻しているのに暴力をふるって妻と性交渉をもとうとする夫に対する婦女暴行罪が成立するかどうかが争われ、それまでの「夫は妻に性交渉を要求する権利があるから、夫の婦女暴行は成立しない」という通説を覆すはじめて司法判断がおこなわれ、「婚姻関係が破綻している場合、夫婦間でも婦女暴行は成立する」と有罪判決(懲役2年10月)を下しました。
 広島高等裁判所松江支部の控訴審では、「法律上は夫婦であっても、婚姻が破綻して名ばかりの夫婦に過ぎない場合に、夫が暴行または脅迫をもって妻を姦淫したときは、強姦罪が成立する」と控訴を棄却しました(昭和62年6月18日)。
 一方で、強姦罪は親告罪(控訴時効は撤廃されています)であることから、起訴することは稀です。
 控訴時効は、暴行罪3年、傷害罪10年(以上、刑事事件)で、不法行為にもとづく慰謝料請求は、犯罪があったときから20年(民事)、犯人を知ったときから3年です。
 そのため、子どもが親から性的虐待を受け、心身の健康を損なったとして、のちに親を訴えたいと思ったときに公訴時効の壁がたちふさがります。
 しかし、平成26年9月25日、「控訴時効20年以上経過後に、幼児期に性的虐待を受けた被害女性が、加害者のおじを提訴し、「30年前の性的虐待の損害を認定」し、加害者に対して治療費(性的虐待行為により被った過去及び将来10年間の治療関連費)919万余円、慰謝料2,000万円他の支払いを命じるという画期的な判決を最高裁判所が下しています。
 そして、平成28年9月、強姦罪の法定刑の引き上げる、性的虐待などを罰する罪も新たに設ける、「強姦」の定義を拡大し、性の区別なく処罰の対象とするなど、性犯罪の厳罰化に向けた答申がおこなわれるなど、刑法改正に向けて動いています。
* どのような行為が、DVとしての「性(的)暴力」に該当するのかについては、カテゴリー「Ⅲ-2」の「Ⅰ-3-(3)DVとは、どのような暴力をいうのか」で詳しく説明しています。
 また、望まない性暴力を強要されるなど「夫婦間レイプ」については、カテゴリー「Ⅲ-4」の「Ⅱ-11-(8)パラフィリア(性的倒錯)の夫による性暴力」、同「Ⅱ-11-(9)性的サディズム、露出性愛者の夫による性暴力」で詳しく説明しています。


(性犯罪の動機は、性欲よりも支配感に浸り自尊心を満たすこと)
 痴漢や盗撮、露出、小児性愛、そして、盗んだ下着などを収集するフェテシズム、自身の体液をかけたりするなど、パラフィリア*を有する人たちの異常と思われる性的嗜好は、単に異常だというだけでは、パラフィリアとはみなされることなく、「この刺激なしには勃起やオルガスムがおこらない」など、「その興奮パターンが性的機能になくてはならないもの」になり、「不適切な相手(小児や合意の成立していない成人など)を巻き込み、顕著な苦痛や社会的、職業的、その他重要な機能領域に支障をもたらす」とき、そのパターンは病的(性嗜好障害)とみなされることになります。
 こう記すと、上記のような行為は、性欲を満たすための行為に過ぎないと思えますが、「ある特定の刺激を求める行為」にフォーカスすると、「自分に危害を加えないであろう者を支配している快感に浸る行為」、つまり、「自尊心を回復するための承認欲求を満たす行為」であると捉えることができます。
 そして、承認欲求を満たす行為は、“快感中枢”を刺激することから、中毒性がある行為、つまり、繰り返しその刺激を求めることになるわけです。
 人が「自尊心を回復するための承認欲求を満たしたい」との衝動がおきるときは、家庭や学校、職場といったコミュニティの中で、自尊心が満たされていないときです。
 つまり、親や教師、同級生(上級生や下級生を含む)、上司や同僚から禁止や否定のことばで侮蔑されたり(バカにされたり)、卑下されたり(見下されたり)、無視されたりして、「自分の居場所はどこにもない」と孤独感にみまわれたり、不当な扱いを受けるなど「自分は報われない」と不満感を募らせたりしているとき、つまり、強いストレス(危機)を感じる環境にあり、「自分は、この環境から逃れる(脱する)ことができない」と無力感に苛まれているときです。
 無力感が絶望感にまで発展してしまうと自殺に至るリスクが高まることから、人は、その前に、“承認欲求(自分の存在を確認する)”を強く求めてバランスをとろうとします。
 その結果、少しでも優越感を得られる行為に及ぼうとします。
 優越感を得られる行為とは、征服・支配欲を満たす行為ということです。
特に、乳幼児期に、親に守られて安全で、安心感にあふれた心地よさ(快感)という承認欲求が満たされず、渇望感を抱えている人たち、つまり、暴力のある家庭環境で育ち、アタッチメントを損なっている人は、ちょっとした抑圧(ストレス、危機)、報われない感に対し、自己のコントロールできず、衝動的に人を貶めたり、罵ったり、嫌がらせをしたり、困らせたり、辱めたり、騙したり、奪ったりして優越感に浸ろう(征服・支配欲を満たそう)としやすい傾向があります。
 加えて、そうした行為に及んだとき、「このくらいでいい」「このくらいで止めておこう」といった“程度(ころ合い、いい加減)”という感覚を獲得していないことから、その行為をエスカレートさせていくという特徴があります。
したがって、「“承認欲求”を満たし、心の安定をはかろう」という意味では、痴漢したり、盗撮したり、体液をかけたり、レイプしたりする性暴力と、万引き、いじめ、差別(ママカーストなど含む)、ネット内での誹謗中傷などの行為も同じです。
 違うのは、快感を伴う優越感を“なに”で得ようとするかの「対象(者、物、行為)」です。
 そして、快感を伴う優越感を性暴力で満たそうとするパラフィリア(性的倒錯・性嗜好障害)たちは、再発性の(常習的で)強い性的興奮をもたらす空想、強い衝動、または行動で、苦痛や障害を伴い、無生物、小児、その他合意の成立していない成人を巻き込み、または自分自身や相手に苦痛や屈辱をもたらすわけですが、重要なことは、「性的興奮のパターンは思春期前の幼児期・学童期、つまり、10歳前に発達し、いったん確立されると、その多くは一生続く」ということです。
* 「パラフィリア(性的倒錯・性嗜好障害)」については、カテゴリー「Ⅲ-4」の「Ⅰ-11.パラフィリア(性的倒錯・性嗜好障害)」で詳しく説明しています。

** 頭で嫌だと強く拒否する意志を持っていても、人は触れられたら反応します。
 なぜなら、脳の解釈と、皮膚が「痛い」「痒い」「くすぐったい」「心地よい」と反応することはまったく別の問題だからです。
 レイプ犯が「嫌だと叫んでいたが感じて濡れていたじゃないか! 合意のセックスだ!」と自分だけに都合のいい解釈でもって自己のおこないを正当化しようとします(いわゆるレイプ神話)が、その発言は、自分勝手ないいぐさでしかありません。
 一方の被害者もまた、嫌なのに感じてしまった“わたし”は穢れていると自分の“からだ”を呪い、責め続けることが少なくありません。
 こうした“穢れ感”を呪うようになると、自らの下腹部を刺したりして傷つける行為をしてしまう性暴力被害者もでてきます。
 性暴力被害は自尊心を損ない、自己肯定感が奪われることによって、アイデンティティが崩壊しまうほどのダメージを受けます。その結果、自らの命を傷め、自死という形で呪われた“からだ(わたし)”を消し去ろうとしてしまうことがあります。
 したがって、“穢れ感”、そして、恐怖のあまり「嫌だ!」「やめて!」と口にだせなかったことなどを含めて、性暴力被害者を専門にサポートする援助者の助けを受け、暴力で傷ついた心のケアにとり組むことが重要です。
 とはいっても、人は暴力ふるう(ふるわれる)という強い刺激を脳は忘れないため、時々、周期的に強い刺激を脳が求めることがあります。
 セックスでの快感も、激痛も麻薬と同じ強烈な刺激として、脳幹など古代脳と呼ばれる部位が覚えています。
 ひどいアブノーマルな性的倒錯(パラフィリア)の世界に封じ込まれた被害者が、その関係性は断ち切ることができたけれども、脳が覚えている強烈な刺激を求め続け、麻薬中毒者と同じように、さらなる性暴力被害を受けてしまうことがあります。
 そして、脳が刺激を求める“わたし”を呪い続け、アルコールや薬物に深く依存するなど2次3次被害に発展させてしまったりします。
 こうした状況にあっても、専門の第三者のサポートを受け、“わたし”を認めてあげ、肯定してあげることがなによりも必要なのです。
 そこで、性暴力被害に関して支援するための訓練を積んだ医療者、警察、検察、相談員、援助者などの多職種の専門家による連携体制(SART、日本では「ワンストップ支援センター」)が普及することによって、夫婦間における強姦事件も正当に扱われるようになることが重要です。
 「警察」では、a)産婦人科の医療費を公費で支出する制度を受けることができますし、b)精神的被害を受けたとき臨床心理士から無料でカウンセリングを受けることができます。
 また、「被害者支援センター」等のサポートも利用できるということを多くの人に知っていただきたいと思います。

 性暴力被害を受けた被害者は、誰にも話せず、つらい思いをひとりで抱え苦しんでいます。
 そして、自身や家族、友人や知人が性暴力被害にあってしまったとき、いつまでに、誰に相談したらいいのかについて学ぶ必要があります。

・全国共通の短縮ダイヤル「♯8103」
各都道府県警に設置されている被害相談の電話番号です。

<性暴力被害ワンストップセンター>
 女性がレイプ被害にあったときには、望まない妊娠を避けるために、まず、「72時間以内(3日以内)」に「(72時間)ピル」の服用することが重要です。
 そこで、下記のような「性暴力被害ワンストップセンター*」に連絡をし、いまなにをしたらいいのかを相談して欲しいと思います。
* 日本における「性暴力被害ワンストップセンター」の活動については、カテゴリー「Ⅲ-8」の「Ⅴ-30.性暴力被害者支援の連携体制-SART(性暴力被害支援チーム)-」で詳しく説明しています。
・SACHICO(サチコ)(性暴力救援センター・大阪) 072-330-0799
・SARC(サーク)とうきょう(性暴力救援センター・東京)03-5607-0799
 *「女性専用」の性暴力被害ワンストップセンターで、24時間、研修をつんだ相談員が電話対応している。また、被害直後に必要な医療や法律のサポートを受けられるかどうかは確認してください。
・レイプクライシスセンターTSUBOMI(ツボミ) 03-5577-4042(月曜-金曜 午後2時-午後5時)
 *10代専門の性に関する相談窓口
・サチッコ 06-6632-0699 (水曜~日曜 午後2時~午後8時)
・性暴力被害者支援センター北海道 SACRACH(さくらこ)  http://sacrach.jp/
・SACRAふくしま  http://www.vsc-fukushima.net/sacra
・レイプクライシスセンターTSUBOMI(東京)  http://crisis-center-tsubomi.com/support.html
・ハートフルステーション・あいち  http://www.pref.aichi.jp/police/soudan/heartful/
・性暴力救済センター・ふくい(ひなぎく)  http://www.fukui-saiseikai.com/image/top/hinagiku.pdf
・性暴力被害者総合ケア ワンストップびわ湖(SATOCO)(滋賀)  http://satoco3105biwako.jimdo.com/
・性暴力救援センター和歌山 わかやまmine  http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/031501/mine/index.html
・性暴力被害者支援センター・ひょうご  http://1kobe.jimdo.com/
・しまね性暴力被害者支援センター(さひめ) http://sahime.onnanokonotameno-er.com/
・性暴力被害者支援センター・ふくおか  http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/seibouryokuhigaisha-shien.html
・性暴力救援センター・さが さがmirai  http://www.avance.or.jp/mirai.html
・強姦救援センター沖縄(REIKO)  098-890-6110(水:19:00-22:00 土:15:00-18:00
・社団法人被害者サポートセンターおかやま(VSCO)  http://vsco.info/seihigai1301.html
<性犯罪被害者への支援における協力病院>
・神奈川  http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/715418.pdf
・福島  http://www.vsc-fukushima.net/sacra
<性的搾取被害者の救済>
・特定非営利活動法人 人身取引被害者サポートセンター「ライトハウス」 0120-879-871(月-金 10:00-19:00) soudan@lhj.jp

<予期せぬ妊娠などで困ったときの相談先>
・「全国妊娠SOSネットワーク」で検索→各地の窓口にリンク
サイト http://zenninnet-sos.org/
・BOND(ボンド)プロジェクト
サイト http://bondproject.jp/

** DV被害支援室poco a pocoでは、性暴力被害を警察に告訴する(「被害届」の提出は捜査の強制力はなく、「受理=捜査」とするためには「告訴状」を提出する必要があります)ために、所轄の警察署、あるいは地方検察庁、弁護士に対し、「性暴力がどのようなもので、どのような状況でおこなわれたのか(性暴力の立証)」、「その性暴力がいかに深刻なもので、どのような後遺症(PTSDなど)を発症しているか(精神的苦痛)」を正確に伝えるために、性暴力被害の状況を「現在に至る事実経過」としてまとめるお手伝いをしています。
 サポートの手順は、「婚姻破綻の原因はDVにある」とする離婚調停において、DV被害(性暴力を含む)を立証するプロセスとほぼ同じであることから、詳しくは、カテゴリー「Ⅰ-I. 活動方針、問合せ・相談方法など」の「<メール・電話相談、面談>Ⅰ.夫からの暴力にもう耐えられないので、「話を聴いて欲しい」「どうしたらいいのか相談にのって欲しい」、または、「確認のための質問をしたい」という方へ」、「<メール・電話相談、面談>Ⅱ.離婚調停で、DVのことを理解してもらえず、どうしたらいいのかわからないので、離婚調停に向けてのサポートを希望される方へ」にて確認いただければと思います。


(児童ポルノ)
 日本は、「性的搾取(性の商業的利用)」について繰り返し国連から改善を求められています。
 そして、「人身取引」「密入国」「銃器」の三議定書からなる国境を越えた組織的犯罪に対する「パレルモ条約」が、2000年(平成12年)11月15日、国際連合総会において提起されました。
 パレルモ条約の「人身取引に関する議定書」には、女性と児童の人身取引を防止・抑制し、罰する規定には明記され、2015年(平成27年)4月現在、147ヶ国が著名し、185ヶ国が締結しています。
 しかし、日本は、平成15年5月14日の国会において、「人身取引」「密入国」の2つの議定書について承認した(「銃器」は非承認)ものの、批准していません。
 そのパレルモ条約を批准していない日本では、多くの人たちが「風俗を利用した」「風俗に行ってきた」ということばを使用し、「女性を買った」「未成年者を買った」と“性”を売買する、つまり、“性”を商品(物)として売買することばを使用しません。
 このことが、“性を売買”した者の後ろめたさや罪悪感を薄め、“性”を商品(物)として売買すること、つまり、「性的搾取(性の商業的利用)」という問題認識を曖昧にしたり、目を逸らしたりする重要な役割を担っています。
 性を売買している、性を商品としている認識のない日本は、平成8年(1996年)にストックホルムで開催された「第1回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議」において、日本人によるアジアでの児童買春やヨーロッパ諸国で流通している児童ポルノの8割が日本製と指摘され、厳しい批判にさらされることになりました。
 日本において援助交際(買春)が社会問題化していたことから、平成11年11月1日、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童ポルノ禁止法)」が施行しました。
 平成18年、「単純所持規制」と「創作物規制」の検討を盛り込んだ与党改正案が提出され、平成21年、「児童ポルノの定義の変更」および「取得罪」を盛り込んだ民主党案が提出されましたが、いずれも衆議院解散に伴い廃案となり、5年後の平成26年6月、「単純所持禁止」を盛り込んだ改正案が衆議院で可決成立し、平成27年7月15日から適用されています。
 「児童ポルノの8割が日本製」と指摘され、厳しい批判にさらされてから、ここに至るまで、実に19年の月日を要しました。
 しかし、「児童ポルノにしか見えない商品」が普通に陳列され、大量に売られている日本の児童ポルノに対しての感覚は、グローバルスタンダードとはかけ離れています。
 ジュニアアイドルの握手会などが頻繁におこなわれている東京の秋葉原では、毎週のように、小学校低学年の女児の撮影会やサイン会や、女子中学生の水着姿の撮影会がおこなわれています。
 しかし、一般の人たちの多くは、この様子を、「女児に対して、大人の性的欲望を満たすための性的搾取に他ならない」と問題視することはほとんどありません。
 ここには、「親自身が子どもを商品として、性的搾取している」、つまり、性的虐待をおこなっているという重大な問題が潜んでいます。
 にもかかわらず、懸命に大人の要求に応えている女児に対して、「頑張っている」とか、「かわいい」という印象のもとで、素通りしたり、応援したりしています。
 明らかに“ポルノ”として消費(性的搾取)され、その背景には、性的虐待が絡んでいるのにもかかわらず、多くの大人が“アイドル作品”であるかのように認識しているのです。
 日本社会、国民1人ひとりが、「性的搾取(性の商業的利用)」という問題に寛容であることは、「性的虐待」、「性暴力」に対しても寛容にしてしまいます。
 寛容であることは、真実を見誤るなど、事実認識を歪めてしまうことになります。
* 性暴力としての「児童ポルノ」の問題は、カテゴリー「Ⅲ-4」の「Ⅱ-11-(6)小児性愛(ペドファリア)」で、詳しく説明しています。

※性虐待に苦しむ子どもたちに呼びかけるアニメーションを、児童虐待防止対策に関わる若手研究者のグループ(医学や公衆衛生を研究する27-31歳の5人でつくるグループ「子ども虐待対応たん」)がつくり、YouTubeで公開しています。
 YouTube動画は、『性暴力を受けている子どもたちへ』で検索すると見ることができます。
 この動画の中で、『性的な場面を見せられること、体を触られること、写真を撮られることなどに「ひとりで悩んでいないかな……?」とテロップで問いかけ、「自分じゃないみたい」と思うなど不安になったら「SOS」のサインだとして、病院や児童相談所、学校などに相談するよう勧めています』が、こうした動画や本などを見て、相談してきたり、助けを求めてきた子どもたちを、病院や児童相談所、そして、小学校や中学校などがきちんと受け止めることがなかったり、適切な対応がとられなかったりして、大人に失望し、被害をより深刻なものにしてしまわないことがあってはならないことです。
 私たちは、コミュニティにかかわる大人として、子どもたちが相談してきたり、助けを求めてきたりしたときに適切な対応をとることができるような体制の整備、そして、正しい知識の修得に努めて欲しいと切に願っています。

※以上、「Ⅶ2-9」のカテゴリーすべては、なんらかの“性暴力”とかかわるものです。「性暴力(性的虐待、性搾取を含む)」は、特別な状況下ではなく、先に記している通り、家庭や学校、習いごと、そして、職場など身近な相手が加害者になっていることが多く、決して滅多におこらないものではなく、身近な問題です。
 身近な卑劣な問題であるからこそ、他人ごととして目を背けたり、臭い物に蓋をしたりするかのように触れないようにしてしまうのではなく、自分ごととして捉えることが重要なのです。
 性暴力被害者の方たちは、加害者だけでなく異性そのものへの恐怖感によって、社会・コミュニティとのかかわりを避け続け、心が闇の中をさ迷い続けてしまうことが少なくありません。
 自己性だけでなく、存在そのものを否定し、強い“穢れ感”に自暴自棄になり、さらなる性暴力被害を受けたり、自ら傷めつけ、身を亡ぼすかのように性搾取の世界に飛び込んでいったり、薬物に手をだしてしまったり、自分を大切にしたり、自分を守ることを捨て去ってしまう悲劇さえ招いています。
 そして、これらの2次、3次被害ともいえる悲劇は、家族や友人、知人、そして、私たちの社会・コミュニティそのものが、被害者の方を色眼鏡で見たり、偏見を持って接したりすることが招いている(一因になっている)ことを知らなければなりません。
 自分の味方(従う者)か、自分の的(排除する者)か、を見定めるためにカマをかけて落ちた者(選ばれた者)に対し、その関係性を維持するために駆使するDV、児童虐待、いじめ、パワーハラスメントは、支配欲・征服欲を強烈に刺激する“性(セックス)”と密接にかかわるものです。
 そのため、無自覚であっても、その多くは、性暴力被害(ことばによる誹謗中傷を含む)を受けていることが少なくありません。
 無自覚なのは、「交際相手との間や夫婦間では嫌でもセックスには応じなければならない」と間違った認識をしていたり、性(セックス)そのものの認識や考え方、そして、根本となる性知識が間違っていたり、性暴力との認識が欠如していたりしていることが背景にあります。
 そのため、“性暴力”がなぜ起きるのか、そして、どう防ぐのかといった正しい知識をえることが重要なのです。


[Ⅶ-10]<トラウマ・心の傷、発達障害など含>新聞事件簿。当事者の苦しみhttp://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-48.html
 職場では、成果をあげることができる人たちと、成果を損なうようにしかふるまうことができない人たちがいます。
 その違いはなんなのかを「行動科学」による人の行動原理に則って分析し、さらに、分析結果として得られた成果をあげることができる人たちの行動特性を組織の基本行動につくりあげていくのが、私がおこなってきたコンサルティングでした。
 その基本行動を理解してもらい、行動に移せるように教育・指導していくのがコンサルテーションです。
 ところが、こうした組織活動に馴染めない人たちが少なくなかったのです。
 組織活動とは、同僚や上司、そして、取引先とのかかわりで成り立つものですが、その組織活動に馴染めない人たちは、他人との関係をうまく育むことができないのです。
 他人との関係をうまく育むことができない人たちは、以前は、「空気をよめない」、「人の話を聞かない」、「気が利かない」、そう3Kの困った人たちと指摘されてきました。
 最近では、「叱ったら直ぐに凹んでしまい、打たれ弱くて困る」とか、「職場には出勤できないが、好きなことをするときには外出できる。本当にうつ病なのか?(仮面うつ病(非定型うつ病))」と指摘されています。
 実は、これまで指摘されずに大人になり、社会人となったADHD(注意欠陥多動性障害)などの発達障害を抱える人たちです。
 診断を受けていないけれども発達障害を抱えているとされている人は、実に大人の30%以上にのぼるという指摘もあります。
 「ADHDなどの発達障害を抱える人の40%以上は、親(養育者)とのアタッチメント(愛着形成)の獲得が損なわれたり、乳幼児期のトラウマ(心的外傷)体験をしたりしてきた人たちである」という報告がされています。
 そして、重要なことは、今日でも、愛着障害と発達障害の診断の見極めは難しいということです。
 つまり、他人との関係をうまく育むことができない人たちの問題は、生育期のアタッチメント獲得に問題を抱え、「自己と他の境界線があいまいなまま成長している」ことから、「自分と他人との適度な距離感がわからない」ことが原因となっているのです。
 自分と他人との適度な距離感がわからない人たちの特徴は、母子分離前の0歳-2歳ころの乳幼児のように、いつも一緒べったりとかかわるか、人と一定の距離を置き、できるだけかかわらないようにするかです。
 ここに共通しているキーワードは、「不安」という感情です。
 前者は他人の意志や気持ちは関係なく、自分が不安だから離れずべったりとくっつき、後者は他人の気持ちがわからず、自分がどう思われているか不安になり、一定の距離を置いたり、時には、人とのかかわりそのものを避けたりします。
 後者の「不安」は、「他人の真意を知ることで、自分が傷つくことを避ける」といった回避行動となって表れ、「解決の道標が見つけることができない」という“葛藤”を伴うことから「生き難い」「苦しい」という新たな感情を生みだします。
 暴力のある家庭環境に暮らす子どもは、父親が母親に対して暴力をふるうのを見聞きし続けたとき、父親をひどい父親だと憎み、嫌悪するかもしれません。
 逆に、暴力を受け続ける母親を見て、情けない、非力な母親だと軽蔑したり、かわいそうな母親だと同情を募らせたりする場合もあります。
 また一方で、そういう父親の姿を見て、要求や欲望は暴力で解決すればいいのだと学習したり、母親(女)は暴力でいうことをきかせればいいと思ったりして、女性蔑視の考えをすり込んでいきます。
 子どもは、父親が母親を大声で怒鳴りつけ、罵倒し続けるのを見聞きすることで、親(大人)を信頼できず、失望感を高めてしまったり、感情的な安定感が損なわれていったりしていくことになります。
 親の庇護のもとでしか生きていくことができない乳幼児にとって、父親が母親に対して「いうことがきけないなら、でていけ!」と怒鳴りつけることは、“死”を意味する危機(恐怖)です。
 なぜなら、乳幼児は「自己」と「他」の境界線が曖昧である(母子分離ができていない)ことから、父親から母親が暴力を受けているのを、自身が暴力を受けていると受けとってしまうからです。
 つまり、乳幼児にとって、母親が、父親に「でていけ!」と怒鳴られたら、それは自分がいわれたことになるのです。
 そのため、乳幼児は、いつ父親に見捨てられるかという恐怖心を心の中に刻み込んでしまうことになります。
 また、幼い子どもが口にしたことばやふるまいをきっかけに、父親が母親に暴力をふるいはじめたときには、幼い子どもは自分のせい、自分が悪いと自分を責め、自己肯定感が損なわれ、自己否定を積み重ねていきます。
 こうした暴力のある家庭は、子どもが安心して過ごせる場、穏やかに生活できる場から縁遠いものです。
 話したいことを受け止めてもらえたりする場も少なく、自分の気持ちを素直に表現することができなくなります。
 なにかのきっかけで暴力がおきないように、おどおどした日々や緊張した生活を強いられます。
 いつも父親や母親の顔色を伺い続けるうちに、伸び伸びした屈託ない明るさを持った無邪気な子どもの時代を生きることができなくなります。
 日々の生活は、親を喜ばせ、親の仲介役や世話役に勤しむことになります。
 つまり、「親にとって都合のいい従順ないい子である」ことが求められ、親に受け入れられる、認められるために一生懸命努力を重ねるうちに、自分の気持ちを素直に表現することができなくなるのです。
 友達同士でおしゃべりしていても、自分の家のこと、両親のことを口にしないように、暗黙裡に自己規制をしたり、心理的防衛をしたりするようになります。
 家族のことや両親のことは外で口にしてはいけない秘密のこととして、自分の心の奥にしまい込み(蓋をして)、孤立感や疎外感を味わっていることも少なくありません。
 最後に、作者不詳(スウェーデン人)の詩を紹介したいと思います。
私たちは全員が 愛されることを望んでいる
さもなければ、賞賛されることを
さもなければ、恐れられることを
さもなければ、憎まれることを
さもなければ、軽蔑されることを望んでいる。
私たちは、他者のように どんな感情であれ 掻き立てたいと思う
私たちにとって 他者の反応がないことが最も恐ろしい
だから、打ち震える魂は どんなことをしても 他者とコンタクトを取ろうとする。
 この詩は、人は、承認欲求を満たすためには、受容されるだけでなく、拒絶されても反応があることを望むという人の本質を的確に示しています。
 つまり、家族、教室、職場、知識というコミュニティとのかかわりで生きる人にとって、「無視されるという行為を怖れる」のです。
 なぜなら、コミュニティに無視されるという状態は、コミュニティから排除される状態になり、それは、人類にとって「死」を意味する危機だからです。
 この死を意味する危機的な状態は、強烈な恐怖心を及ぼすことになります。
 詩に示されている状態を、親から虐待を受けている子どもの心理、クラスでいじめを受けている子どもの心理、DVを受けている妻の心理、職場でハラスメントを受けている人たちの心理に照らし合わせてみて、「拒絶されても反応があることを望むという状態が、いかに残酷な状態であるか」ということに思いを馳せて欲しいと思います。
* 大人になったいまの生き難さ、底なし沼のような寂しさ、マグマがあふれでてくるような怒りの感情は、ときに苦しみは葛藤となり、思春期・青年期と成長する過程の中で自覚し、進学、就職、結婚、妊娠出産、育児など社会コミュニティとのかかわりなど、その後の人生に重くのしかかります。
 その時々の苦しみ、葛藤、そして、怒りの感情は、“育った家庭環境(学校生活を含む)”にその原因があることから、子どもが暴力のある家庭環境で育つことが、胎児期以降の脳の発達にどのような影響を与えるのかなどを理解することが必要です。
 「慢性反復的なトラウマ体験が、脳の発達にどのような影響を及ぼすのか」ついては、カテゴリー「Ⅲ-1」の「はじめに」、カテゴリー「Ⅲ-2」の「Ⅰ-1.虐待の発見。DV家庭における子ども」、カテゴリー「Ⅲ-4」の「Ⅱ-6.脳と子どもの発達」、同「Ⅱ-7.トラウマと脳」、同「Ⅱ-8.慢性反復的トラウマの種類(児童虐待分類)と発達の障害」、同「Ⅱ-9-(1)-(11)で詳しく説明しています。
 そして、「暴力のある家庭環境で育ったことを起因とする生き難さや葛藤」については、同「Ⅱ-9-(12)思春期・青年期の訪れとともに」、同「Ⅱ-9-(13)問題行動としての“依存”」、同「Ⅱ-10.PTSDとC-PTSD、解離性障害」で詳しく説明しています。
 また、暴力で傷ついた心のケアについては、カテゴリー「Ⅲ-8」の「Ⅴ-27.DV被害者の抱える心の傷、回復にいたる6ステップ」、同「Ⅴ-28.暴力被害女性と子どものためのプログラム(コンカレントプログラム)」で詳しく説明しています。
** 東日本大震災の被災体験により発症したPTSDなど心の問題について、カテゴリー「Ⅶ-22.継続情報<大震災・地震/火山>ストレスとトラウマ、命と心を守る。」、同「Ⅶ-22.継続情報<原発被爆・放射能汚染>不安。命と心を守る知識と技術。」で掲載しています。


** DV被害支援室poco a pocoでは、「自身がいま抱えている悩みや苦しみ、感情をことばにする」ことで、「自身の課題はここにある」と認識し、「これからの自分にとってなにをしていくことが必要か」という方向性を明確にしていくためのサポートをしています。
 「自身がいま抱えている悩みや苦しみ、感情をことばにして、自身の課題はここにあると認識する」ためには、①慢性反復的トラウマ体験となる虐待やDV被害、つまり、加害者に“なにをされてきたのか(どのような暴力を受けてきたのか、暴力がどのような状況で、どのようにして暴力がおこったのか)”、その暴力により“どのような状況におかれてきたのか”をことばにする(話をしたり、文字にしたりする)ことで再現し、文字にして再確認していく作業(トラウマの再体験)に加え、②暴力による後遺症に対する知識を持つこと、特に、慢性反復的トラウマ体験となる虐待やDV被害を起因とするうつ症状やパニック症状を伴うPTSD(心的外傷後ストレス障害)について正しく理解していただく必要があります。
 このサポートの位置づけは、“ACカウンセリング”としていますが、「医療機関での治療に支障がでない」ことを優先します。
 そのうえで、受診している医療機関では、「心療内科(精神科)を受診しているが、心内をうまく話せない」「診療時間が短く、話したいことも話すことができず、疑問点などが解消できない」部分に対し、幾つかのワークシートへの書き込みを通じて補完していく役割となります。
 したがって、DV被害支援室poco a pocoのサポートは、「ワークシート(Word文書フォーマット)」とメール(状況・希望に応じて電話、面談)と通じて、「自身の心の問題と向き合い、心の問題と向き合うための知識を自身で得る」といった『気づきと学びのプログラム』です。
 詳しくは、カテゴリー「Ⅰ-N」の「<メール・電話相談、面談>Ⅲ.「暴力のある家庭環境で育ち、ずっと生き難さを感じていた」「心療内科(精神科)を受診しているが、心内をうまく話せない」「診療時間が短く、話したいことも話すことができず、疑問点などが解消できない」という悩みを抱えている方へ」にて確認いただければと思います。なお、「私は、こういった傾向や症状を苦しみ悩んできましたが、それは、育った家庭環境が影響しているのでしょうか?」、「ずっと、厳しく育てられてきたと思ってきましたが、親のこうしたふるまいは、暴力(虐待)にあたるのでしょうか?」といった疑問に対してもお応えしています。



* 支配のための暴力・DV(子にとっては虐待)にある家庭環境で暮らすことを余儀なくされ、親からのアタッチメント(愛着形成)獲得ができなかった被虐待児童が抱える心の闇が、思春期・青年期と成長していく中でひきおこしやすいトラブルや問題行動を、a)家族問題。親殺傷・ひきこもり。性同一性障害(Ⅶ-11)、b)いじめ・差別・貧困(Ⅶ-12)、c)殺傷事件。詐欺・恐喝、少年犯罪(Ⅶ-13)、d)薬物・アルコール依存。環境汚染の影響(Ⅶ-14)、e)怖いカルト、宗教への傾倒(Ⅶ-15)の5つのカテゴリーにまとめています。


[Ⅶ-11]<家族問題。親/子殺傷・ひきこもり。性同一性障害>新聞事件簿。http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-29.html
 子どもが対人関係、男女の関係を学ぶのは親からです。
 子育てには、「投げない、捨てない、あきらめない心」が求められ、子どもからは親としての力量をはかられています。古来、子育てにあたって、ア)赤ん坊のときは、肌を離さない、イ)幼児のときは、手を離さない、ウ)子どものときは、目を離さない、エ)少年のときは、心を離さないと教えられてきました。
 私たちが、子どもと接するうえで勘違いをしてはいけないことが二つあります。
 ひとつは、「手厚く育てる」といっても、“わがまま”を放任してしまったり、甘やかしたり、「過保護」では、その後、対人関係に問題を抱えることになりかねないということです。
 もうひとつは、「過干渉」や「厳しい」だけ、つまり、“我慢させられているだけ”では、本当の<やる気>は身につかないということです。
 なぜなら、親にとって都合のいい考えやおこないを強いたり、押しつけたりするための禁止と否定のことばを浴びせている、つまり、支配のためのことばの暴力に過ぎないからです。
 それは、親が、子どもの“わたし”を生きること、自立して生きることを奪ってしまうことを意味します。

(養育者のあり方を「盲導犬の育成」から学ぶ)
 クロマニヨン人の流れを汲むホモサピエンス(人類)と600万年前に分化し、遺伝子の99%を同じくするチンパンジーは、仲間のチンパンジーを、棒などを用いて集団でリンチして殺戮し、肉を食らうことがわかっています。
 チンパンジーの食事の5%は、動物を捕食し、殺戮能力の高いチンパンジーの握力は200kgに及びます。
 一方のベジタリアンであり、身体が大きく力が強いゴリラは、胸を叩いて威嚇することで、オス同士の争い(殺し合い)を避けることで命をつなげてきました。
 こうした人類と遺伝子が近く、多くの共通点を持つ、群れをつくって生きるサル科の生態学は、私たちに多くのことを教えてくれます。
 そのひとつに、日本サルの子どもが親からひき離されて育つとどうなるのかというものがあります。
 生まれたばかりの赤ちゃんが、母親に抱かれ、授乳を受けないと死んでしまうことは誰にでもわかります。
 母親代わりとなる飼育員が手袋などをしていっさい肌(皮膚)を触れず(肌を通した触れ合いをすることなく)にミルクを与えても、まもなく死んでしまいます。
 また、授乳期に人の手によって育てられた子どものサルに、肌が触れ合うことなく物越し(大きなしゃもじのような板)に餌を与えられ育ったサルは、その後、群れに入れずにひとり孤立してしまうグループと、コトあるごとにちゃちゃを入れ、ケンカをしかけ、トラブルをおこすグループにわかれてしまいます。
 そして、なんのケアも受けることなく餌だけ与えて育てたサルは、自分に子どもができたとき、子どものケアがあまりできないのです。
 他に、犬や猫といったペットのブリーダーが、赤ちゃんを母親から早く離してしまうと、噛み癖がついてしまうことがわかっています。
 子どもが社会的な刺激を受けながら成長するとき、脳では神経細胞同士が接続し、グルタミン酸などの神経伝達物質の受けわたしがおこなわれます。
 ラットを使った研究では、「隔離されて育ったラットの脳は、社会行動に重要な領域である内側前頭前野では、ストレスホルモンの増加により、神経細胞同士の接続部にグルタミン酸を受けとるたんぱく質が移行し難くなっている。」、「細胞の骨格を制御する物質の作用で、脳神経回路の形成異常や強い攻撃性につながる。」ことが明らかにされています。
 これらは、親とのアタッチメント(愛着形成)の獲得が損なわれると、後々コミュニティ(群れ)の中で生きていくうえで様々な障害を抱えることを教えるものです。
 次は、盲導犬になるためには、人とのゆるぎない信頼関係ができあがっていなければならないというものです。
 盲導犬の候補となる赤ちゃん犬は、1歳(大型犬なので人の12歳に相当)になるまで里親のもとで愛情をたっぷり注がれて育ちます。
 「愛情たっぷり」というのは、“甘やかして、育てる”ということではありません。
 里親(養育者)と犬との信頼関係を築けるようにきちんと育てるということです。
 人と犬との信頼関係を築くために、養育者(里親)は、盲導犬の候補となる赤ちゃん犬に対し、「人」は、わたし(赤ちゃん犬)に安全と安心をもたらしてくれる、つまり、「わたしを決して傷つけたりしない、決して裏切ったりしない、家族としてのわたしを尊重し、大切にしてくれる存在である」ということを、しっかりと心に刻み込まれるように接していかなければならないのです。
 そのため、里親には、「叩いて躾ける」、「怒鳴って躾ける」、「否定・批判することばを使って躾ける」、「罰を与えて躾ける」といったおこないは認められていません。
 なぜなら、盲導犬には、人は“わたし”に危害を与えない、裏切らない信頼できる存在であるとの思いが育まれていなければならないからです。
 つまり、赤ちゃん犬を1歳(人の12歳に相当)になるまで育てる(人でいえば乳幼児期、思春期(10-15歳)に入るまでのプロセスに該当する)中で、叩いたり、怒鳴りつけたり、否定・批判することばを浴びせたり、罰を与えて従わせようとしたりするふるまいは、養育者と犬との信頼関係を損ない、人を信じることができなくなってしまうのです。
 盲導犬は1歳までに、里親のもとで「人は信頼できる」と心に刻み込んでいるからこそ、その後の厳しい訓練に耐え、目の不自由な人の命を守ることができる高い技術を身につけることができるのです。
 そして、厳しい訓練を乗り超えてきた盲導犬だからこそ、目の不自由な人が安心して身を委ね、命を預けることができるのです。
 盲導犬と人(目の不自由な人だけでなく、その人が属するコミュニティにかかわるすべての人たち)との関係性は、お互いを信頼できる、信用できるかかけがえのない存在と認め合うことができなければ、成り立たない関係なのです。
 養育者を「親」、犬を「子ども」と置き換えてみると、このことが教えてくれる意味は、実に重いものです。
 盲導犬を育成するプロセスは、私たちに、親としてどう子どもに向き合ったらいいのか、人とのかかわり方について実に多くのことを教えてくれるものです。
 それは、子どもとの信頼関係を奪うふるまいをしている親が、いかに多く存在しているのか、その結果、コミュニティにかかわるすべての人たちを信頼・信用できない子どもたちがいかに多く存在しているのかを教えてくれます。


[Ⅶ-12]<いじめ・差別・貧困>新聞事件簿。傷ついた子どもの悲鳴http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-56.html
 「差別」「区別」という問題は、暴力(いじめ、体罰、各種ハラスメント、虐待・DVなど)の問題とは切っても切れない関係にあるとともに、その後の人生において精神的なトラブルを抱えるリスクを考えると社会病理そのものの問題です。
 明治政府が、前政権との違い(成果)を国民に訴えるために意図的につくりあげた江戸時代の身分制度(「士農工商」だけでなく、「えたひにん」まで含みますが、実際は、武士とその他という区分しかなく、えたひにんとされる人たちは、武士の奴隷という位置づけでした)は、「家」という問題、同和という問題として残っている、いまの問題です。
 そして、家自体が差別を受け、その心の問題が何世代にもわたって家庭内で暴力を生みだしていることが少なくないのです。
 したがって、学校や社会ではいじめという差別や偏見を受け、同時に、家庭ではDVがあり、虐待も受けて育ってきた人たちの心の問題は深刻です。
 東日本大震災後、東京電力福島第1原発と第2原発の所員が、第1原発の事故後に、「所員であることを理由に他者から差別的な扱いや中傷を受けた場合、精神的な問題を抱える確率が2倍になる」との調査結果を、愛媛大と防衛医科大学校のチームがまとめています。
 署員であることを理由に、アパートの賃借や病院の受診を断われたり、避難所で暴言を浴びせられたりするなど差別や中傷を受けた所員は191人(12.8%)にのぼっています。
 医療の最初の入り口は、患者のからだの状態、顔色、舌、排泄物をみる<望診>や脈を診て、腹部などに触れる<切診>、<問診>では自覚症状だけではなく生活の仕方や家族のことを訊き、<聞診>で声、呼吸を聞き、匂いを嗅いでいくことですが、この基本プロセスさえ、拒否していた医療現場を目にしたことがあります。
 それは、平成20年、緊急一時保護センター(東京都と都内23区の「路上生活者自立支援事業(ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法(平成14年、10年間の時限立法))」)、医療更生施設(薬物(依存)での服役を終えた者、医療施設でアルコールや薬物依存の治療を受け家族で引き受け者がいない者、緊急一時保護センターに保護された精神疾患を抱える者など、社会復帰をめざすための更生施設)などで、機能不全家庭で育ち、アダルトチルドレンを抱える人たち(被虐待者)とかかわっていたときでした。
 緊急一時保護センターからバスに揺られ到着した社会福祉病院の内科では、入居者(ホームレスで自立支援を受けている者)の顔を一度も見ることはなく、脈をとることも、瞼を捲ることも、ベーと舌をださせることも、首のリンパの腫れ具合を確かめることもしませんでした。
 傍で見ていた私には、ホームレスなど触れたくない存在だと思っているように映り、社会福祉事業法による規定はなんなのかと目を疑った瞬間でした。
 原発の関係者だけでなく、原発被害から逃れるために県外に避難された人たちの多くが、原発事故による差別的な扱いや中傷を受けることになりました。
 その瞬間に被爆体験をした女性との結婚に支障がでるような差別や偏見を受けることになるかもしれません。
 その状況から想像してみてほしいと思います。何世代にわたる身分による差別を受けてきた人たちの抱える心の問題はとても深刻であるということです。
 その深刻な問題をつくりあげてきたのは私たち社会です。
 人は心が傷つき、心の拠り所を失うとき、人を思いやることができなくなり、自分たちとは少しでも違うとレッテルを貼った人たちを容赦なく傷つけることがあります。
 「自分たちとは少しでも違うとレッテルを貼った人たち」とは、肌の違い、民族の違い、信仰の違い、男女の違い、住んでいる地区(出身)や場所(高層マンションでの住居の階)の違い、職業(勤務先など)や出身校の違い、学歴の違い、年次の違い、上記の場合では、原発に勤める所員(家族を含む)と所員でない者の違いなど、「自己」と「他者」との境界線にわずかな“違い(差)”を見いだしたとき、人は“区別”したり、“差別”したりして、「排除する」ことが少なくないのです。
 人類が獲得してきたことば、文字という文明を通じて、区別し排除することを道義的に許さない成熟した社会が必要なわけですが、その実現には、わからないままにすることなく、「知る」ことへの努力を惜しまないことです。
 なぜなら、人は知らないことを疑い、わからないことに不安を覚え、不安(恐怖)を拭い去るために排除する(消し去る)という暴力行為にでるからです。
 日本航空123便墜落事故から20年経過した平成17年、ボイスレコーダーに録音されていた機長や機関士の肉声が特別番組の中で公開され、「墜落の最後の瞬間まで懸命に着陸を目指そうとしていた乗務員の奮闘」が、生音声によって明らかになりました。
 その結果、「投げやりな態度で乗客を死に至らしめた」として社会的に糾弾されていた乗務員に対する社会的評価が180度変わりました。
 17年間、慰霊登山で遺族から怒鳴られることがあった機長の家族が、生音声放送後は、「最後まで頑張ってくれて、ありがとう。」とことばをかけられるようになったのです。
 人はものごとがわからないままになっているとき、疑ったり、不安がったり、いらいらしたり、憤ったり、怒ったりするなど負の感情があふれてきます。
 「考えるとは、脳に記憶されていることばと関連することばを探しだして解を導きだすこと」をいいます。
 つまり、「わからない=知らない=ことばが記憶されていない」わけですから、負の状態から脱することはできないだけでなく、思考が混乱したままの状態が続くことになります。
 一方で、わからないことがわかるようになったとき、つまり、新しい知識を得たり、事実を知ることができたりしたとき、はじめて考えることができる素地ができます。ものごとを認識できるようになり、負の状態から脱するきっかけをつかむことができるようになるのです。
 そして、新しい知識を得たり、事実を知ったりすることで、落ち着きをとり戻しはじめたとき、暴言を浴びせた人たちもまた「あのときどうしてあんなことをいってしまったのだろう。申し訳ないことをした。」と悔やみ、罪悪感に苛まれるなど心を傷めることになります。
 そのとき、心から謝り、感謝のことばを口にすることで、罪悪感を解き放つことができるわけです。
 中には、そうした後悔や罪悪感と向き合うことから逃げるために、自身のおこないを正当化しようと試みる人たちも少なくありません。
 暴力的なふるまいを続けることになる人たちは、新しい知識を得たり、事実を知ろうとしたりすることから逃げていることを意味しています。
 差別、偏見という問題、つまり、受け入れられず排除していこうとする心の問題は、知らないこと、知ろうとしないこと、受け入れようとしないことを起因としています。
* 差別・貧困については、カテゴリー「Ⅲ-2」の「Ⅰ-2.差別と女性の貧困、そして、児童虐待とDV」で詳しく説明しています。

(いじめなど、相談窓口)
・児童相談所全国共通ダイヤル
 189(年中無休、24時間)
・24時間子供SOSダイヤル
 0120-0-78310(年中無休、24時間)
・チャイルドライン(18歳まで)
 0120-99-7777(月-土曜日、16:00-21:00)
・子どもの人権110番
0120-007-110(平日、8:30-17:15)


[Ⅶ-13]<殺傷、恐喝、詐欺・不正。少年犯罪>新聞事件簿。自己中心、歪んだ心http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-39.html
 懲役刑を受け刑務所に収監される者の22%が、知的障害や精神障害があり、犯罪を繰り返す人(累犯障害者)たちが、刑務所をでたあと、おにぎりなど食べ物を窃盗(万引き)して逮捕される一時過ごす場所になっているケースも少なくありません。
 例えば、中学卒業後に大工見習として就職して2年目にバブルが弾け、人員整理にあい、その後は、寮のある工事現場を転々してきた人(当時50歳)は、自閉症で知的障害があり、その日の気分が色となって見えていました(本人は「自分はオーラが見える」と信じていました)。
 工事現場の寮の金庫に預けておいた保険証、年金手帳を持ち逃げされ、知らない間に何度も結婚を繰り返され、多額の借金を背負わされ、実に6つの名前を持たされていました。
 この問題を解決するために、弁護士や警察などの専門の第三者に相談するという考えが及ばなかった彼は、多額の借金をとり立てにくるヤクザから逃れるために、ホームレス生活を9年続けていました。
 彼に幸運が訪れたのは、知人に頼まれ、預かっていた銅線が盗難品だったことから、窃盗の共犯として逮捕されたことでした。
 なぜ、彼にとって幸運だったのかは、20日間の拘留の後、釈放され、福祉事務所を経由して「緊急一時保護センター」に入居(控訴猶予処分を証明する「更正保護施設カード」を、大切そうに折りたたんでお守り袋に入れて身につけていました)し、市役所に依頼された弁護士が間に入り、筆跡鑑定等々を経て借金問題、重婚問題はひとつずつ解決され、そして、戸籍も復権したからです。
 そして、迎えにきた福祉事務所のケースワーカーに「もうあんな思いはさせないからな。安心して、身体休めような。」といわれ、医療更生施設に移って行きました。
 知的障害や精神障害を抱えているものの家族が認識することなく成長し、高校に進学せずに就職し、その後、犯罪に利用されたり、巻き込まれたりしたとき、どこ(誰)に助けを求めていいのかわからず、問題を解決する(回避する)のがホームレスであるケースもあるわけです。
 (18歳未満)の非行などには、親との関係、つまり、養育環境が大きくかかわっていることは周知の通りです。
 新聞記事などでは直接触れられることは稀ですが、人とのかかわりにおいてトラブルをひき起こすなど、非行問題を抱える子どもたちの食事のあり方(どのような状況でなにを食べているか、どのような食べ方をしているか、箸をきちんと使えるかなど)に目をむけることによって、心が充たされなかったり、心が廃れたり、心のバランスがとれなくなったりする状況を読みとれることがあります。
 「緊急一時保護センター」では、3食きちんと食事をとること、入浴すること、睡眠をとることなどの生活習慣を身につけることが重視されています。
 60-70歳の方が6割以上を占める緊急一時保護センターでの食事で驚かされたのが、箸をきちんと使えない、醤油や七味を大量にかける、味噌汁の中にご飯やおかずを入れて食べる(ネコまんま)人たちが多いことでした。
 中には、1回の食事に、大さじ1-2杯もの七味をかける人もいました。
 ホームレス生活をしている人たちは、人とのしがらみに疲れたり、人と適度な距離感を保つことができずにトラブルを起こして職を転々せざるをえなかったりした人たちが圧倒的に多いわけです。
 幼少期を戦中戦後で過ごした彼らが、上記のように箸をきちんと使えないなどの傾向は、暴力のある家庭環境で育ち、アタッチメントの獲得に問題を抱えている以外に、“当時の社会情勢”が深くかかわっていることは明らかです。
 ここでは、箸をきちんと使えないなど食のあり方は、子どもが育っている家庭環境と深くかかわっていることから、「6つのこ食」という切り口をみていきたいと思います。
 「6つのこ食」とは、ア)孤食(ひとりで食べる)、イ)個食(家族がそれぞれ好きなものを食べる)、ウ)固食(決まったものしか食べない)、エ)粉食(粉を使った主食(特に、カップ麺やインスタントラーメン、菓子パンなど)を好んで食べる)、オ)小食(食べる量が極端に少ない)、カ)濃食(調理済食品など味の濃いものばかりを食べたり、さらに、調味料や香辛料を加えて、極端に味つけを濃くしたり、辛くしたりする)といったものです。
 ここに、「炭酸飲料やジュースなどをお茶や水代わりに飲んでいる」、「ジャンクフードやチョコレートなど甘い菓子類をよく食べる」といった食習慣を加えます。
 「6つのこ食+αの食習慣」がみられる家庭環境で育った子どもには、人の目を気にしない、どう思われるかを察することができない(協調性を気にかけず、行動する)といったことから、勝手気ままな生活になりやすく、社会性やマナーを身につけていなかったり、人から注意されると直ぐに感情的になったり(ムカつく、キレる)する傾向がみられるとされています。
 離乳食を経て、食事の習慣をどう身につけるかという問題は、親(養育者)とのかかわり方を如実に示します。この問題は、アタッチメント(愛着形成)の獲得になんらかの支障が生じている可能性を示すもの、つまり、虐待発見の手掛かりとなるものです。「6つのこ食+αの食習慣」に該当する子どもは、その後、思春期、青年期と成長するにしたがい問題行動となって表れる可能性があるという視点で捉えることができれば、早期発見、早期支援につなげられる可能性が高くなります。
* 「6つのこ食+αの食習慣」など食のあり方は、法に触れるおこないをする加害者がどのような家庭環境で育ってきたかを知るうえで重要な手がかりとなることから、カテゴリー「Ⅲ-3」の「DV・夫の暴力、子への虐待チェック・ワークシート」の中で、「ⅠⅡ共通(A)-(10)夫は、炭酸飲料やジュース、チョコレート、スナック菓子ばかりを飲食したり、ハンバーガーやカップ麺などを特に好んで食べたり、から揚げ、ハンバーグ、トンカツ、カレー、ラーメン、牛丼ばかりを食べるといった「偏食」がみられますか?」と問いを設けるなど、「同(A)-(11)夫は、深夜までゲームにふけっていたり、血が吹きでるような暴力シーン(レイプやSMシーンを含む)の多い映画などを大音量で繰り返し見たりしますか?」のと問いとともに重視しています。
 この問いに対しては、カテゴリー「Ⅳ-2.ワークシート(Ⅰ)(Ⅱ)共通(A)(B)(C)設問の一般コメント」の中の「血が飛び散る暴力シーンのある映画やゲームを好むのは、激しい暴力のある家庭で育った脳が強い刺激を求める証」でコメントしています。
 また、凄惨な殺傷事件、少年事件については、カテゴリー「Ⅲ-4」の「Ⅱ-9-(15)回避的な意味を持つ子どもの「非行」」、同「Ⅱ-9-(16)「キレる17歳」、理由なき犯罪時代」、同「Ⅲ-9-(17)アタッチメントを損ない、抑圧がもたらした凄惨な殺害事件」、同「Ⅲ-11-(9)性的サディズムと人格障害などが結びついた誘拐監禁・殺傷事件」で、事件をおこした加害者の生い立ち(成育歴)や犯行にいたる経緯についてはできる限り詳細にまとめています。
 なお、「別れの切りだし」が、交際相手や配偶者(ともに元を含む)による凄惨な事件につながりかねないストーカー事件については、別途、カテゴリー「Ⅲ-2」の「Ⅰ-4-(3)デートDV とストーカー事件」で、詳細にまとめています。


◇いじめに関する相談、主な窓口
 いじめに関する相談は、各団体が電話でも受けつけていますが、主な窓口は次の通りです。
・チャイルドライン(0120・997777、月~土曜の午後4~9時、一部地域は日曜や深夜も相談可)
・いのちの電話(0570・783・556、午前10時~午後10時)
・こころの健康相談統一ダイヤル(0570・064・556、土・日曜は休みの地域もある)
・子どもの人権110番(0120・007110、平日午前8時半~午後5時15分)


[Ⅶ-14]<薬物・環境汚染。依存>新聞事件簿。快楽中枢を刺激、心身を脅かす物質http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-59.html
 50年近く昔の話で、いまでは考えられないことです。
 私の母方の実家では“治験用のうさぎ”を飼っていましたが、そのうさぎには片方の耳がなかったり、足が曲がっていたりしていました。
 治験薬による奇形です。
 母方の実家に帰省すると、治験による奇形のうさぎに餌を与え、治験はなんのためにおこなわれているのかといった話を聞かされていました。
 正月や盆に親族が集まる夜の宴席では、日本の医療や教育、国際社会の情勢などさまざまな議論がされる環境でした。
 小学校中学年になると、四日市喘息、水俣病やイタイイタイ病など公害問題が教科書に載っていました。
 小学校4年生のとき、軍艦に乗れる機会があり、名古屋港を出港し、四日市辺りの海域に近づくと海の色が黄土色に変わっていきました。
 軍艦がどうだった記憶は残らず、黄土色の海の色をまのあたりにしたショックの記憶が刻み込まれました。
 また、岐阜県の犬山モンキーセンターでは、奇形のサルが増えていました。
 それは、大量に農薬が使われた餌による影響でした。
 小学校6年生で、「ゴジラ対ヘドラ」が公開されるなど、さまざまな公害問題が社会問題となっていました。
 煤塵と硫黄酸化物あるいは光化学オキシダントが複合すると被害の症状が激しくなるなどの環境汚染は、有吉佐和子が毎日新聞に「複合汚染」を連載(昭和49年-50年)し、一般に知られるようになっていきました。
 それから39年経ったいま(平成25年現在)、「廃棄ガスの規制により、空気がきれいになり日常的に都心から富士山が見えるようになった」と思っている人が多いようですが、“朝靄”といわれる水滴が高層ビルに付着することによる空気の乾燥化によるものです。
 つまり、ヒートアイランド現象が進んでいることが、都心から富士山を見えるようにしたのです。
 私たちの周りには、ちょっとした間違った認識(フィルター)を通してものごとを見てしまうことで、真実がなにか、なにが本当の問題なのかを見えなくしてしまうことが多々あります。
 薬や農薬、水銀、化学物質などが人体に及ぼすさまざまな影響をまのあたりにしてきた私たちですが、同じ過ちは犯さないだろうと過信をしていたり、事実を知ろうとしていなかったりしていないのか疑問を感じます。
 全身の1/5という大量の血液が流れている大脳では、脳に害をもたらす物質(薬物やウイルスなど)が簡単に入り込めないように「血液脳関門」という器官でブロックしています。
 血液脳関門を通過できるのは、低分子、しかも脂溶性で電荷のないものです。
 低分子で脂溶性の物質は、PCBやダイオキシン、アルコールやニコチンにカフェイン、覚醒剤などです。
 人工のあらゆる化学物質は、そもそも人体にとって異物、毒物でしかなく、微量でも体内に侵入すると、身体は毒物が入ったことを強烈なストレスとして感知します。
 その結果、アドレナリンが分泌され、敵を排除しようとします。毒蛇の3倍も毒性が高い怒りのホルモン「アドレナリン」が、イライラ感や不快感といった症状を表すのです。
 そのイライラ感や不快感を他人にぶつけてしまうのが、暴力になるのです。
 環境公害として知られるPCB、ダイオキシンなどの化学物質は、甲状線ホルモンを撹乱したり、血液脳関門を通過し、神経伝達組織を撹乱させたりします。
 その結果、ADHD(注意欠陥多動性障害)と似通った症状を示すなど、さまざまな障害をひき起こします。
 予後が好ましくない疾病や障害を抱えることによるストレスとともに、農薬などの化学物質を吸引することが暴力の原因となっていることがあるのです。
 また、決して疎かにしてならないのが、脳の血管にある血液脳関門を通過する薬、つまり、頭痛薬にはカフェイン、精神治療薬には覚醒剤と“類似した分子構造”のものが使われているということです。
 なぜなら、そうしないと血液脳関門を通過しないからです。
 昨今、問題になっている「脱法ハーブ(脱法ドラッグ・危険ドラッグ)」についても、覚醒剤や大麻などの成分と“類似した分子構造”にしたものをハーブに沁み込ませています。
 そして、分子構造をちょっとだけ変えることで、規制薬物から逃れることができることから、摘発が追いかけっこになってしまうわけです。
 つまり、覚醒剤と類似したものが精神治療薬なのです。
 精神治療薬も同様に、血液脳関門を通過させるために分子構造をちょっと変えているのです。
 分子構造をちょっと変えることで効果を改良し、新薬として販売しています。
 これは、血液脳関門を通過させる必要のある頭痛薬(カフェイン)も同じです。
(付記)
 薬物依存症やアルコール依存症、ギャンブル依存症は「病気(精神疾患)」であることから、ダルクなどの更生施設では、「自分の意志で止めることができない(自分の意志は無力である)病気である」ことを、本人や家族、そして、社会に理解してもらう活動にも努めています。
 しかし、「自分の意志で止めることができなくなる病気(精神疾患)に陥った」のは、“自らの意志(暴力を加えられ、強制的に違法薬物を摂取させられるケースを除く)”で覚醒剤などの違法薬物に手を染めたからです。
 「病気(精神疾患)だから、覚醒剤は、自分の意志で止められない」と、止めることができない理由として欲しくないのです。
 自らのおこないを正当化するために、利用して欲しくないのです。
 「病気(精神疾患)である事実」を知ってもらうことは重要なことです。
 しかし、「違法薬物に手を染めて病気(精神疾患)になった事実」から目を逸らしたり、うやむやにしたりして欲しくないのです。
 解釈(問題)をすり替えることは、“更生する”ことに反します。
 更生するには、なぜ違法薬物に依存することになったのか、自身の心の問題ときちん向き合うことが必要不可欠です。


[Ⅶ-15]<カルト・新興宗教、過激思想・スピリチュアル傾倒>新聞事件簿。危い心http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-40.html
 “スピリチュアル性”“ポジティブシンキング”を銘うった「自己啓発セミナー」や「生き方講座」、「占い」の中には、新興宗教やカルト集団としての活動の隠れ蓑に使われることが少なくありません。
 日本では、キリスト教やイスラム、仏教など国の政(まつりごと)と深く結びついていないことから、カルトなどの“異端”を見破ることができにくいといった現状があります。
 新興宗教やカルト集団の隠れ蓑とされる自己啓発セミナーや生き方講座、さらに、セミナーや講座参加者におこなわれる個別のカウンセリングの特徴は、ア)ありがたいことばが書かれたものやパワーをえられるといった「物品販売」に力を入れていること、イ)家族や友人、同僚たちにその効果(いかに優れているか)を「宣伝」し、「洗脳的なアプローチにもとづいた勧誘行為)」があること、ウ)突然、全財産(預貯金や不動産などの資産)を“お布施”として「上納」し、家族や親族、友人や同僚との間で「金銭トラブル」をひき起こすようになることがあげられます。
 新興宗教やカルト集団の勧誘、修行として用いられる「自己啓発セミナー(感受性訓練)」は、閉ざされた空間で課題(ゲーム)や自己告発(シェア)を繰り返して一体感や高揚感を煽り、心の中にとり込んでいくものです。
 自己告発とは、「わたしのここが悪い。これからは、わたしはこうしていきます!」と意図的に思い込まれたメッセージを声高々に宣言させ、心にとり込ませていくことであり、マインドコントロールには欠かせないプロセスです。
 感受性訓練(ST:Sensitivty Training Method)は、「地獄の特訓」で知られる「自分の気持ちに素直になれる(心の壁(防衛機制)を取り除く)」という名目のもと、主体的態度の変容をめざして(自己改革が可能となるとして)、非日常という状況下(合宿形式)でおこなわれるものです。
 密室の家庭内(同じ屋根のもとで寝食をともにする)で繰り返される支配のための暴力もまた、“非日常という状況下”でおこなわれるものに他ならないのです。
 X-JAPANのTOSIが、HOH(ホームオブハート:全身レムリアアイランド)に陶酔し、マインドコントロールされ、広告塔として利用された挙句、億単位の借金を抱えることになったことは記憶に新しいと思います。
 「自己啓発セミナー」といった名称でおこなわれるこの類のものは、閉ざされた空間で課題(ゲーム)や自己告発(シェア)を繰り返して一体感や高揚感を煽り、とり込んでいくのが特徴です。
 また、高齢者をターゲットに健康器具を売りつける「ハイハイ商法」は、「豊田商事グループの詐欺事件」の手法と感受性訓練の手法の要素を取り入れたものです。
 健康セミナーとして集客し、まず、a)商品がどれだけ優れ、使うことによって得られる効能(メリット)を「~先生が開発した」とか、「臨床データをみると、~といった改善がみられる」などと話し(理想描写と理論提供)、b)これまでのおこないを否定・批判し、健康不安を煽り(現状把握)、c)「~すれば、改善され、元気に暮らせると思いませんか?」となげかけ、サクラの職員が「はい。はい」と大声で先導し、高揚感を煽り(目標設定と支援表明)、冷静な判断力を奪い、「せっかくだから」「わざわざきたのだから」の思いにつけ込み、高額な商品を買わせていくわけです。これらの「ハイハイ商法(詐欺商法)」もまた、上記の「自己啓発セミナー」とまったく同じ手法をとり入れたものです。
 重要なことは、DVやハラスメント、いじめなどの理解に欠かせない“関係性”で捉えると、本来対等な関係にある者に対して、上下の関係性、支配と従属の関係の関係性を成り立たせるためにパワー(力)を行使するわけですが、このことは、相手のパワー(力)を奪い、屈服させ、絶対服従(忠誠)を誓わせることから、「暴力による恐怖で心を支配する試み」として、DVやハラスメント、いじめの加害者の行為(試み)と、新興宗教やカルト教団の行為(試み)と変わらないということです。
 そして、イ)の「洗脳的(神秘性や運命論(必然性)を強調する)なアプローチにもとづいた勧誘行為(話)」に惹かれやすいのが、暴力のある家庭環境で育ち、アタッチメントの獲得に問題を抱え、渇望感を満たすための強い承認欲求を求めている人たちです。
 つまり、確固たる“わたし”がなく、地に足がついていないふわふわした危うさが、スピリチュアル性の神秘性や占いの運命論を呼び寄せ、前向きになりたい思いがポジティブシンキングといった考えに惹かれてしまうのです。
 近しい人(ペットを含む)亡くなるなどの哀しくツラいとき、転勤や転校、転職など不安なとき、事故にあったり病気になったりして不安で心細くなっているとき、トラブルがおきて困っているとき、つまり、心が弱くなっているときに、フッと表れ、急接近してきた人が、心が躍る神秘性や運命論(必然性)を雄弁に語るなど楽しい時間を与えてくれたり、逆に、「いまの状況はこうだから、こうしなければ、もっとひどくなる」と不安感や恐怖心を煽ってきたりしたとき、導かれるように心の扉を開き、招き入れてしまうのです。
 つまり、神秘さと運命を感じさせてくれる刺激的で楽しい話、あるいは、「この人だけが私を救ってくれる(救世主)」と感じさせる切迫した話を隠れ蓑として近づいてくる者に、その後、暴力による恐怖に支配され、絶対服従(永遠の忠誠)を誓わせられることになるのです。
 暴力のある家庭環境で育ち、アタッチメントを損なっている人たちは、カラカラに乾いたスポンジのような渇望感と底なし沼のような寂しさを抱え、それが、強烈な「見捨てられ不安」となっていることから、この“心の問題”に対して適切なケアをしていないと、交際相手や配偶者からDV被害を受けることになったり、出会い系(コミュニティ)サイトで優しく話を聴いてくれた人から性暴力被害や性搾取被害にあったり、新興宗教やカルト集団、占いの世界に傾倒したり、周期的にブランド品を買い漁り財産をなくすことになったり、薬物やアルコールに溺れてしまったりするなど、様々なリスクを抱えることになります。
* 「暴力による恐怖で心を支配する試みとして、DVやハラスメント、いじめの加害者の行為(試み)と、新興宗教やカルト教団の行為(試み)と変わらない」わけですが、重要なことは、人は、「相反する拒絶と受容の態度や言動を繰り返される」ことにより“思考混乱”を起こし、思考混乱下ではマインドコントロールされやくなることを理解することです。
 詳細は、カテゴリー「Ⅲ-2」の「Ⅰ-5.被害者心理。暴力でマインドコントロールされるということ」で説明しています。



* 「Ⅶ11-15**」の5つのカテゴリーは“人の行為”にフォーカスした分類で、次の「Ⅲ16-18」の3つのカテゴリーは、“人が属するコミュニティ(組織)”にフォーカスした分類になっています。
 したがって、コミュニティ(組織)に所属する者が、「Ⅶ2-15」のカテゴリーに関する行為によりコミュニティ(組織)から処分(倫理規定違反など)を受けたことについては、「Ⅶ16-18」のカテゴリーに掲載しています。
**主に「わいせつ行為により逮捕された」ことを伝える記事は、その逮捕理由により、「Ⅶ-6.<性暴力>新聞事件簿。自尊感情を奪われさ迷うことになる卑劣な行為」、「Ⅶ-7.<性的逸脱>新聞事件簿。パラフィリア。抑圧、稚拙で抑制不能な性衝動」、「Ⅶ-8.<性的搾取・ネットに潜む闇>子どもたちがはまり、大人がつけ込む」で掲載し、主に「パワーハラスメントやセクシャルハラスメント、体罰などの行為が表面化したり、訴訟を起こしたりした」ことを伝える記事は「Ⅶ-9.<ハラスメント・体罰(暴行)>新聞事件簿。優越感の充足、構造的暴力」で掲載しています。
 加えて、「Ⅶ16-18」の各カテゴリーにおける特有のテーマや諸問題に関しても掲載しています。


[Ⅶ-16]<教育・学校(いじめ対応含)新聞事件簿。教育現場だけで考える問題かhttp://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-81.html
* 児童虐待が疑われる児童に対しての初期対応のあり方や児童相談所への通告後の児童への対応、そして、DV加害者からの追及と対応のあり方などについては、カテゴリー「Ⅲ-5」の「Ⅲ.学校現場で、児童虐待・面前DVとどうかかわるか」で詳しく説明しています。
**「大川小訴訟」など、東日本大震災後、学校の防災対策のあり方等については、カテゴリー「Ⅶ-22.継続情報<大震災・地震/火山>ストレスとトラウマ、命と心を守る。」で、また、福島第1原子力発電所の被害による避難生活を強いられることになった児童の状況などについては、カテゴリー「Ⅶ-22.継続情報<原発被爆・放射能汚染>不安。命と心を守る知識と技術。」で掲載しています。

[Ⅶ-17]<職場>新聞事件簿。職場環境のあり方。仕事・対人関係への悩み。http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-79.html
[Ⅶ-18]<児童福祉・行政・司法、介護、育児>新聞事件簿。母子を取巻く環境http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-60.html
* 「施設における高齢者や障害者に対する虐待行為」、「老々介護の果ての殺害事件」を伝える記事については、「Ⅶ-5.<虐待>新聞事件簿。隣の家の子どもは大丈夫?子どもを助けてあげて!」、あるいは、「Ⅶ-11.<家族問題。親殺傷・ひきこもり。性同一性障害>新聞事件簿。どう向き合う」ではなく、当「Ⅶ-18.<児童福祉・行政・司法、介護、育児>」に掲載しています。


* 「Ⅶ19-22」の5つ(22は2分割)のカテゴリーに対する説明(コメント)は、そもそも「人とはなにか?」という問いについて、人の行為にフォーカスしてきたこれまでのカテゴリー(Ⅶ2-18)に対しての“総括”として、カテゴリー「Ⅲ-1」の「暴力の影響を「事例」で学ぶ。虐待とDVの早期発見・支援。母と子どもが暴力から脱するための手引き(はじめに)」を引用、編集しています。


[Ⅶ-19]<人道・人権、紛争・テロ、性売買>新聞事件簿。人とはなにかと問うhttp://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-61.html
 近代以前(中世)のヨーロッパや日本の人びとは、年がら年中、戦争を繰り返していました。
 当時はまだ国家というものが形成されていないので、部族同士、村同士といった小さな単位でも戦争をし、殺し合いをしていました。
 戦わなければ殺される状況の中で、自分の身を守るためには集団ごとに武器を持って戦っていました。
 しかし、現代に生きる私たちは、武器を持たずに人ごみの中を無防備に歩くことができます。
 それは、法の支配が確立されているからであって、実は見ず知らずの人びとの中を丸腰で歩けることのほうが歴史的にみれば奇跡的な状態なのです。
 現在も多くの紛争地では、武器を持たずに無防備で歩くことができないことは承知の通りです。
 法秩序が存在しない自然状態では、人間は常に自分の利益だけを考えて行動します。
 放っておくと戦争をひきおこしたり、コミュニティを破壊したり、自国を滅ぼしたりする暴挙に巻き込まれると、生存や存続さえ危うくなってしまうことから、命や一定の権利を守るために、人間は相互にルールを守るという契約を結ぶことになりました。
 それが、国家(政府)になっていったわけです。
 しかし、人は、どのような高度な教育を受けていても、いまだに法やルール(規制)、誰かに見られている他人の目(監視)、つまり、道徳観・倫理観(モラル)といった規範といった自己規制が働かない状況下では、途端にズルを働いたり、嘘をついたり、騙したり、欺いたりして、自分だけの利益(有利)を得ようとします。
 それが、人の本性です。
 現代社会では、法やルールによる他者規制と道徳観・倫理観(モラル)といった規範にもとづく自己抑制により「やりたい」「欲しい」という欲求は、コントロールされることになります。
 他者規制を自己抑制でコントロールできなくなった状態のとき、つまり、個々人の脳が中毒状態に陥り暴走したときには、他者規制は意味を持たず無力です。
 それは、親子、兄弟、配偶者同士など「親族間」の殺人が、検挙件数858件のうち473件(55.13%、平成25年)に及ぶことで明らかなように、脳が暴走したときには、法やルールによる規制、道徳・倫理感(モラル)といった規範だけでなく、血を分けた者の絆もまた無力です。
 したがって、警察官や教員といった立場にある者がわいせつ行為で逮捕されたとき、新聞などのメディアでとりあげられ、警察署長や学校長が謝罪会見を開き、「2度とこのような事件をおこさないように指導を周知徹底していきたい。」と頭を下げる機会をよく目にしますが、先に記している通り、指導や教育では対処できる問題ではないのです。
 また一方で、この法やルール(規制)、監視は、人にとって大きな抑圧(ストレス・危機)になるわけですが、なければ秩序のない無法と化すわけです。
 他者規制が強すぎると個人レベルでは反発、集団・コミュニティレベルでは暴動や反乱を招くことは、過去の歴史が示しています。
 そして、個々人が感じた抑圧、報われない感(不満)は、強い渇望感を心に残すことになり、“承認欲求(自分の存在を確認する)”を強く求めてバランスをとろうとします。
 その結果、少しでも優越感を得られる行為に及ぼうとします。
 優越感を得られる行為とは、征服・支配欲を満たす行為ということです。
 特に、乳幼児期に、親に守られて安全で、安心感にあふれた心地よさ(快感)という承認欲求が満たされず、渇望感を抱えている人たちは、ちょっとした抑圧(ストレス、危機)、報われない感に対し、自己のコントロールはできず、衝動的に人を貶めたり、罵ったり、嫌がらせをしたり、困らせたり、辱めたり、騙したり、奪ったりして優越感に浸ろう(征服・支配欲を満たそう)とします。
 痴漢や盗撮、体液をかけたりする性暴力(もっとも高い優劣感が得られるのがレイプです)、万引き、いじめ、差別(ママカーストなど含む)、ネット内での誹謗中傷、そして、井戸端会議で愚痴などによって、“承認欲求”を満たし、心の安定をはかろうとします。
 子どもの万引きは、渇望感を満たす“承認欲求”であるだけでなく、「わたしここにいる」ことを確認する気を惹くための“承認欲求”としての「試し」の意図を持つものです。
 乳幼児期に“承認欲求”が満たされていなかった者が、“承認欲求(心地よさ=快感)”を得るために脳が暴走したときには、法やルールによる規制だけでなく、道徳・倫理感(モラル)といった規範、そして、血を分けた者の絆もまた無力です。
 コミュニティ・国家の安定・治安の維持という視点では、抑圧となる規制のころ合い、つまり、取り締まる範囲(幅)と許容(深さ)によります。
 問題は、その時代、その国家、統治者で、規制は異なるということです。規範に収まらない者、もしくは、従わない者は、反乱者、犯罪者、異常者というレッテルを張られることになりますが、その規制、規範もまた、第2次世界大戦前(戦中を含む)と戦後では激変したように、治める(統治する)者の意図が反映されるもので、実に危うく、儚いものです。
 例えば、1993年、南アフリカのアパルトヘイト(1948年、人種差別思考のうえに成り立つ様々な差別立法を背景に確立された政策方針)の撤廃に尽力し、ノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラ(大統領、ミドルネームのホリシャシャはコーサ語で「トラブルメーカー」の意味)は、反アパルトヘイト運動に身を投じてきたことから、1964年に国家反逆罪で終身刑の判決を受け、1990年に釈放されるまでの27年間、獄中生活を余儀なくされてきたことはよく知られています。
 時代が変わったり、治める者が変わったりしたとき、英雄が一転して犯罪者になり処刑されたり、犯罪者が一転して英雄になったりすることを繰り返してきたのが、人間社会です。
 そして、過激であっても高揚感が得られる(心地よく快感を覚える)ことばに惹きつけられ、先導され、英雄をつくりだし、一方で、自分たちがつくりあげた英雄が虚像であったと気づいたとき、過激で高揚感が得られることばや行為を伴ってひきずりおろしたり、処刑したりするのも人の特性です。
 脳には、二重の意思決定回路があります。ひとつは、「速いシステム=直感的に解を導きだす」もので、普通は目の前の情報に対して、迅速に対応するため「速いシステム」がメインに働きます。
 しかし、「速いシステム」は、迅速に対応するがゆえに粗っぽく、間違いを検出する作業は不得意です。
 “直感”というのは、単なる脳の習性にもとづく判断でしかないことから、基本的に粗っぽいものです。
 その“感覚”には、そこに矛盾があっても、迅速なシステムによって一度は受け入れるという性質があることから、確信に満ちた人の態度を見ると、一度は納得して受け入れてしまうことになります。
 一度納得して受け入れたのちに、もうひとつの論理的、理性的に判断し検証する「遅いシステム」が発動します。
 「あれ? なにかおかしいな?」、「よく考えるとなんか変だぞ!」という感覚は、「遅いシステム」が、一度納得して受け入れたものを「遅れて」検証をして、警告を発したものなのです。
 したがって、自分の話に巻き込むことに手慣れた者、そして、マインドコントロールを仕掛けるカルト集団の指導者や詐欺師に騙されないためには、論理的、理性的に判断し検証する「遅いシステム」を働かせることが重要になります。
 つまり、直ぐにその気になったり、騙されたりしないためには、「遅いシステム」が発動するのを待って、判断を下すこと、つまり、心を落ちつけて、自分を内省する時間を持つことが必要です。
 そこで、重要なことは、「遅いシステム」を発動させるには、子どものときから、忍耐力の必要な問題にとり組んだり、粘り強さが必要になる課題にチャレンジしたりすることを習慣づけていなければならないのです。
 しかし、戦争や紛争地で暮らす子どもたち、飢餓や貧困のある地域で暮らす子どもたち、そして、暴力のある家庭で暮らす子どもたちは、論理的、理性的に判断し検証する「遅いシステム」を発動させることなく、体験に裏づけられた“直感”という「迅速なシステム」で、すべてを受け入れてしまう傾向が顕著です。
 この状態は、現在進行中の自分の思考や行動そのものを対象化して認識することにより、自分自身の認知行動を把握することができる能力、つまり、自分の能力を監視する知識、自分が知っているということを知っていること、自分が認知していることの認知、自分の理解していることを理解することといった自分の認知行動を正しく知るうえで必要な心理的能力を身につけることができないことを意味します。
 人が自分自身を認識する場合において、自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識することを「メタ認知」といい、それをおこなう能力を「メタ認知能力」といいますが、上記の状況で暮らす子どもたちは、メタ認知能力を身につけ難いのです。
 そのため、こうした人たちは、カルト集団や新興宗教、テロリスト集団を先導する者が発する過激であっても高揚感が得られる(心地よく快感を覚える)ことばに惹きつけられ、示される過激な思想に陶酔しやすいのです。
 こうした人たちが抱える不平不満、憤りや怒りを利用して、自己利益だけ満足させようと試みる者が、ときに英雄となってきたのが、人類の歴史です。
 そして、狙いを定めた相手にとっての“絶対君主”、“英雄”になろうとするのが、DVやパワーハラスメントに及ぶ加害者たちです。
 霊感商法など詐欺行為をおこなう占い師や詐欺師たちと同様に、DV加害者たちが、狙いを定めた者に対して最初に見せる優しいことばや夢を厚く語ることばは魅力的で、高揚感が得られる(心地よく快感を覚える)ことから、被害者は一緒にいると楽しい、そして、その夢(人生)をともにしたいと強く願いやすい状況がつくられます。
 しかし、DVやパワーハラスメントに及ぶ加害者たちは、“絶対君主”“英雄”になる力量を持ち合せていないことから、上辺だけ(虚像)の力量を見破られないために、本来対等の関係に、上下の関係性、支配後従属の関係性を成り立たせるためにパワー(力)を行使することになります。
 DVやパワーハラスメントに及ぶ加害者たちは、被害者に対し、自分への永遠の忠誠を誓わせる意図を持った法やルールを定めます。
 しかし、その法やルールは、加害者のそのときの気分やそのときに都合のいい状況にするための解釈で罪状や裁量が決まることから、他の者には琴線に触れる基準がわからず混乱し、不安感が強くなり、得体のしれない者に対する強烈な恐怖心を抱くことになります。
 その結果、常に顔色をうかがい、意に反しないように先々に気を配るなど、意に添うようにふるまい少しでも琴線に触れないように怯えながらの生活を強いられることになります。
 ドイツの哲学者イマヌエル・カント(1724年-1804年)は、「人間の本性は邪悪で、戦争すること自体が人間の本性だから、特別な原因がなくても戦争はおこる」「戦争は、相手が自分に対してなんらかの利害対立や敵意を持つからこそおこるのではなく、戦争そのものにはいかなる特別な動因も必要ではない」としています。
 そのカントが生きた18世紀のヨーロッパでは、多くの国が王権や資源を巡る争いや植民地獲得のための競争に明け暮れていました。
 現代においても、コミュニティ・国家間のパワー関係をあらわす経済活動、つまり、コミュニティ・国を豊かにするためには、他のコミュニティや他国を滅ぼすこと、他のコミュニティや他国を犠牲にすることを余儀なしとしています。
 つまり、国際法では国同士の争いごとの最終決着として、戦争を<合憲>としています。
 戦争という行為がいけないというのは、倫理上、道徳上、人道上の問題であって、現代の国連加盟国での経済活動のもとでは、「戦争をしてはいけない」とは法制化(規制)されていないのです。
 その中で、日本国憲法第9条において、「戦争の放棄(第2章)」としているのは、世界で唯一のものです。
 民族間の殺し合い、異宗教間での殺し合いは、異なる者を排除しようとする人の殺戮本能を根底にした征服・支配欲にもとづく行為です。
 問題は、戦争・紛争下で育った子どもたちは、戦争・紛争を継続していく担い手になっていきますし、人を殺すこと、暴力で傷つけること、レイプすること、人の財産などを奪うことなどに対する罪悪感は希薄になっていきます。
 なぜなら、人の脳は、生存している環境に合った脳の機能がつくられるからです。
 つまり、暴力のある環境では、暴力をすり込み、学習し身につけるだけで、暴力のない環境で生きる“術(すべ)”は身につけられないのです。
 カントの「人間の本性は邪悪である」という指摘は、戦争という行為だけでなく、ローマ時代コロッセオでおこなわれていた格闘、つまり、奴隷を戦わせ、殺し合うのを見て<狂喜>し、男の奴隷が入れられている折の中に女の奴隷を入れ、集団で犯す、犯されるのを見て<狂喜>してきた事実に認められます。
 これらのおこないは、弱いものを脅したり、暴行・リンチを加えたり、レイプしたり、からかいひやかしたりして、悲鳴をあげたり、怯えたり、痛みで苦悶の表情を見せたり、謝らせ許しを請わせたり、嫌がったり困ったりする姿や表情、声、態度に対し、面白がり、優越感に浸る、つまり、<歓喜(このうえない高揚感に浸る)>するのと同じです。
 人は、殺戮本能、征服・支配欲をコントロールできずに暴力に及ぶとき、“狩りのセオリー”として、他のコミュニティに属する者、傷ついた者、老いた者、幼い者(子ども)、力(立場を含む)の弱い者をターゲット(標的)にします。
 そして、殺戮本能、征服・支配欲が満たされるとき、高揚感・恍惚感・優越感に浸ることになります。
 強い者や立場が上の者が、弱い者や立場が弱い者という構図(関係性)のもとで、力(パワー)が行使される、つまり、虐待、DV、いじめ、差別、体罰、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなどの暴力には、人類の残虐性、サディスティックなふるまいに快感を覚える(優越感に浸る)という側面があります。
 人は、人を屈服させること、つまり、自分の力を誇示することで、渇望感が満たされる(承認欲求が満たされる)のです。
 なぜなら、優越感に浸ることで、自尊感情や自己肯定感を高めることができるからです。
 暴力により得られる高揚感・恍惚感・優越感は、“快楽”を司る中枢(脳内報酬系)が刺激される中毒性によるものであり、暴力をエスカレートさせていく原因となります。
 このことが、暴力の強烈な刺激欲求に対しては、「人とどうかかわるかといった“認知の歪み(考え方の癖)”に対するアプローチ(加害者更生プログラム)」だけでは対応できない要因となっています。
 古代オリンピックがおこなわれていた時代とは違うものの、その競技(学力や演奏など含む)で一番は誰かを競い、その一番の者はどこの国かを誇らかに自慢する(優越感に浸る)ことは、仲間意識(国家、民族、主義)を高める、つまり、「士気高揚」ということばの通り、一体感や団結心を強化する役割を担っているわけです。
 「戦いを好む種」「戦いに歓喜する種」である人類は、怒りや不満の感情を「筋肉を動かすことによるエネルギーの消費」や「戦いに歓喜する」ことによって解放します。
 そのため、書物、映画などの映像で、「正義と悪」「グループとグループ」という構図で戦うのを読んだり、見たり、あるいは、戦ったり競ったりするゲームで遊んだり、囲碁などで戦うことは重要な役割を担ってきました。特に、直接体を動かす、つまり、筋肉を動かす農作業や家事、そして、スポーツは「苛立ち」「怒り」のエネルギーの解消には不可欠です。
 例えば、骨折や障害、疾病によりからだが不自由になったとき、これまでできたことが思うようにできなくなったとき、イライラが募り、大声をあげたり(声帯の筋肉を動かす)、物を投げたり、叩いたり、蹴ったりするのは、筋肉を動かすこと(射精行為も含まれます)ことで苛立ちのエネルギーを放出するためです。
 この理解は、「なぜ、人は殺し合うのか」ではなく、「どうすれば、人は人を殺し合わなくなるか」「どうすれば、人は人を傷つけなくなるか」という視点、つまり、「殺戮本能、征服・支配欲に満ちた人間の本性をどうしたら抑制・抑止することができるか」、「どういう状況下で、人は人間の本性が抑制・抑止できなくなるのか」という視点・考え方に通じるものです。
 それは、第一に、「文明」として、コミュニティの中での秩序をもたらすための「ルール」「法」をつくること、第二に、人類の殺戮闘争本能を抑制するための「歓喜することができる楽しみ(スポーツ、観劇などの娯楽)」を造りだし提供することでした。
 ルールや法(規制)は、破った者、つまり、コミュニティを危機にさらす者、危険を招く者として罰するためにつくられていきました。
 コニュニティを危機にさらす者、危険を招く者とは、人を殺したり傷つけた(殺人・障害・暴行・強姦)者、嘘や偽りの話で人を騙したり、力づくで人のものを奪った(略奪・搾取)者、そして、働かない者や働けなくなった者などです。
 このとき、本来、効果的に狩猟をおこなうための道具として発達させてきたナイフ、槍、弓といった武器は、同時に、ルールを破った者を罰する道具となっていきました。
 20人、50人、200人と統治できるコミュニティの大きさ(人数)は、逃げだそうとするルール破りの者に対してナイフや槍を投げつける、弓を飛ばすという行為に比例したのです。
 つまり、人類が武器を発達させてきた歴史は、狩りで負傷するリスクを軽減させ、効果的に狩りを成功させるためだけでなく、コミュニティの統治としても必要不可欠なものだったのです。
 そして、人類は、鉄砲、大砲、ロケット爆弾、そして、原子爆弾を開発していきました。
 一方で、殺戮・征服・支配欲の満ちた本能に満ちた無秩序な社会や家庭環境、つまり、戦争や紛争、飢餓、差別のある社会、虐待やDVのある家庭環境で、子どもが育つことは、脳の発達経緯、つまり、脳機能の獲得に大きな影響を及ぼすことになりました。
 その差は、暴力に順応した脳機能を獲得するか、暴力に頼らない脳機能を獲得するかです。
 そして、その影響は、殺戮・征服・支配欲に満ちた本能を抑制・抑止する脳機能を奪うことです。
 虐待やDVの目撃など、日常的に恐怖にさらされ、親に守られていないと、自分で自分を守ろうとすることから、恐怖、危険から逃れるためのその場限りの反射的行動が主になってしまいます。
 その結果、「コミュニケーション能力」や「感情コントロール」を司る前頭葉の機能の発達が損なわれることになるなど、脳機能の獲得に多くの障害を及ぼします。
 そこで、日本社会で深刻な問題になっているストーカー殺人事件、そして、監禁事件、凄惨な無差別殺人事件をおこした加害者像は、「暴力のある家庭環境で育ったことによって心を蝕まれ、人格の歪み、認知の歪みにもとづいたふるまい」=「脳機能の獲得に支障が生じ、現代のコミュニティで、安全で安心できる生活環境を脅かすリスクを回避する法・ルール(規制)や道徳・倫理観といった規範を獲得できなかった者によるふるまい」、あるいは、「法やルール(規制)や道徳・倫理観といった規範は理解しているものの、ある刺激に対して脳が暴走しコントロールができない者によるふるまい」と認識することができれば、デートDV・DVやパワーハラスメントに及ぶ加害者は、“同じグループ(範疇)に属する”ことを理解できると思います。
 つまり、デートDV・DV、虐待、殺人、レイプ、監禁、いじめ、差別、体罰、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントなど、本来対等であるはずの関係性に、上下の関係、支配と従属の関係を成り立たせるために“力(パワー)”を行使する人物に共通するのは、程度の差はあれ、暴力のある家庭環境(過干渉・過保護、教育的虐待を含む)で育っているということです。
 なぜなら、人の脳は、生存したその環境に適応するために必要とされる機能が発達する、つまり、人は、育つ家庭環境やコミュニティで生存するために必要な脳の機能を発達させ、必要ない脳の機能は発達させないのです。その結果、暴力のある環境に合った脳の機能がつくられ、暴力による関係性を成り立たせることによって承認欲求が満たされ、心が安定できるのです。
 このような捉え方によって、加害者の人物特性を明らかにし、理解することによって、こうした特性を持つ人物への対策を講じることができます。
 「どうすれば、人は人を殺さなくなるのか」「どうすれば、人は暴力で人を傷つけなくなるのか」に対する明確な解を示すことができるのです。
 それは、「DVを目撃して暮らしている子どもが、DVの最大の被害者である」との認識下では、戦争・紛争のある国や地域で子どもを育てないこと、暴力ある家庭環境で子どもを育てないことです。
 つまり、暴力のある家庭環境で暮らす子ども、貧困下にある子どもを早期に発見し、一刻も早くその家庭に介入して支援することです。


[Ⅶ-20]<ことば>プレス。道徳・教養、思考。心の肥やしを「知識のひきだし」にhttp://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-43.html
 暴力のある家庭環境では、ふるまいや言動だけでなく、人そのものを否定し、非難・避難し、侮蔑し、卑下することば、大声で罵倒する汚いことば、自分のふるまいや言動だけを正当化するための嘘や偽りに塗り固められたことば、自分の楽しみを満たすためのからかいひやかすことば、人を貶めたり騙したりすることばなどを日常的に見聞きして暮らし、人を敬い、慈しみ、労わることばを見聞きする機会が奪われてしまいます。
 親の豊かな感情を表現したことば、親の幅広い知識にもとづいたことばが、子どもになげられているかという問題は、子どものことばの獲得に大きな影響と差を及ぼすことになるという意味で重要です。
 子どもは、親が使っていることばを真似て覚え、使うのです。
 そして、いまの自分の気持ち(感情)や考え、つまり、いま自分がどう思っているか、どう感じているか、いま自分がどうしたいのかを表すことばの語彙数は重要な意味を持ちます。
 なぜなら、いまの自分の気持ちや考えをことばにすることができないと、人の脳は強烈なストレスを感じ、その苛立ち(イライラ)は、癇癪(暴力)とつながるからです。
 その暴力は、他者に向けられるものだけでなく、リストカットや過食嘔吐、ODといった自傷行為として自身にも向けられることになります。
 戦争や紛争後、その国や地域ではインフラとして最優先課題となるのが、子どもたちが学ぶ学校をつくり、子どもたちにことばを教える、つまり、子どもたりに教育をすることです。
 なぜなら、子どもたちが、いまの自分の気持ち(感情)や考えをことばにし、人に伝える技能を身につけることが、戦争や紛争後、争いのない社会をつくる礎になるもっとも重要なとり組みだからです。
 子どもを持つ親や子どもと接する大人がどうあるべきなのかを示す“真”が述べられているドロシー・L・ノルテの「子どもはわたしの鏡」という詩を紹介したいと思います。
子どもは批判といっしょに住めば、人を批判することを学び
敵意といっしょに住めば、反抗することを学ぶ
子どもは嘲笑といっしょに住めば、引っ込み思案になることを学び
恥辱といっしょに住めば、自分を責めることを学ぶ
一方、子どもは励ましと一緒に住めば、自信を持つことを学び
賞賛といっしょに住めば、感謝することを学ぶ
子どもは公正といっしょに住めば、正義を学び
安全といっしょに住めば、人を信じることを学ぶ
子どもは容認といっしょに住めば、自分を愛するようになり
受容といっしょに住めば、周囲に愛を見いだすことを学ぶのだ
 私たちは、自分の気持ちを人に伝えるための多くのことば、人との関係性を豊かにするための多くのことばを身につけることで、考える幅や深さが広がります。
 つまり、多様なことばを身につけることは、人生を広げることにつながります。


[Ⅶ-21]<脳とからだ・人類の発達。医療の最新治療>プレス。http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-47.html
 多くの人は、犯罪や暴力事件がおきるとその原因や理由を解明しようと努めます。
 それは、平和な状態こそが人間にとってあたり前(自然)で、犯罪や事件は異常な状態だという認識を持っているからです。
 しかし、この認識は本当に正しいのでしょうか?
 人を殺したり傷つけたりすること(殺人・障害・暴行・強姦など)、嘘や偽りの話で人を騙したり、力づくで人のものを奪ったり、のしあがったり、牛耳ったり(略奪・搾取、権力・支配)すること、異なるものをとり除こうとしたり(差別・排除)することといった人の行為の捉え方について、自ら「賢い人」「知恵のある人」という意味のホモサピエンスと名づけた人類は、進化の過程で、“人を殺す人”として幾つもの原型種を滅ぼしたり、交配したりして凌駕・駆逐したりしながら歩んできました。
 したがって、こうした「人類の歴史観」と、人類の脳は、生存している環境に合った脳の機能がつくられるという「脳の発達論」の見地から、この問題の本質を提示しておくことは重要です。
 「人類の歴史観」や「脳の発達論」を理解することの重要性は、第一に、「人が人を殺す」、「人が人を傷つける暴力(戦争などを含む)という行為が、いつ、どのような状況で生まれ、その結果、人の脳に多くの影響を及ぼしてきたことです。
 そして、第二に、明治維新、日清日露・第1次世界大戦を経て第2次世界大戦に突入し、本土空襲、沖縄戦、広島と長崎への原爆投下を経て終戦を迎えた日本は、戦後の70年で産業構造は激変し、この40-20年で情報化、飽食化が著しく進むなど、人類史上いまだ体験したことがないほど社会に中毒性のある物質(食品や薬品)や刺激が溢れかえり、そのことが、人類の脳に異常な状況をもたらしていることです。
 人類(ホモサピエンス)の長い歴史をふり返ってみると、人は生き延び、種を繋げるために、人を殺し、人のもの(領土、食料、人など)を奪い、異なる人種やコミュニティ、そして、異なる考えを排除してきました。
 15万年ほど前に東アフリカで細々と捕食者(肉食獣)に怯えながら暮らしていたサピエンスは、7万年ほど前になると、地球上のあらゆる場所に進出し、他の人類を絶滅に追い込んでいきました。
 解剖学的には、太古のサピエンスと現代の人間には大きな違いはなく、7万年前を境にサピエンスの“認知的能力”に劇的な変化が生じ、脳の構造が変わったと推察されています。
 その認知的能力とは、想像的にものごとを認知し、仲間に伝え、行動に移す力のことです。
 例えば、「気をつけろ、ライオンだ!」ということばを操れる人類は他にもいましたが、「ライオンは、わが部族の守護霊だ。」と話すことができる人類はサピエンスだけでした。
 関連性を想像するといった認知的能力を備えた脳の構造に変化したことにより、サピエンスは、複雑な社会を形成することが可能になったとされています。
 そして、1万年ほど前に植物の栽培と動物の家畜化がはじまり、人類は定住生活をするようになり、土地や地域を所有する概念が生まれました。
 とはいっても、狩猟採集民は1日わずか数時間の労働で十分な食料を手にできるなど自然の様々な食材を手にできましたが、一方の初期の農耕民は、単一、あるいは、少ない種類の作物に依存していたため、飢饉にみまわれるなど劣悪な生活環境でした。
 農耕民は、長い歴史の多くの期間を飢饉の恐怖と栄養不足、そして、重労働という苦みに直面し続けなければなりませんでした。
 しかし、生存率があがり、コニュニティの拡大、つまり、多くの人口を賄い、コミュニティを安定させ、維持していくためには、植物の栽培と動物の家畜化は必要不可欠でした。
 このとき、重大な役割を担ったのが、中東のごく限られた地域に自生する弱い立場の草にしかすぎなかった「小麦」の栽培でした。
 小麦は、いうまでもなく「炭水化物(ブドウ糖=糖質)」で、糖は脳の唯一のエネルギー源です。
 しかし、この炭水化物(ブドウ糖=糖質)は、コカインが作用する脳の同じ部位に刺激を与える物質です。
 脳には、側坐核や腹側被蓋野の部位に快楽(幸せを感じる)を司る中枢(脳内報酬系)が存在します。
 ここでドーパミン放出を促し快感が生じると、それが刺激となり、依存症や中毒状態となります。
 そして、この糖質の甘さの方が、そのコカインよりも脳内報酬系を刺激するのです。
 つまり、糖質(炭水化物)はコカインよりも中毒性が高い物質ということになります。
 人の脳は、ある種の物質(食品や薬物)の摂取や刺激によって多幸感を感じたり(正の強化効果)、不安や苦痛から解放されたり(負の強化効果)すると、再び、その物質(食品や薬物)の摂取や刺激を探し求めます(薬物探索行動)。
 つまり、人の脳は、ある種の物質(食品や薬物)や刺激がもたらす正の強化効果や負の強化効果を求めはじめると、ある種の物質(食品や薬物)の摂取や刺激の要求には、自分の意志でコントロールすることができないのです(自己抑制の破綻)。
 結果として、ある種の物質(食品や薬物)の摂取や刺激の獲得を繰り返すことになるのです。
 そして、常用(連用)するにしたがい、ある種の物質(食品や薬物)の摂取や刺激に対する欲求はますます激しくなり“強迫的な使用(精神依存)”へと拍車がかかってきます。
 ここでいう“刺激”には、乳幼児が養育者(親など)に守られる安全で、安心感にあふれた心地よさが含まれます。
 もし、乳幼児期、養育者に守られる安全で、安心感にあふれた心地よさという“快感”を味わうことができなければ、脳は、この“心地よさ(快感)”に対して、常に渇望状態になり、満たされなかった心地よさを求め続ける、つまり、強烈な承認欲求を満たそうと試みることになります。
 思春期後期-青年期前期になると、親から得られなかった「守られ、大切にされる心地よさ(快感)」を、自分が乳幼児だったころ親の年代の異性や大人に対し、やり直しを求めるようになるのは、強烈な承認欲求を満たす試みです。
 乳幼児期に満たされず、思い残しが燻る「心地よさ(快感)」や「承認される」といった“欲求(刺激)”の追及は、自分の意志でコントロールできるものではなく、心の底からマグマが噴きあがってくるかのような激しいものです。
 そして、乳幼児期に、この承認欲求が満たされない、つまり、存在を認められない、受け入れられなかった「見捨てられ不安」として、生存している限り、果てがないもので決して尽きることはないものです。
 小麦を栽培し常用する術を手に入れた人類の脳は、コカイン中毒者と同様に、小麦が得られないとき、快楽を求める渇望(中毒症状)をひきおこしてしまうことになりました。
 その結果、コニュニティの安定をはかり、維持していくためには、小麦を栽培する農地を拡大し、生産量を増やさなければならなくなくなったことから、人類は、豊かな土地を求めたり、農地改良や品種改良、そして、精製技術の発達に必死にとり組んだりするようになったのです。
 これが、人類が「より豊かな生活を求める」「より楽に手に入れる方法を求める」という欲求の原型です。
 今日では、この欲求を満たすプロセスに対して惜しまない努力のことを“向上心”と呼びます。
 人類は、ドングリなど木の実に加え、果物やハチミツなどの一糖類、稗や粟、蕎麦、そして、小麦や米の栽培(農耕)により、脳の新たなエネルギー源であるブドウ糖(多糖類)の日常的な摂取を獲得したことにより、人類の大脳を劇的に発展させました。
 その一方で、快楽を司る中枢が刺激されることから、快感を求めて無意識に炭水化物(ブドウ糖=糖質)を求め、摂取が途切れるとイライラ感や無力感などの禁断症状を示す脳をつくりあげました。
 このことは、小麦の安定供給を求めて他の農耕地や生産物を力でもって奪い合う、つまり、コミュニティとして、狩りの方法や技能を戦いに生かし、逆に、守りを固める防御の技能を高めることになりました。
 さらに、より効果的に体内にとり込もうとする(少しでも早くブドウ糖に転換し血糖値をあげ、脳に多幸感を与える)欲求(モチベーション)は、石器で砕き焼くなど加工して食べるといった“精製技術”を劇的に向上させていきました。
 精製技術の発達により、白米や白砂糖(二糖類;黒砂糖を精製したもので、食品ではなく薬品分類)が使われた加工食品などを口に入れた瞬間に甘さを感じ、「おいしい」と多幸感に満たされる状況がつくられていきました。
 本来、赤道直下の熱帯地域で栽培されるサトウキビ(黒砂糖)やタロイモなどは、体を冷やす物質です。
 本来生息していない寒冷地域や温暖地域で生活する人にとって、食物の摂取による冷えは、体にとって危機(危険のシグナル)であることから、アドレナリンを放出させ、一方で、カロリー過多を生じさせます。
 逆に、寒冷地域で生活する人は、多くのエネルギー(熱量)が必要となることから肉や乳製品など動物性タンパクを必要としますが、温暖地域や熱帯地域で生活するには、寒冷地域ほどのエネルギー(熱量)は必要ないことからカロリー過多となり肥満を生みだします。
 この状況が巷に溢れている今日、脳は、快楽を司る中枢が常に激しく刺激され中毒状態、つまり、「脳が多幸感と渇望感を繰り返す(加えて、アドレナリンにより危機と安定を繰り返す)=精神的にアンバランスな状態になる=感情の起伏が激しくなる状態」になりました。
 精神(脳)の安定には、多幸感と渇望感の差(ふり幅)は小さく留めることが望ましい、つまり、できるだけ時間をかけてゆっくり糖が吸収されるように、元来あるミネラルやビタミン、食物繊維などが精製(精白)されず、浸透性の遅い食品を供給することが望ましいのです。
 約400万年前に分化し、人類と遺伝子の99%を同じくし、果物や種子などを主食とする一方で、他の哺乳類(捕獲量の80%はアカコロブスというサル)を集団で襲うなど5%の肉を食し、肉食獣と同じく猛獣と分類されるチンパンジーは、仲間と食料を分かち合う一方で、グループ内での権力争いや他のグループとのテリトリー争いでは、300kgに達する握力と発達した犬歯を武器に戦うだけでなく、棒など道具を用いて「集団リンチ」で撲殺し、その肉を食らう残虐性を持ち合わせています。
 新たにボスの座に就いたオスは、前のボスの子どもを殺し血脈を断ち、時に殺害した子どもを食します。
 それより前の約1000万年前に、人類の祖先は、ゴリラから分化したとされていますが、森の王者と称えられてきたベジタリアンのゴリラは、胸を叩いて威嚇して力を誇示し合うことで雄同士の争い、つまり、殺し合うという行為を避けてきました。
 それは、“種”を絶やさないための自制に他ならず、ゴリラが数百万年もの時を経て今日まで生き延びることができた大きな要因となっています。
 人のゲノム(全遺伝情報)の15%は、チンパンジーのものよりもゴリラのDNAに近く、チンパンジーのゲノムも、その15%は人よりゴリラに近かいことがわかっています。
 このことは、霊長類は長い期間をかけ、緩やかな段階を経て分岐していったことを示唆するものです。
 つまり、人類は、チンパンジーのように多種や同種を殺傷する、つまり、「人を殺す人」としての“残虐性”に加え、ゴリラのように種を絶やさないために自制する“術”を持ち合わせていることになります。人類の種を絶やさないための自制する“術”は、法やルール(規制)であり、倫理・道徳観といった規範ということになります。
 人の高揚感や多幸感は、第一に、自己利益のために人を殺したり、富を奪ったり、力を誇示したりすることで得られ、第二に、想像的にものごとを認知し、それを仲間に伝え、行動に移す能力によって農耕や飼育の生産性を飛躍的に高めることができ、結果としての“報酬”を獲得したとき、新しい技術を生みだしたり、工夫や改善をしたり、中心的な役割を担ったりするなど貢献したことで得られます。
 つまり、自分の力を自分自身で確認できたときと、自分の力を周りの者やコミュニティが認めることで確認できたときに、人は多幸感を覚えるわけです。
 ゲノムでは、チンパンジーよりもゴリラに近く、7万年前に想像的にものごとを認知し、仲間に伝え、行動に移す力を獲得するなど脳の構造を劇的に変化させることになった人類の祖先は、その後、一定の権利を守るために、ルールをつくり、相互にルールを守ることで、種を滅ぼす争いを避けてきました。
 しかし同時に、小麦の栽培をはじめ農耕の発達、食への追及は、特定の物質(食品や薬物)や刺激に対して中毒症状を示してしまう脳の構造をつくりあげました。その結果、人類は、小麦の栽培に適した土地を、人を殺したり、騙したりして奪い、または、生産性を高める工夫と努力をして増やしてきました。
 このとき、快楽(幸せを感じる)を司る中枢(脳内報酬系)が、炭水化物(ブドウ糖=糖質)の摂取により刺激され、常用されることで、より炭水化物(ブドウ糖=糖質)の摂取を求めた脳の働きは、神経伝達物質のβエルドルフィンが大きな役割を担ってきました。
 そこで、神経伝達物質βエルドルフィンと中毒性のある物質(食品や薬物)や刺激との関連性について、少し理解しておく必要があります。
 βエルドルフィンは、内在性鎮痛系にかかわり、多幸感をもたらす神経伝達物質で、脳内の「報酬系」に多く分布するものです。つまり、“快楽”の神経伝達物質として働いています。
 そして、βエルドルフィンは、麻薬のモルヒネ同様の作用を示すことから、脳内モルヒネ(脳内麻薬)といわれています。
 βエルドルフィンには、強直な鎮痛作用の他、抗ストレス作用、忍耐力増強、免疫増強などの効果があります。体内に大きな病気があると、脳は快楽物質であるβエンドルフィンを大量に放出してストレスを和らげようとします。
 モルヒネは“身体依存”に陥らせることから、依存した状態で薬物を中断すると、呼吸停止や痙攣を含めた激しい禁断症状が現れます。
 この不快な禁断症状から回避・離脱するために、再び、薬物(モルヒネ)の摂取を試みるようになり、脳に依存が形成されます。
 つまり、人類は、小麦の栽培により、常用的に炭水化物(ブドウ糖=糖質)を摂取するようになったことで炭水化物中毒になり、同時に、βエルドルフィンの分泌により、炭水化物(ブドウ糖=糖質)の摂取が不足すると禁断症状がみられるようになったわけです。
 この禁断症状にみまわれる人類の脳は、以降、より強い刺激(快楽)を追い求め続けてきました。
 βエルドルフィンは、おいしいものを食べたときや性行為のとき、そして、肉体的な痛み、疲労感の高まりなど脳内でストレスを感じるとき、脳下垂体から分泌されます。
 つまり、人の脳は、心地よさ(快感・多幸感)を感じるとβエルドルフィンが分泌され、その快感・多幸感を高めますが、一方で、過剰なストレスを受け、ノルアドレナリンが暴走したとき、βエルドルフィンを分泌して体を守ろうとします。
 例えば、ギャンブル、リストカット、過食嘔吐、車の暴走などの自傷行為でもβエルドルフィンは分泌され、やめられない要因となっています。
 マラソンなどのスポーツで、苦しい状態が一定時間以上続くと、脳内でそのストレスを軽減するためにβエルドルフィンが分泌されます。
 苦しいあと爽快感(快感)や陶酔感を覚える「ランナーズハイ」は、βエルドルフィンの分泌によるものです。
 つまり、「苦しんだあとの達成感は、危険(ストレス)を感じた脳がβエルドルフィンを分泌させた」ことによるものです。
 「過剰なストレス(危険)から体を守るためにβエルドルフィンが分泌され、快楽(報酬系)が刺激されることから病みつきになり、止められなくなり、依存していく」ことになるのです。
 からだが外的(危険)を察知したとき、脳内物質のドーパミンが分泌されますが、その直後、麻薬物質のβエルドルフィンが分泌されます。
 戦い(争い)に挑むことは、死に直面することから、人類は、死の恐怖を緩和するために、麻薬物質のβエルドルフィを分泌します。
 戦いやスポーツによる激しいぶつかり合いなどで負傷したとき、強い痛みを感じずに戦いやスポーツを続けられるのも、ドーパミンやアドレナリンの分泌よるものでなく、モルヒネの6.5倍の鎮痛効果があるβエルドルフィンの作用によるものです。
 以上のように、βエルドルフィンの働きの特性は、生存(身を守る)のために危害を及ぼす者を排除(殺害、略奪など)したときにも快感(多幸感)を与え、「報酬」による快楽が大きければ大きいほど、再び「報酬」による快楽を求めることです。


[Ⅶ-22] 3.11-<震災・地震/火山/氾濫>トラウマ。命と心を守る http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-42.html
[Ⅶ-22] 3.11-<原発被爆・放射能汚染>不安。命と心を守る知識と技術。http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-55.html
 平成7年に起きたオウム真理教による地下鉄サリン事件の被害者の約3割は、20年経過した平成27年、いまだにPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状に苦しんでいます。
 自然災害に被災したり、交通事故に巻き込まれたり、レイプなどの性暴力を受けたり、暴行を加えられて傷害を負ったりすると、人は、いままで見ていた景色がある日突然一変し、あたり前だった安全な日常が崩れ落ちていきます。
 そして、恐怖体験による心の傷(トラウマ)が残ると、悪夢にうなされたり、繰り返しトラウマ体験が思いだされたり、その場所に近づくことができなくなったり、感情が麻痺してしまったりするなどのASD(急性ストレス障害)の症状がおこります。
 このASDの症状が1ヶ月以上続くと、PTSDと診断されます。
 いつまでも残り続けるトラウマ、凍ったままの記憶を再処理することが、治療の大きなカギとなります。
 こうした単回性のトラウマ体験に加え、虐待やDV、いじめなど、慢性反復的な(日常的に繰り返される)トラウマ体験は、解離症状、認知や人格の歪みまでダメージが及ぶなど、さらに深刻な事態を招きます。
 東日本大震災から2年経過した平成25年、各新聞社は「東日本大震災の被災地で、配偶者間暴力(DV)が深刻化しています。
 狭い仮設住宅に妻たちの逃げ場はなく暴力は激化。先が見えない避難生活が続く中、夫婦関係が悪化するなどし、福島県では2012年(平成24年)、警察へのDV相談件数が過去最多になった。」と報じました。
 福島県警には平成24年、前年比64%増の840件、宮城県警にも同33%増の1856件のDV相談があり、いずれも過去最高を更新し、一方で、岩手県警への相談は同2%減の298件でした。
 相談件数が減った岩手県は、震災後、相談の半数以上は内陸の盛岡市内の窓口に寄せられており、被災した沿岸部は支援体制が不十分で、被害者が孤立しているだけと分析されています。
 全国の警察が把握した件数(平成24年1-8月)の伸び率が25%であることを考えると、福島県の前年比64%増というのは突出していることがわかります。
 産経新聞では、「東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の東北3県沿岸部、つまり、津波被害を受けた土地で児童虐待対応件数が増加し、その中で、福島第一原発のある“浜通り地方”を管轄する浜児童相談所の管内で前年比2倍以上の増加がみられ、突出している。」と記しています。
 浜児童相談所・南相馬相談室では「不適切な養育状況にあり、支援が必要と判断した“虐待受付け”件数は前年度73%増」となっている一方で、「被災した沿岸部は支援体制が不十分」と指摘しています。
 毎日新聞では、「子が親の暴力を目の前で見るといった心理的虐待が全体の6割を占めた。」と記しています。
 この親のDVなどを見て心が傷つく心理的(精神的)な虐待(面前DV)は、宮城県警で同42%増の155件にのぼっています。
 これまでの広い家から狭い仮設住宅に移ったことで、被害女性らが隠れ難くなり、より粗暴な事例が増えていると指摘しています。
 また、失業した夫が東京電力の賠償金を浪費してしまう経済的な暴力も目立っているといいます。
 同年の児童虐待取扱数は、宮城県警も同34%増の254件と過去最高を記録し、岩手県警は同11%増の144件となっている中で、福島県警で前年比76%増の109件と突出しています。
 以上の状況は、「震災後2年のことであり、これから月日が経てば、増加した児童虐待やDV被害数は減少に転じるだろう」と考える人がいるかもしれませんが、その考え方は間違いです。
 なぜなら、地震や火災、事故などによるトラウマ体験(単回性)によって発症するPTSDは、2-3年、10年経過してもひとつのきっかけで凍結されてきた記憶が呼び起こされ、フラッシュバックなどのパニックアタックをおこしたり、強いうつ症状をみせたりする可能性のあるものだからです。
 つまり、PTSDには“晩発性”という特性があることから、時間の経過に伴い、被災地における児童虐待やDV被害の増加は留まるというものではないのです。
 東日本大震災から2年経過した平成25年4月以降、福島県相馬市メンタルクリニックなごみで2代目の院長を務める精神科医蟻塚亮二(69歳)医師は、2000人以上の被災者の診察を続ける中で、「通院により不眠が改善した男性が、北海道旅行にでかけたとき、漆黒の闇夜を目にした瞬間、11年3月11日の夜の記憶が戦慄とともにフラッシュバックし卒倒しかけた。」ケースをとりあげ、「津波にのみ込まれた出来事は、あまりにも強烈で、脳内の意識下に刻み込まれ、似たような場面や音、匂いに反応し、“いまの私の中”に飛び込んできて、その瞬間にひき戻されてしまう。」、「震災から2年ほど過ぎてから、身内やペットの死、緊張がフッと緩んだとき、突然、PTSDの症状が表面化しはじめている被災者が増加しているのが、被災地の現状だ。」と述べています。
 平成7年1月17日におきた阪神淡路大震災においても、兵庫県のDV相談は急増しました。
 阪神淡路大震災の前年の平成6年度のDV相談は39件でしたが、大震災の翌年は74件で1.8倍、2年後(平成9年)は138件となり、3年で3.5倍になっています。
 当時、支援にあたった「ウィメンズネット・神戸」は、「震災後の大変な時期は、家庭の問題だからと遠慮する人も少なくなかった。」と述べているように、DV被害に耐え続けたものの、2年3年と暴力が収まることはなく、耐えきれなくなり相談に訪れていることも、DV相談の増加の要因になった分析されています。
 その阪神淡路地区では、16年前に被災した人たちの多くが、東日本大震災直後に繰り返し放映された津波被害の映像を目にしたことで、当時の恐怖心が鮮明に蘇り、フラッシュバックなどPTSDの症状に苦しむことになりました。
 「長い間、凍結されてきたトラウマ体験が突然表出する」ことがある“晩発性”こそが、PTSDの典型的な特性なのです。
 そして、平成28年4月14日以降、熊本県と大分県で震度7-震度5の地震が相次いで発生したときには、東日本大震災の“揺れ”を体験した人たちの多くが、テレビで緊急地震情報の警戒音が鳴るたびにドキッとし動悸や不安感にみまわれました。
 PTSDの厄介のところは、瞬間冷凍されたトラウマ体験から10年-30年と経過していても、瞬間冷凍されていた記憶が、なんらかのきっかけで瞬間解凍され、トラウマ体験時にひき戻される(フラッシュバック)可能性がある、つまり、爆弾をずっと抱えているということです。
 例えば、出勤途中に交通事故を目撃した女性が、交通事故をおこした車から額から血を垂らした女性がでてきたのを目にした瞬間、子どものころに目にした「父親に殴られ額から出血していた母親の顔」が鮮明に思いだされ、それ以降、重いPTSDの症状に悩まされ、出勤することができなくなり、退職せざるをえなくなったケース、結婚して数年経ったある日、夫婦でのセックスの最中、自分のうえにのしかかってきた瞬間に過去のレイプ体験が瞬間解凍されてフラッシュバックを起こし、夫を蹴り飛ばし女性は、PTSDを発症し、夫とセックスできなくなっただけでなく、普通に男性が行き来する道や店舗などが怖く外出することもできなくなったケースなど、過去のトラウマ体験は、予兆もなく突然表出する特性があります。
 そして、阪神淡路大震災後、その虐待や面前DVを受けて育った子どもたちが成長過程で、親の世代とともに心の問題に苦しんだり、凄惨な事件を起こしたり、さらに、被災体験をした子どもたちが親の世代になったときに、虐待やDVを増加させたりする“世代間連鎖”を伴います。
 阪神淡路大震災から19年経過し、震災時小中学校だった子どもが親になりつつある平成26年、兵庫県警がこども家庭センター(児童相談所)に、「児童虐待の疑いがある」として通告された子どものうち、「心理的な虐待の人数は、過去5年で25倍に増加、特に、家族が暴力をふるわれている光景を目撃する面前DVが急増している。」と兵庫県警が報じています。
 平成26年、兵庫県警が児童虐待防止法にもとづいて通告したのは、過去最多の727人(前年比255人増)で、暴行などを受けた「身体的虐待」が289人(同49人増)と最多、暴言を浴びせられるなどの「心理的虐待」が229人(同126人増)、「養育拒否・怠慢(ネグレクト)」が195人(同76人増)となっています。
 家族らが暴言を浴びせられたりする場面に遭遇する面前DVは、記録が残る同24年は13人でしたが、2年後の同26年は193人に増え、心理的虐待の84%を占めています。
 つまり、阪神淡路大震災後に増加した児童虐待とDV被害は、被虐待児童を増加させることになり、被虐待体験をした児童が成長し、自身の子どもを持つ年代に達したとき、再び、児童虐待とDV被害が急増することになったのです。
 ここに、「震災体験を契機とした暴力の世代間連鎖」の実情が明らかになりつつあります。
 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故に関連する自殺者は、平成23年55人(福島10人:18.2%)、平成24年24人(福島13人:54.2%)、平成25年38人(福島23人:60.5%)、平成26年22人(福島15人:68.2%)、平成27年5月まで、宮城県40人、岩手県33人、福島県69人となっています。
 同年同月までの関連自殺者数、宮城県、岩手県では各1人と減少している中で、福島県では8人と突出しています。
 また、肉体・精神的疲労が原因とされる関連死は、平成26年3月31日現在1,632人で、福島761人、宮城636人、岩手193人で、約50%が被災後1ヶ月以内で亡くなり、約90%が66歳以上の方です。
 地震や津波などの直接的な理由とは別に、避難生活のストレスによる体調悪化や過労などの間接的原因で死亡(自死を含む)する「震災関連死」は、被災者が抱えるストレスの程度を示すひとつの指標となるものですが、阪神淡路大震災後、兵庫県は919人の関連死を認定、東日本大震災では、震災後5年経過した平成28年3月時点で、10都県の3472人が認定されています。
 東日本大震災で近親者を亡くしたというだけでなく、瓦礫をのみ込んだ津波に巻き込まれ亡くなった方の傷ついた遺体を目の当たりにした人々が受けた強烈なストレス、さらに、慢性反復的に暴力を受けた人たち、暴力のある家庭環境で育った子どもたちが抱える強烈なストレスは、戦時下で空爆を受け、傷ついた遺体や焼死した遺体を目の当たりした被災した人たち、戦地や紛争地で殺さなければ殺されるといった狂喜な世界から帰還した兵士の人たちと同等です。
 戦時下で空襲を受け、死を目の当たりにした被災した人たちの心痛な丈が、平成21年、大阪大空襲被害から63年を経て国を提訴した「大阪空襲訴訟」で、原告のひとりの「意見陳述」に述べられています。
 それは、「死者を助ける手立ても機会もなく、一挙に焼き殺されて永遠に引き裂かれた両親兄弟などとの別れ、ある原告は数名もの肉親を一度に失っています。
 この愛する人々を失った衝撃の大きさは言語に尽くせません。それに重ねて家も財産も、家業も、はたまたは思い出のよすがも失い、二重三重に重なる重複的喪失感と、いつまでも持続する被災の恐怖、戦後放置された冷淡な国の態度への怒り、死者への悔恨と自分の救いの見えない懊悩、孤立感、そして耐え難い寂寞感、突然起こるトラウマによるフラッシュバック、これらの決して消失しない精神的不安定など、とても被害の深淵をいい尽くせません。」というものです。
 そして、東日本大震災から3年を控えた平成26年1月、厚生労働省研究班(研究代表者=呉繁夫・東北大教授)の岩手、宮城、福島3県で東日本大震災当時に保育園児だった子どもへの調査(保育園の3-5歳児クラスに在籍していた児童178人と保護者に対しアンケート・面接を、震災後1年半以降となる平成24年9月-同25年6月に実施)で、自宅が流出・全壊(25.4%)、自宅が部分破壊(25.4%)、避難所生活を経験(30.7%)、仮設住宅に入所(20.0%)、両親と一時離ればなれになった(38.9%)、家族や近い親類が死亡(9.8%)、友人や遠い親類が死亡(18.3%)、津波を目撃(43.9%)、遺体を目撃(2.8%)、火災を目撃(20.7%)といった“被災地での生活体験が原因”と考えられる「暴力やひきこもりなどの問題行動があり、精神的問題に関する医療的なケアが必要とされる児童が4人に1人(25.9%)に達する。」と報告しました。
 加えて、「被災地の子どもたちには、めまいや吐き気、頭痛、ののしり、押し黙りなどの症状があり、このまま医療的なケアを受けずにいると、学習や発育に障害がでる可能性が高い。」と警告しています。
 それだけでなく、阪神淡路大震災から19年後、児童虐待とDV被害が急増したように、震災体験を契機とした暴力の世代間連鎖の可能性が高いことを認識しておく必要があります。
 したがって、平成23年3月11日に発生した東日本大震災で被災した沿岸部におきている児童虐待やDV、そして、自殺者の増加は、“2次被災”ともいえる現象だという視点に立ち、いま、“これから”の問題にどのようにとり組んでいくのかがまさに問われるテーマなのです。
 沖縄戦から68年を経た被災者がそうであったように、うつ病と診断されているDV被害者や被虐待者は少なくないことから、被災後、うつ病と診断されている被災者の多くがPTSDを発症している可能性が高いと認識することは重要なことです。
 なぜなら、うつ症状だけでない、PTSD特有の症状に対してのケアが必要だからです。
 そして、被災地で虐待やDV被害が増加している事実は、その被災地では、「私が悪い」という自責の念に駆られ、自分を極端に責め、自己評価が低くなっている(認知の陰性変化)被災者が増加していることになります。
 自己評価の低さは、自分は価値のない人間だと思いとなり、非行に走ったり、繰り返し暴力をふるったり、または、ふるわれたり、犯罪に巻き込まれたりするなどあえて悪い方向に進んでしまうことにつながるわけです。
 したがって、私たちは、被災地で、再び、「負の連鎖」をおこさないように、いまできることにとり組まなければならないのです。

2012.5/24.6/20.8/18.9/9.10/9 加筆・修正
2012.9/23-26 新聞事件簿・カテゴリー改編
2012.11/19「はじめに(お知らせを含む)・ブログの構成と意図」を「はじめに(お知らせを含む)」と「ブログ「あなたは、夫からの暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?」の構成と意図」の二つに分け、再編成
2013.4/23 ブログ再構成・再編集による構成変更、加筆・修正
2013.11/25 加筆
2014.7/7 ブログの構成と意図(2014.5/10更新)を、「ブログの構成と意図(2014.7/7更新)」と「ブログの構成と意図②第三部 新聞事件簿(2014.5/10更新)」の二つに分け、再編成
2015.7/27 ブログ再構成・再編集による構成変更、加筆・修正
2016.10/20 ブログ再構成・再編集による構成変更、加筆・修正

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DV被害支援室poco a poco 庄司薫

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 ブログ『面前DVの早期発見、早期支援。あなたは、夫の暴力・DVを容認していませんか? 暴力のある家庭環境で暮らす子どもの心を守ることを忘れていませんか?』は、<小説用のテンプレート(パソコン用のブログ画面)>を使用しています。しかし、「小説ブログ」ではなく、「DV被害支援室poco a poco」の活動、つまり、「家庭内で、子どもたちが、DVを目撃したり(面前DV被害)、虐待されたりするなどの暴力で傷つかない。暴力を次の世代にひき継がせない」との考えのもと、暴力のある関係性を断ち切り、生活の再構築を望んでいる被害女性の方たちのサポートとして、「暴力のある環境に順応した考え方の癖の修正を踏まえながら、離婚調停などでDV被害を明らかにする(立証する)ために、現在に至る事実経過をまとめる」など、DV被害者支援に携わっている活動状況を主要記事として公開しています。
 また、「いま必要な情報を、ひとりでも多く、情報を必要としている人に届けたい」との思いで、DVと密接な関係にある虐待、性暴力、そして、これらの暴力による後遺症としての心の問題にかかわる情報(論文、新聞や雑誌の記事などを含む)を提供しています。
* 問合せ・相談、支援(サポート)の依頼については、カテゴリー「Ⅰ-I. 活動方針、DV・性暴力事案の問合せ・相談方法など(http://629143marine.blog118.fc2.com/blog-category-63.html)」にて確認ください。

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